加熱しても菜種油の健康効果は変わらないと思っていませんか?実は、高温で揚げ物に使い続けると酸化が進み、体に有害なアルデヒドが発生して健康効果がゼロどころかマイナスになります。
菜種油の健康効果を語るうえで、まず注目すべきはその脂肪酸の組成です。菜種油の脂肪酸構成は、オレイン酸が約60%、αリノレン酸(オメガ3系)が約10%、リノール酸(オメガ6系)が約20%という割合になっています。これはオリーブオイルと比べてもオメガ3脂肪酸の比率が高く、日本の家庭料理に合ったバランスといえます。
オレイン酸は、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を減らしながら善玉コレステロール(HDLコレステロール)は維持するという働きがあります。動脈硬化や心疾患のリスクを下げる効果が、複数の研究で示されています。毎日の食事で意識的に取り入れたい成分です。
αリノレン酸は体内でEPAやDHAに変換される必須脂肪酸で、炎症を抑えたり、血液をサラサラにする効果が期待できます。体内では作れません。食事から摂るしかないため、菜種油は非常に効率のよい供給源になります。
さらに菜種油にはビタミンEも含まれています。大さじ1杯(約14g)あたり約2.4mgのビタミンEを摂取でき、これは強力な抗酸化作用を持ち、細胞の酸化ダメージを防いでくれます。これは使えそうです。
| 成分 | 含有量(大さじ1あたり) | 主な効果 |
|---|---|---|
| オレイン酸 | 約8.4g | LDLコレステロール低下 |
| αリノレン酸 | 約1.4g | 血液サラサラ・炎症抑制 |
| リノール酸 | 約2.8g | 細胞膜の維持 |
| ビタミンE | 約2.4mg | 抗酸化・細胞保護 |
参考:食用油脂の脂肪酸組成や栄養成分に関する基礎データ(日本食品標準成分表2020年版)
文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
菜種油が体に良いというのは漠然と知っていても、「具体的に何がどう改善するの?」と疑問に感じる方も多いはずです。ここでは数字をもとに整理します。
コレステロールへの効果として、カナダの研究機関が行った臨床試験では、菜種油を主な油脂として摂取したグループが、飽和脂肪酸の多いバター食グループと比べて、LDLコレステロール値が平均で約10〜15%低下したと報告されています。10〜15%という数字は小さく聞こえますが、心疾患リスクに換算すると20〜30%の低下に相当すると言われています。これは大きな差です。
血圧については、菜種油に含まれるαリノレン酸が体内でEPAに変換され、血管壁の柔軟性を保つプロスタグランジンという物質の生成を助けます。血管が柔らかい状態を保つということですね。高血圧が気になる方には、毎日の炒め物を菜種油に切り替えるだけでも積み重ねの効果が期待できます。
血糖値に対しても、菜種油のオレイン酸が食後の血糖値上昇を緩やかにする効果があるとする研究報告があります。特に糖質の多い食事と一緒に摂取した場合に、血糖値スパイク(食後の急激な血糖上昇)を抑える効果が確認されています。炒め物や揚げ物だけでなく、ドレッシングとして野菜と一緒に摂るのも有効です。
参考:オレイン酸と心血管リスク・血糖コントロールに関する研究情報
日本静脈経腸栄養学会雑誌(J-STAGE)|脂質と栄養の臨床研究一覧
菜種油は加熱に強い油だと思われがちですが、使い方を間違えると健康効果が失われます。正しい知識が必要です。
菜種油の発煙点は約220〜230℃とされており、オリーブオイル(エクストラバージンで約160〜190℃)よりも高温調理に向いています。炒め物や揚げ物にも幅広く使えます。しかし「高温に強い=何度使っても大丈夫」ではありません。繰り返し加熱すると酸化が進み、トランス脂肪酸類似の有害物質や、アクロレイン・アルデヒドといった刺激性の化合物が生成されます。
揚げ油を「2〜3回使いまわす」という家庭は多いですが、揚げ物に使った菜種油を3回以上再利用するケースでは、酸化度の指標である過酸化物価が初回の約5倍以上に達することがあります。これは注意が必要です。目安として、揚げ油の再利用は2回までに抑え、色が濃くなったり煙が出やすくなってきたら交換のサインです。
炒め物では160〜180℃程度が適温です。フライパンが十分温まったら油を入れ、すぐに食材を加えることで無駄な空加熱を避けられます。「先に油を入れて長時間加熱する」のはダメです。1〜2分も空加熱するだけで急速に酸化が進むため、この習慣は今すぐ見直しましょう。
酸化した油かどうか手軽にチェックできる商品として、「油の酸化チェッカー」(家庭用の試験紙タイプ、500〜800円程度)が市販されています。揚げ油の管理が気になる場合は、一度試してみると安心です。
せっかく健康効果の高い菜種油を選んでも、保存の仕方が悪ければあっという間に酸化してしまいます。保存が鍵です。
菜種油が酸化する主な原因は「光・熱・空気」の3つです。スーパーでよく見かける透明なペットボトル容器の菜種油は見た目はわかりやすいですが、光による酸化が進みやすいという欠点があります。開封後は遮光性のある容器(茶色・緑色のガラス瓶など)に移し替えるか、箱に入れて保管するのが理想的です。
保存場所はコンロ横のラックが定番ですが、これは実はNG習慣です。コンロ周辺は調理中に50〜60℃以上になることがあり、熱による酸化が急速に進みます。常温保存なら直射日光が当たらない涼しい場所(20℃以下が理想)か、冷蔵庫の野菜室が最適です。冷蔵保存にすると開封後の酸化スピードが通常の約半分に抑えられるという研究結果もあります。
開封後の賞味期限については、メーカーの目安として「開封後1〜2ヶ月以内に使い切る」ことが推奨されています。大容量ボトルを買ってコスパを重視したつもりが、酸化した油を何ヶ月も使い続けているとしたら、健康効果どころか逆効果です。
使い切りやすいサイズ(200〜400ml程度)を選ぶか、小分けボトルに移して管理するのが実践的です。少量ずつ使えます。また、オイルポットで保管する場合は、ろ過フィルターを定期的(週1回程度)に交換し、ポット自体も月1回は洗浄することをおすすめします。
スーパーに並ぶ菜種油にはさまざまな種類があり、どれを選べば良いか迷いがちです。選び方で健康効果に差が出ます。
まず確認したいのが製造方法です。菜種油の抽出方法には主に「圧搾製法(コールドプレス)」と「溶剤抽出製法」の2種類があります。圧搾製法は菜種を物理的に搾って油を抽出する方法で、熱や化学溶剤を使わないため、ビタミンEやポリフェノールが豊富に残ります。溶剤抽出製法と比べてビタミンE含有量が約1.5〜2倍多いというデータもあります。ラベルに「圧搾」「コールドプレス」と書かれた商品を選びましょう。
次に重要なのが「エルカ酸(エルシン酸)フリー」かどうかです。従来の菜種にはエルカ酸という脂肪酸が多く含まれており、動物実験で心臓への悪影響が示されたことがあります。現在日本で流通しているキャノーラ油(Canola油)はエルカ酸を低減した品種から作られており、エルカ酸含有量は2%以下に抑えられています。「キャノーラ油」と表記されていれば、この点はクリアしていると判断してよいでしょう。
国産菜種にもこだわりたい方には、九州産や北海道産の在来種から作られた「在来種菜種油」という選択肢もあります。生産量が少ないため価格は200mlで1,000〜1,500円程度と高めですが、風味が豊かで圧搾製法のものが多く、栄養価も高い傾向があります。
| チェックポイント | おすすめの表記 | 理由 |
|---|---|---|
| 製法 | 圧搾・コールドプレス | 栄養素が壊れにくい |
| 品種 | キャノーラ油・エルカ酸フリー | 心臓への悪影響を低減 |
| 原産地 | 国産(九州・北海道産) | 農薬管理が把握しやすい |
| 容器 | 遮光ビン・ダークボトル | 光酸化を防げる |
参考:食用油の製法・品質に関する業界情報
日清オイリオグループ|油の種類と特徴(菜種油の製法・特性)

珠江橋牌 貴州原搾(生搾り)菜種油 2L【2本セット】 中国菜籽油 贵州菜籽油 菜籽油 中華食材 四川料理用 辣油用 業務用