実は本場バレンシアのパエリアに魚介は一切入りません。
パエリアとは、スペイン東部・バレンシア地方を発祥とする米料理のことです。世界三大米料理(パエリア・リゾット・ピラフ)のひとつに数えられるほど、世界中で愛されている料理です。
「パエリア(paella)」という言葉はバレンシア語で「フライパン」や「鍋」を意味しています。つまり料理名がそのまま調理器具の名前から来ているわけです。意外ですね。
日本ではレストランや惣菜コーナーで見かけることも多く、エビ・アサリ・イカなど魚介がたっぷり入ったイメージが定着しています。しかし後述するように、それが本場の姿かというと少し話が違います。
パエリアの起源は9世紀頃にさかのぼります。当時スペインに稲作をもたらしたアラブ人が、バレンシア地方の湖周辺で米と身近な食材を組み合わせて炊いたのが始まりとされています。農作業の合間に屋外の直火で作る、まさに農民のご飯だったのです。
その後、スペインを代表する郷土料理として発展し、現在では世界中のテーブルに並ぶ国民食となりました。つまり農民の昼食が起源です。
参考情報として、クボタのWebサイトにはパエリア発祥の地・バレンシア地方の農業とパエリアの関係が詳しく紹介されています。
日本でパエリアといえばシーフードパエリアが定番で、エビやアサリ、イカをたっぷり使ったイメージが強いですよね。実はこれ、本場バレンシアのスタイルとはかなり異なります。
本場の「パエージャ・バレンシアーナ(バレンシア風パエリア)」の具材は、鶏肉・ウサギ肉・平さやインゲン・ライマ豆・トマト・ローズマリーが基本です。シーフードは一切使いません。海ではなく内陸の農村で生まれた料理だからこそ、肉と野菜が主役なのです。
| 種類 | 主な具材 | 特徴 |
|------|---------|------|
| バレンシア風(元祖) | 鶏肉・ウサギ肉・インゲン豆 | シーフードなし。内陸農村の郷土料理 |
| シーフード | エビ・アサリ・イカ・ムール貝 | 日本でもっとも馴染みあるスタイル |
| ミックス | 肉と魚介の組み合わせ | レストランで人気の欲張りスタイル |
| ベジタブル | 野菜のみ | ヘルシー志向・ベジタリアン向け |
バレンシアの人々にとって、パエリアに魚介を入れることはむしろ邪道とみなされることさえあります。厳しいところですね。
とはいえ、日本のシーフードパエリアももちろん美味しい料理です。「パエリア」という名前が本来は調理鍋を指す言葉であることを踏まえると、米を使ったさまざまなアレンジが「パエリア」として世界に広まったことは自然な流れと言えるでしょう。
主婦の立場から考えると、具材の種類を知っておくことで献立の幅が広がります。例えば「今日は家にある鶏もも肉で本場スタイルに挑戦」「安売りのシーフードミックスでお手軽パエリア」など、冷蔵庫の中身に合わせて選べるのが魅力です。
パエリアを作るときに最初に戸惑うのが、「お米を洗わない」という手順です。毎日ご飯を炊くときに丁寧に米を研いでいる方にとっては、少し抵抗があるかもしれません。
洗わない理由は明確です。お米の表面にあるでんぷん層を残すことで、炊いている最中にスープの旨みを米粒がしっかりと吸収しやすくなります。反対に米を洗ってしまうと、でんぷんが流れ出て粘りが生まれ、パエリアの命である「パラパラとした食感」が失われてしまいます。日本のご飯とはまったく逆の発想です。
もうひとつ、パエリアで外せないのが「ソカラット」と呼ばれる鍋底のおこげです。スペイン語で「焦げた部分」を意味するこのソカラットは、パエリアの醍醐味のひとつとされています。仕上げに少し強火にして、鍋底の水分を飛ばすことで生まれる香ばしいおこげは、まさにパエリアの一番の旨み部分です。
ソカラットを上手に作るためのコツは以下のとおりです。
- フライパンを傾けずに平らなまま調理する(均一においしいおこげを作るため)
- 水分がなくなったタイミングで短時間だけ強火にする(焦がしすぎに注意)
- 絶対にかき混ぜない(混ぜると米が壊れ、ソカラットが形成されない)
「パチパチ」という音が聞こえてきたらソカラット形成のサインです。それが条件です。
フライパンで作る場合、最後の蒸らし時間(5〜10分程度)もしっかり確保することでご飯全体に均一に火が通り、ふっくらした仕上がりになります。蒸らしは必須です。
参考として、プロの解説が読める以下の記事も参考になります。
お家で簡単!フライパンで本格パエリアレシピ。プロの作り方は米を洗わない – mi-journey
パエリアといえばあの鮮やかな黄色。この色のもとになっているのが「サフラン」というスパイスです。サフランは世界でもっとも高価なスパイスとして知られており、1グラムあたりの価格で比較すると金(ゴールド)よりも高くなることもあります。
なぜそこまで高価なのでしょうか。サフランはクロッカスの一種の花のめしべだけを使うスパイスで、花1輪からわずか3本しか採れません。1グラムのサフランを得るために、なんと150輪以上もの花が必要です。しかも花が咲くのは早朝だけで、その日のうちに手作業で摘み取らないと使えません。手間がかかります。
| サフランの主な効能 | 詳細 |
|---------|------|
| 抗酸化作用 | クロセチンという成分が活性酸素を抑制 |
| 睡眠改善 | クロセチンが深い眠りをもたらす効果 |
| PMSの症状軽減 | 生理痛・生理不順への働きかけ |
| 冷え性改善 | 血液の流れを促進する作用 |
| 気持ちを落ち着かせる | うつ症状の緩和効果(ペルシャでは古くから利用)|
これだけ女性に嬉しい効能が揃っているのはいいことですね。パエリアはスパイスとしてサフランをほんの少し使うだけで、栄養的にも優れた料理になります。
ただし、サフランは市販品でも1〜2グラム入りが500〜1000円程度と決して安くはありません。家庭で気軽に試すには「ターメリック(ウコン)」が有力な代用品です。色はほぼ同じ黄色に仕上がります。風味は若干異なりますが、初めてパエリアを作る際や手軽に楽しみたいときはターメリックで十分です。
ターメリックにも抗炎症作用・抗酸化作用があるため、健康面でのメリットは十分あります。サフランなしでも問題ありません。
サフランとターメリックの違いや代用について、エスビー食品の公式サイトが参考になります。
サフラン/Saffron スパイス&ハーブ検索 – エスビー食品
パエリアは専用の大きな鍋(パエリア鍋)で作るイメージがありますが、実際には直径26〜28cmほどのフライパンでも十分に作れます。これは使えそうです。
フライパンで作る基本の手順は次のとおりです。
1. 具材を炒める — オリーブオイルで鶏肉や海鮮、玉ねぎ、ニンニクをしっかり炒める
2. 米を加える(洗わずそのまま) — 米は洗わずに入れ、油がなじんだら次の工程へ
3. スープを注ぐ — ブイヨンやコンソメスープを一度に加える(途中で足さない)
4. 炊く — 中火で沸騰後、弱火で約15分(ふたをしないのが本場スタイル)
5. ソカラットを作る — 最後に強火で30秒〜1分、音を聞きながら加熱
6. 蒸らす — 火を止めてふたをして5〜10分蒸らす
失敗しがちなのが「スープの分量」と「途中でかき混ぜること」です。水分が多すぎるとべちゃべちゃに、少なすぎると芯が残ります。基本の水分量は米1合(180ml)に対してスープ300〜350ml程度が目安です。水加減が原則です。
炊飯器を使う方法もあります。具材を炒めてから炊飯器に移し、普通に炊飯するだけで失敗しにくいパエリアができます。ソカラットは作れませんが、初めて挑戦する方や忙しい日の献立にはうってつけです。
シーフードミックスを使えば1パック(200g前後)で手軽に作れます。冷凍食品を上手に活用するのが時短のコツです。たとえばAmazonや楽天市場でも「パエリア用シーズニング」として、スパイスが一式セットになった商品が1袋200〜400円程度で購入できるので、米とシーフードミックスと合わせて揃えるだけで本格的な味に仕上がります。最初はシーズニングを使うのがおすすめです。
パエリアが食卓に登場するだけで、なんとなく特別感が出るのはなぜでしょうか。それはビジュアルの力が大きいからです。鮮やかな黄色のご飯の上に赤いパプリカ、緑のピーマン、えびやあさりが並ぶパエリアは、彩りが豊かでそれだけで食欲をそそります。
フライパンごとテーブルに出しても絵になるのも大きなポイントです。皿に盛り付けるより、黒いフライパンや専用のパエリア鍋ごとテーブルに出す方が、一気に食卓がレストランっぽくなります。これは家族のテンションが上がります。
パエリアが活躍するシーンはたくさんあります。
- 🎉 誕生日やクリスマスなどのホームパーティー — 大皿1つで食卓が華やかになり、盛り付けの手間が省ける
- 🏠 週末のちょっと特別な夕食 — 普段とは違う雰囲気を作りたいときにぴったり
- 🥘 作り置きや翌日の活用 — 残ったパエリアはチャーハン風にアレンジも可能
- 👨👩👧👦 子供と一緒に料理する体験 — 具材を並べる工程は子供も楽しめる
パエリアを作る際に具材の配色を意識するだけで、見栄えが大きく変わります。赤(パプリカ・エビ)、緑(ピーマン・アスパラ)、黄(卵・パプリカ)の3色を意識して配置すると、まるでレストランのような見た目になります。色のバランスが条件です。
また、パエリアに似た料理として覚えておきたいのが「リゾット」と「ピラフ」です。三者の違いを簡単に整理すると、パエリアは「炊く」、リゾットは「煮る(仕上げにクリーミー)」、ピラフは「炒めてから炊く」という調理法の違いがあります。食感と風味がそれぞれ異なるので、気分や献立に合わせて使い分けると料理の幅がぐっと広がります。これだけ覚えておけばOKです。
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