プリンアラモードは「フランス生まれのスイーツ」だと思っている方が多いですが、実は発祥は100%日本で、しかもフランス語とは少し違う意味で使われています。
プリンアラモードとは、カスタードプリンを中心に、バニラアイス・生クリーム・色とりどりのフルーツを大きな平皿に盛り合わせたデザートのことです。正式な名称は「プリン・ア・ラ・モード(Pudding à la mode)」といいます。
昭和の喫茶店で一世を風靡した一品で、現在でもレトロ喫茶やホテルのカフェメニューとして根強い人気があります。つまり「昭和の定番スイーツ」です。
「アラモード(à la mode)」という言葉はフランス語に由来しており、直訳すると「流行の」「おしゃれな」「現代風の」という意味を持ちます。ただし、この意味は少し注意が必要です。現在のプリンアラモードは昭和レトロなイメージが強く、「流行の」という言葉のニュアンスとはやや異なる使われ方になっています。意外ですね。
もともとフランス語の「à(〜の) + la mode(流行)」という組み合わせで、ファッションやスタイルの最前線を指す言葉として使われていました。それがアメリカに渡ると「デザートにアイスクリームを添えたスタイル」という意味で使われるようになり、さらに日本に伝わり「プリンを中心にフルーツや生クリームを華やかに盛り合わせた洋風デザート」という独自の形に発展しました。
プリンアラモードのカロリーは、構成によって異なりますが、一般的なグラス1杯分(約175g)で221kcal前後とされています。フルーツの種類やアイスの量によっては300kcalを超えることもあります。「おやつとしては少し多め」という感覚ですが、フルーツのビタミンCやプリンの卵・牛乳由来のカルシウムも含まれているため、甘いものを食べるならバランスのよい選択のひとつといえます。
プリンアラモードが生まれたのは、1951年頃の横浜です。場所は1927年(昭和2年)に創業した「ホテルニューグランド」のレストラン「ザ・カフェ」。これが原点です。
戦後、ホテルニューグランドには進駐してきたアメリカ軍の将校たちやその家族が多く滞在していました。当時のパティシエが「見た目にも華やかで、フルーツが添えられたデザートを」というリクエストに応えるために考案したのが、プリンアラモードの原型とされています。
カラメルソースのかかったなめらかなカスタードプリンに、新鮮なフルーツと生クリームを添えた一皿は、当時の日本人にとって非常にモダンで「ハイカラ」な印象を与えました。これは使えそうです。
その後、1970年代の純喫茶ブームとともに全国の喫茶店に広がり、昭和の象徴的なスイーツとして定着しました。注目すべきは、同じ「ホテルニューグランド」がスパゲッティ・ナポリタンとシーフードドリアの発祥の地でもあるという点です。現在もザ・カフェでは発祥当時に近い形のプリンアラモードを1,485円(税込)で提供しており、横浜を訪れた際には「本家」を味わうことができます。
プリンアラモードは発祥から現在まで、「日本だけで独自進化したデザート」という点で非常にユニークです。フランスには「プリン・ア・ラ・モード」というスイーツは存在せず、アメリカの「à la mode」もパイにアイスを乗せたシンプルなものを指します。「日本発祥というのが原則」と覚えておけばOKです。
ホテルニューグランドの発祥メニューについての公式情報はこちらで確認できます。
ホテルニューグランド公式サイト「発祥の伝統料理」|ドリア・ナポリタン・プリンアラモードの歴史が掲載されています
「プリンアラモードとパフェって何が違うの?」と思ったことはありませんか?実はこの2つ、見た目は似ていますが、別物として定義されています。
まず最も大きな違いは器と主役です。プリンアラモードはプリンが主役の「平皿デザート」で、舟型や足付きのガラス皿・金属製の皿に盛り付けられることが多いです。一方、パフェはアイスクリームを主役とした「縦長グラスに層を重ねるデザート」で、細長いグラス(クープ型)を使います。
| 比較項目 | プリンアラモード | パフェ |
|---|---|---|
| 主役 | カスタードプリン | アイスクリーム |
| 器 | 平皿・舟形皿 | 細長いグラス(クープ型) |
| 盛り付け | 横に広がるように盛る | 縦に重ねて積み上げる |
| 語源 | フランス語「流行の」 | フランス語「完全な」(parfait) |
| 発祥 | 日本(横浜) | フランス |
パフェの「パフェ」はフランス語の「parfait(パルフェ)=完全な・完璧な」から来ており、もともとはフランスの冷たいデザートを指していました。日本に伝わる過程で「クープ型グラスにアイスやフルーツを重ねたデザート」として定着しています。
「パフェ=縦長グラス」「プリンアラモード=平皿にプリンが主役」が基本です。似たものとして「サンデー」も存在しますが、サンデーはアメリカ発祥のアイスクリームにシロップをかけたシンプルなものが原型です。これらを覚えておくと、喫茶店のメニューを見たときに迷わなくなります。
プリンアラモードは、市販のプリンとフルーツを使えば15分ほどで手軽に作れます。でも、せっかく作るなら「喫茶店っぽい仕上がり」にしたいですよね。
ここではプリンアラモードを家で作るときに押さえておきたいポイントをまとめます。
【使うプリンについて】
プリンアラモードに合うのは、「固めのカスタードプリン」です。とろとろ系のなめらかプリンは盛り付け時に崩れやすいため、形がしっかりキープできる固めタイプを選ぶのがコツです。市販品であれば「プッチンプリン」や「昔ながらの固めプリン」と書かれているものが向いています。固めタイプが原則です。
【フルーツの選び方と切り方】
| フルーツ | おすすめの理由 |
|---------|------------|
| 🍒 さくらんぼ | 昭和レトロ感が出る定番トッピング |
| 🥝 キウイ | 緑色が映える・切りやすい |
| 🍊 オレンジ/みかん | 酸味がプリンの甘さを引き立てる |
| 🍌 バナナ | ボリュームが出る・甘さのバランスが良い |
| 🍓 いちご | 旬の時期に合わせると鮮度・彩りが最高 |
色のバランスを考えて3〜4種類のフルーツを使うと、見た目が一気に華やかになります。「赤・黄・緑」の3色を意識するだけで、仕上がりが格段に変わります。
【盛り付けのポイント】
プリンを皿の中央より少し後ろに置き、手前にアイスと生クリームを配置して高低差をつけると、立体感が生まれます。さくらんぼは最後に一番高い位置に飾るのが「昭和喫茶スタイル」の定番です。
ホテルニューグランドのパティシエ・熊倉さんいわく「コツはただひとつ、好きなものを入れて楽しんで盛り付けること」とのことです。これは使えそうです。気負わずに、旬のフルーツや好みのアイスを組み合わせて楽しむのが一番の近道です。
プリンアラモードを家で作る際の参考に、発祥店ホテルニューグランドの誕生秘話と家庭向けコツが詳しく掲載されているページも参考にどうぞ。
macaroni|プリンアラモードの発祥「ザ・カフェ」に聞いた!誕生秘話やおいしく作るコツ(発祥店パティシエへのインタビュー記事)
近年、昭和の喫茶店文化が「レトロブーム」として若い世代にも再評価されています。SNSでは「純喫茶」「昭和スイーツ」というタグとともにプリンアラモードの写真が多数投稿され、親世代・子ども世代が一緒に楽しめるスイーツとして再び注目を集めています。
特に「インスタ映え」という観点でも、色とりどりのフルーツと生クリームが華やかに並ぶプリンアラモードは非常に魅力的な被写体です。いいことですね。パフェや単品プリンとは異なり、「平皿に広がる盛り付け」が独自のビジュアルを生み出しているのです。
また、主婦層にとってプリンアラモードは「子どもへのおやつ」や「ちょっとしたおもてなし」としての実用的な側面もあります。市販のプリン1個(100円前後)に季節のフルーツを合わせれば、1人あたり200〜300円程度でカフェ顔負けの見た目に仕上がります。コストパフォーマンスが高いのが条件です。
さらに最近では「糖質オフのプリンアラモード」も登場しています。一般的なプリンアラモード100gあたりの糖質が約12.7gであるのに対して、おからやラカントを使った低糖質タイプは100gあたり糖質約3.79gと、約70%オフで作れる商品も販売されています。健康を意識しながらも「見た目も楽しみたい」という方には、低糖質素材でのアレンジがおすすめです。
糖質が気になる方向けの低糖質プリンアラモードについての情報はこちらも参考になります。
糖サポ市場|低糖質・糖質制限プリンアラモード(糖質比較や商品詳細が掲載されています)
昭和から現代まで愛され続けているプリンアラモードは、ただ懐かしいだけでなく「いつでも家で再現できる、コスパのいい特別感スイーツ」として改めて見直す価値があります。次にスーパーでプリンを手に取ったとき、フルーツと生クリームを合わせて「アラモード仕立て」にしてみてはいかがでしょうか。