アンチョビを入れてもパスタの茹で塩を普通通りにすると、しょっぱくて食べられなくなります。
プッタネスカ(Puttanesca)とは、イタリア語で「娼婦風の」という意味を持つパスタ料理の名前です。イタリア語の「puttana(プッターナ)」が売春婦を意味する俗語で、それに形容詞語尾の「-esca」がついた言葉になっています。日本語に直訳すると「娼婦風スパゲッティ」となり、初めて聞く人はかなり驚く名前です。
なぜこのような名前がついたのかは、実は諸説あってはっきりとした定説がありません。代表的な説を挙げると、「忙しい娼婦が客の合間に手元にある保存食でパパッと作って食べたから」という説、「香りの強いこのパスタを客引きに利用するほど美味しいから」という説、さらに「唐辛子の刺激的な辛みが娼婦のイメージに重なるから」という説などが知られています。
意外なのが発祥地です。ナポリが発祥とよく言われますが、より詳しくいうとナポリ湾の西部に浮かぶ火山島「イスキア島」が起源とされています。イスキア島は温泉や自然で知られるリゾート地で、そこからこのパスタが広まったというのはなかなかロマンを感じますね。
時代は1950年代以降と言われており、もともとナポリでは「マリナーラ」と呼ばれていたという記録もあります。現在ではイタリア・ナポリの家庭料理として定着していて、日本のご家庭のお味噌汁のような立ち位置で親しまれています。つまり「家にある保存食だけで作れる手軽な定番料理」がプッタネスカということです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 🇮🇹 名前の意味 | 「娼婦風の」(イタリア語) |
| 📍 発祥地 | イタリア・ナポリ湾のイスキア島 |
| 🕰️ 誕生時期 | 1950年代以降 |
| 🍅 主な食材 | トマト・アンチョビ・ケッパー・オリーブ・ニンニク・唐辛子 |
プッタネスカを検索すると「アラビアータと何が違うの?」という疑問をよく見かけます。見た目がよく似ているので混乱するのは無理もありませんが、使う食材が根本的に異なります。まずはシンプルに整理してみましょう。
プッタネスカの絶対に欠かせない食材は「オリーブ・ケッパー・トマトソース」の3つです。アンチョビやオレガノも加えるのが一般的で、これらが複雑な塩気と旨みを生み出しています。
一方のアラビアータは「怒りん坊」という意味の名前を持ち、唐辛子(ペペロンチーノ)が主役のトマトソースパスタです。オリーブもケッパーもアンチョビも使いません。辛さが特徴のシンプルな構成で、プッタネスカとは別物といえます。
マリナーラは「船乗り」を意味し、トマト・ニンニク・オレガノで作るソースです。プッタネスカがオリーブやケッパーを使うのに対して、マリナーラはオレガノが特徴的な食材になります。なおプッタネスカにツナを加えると、ナポリ流のマリナーラソースになるとも言われています。これは使えそうです。
「プッタネスカってアラビアータに具が多い版ね」と覚えておくと混乱しません。ただし味の方向性はかなり違い、プッタネスカは塩気・酸味・旨みが重なる立体的な複雑さが魅力で、アラビアータの「辛さ一本勝負」とは似て非なる料理です。
プッタネスカ・アラビアータ・マリナーラの詳しい違い(ボ〜ノ・イタリア〜ノ)
プッタネスカの基本材料は、スパゲッティ・トマト(缶または生)・ニンニク・アンチョビ・ケッパー(ケイパー)・ブラックオリーブ・唐辛子・オリーブオイルです。これが揃えば立派なプッタネスカができます。
注目したいのが各食材の健康効果です。意外とヘルシーなパスタとも言われています。
さらにほとんど知られていないのですが、パスタを冷ましてから食べると腸内環境を整える「レジスタントスターチ」が発生します。糖質が気になる方には、作ってから少し冷ましていただくのも一つの手です。健康面でも優秀なパスタということです。
玉ねぎや茄子などの野菜を加えてアレンジする家庭もあり、ナスとの組み合わせはボリュームが増えて食べ応えが出ます。プッタネスカは「冷蔵庫にあるものを放り込む」という使い方ができるほど懐の深いパスタでもあります。
脳を活性化する食材としてのプッタネスカの解説(ハートフルライフ)
プッタネスカを初めて作って「なんかしょっぱくなりすぎた…」と感じた方は少なくありません。実はこれ、プッタネスカ特有の落とし穴で、知っておくだけで仕上がりが段違いになります。
最大のポイントは、パスタを茹でる湯の塩を通常より大幅に少なくすることです。アンチョビ・ケッパー・オリーブはすべて塩分が非常に高い食材です。塩漬けケッパーを塩抜きせずに使い、さらにパスタの茹で湯に通常通り1%の塩を入れてしまうと、トータルの塩分が一気に跳ね上がります。
プッタネスカを美味しく作るための実践ポイント:
調理手順は「ニンニクと唐辛子をオリーブオイルで炒める→アンチョビ・ケッパー・オリーブを加えて炒める→トマトを入れてさっと煮る→茹でたパスタを和える」という流れです。難しい技術は一切必要ありません。
塩分の調整が条件です。ここさえ押さえれば、料理が苦手な方でも本格的なプッタネスカが完成します。
参考として、クックパッドの人気レシピでも「塩味が強い素材が多いので普段よりもパスタを茹でる際の塩を少なく使うこと。味見は大事」と明記されています。
クックパッドのプッタネスカ人気レシピ(塩加減のポイント掲載あり)
プッタネスカといえばスパゲッティと思っている方が多いですが、実は合わせるパスタの種類によって味わいがかなり変わります。しかも本場のシェフやパスタマニアの間では、スパゲッティ以外のほうが「プッタネスカの旨みを最大限に活かせる」とも言われています。
プッタネスカのソースは、オリーブ・ケッパー・アンチョビの凝縮した塩気と旨みを持つ、かなり存在感の強いものです。このソースに負けないパスタ選びが大切です。
家庭で試してみるなら、まずはスパゲッティで作ってみて、次回はフジッリやリングイネで作り比べるのが楽しみ方の一つです。いつもと違う食感で同じレシピが新鮮に感じられます。意外ですね。
スーパーのパスタコーナーにはスパゲッティ以外にも様々な種類が揃っています。フジッリやリングイネはおおよそ200〜300円で購入できますので、ぜひ試してみてください。