少ない油で揚げればヘルシーになる、と思って油をケチると火災になることがあります。
冷凍カツを上手に揚げるには、油の量がとにかく重要です。多くの方がやってしまいがちなのが、「油がもったいないから」と、フライパンの底を薄く覆う程度しか油を入れないこと。実はこれ、仕上がりが悪くなるだけでなく、後述するように火災リスクまで高まってしまう行為です。
フライパンで揚げる場合の油の量は、カツの厚みの半分程度が浸かる高さが目安です。市販の冷凍とんかつの多くは厚さ1〜1.5cm程度なので、フライパンに約1cmの深さで油を入れれば十分。500mlペットボトルのキャップを並べたくらいの高さが目安になります。
| カツの厚さ | 目安の油の深さ | イメージ |
|---|---|---|
| 〜1cm(薄め) | 約5〜7mm | 500mlキャップ半分くらい |
| 1〜1.5cm(標準) | 約1cm | 500mlキャップ1個分くらい |
| 2cm以上(厚め) | 約1.5〜2cm | 人差し指の第一関節くらい |
「少ない油=節約」は原則です。ただし限度を超えると失敗の原因になります。
一方で、揚げ物専用鍋を使う場合は油を底から3〜3.5cm程度入れるのが安全ラインです。少なすぎると温度管理が難しくなりますし、油の量が多いほど温度が安定して均一に揚がります。「油の量は多い方が温度変化が少なく失敗しにくい」というのがプロの共通意見です。
また、一度にたくさんのカツを入れすぎることも禁物です。フライパン表面積の1/2〜2/3程度を目安に、余裕を持った枚数を入れましょう。一度に入れすぎると油温が一気に下がり、衣がべちゃっとした仕上がりになってしまいます。これが基本です。
参考:冷凍カツと油の関係、温度・量の詳細解説(とんかつそら)
https://tonkatu-sora.com/column/aeaef705-b1bb-4b8f-9a55-d9759f6f3762
冷凍カツを揚げるときの最大のポイントは、「低温でじっくり→高温でサクッと」の2段階加熱です。普通のとんかつと違い、中がまだ凍っているため、最初から高温で揚げると外だけ焦げて中が生焼けになります。
基本の手順は次のとおりです。
油の温度チェックには菜箸を使うのが手軽です。油に乾いた菜箸を入れて、先端からゆっくり細かい泡が出れば160℃(低温)、全体から細かい泡が出れば170〜180℃(適温)の目安になります。温度計がなくても確認できます。
また、パン粉を少量油に落とす方法も有効です。パン粉がゆっくり沈んで浮いてくれば160℃、途中まで沈んですぐ浮けば170℃の目安になります。これなら問題ありません。
参考:とんかつの揚げ時間・温度の詳細(グローバルピッグファーム監修)
https://hamukoubou.jp/info/column/9853/
「冷凍カツをフライパンに入れた途端、油がバチバチ飛んで怖い思いをした」という方は多いと思います。これは冷凍カツに付いた霜(氷)が高温の油と触れると、水蒸気爆発を起こして油が飛び散る現象です。油はねが激しいと、軽いやけどや衣の剥がれにもつながります。
この問題を解消する方法が、「コールドスタート法」です。手順はシンプルで、フライパンに冷凍カツを並べてから油をかけ、その後で火をつけるだけ。クックパッドでも2017年に話題になったレシピで、多くの主婦に支持されています。
冷たい状態からスタートするので、油に投入する瞬間の急激な温度差が生まれません。つまり油はねがほとんど起きません。コロッケを揚げるときの「爆発」も防ぎやすくなります。
ただし、コールドスタート法では温度の上昇が緩やかなため、食中毒リスクへの注意も必要です。特に冷凍メンチカツなど肉の量が多い製品は、中心温度75℃以上・1分以上の加熱が食中毒予防の条件です(東京都保健医療局)。表面の焼き色だけで判断せず、カツを割って中の肉の色を確認する習慣をつけましょう。
参考:冷凍食肉調理品を加熱するときの注意点(東京都保健医療局)
https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/anzen/anzen/food_faq/chudoku/chudoku31
「油を減らせばヘルシー・節約になる」という考え方は広く浸透していますが、これには大きな落とし穴があります。独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)は2024年9月、規定より少ない油で揚げ物をすると火災につながるおそれがあるとして正式に注意喚起を行いました。
そのメカニズムはこうです。油の量が少ないと、温度の上昇スピードが非常に速くなります。東京消防庁の解説によると、少量の油では約8分で発火温度(約370℃)に達することがあります。油は360℃を超えると発火します。
安全に少ない油で揚げるためのルールをまとめると、必ず揚げ物モードを使用すること、カツの厚みの半分以上が浸かる量の油を入れること、そして調理中はその場を離れないことの3点です。
揚げ物用の温度計を一本持っておくと、温度管理がぐっとラクになります。1,000円前後で購入できるものが多く、発火事故の防止だけでなく揚がり具合の品質向上にも役立ちます。
参考:少ない油での揚げ焼きによる火災リスク(NITE公式)
https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/2024092603.html
参考:ヘルシー志向「少ない油」での火災事例(withnews)
一度揚げるだけでも十分においしく仕上がりますが、「お店みたいにカリカリにしたい」という場合には二度揚げがおすすめです。少ない油でフライパン揚げをするとき、特に有効な方法です。
二度揚げの手順は次のとおりです。
この「1回目の余熱休み」が肝心です。じっくり余熱を入れることで肉が硬くなるのを防ぎつつ、2回目の高温で衣だけを短時間でカリッとさせられます。揚げすぎによる「衣が硬い・肉がパサパサ」という失敗を防ぐことができます。
油の種類も仕上がりに影響します。
ラードは香ばしさが出ますが飽和脂肪酸が多く、使いすぎると悪玉コレステロール(LDL)を増やすリスクがあります。健康面を気にするなら米油やキャノーラ油を選ぶのが賢明です。
二度揚げの際、1回目と2回目の間に油のカスをキッチンペーパーなどですくい取っておくと、カスが焦げて色や風味が悪くなるのを防げます。これは使えそうです。
揚げた後の油の保管・再利用も重要です。揚げ油は正しく処理すれば2〜4回程度再利用できます。ただし、色が濃い・泡が消えない・嫌な臭いがするなどのサインが出たら、迷わず交換しましょう。酸化した油を使い続けると料理の味が落ちるだけでなく、胸やけや食中毒の原因にもなります。
参考:とんかつに適した油の種類と選び方(埼玉食肉流通センター「さいぼく」公式)
https://www.saiboku.co.jp/meatpialife/pork-cutlet-frying-time-2/
![]()
サックリメンチカツ60 60g×60個入 ニチレイ とんかつ・メンチカツ 洋風料理 【冷凍食品】【業務用食材】【10800円以上で送料無料】