離乳食完了期とはいつ・進め方・移行サインを完全解説

離乳食完了期(パクパク期)はいつからいつまでなのか、移行サインや食材の硬さ、量の目安、幼児食との違いまで徹底解説。完了期の鉄分・塩分の落とし穴を知っていますか?

離乳食完了期とはいつからか・進め方・移行サインを完全解説

牛乳を1日500ml飲ませると、1歳でも鉄欠乏性貧血になることがあります。


この記事の3つのポイント
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完了期の時期

離乳食完了期(パクパク期)は生後12〜18か月(1歳〜1歳半)が目安。月齢より「食べられるかどうか」のサインで移行を判断する。

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食事の基本ルール

1日3食+補食1〜2回が基本。硬さは「肉だんご程度」が目安で、栄養の約80%を食事から摂れる状態を目指す。

⚠️
完了期の落とし穴

牛乳の飲みすぎ・塩分過多・鉄分不足は健康リスクに直結。大人と全く同じ食事はまだNG。


離乳食完了期(パクパク期)とはいつからいつまでか

離乳食完了期とは、一般的に生後12〜18か月(1歳〜1歳半)ごろを指す、離乳食の最終段階です。「パクパク期」とも呼ばれ、食べられる食材が一気に広がり、食事から摂取できる栄養の割合が全体の約80%にまで増えてくる重要な時期です。


とはいえ、月齢はあくまで目安に過ぎません。大切なのは月齢ではなく、子どもの発達サインです。


以下のサインが揃ってきたら、完了期への移行を検討しましょう。


  • 1日3回食のリズムが整っている
  • 前歯でかじり取り、奥歯や歯ぐきでつぶして食べるのが上手になっている
  • 手づかみで食べられる
  • 肉だんご程度の硬さ・大きさのものが食べられる


なお、2007年に策定された「授乳・離乳の支援ガイド」では、かつての「完了期」という固定的な呼び方をやめ、個々の成長ペースに合わせてゆるやかに進めることが推奨されています。これが原則です。


厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」をはじめとした公的指針では、こうした移行サインを重視するよう繰り返し強調されています。月齢の数字だけを見て焦って移行させる必要はなく、逆に1歳を過ぎても後期の食事をしっかり食べられているなら、そのまま丁寧に進めていけばよいのです。


厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」(月齢別の目安と移行の考え方を確認できます)


離乳食完了期の食材・硬さ・量の目安を解説

完了期に入ると、食べられる食材の幅がぐっと広がります。ただし「ほぼ何でも食べられる」という言葉を過信しすぎると、思わぬトラブルにつながることもあります。


硬さの目安は「肉だんご程度」です。バナナよりも少し硬く、大人が指で軽くつぶせる感触が目安になります。歯ぐきでかみつぶせる硬さが条件です。


1cmくらいの角切りが基本です。


以下は1回あたりの食事量の目安です。


食品グループ 1回の目安量 具体的な量のイメージ
炭水化物(軟飯 90g(ご飯は80g) 子ども用茶碗に軽く1杯分
野菜・果物 40〜50g ミニトマト4〜5個+ブロッコリー小房2個分くらい
魚・肉 15〜20g 鮭の切り身1/5切れ程度
豆腐 50〜55g(約1/6丁) サイコロ大4〜5個ぶん
全卵 1/2〜2/3個 スクランブルエッグなら小さめ1人前
乳製品 100g プレーンヨーグルト1カップ


まだ避けるべき食品もあります。タコやイカなど加熱しても硬くなるもの、脂身が多い部位、塩分・添加物が多い加工食品、はちみつ(1歳以降は使用可)、こんにゃくゼリー・豆・もちなど窒息リスクのある食品は引き続き注意が必要です。


これは健康に直結します。


特にウインナーやハムなどの加工食品は、大人が思っている以上に塩分が多いため、湯通しして少量だけ使うのが基本です。「完了期になったから大人のおかずをそのまま取り分けてOK」という考え方は危険なので、まだ薄味・やわらかめを意識することが条件です。


キユーピー「月齢別にみる離乳食 完了期 12〜18か月」(食材別の与え方・量の目安を確認できます)


離乳食完了期の進め方とスケジュール・補食の取り入れ方

完了期の食事リズムは「1日3回の食事+1〜2回の補食(おやつ)」が基本です。3食だけでは1歳の子どもが必要とするエネルギーをまかなえないため、補食は「おやつ」ではなく「4回目・5回目の食事」と考えるのがポイントです。


補食の時間は10時と15時が目安です。


食事の内容については、朝・昼・晩で栄養が偏らないようにすることが重要ですが、1食ごとに完璧なバランスにしようとする必要はなく、「1日トータルで炭水化物・たんぱく質・野菜がとれていればOK」という感覚で進めると、毎日の献立づくりがぐっとラクになります。


1週間単位で考えると気持ちが楽です。


夕食は19時までに食べ終えることが理想です。就寝リズムに影響するだけでなく、内臓への負担も考慮しての目安です。大人と一緒に食卓を囲む習慣をこの時期からつくっていくと、食事マナーの習得にもつながりやすいでしょう。


補食の内容は、さつまいもやかぼちゃ、バナナ、プレーンヨーグルトなどシンプルなものが理想的です。市販のお菓子を使う場合は、塩分・砂糖・添加物が少ないベビー用のものを選ぶと安心です。


藤沢市「離乳完了期(1歳〜1歳6か月頃)のポイント」(1日のスケジュールや栄養バランスの参考になります)


離乳食完了期の鉄分不足と牛乳の飲みすぎに要注意

「1歳になったから牛乳を飲ませてよい」という認識は正しいですが、量には注意が必要です。牛乳は1歳以降も1日200〜400mlを目安に量を守ることが大切です。


これ以上飲ませると鉄欠乏のリスクが高まります。


牛乳には鉄分がほとんど含まれておらず、1リットルあたりおよそ0.6mgという非常に少ない量しか入っていません。さらに、牛乳に含まれるカルシウムやカゼインが腸からの鉄の吸収を妨げるため、牛乳を飲みすぎると鉄欠乏性貧血を引き起こしやすくなることが医学的に知られています。実際に、牛乳を大量に与えていた13か月の赤ちゃんがヘモグロビン値3.8g/dlという重度の貧血を発症したケースも報告されています(Mantadakis et al., 2019)。


1〜2歳の子どもが1日に必要な鉄分の推奨量は4.5mg/日と言われています。鉄分が少ない状態が続くと、脳の発達にも影響が出ることがわかっており、見落とされやすい健康リスクのひとつです。


意外ですね。


鉄分が豊富な食材としては、赤身肉(牛・豚)、鶏レバー、あさり、ほうれん草、小松菜などが代表的です。特に鶏レバーや赤身肉は吸収率の高い「ヘム鉄」を含んでいます。野菜や豆類に含まれる「非ヘム鉄」はビタミンCと一緒に食べると吸収率がアップするため、副菜にトマトやブロッコリーを組み合わせるひと工夫が効果的です。


レバーが苦手な場合は、鉄分を強化した「フォローアップミルク(1〜3歳向け)」も選択肢のひとつです。毎日の食事で鉄分が十分に摂れているか不安なときに、補助的に活用できます。


もり小児科クリニック「乳幼児の鉄欠乏」(1歳前後に鉄不足が起きやすい理由・症状を詳しく解説)


離乳食完了期の手づかみ食べと幼児食への移行タイミング

完了期において、手づかみ食べは「汚れるから早くスプーンに移行させたい」と思いがちですが、実は手づかみ食べをしっかりさせることが、のちのスプーン・フォーク使いをスムーズにする土台になります。手で食べ物をつかむことで、口に入れられる量・大きさを自分で確かめる感覚が育まれ、脳の発達にも良い影響を与えることが管理栄養士・研究者からも指摘されています。


手づかみ食べが基本です。


スプーンやフォークへの移行は1歳前後から並行して始めれば十分で、無理に急がせる必要はありません。上手に使いこなせるのは2歳前後が目安であり、完了期のうちは手づかみ中心でも心配いりません。


手づかみしやすいメニューとしては、やわらかく蒸したさつまいもスティック、豆腐ハンバーグ、おにぎり(小さめ)、野菜のソフトクッキーなどが人気です。メニューの形を工夫するだけで、食事への意欲もぐっと高まります。これは使えそうです。


幼児食への移行タイミングについては、1歳半ごろに以下の様子が見られれば移行の目安です。


  • 肉だんご程度の硬さのものを口をしっかり動かして食べられる
  • 食事から十分な栄養が摂れている(母乳・ミルクなしでもOK)
  • 乳歯が少しずつ生えそろってきた


幼児食に移行した後も、乳歯が生えそろう2歳半ごろまでは硬いものをやわらかく調理し、塩分の多いものは引き続き避ける配慮が必要です。離乳食が終わっても食材への気配りはもう少し続く、というイメージで進めましょう。


塩分には特に注意が必要です。1歳の子どもが1食でとってよい塩分量は約0.5gが目安で、これは食塩を二本指でつまんだ程度の量です。うどんやパンなど食材自体に塩分を含む場合もあるため、調味料はほんの少量にとどめる意識を持つことが大切です。


Pasco「離乳食卒業の目安と幼児食の進め方」(幼児食移行の具体的なサインとカミカミ力の育て方)