鶏の下処理を丁寧にしすぎると、参鶏湯のうまみが6割以上抜けてしまいます。
参鶏湯に使う食材は、韓国料理専門店や業務スーパー、最近ではネット通販でも手軽に入手できます。ただ、「高麗人参がないと本物じゃない」と思って挫折している方も多いのではないでしょうか。実はそれは思い込みです。
本格的な参鶏湯には、骨付き丸鶏(約1kg)・もち米(大さじ3〜4)・高麗人参・なつめ(乾燥)・にんにく・生姜・ねぎが基本の材料です。しかし、高麗人参は「朝鮮人参スープ用乾燥スライス」として100円ショップや製菓材料店でも販売されており、1袋200〜300円程度で購入できます。
丸鶏の入手が難しい場合は、鶏手羽元(約600g)で代用が可能です。代用の場合でも、うまみは十分に引き出せます。もち米はコンビニやスーパーで普通に売っているものでOKです。
なつめは「大棗(たいそう)」という名称で漢方薬局や中華食材店、Amazonで購入できます。甘みとコクが出るため、できれば入れたい食材です。なつめがなければ干しぶどう(レーズン)3〜4粒で代用するとほんのり甘みが出ます。これは意外な代用品ですね。
松の実は本場では仕上げにのせますが、なければ無塩のカシューナッツをみじん切りにしてトッピングしても食感と風味が近くなります。材料の代用を知っておくだけで、料理のハードルがぐっと下がります。
| 本来の食材 | 代用品 | 入手先の目安 |
|---|---|---|
| 丸鶏(1kg) | 鶏手羽元(600g) | スーパー |
| 高麗人参 | 乾燥スライス高麗人参 | ネット通販・漢方薬局 |
| なつめ | 干しぶどう(レーズン)3〜4粒 | スーパー |
| 松の実 | 無塩カシューナッツ | スーパー |
| もち米 | うるち米+白玉粉(少量) | スーパー |
「丁寧に洗えばおいしくなる」と考えて鶏を流水で長時間洗う方が多いですが、これが実はうまみを大幅に損なう原因になります。洗いすぎは禁物です。
鶏の下処理で必要なのは、余分な脂や血の塊(血合い)を取り除くことだけです。具体的には、鶏の内部に手を入れて脂の塊をつまみ取り、血合いがあれば軽くキッチンペーパーで拭き取るだけで十分です。流水で洗う場合も5〜10秒程度で済ませ、シンク内での洗いすぎは食中毒菌を周囲に飛散させるリスクもあるため控えましょう。
もち米は炊く30分前から水に浸しておくのがポイントです。これにより米がしっかり水を吸い、炊き上がりにとろみが出やすくなります。もち米の量が多すぎると鍋の中でぼこぼこと膨れ上がり、鶏が割れてしまうことがあるため、大さじ3〜4杯が目安です。
にんにくとしょうがは、皮をむいてそのまま丸ごと(または2〜3等分に切って)入れるのが本場スタイルです。細かく刻む必要はありません。丸ごとのほうが香りが徐々に溶け出し、スープにまろやかな風味が生まれます。
鶏の空洞にもち米・にんにく・なつめを詰めたら、つまようじや鶏の脚を交差させて詰め物が出てこないように固定します。細かい縫い合わせは不要です。これだけ覚えておけばOKです。
通常の鍋で参鶏湯を作ると、弱火でコトコト2〜3時間かかります。炊飯器を使えばその工程を約90分に短縮できます。これは使えそうです。
炊飯器を使った手順はシンプルです。下処理した鶏を炊飯器の内釜に入れ、鶏がかぶるくらいの水(約1〜1.2L)を注ぎ、長ねぎの青い部分・しょうが・にんにくを加えます。「炊飯」ボタンではなく「煮込み」または「スープ」モードがあればそちらを使いましょう。ない場合は通常の「炊飯」モードで1回炊き、保温モードで30〜40分追加で置くと鶏が柔らかく仕上がります。
塩は炊き上がった後に加えるのが鉄則です。最初から塩を入れると鶏のたんぱく質が固くなり、パサついた食感になります。塩加減はスープを少量スプーンで舌に当てて確認し、物足りなければ小さじ1/2ずつ足していきます。
炊飯器調理で特に注意したいのは「水の量」です。鶏がしっかりかぶっていないと火の通りにムラが出ます。鶏の一番厚い部分(胸の中央)まで水位が届いているかを必ず確認してから炊き始めましょう。
仕上げにごま油を数滴たらし、塩と白こしょうで整えれば完成です。スープ全体にとろみがついて、お米の甘さが引き立ちます。最初から炊飯器に頼っていいということですね。
圧力鍋を使えば、参鶏湯は加圧時間わずか20〜25分で完成します。前後の準備も含めると約40〜50分でテーブルに出せます。時短の代名詞です。
手順は以下の通りです。
圧力鍋調理で最もよくある失敗は、もち米の量が多すぎて圧力弁が詰まるケースです。これは危険です。もち米の量は大さじ2〜3に抑え、必ずメーカーが指定する「最大水量ライン」を超えないようにしましょう。一般的な圧力鍋の最大容量の2/3までが安全ラインです。
圧力鍋がない場合、「電気圧力鍋(シロカ・アイリスオーヤマなど)」はタイマー設定ができて目を離せるため、小さな子どもがいる家庭でも使いやすいです。2〜3万円程度で購入でき、参鶏湯以外にも豚の角煮・カレー・おでんなどに幅広く活用できます。
鍋料理をよく作るご家庭なら、電気圧力鍋1台で料理の時短効果は週当たり1〜2時間以上という試算もあります。元を取るのにそれほど時間はかかりません。つまり、道具への投資が長期の時短につながるということです。
参鶏湯のスープに「牛乳を大さじ2杯」加えると、コクが増してまろやかになるという事実を知っている方はほとんどいません。これは意外ですね。
牛乳はコラーゲンと相性がよく、鶏のゼラチン質と混ざることでクリーミーな白いスープに仕上がります。韓国の家庭料理研究家チェ・ミョンファン氏のレシピにも取り上げられており、風味を損なうことなくとろみを加える方法として近年日本でも注目されています。加えるタイミングは仕上げの直前で、沸騰させないことが条件です。
もうひとつの隠し食材が「昆布(5cm角1枚)」です。日本人の口に合う「だし感」を底上げしてくれます。炊き始めの段階で鶏と一緒に入れ、沸騰したら取り出します。昆布の旨み成分グルタミン酸と鶏のイノシン酸が合わさると、うまみが相乗効果で約7〜8倍になるといわれています(「だしの相乗効果」として食品科学の分野で確認されています)。
味付けのアレンジとして、仕上げに「ナンプラーを小さじ1/2」入れると深みが増します。ナンプラーはアンチョビの旨みと塩分を凝縮したもので、塩だけで整えるよりも複雑な風味が生まれます。塩を減らした分をナンプラーで補う、という感覚で使うとバランスが取りやすいです。
食べ残しのスープは翌日、うどんやそうめんを入れて「参鶏湯麺」にアレンジできます。2人前の参鶏湯から翌日分のスープが約400〜500mlほど余ることが多く、これに冷凍うどん1玉を入れてひと煮立ちさせるだけです。食材を無駄にしない工夫が、家計管理にもつながります。
栄養面でも参鶏湯は優秀で、鶏・もち米・にんにく・しょうがの組み合わせにより、たんぱく質・炭水化物・ビタミンB群・アリシンが一度に摂取できます。夏の疲労回復や産後の体力回復に活用されてきた背景には、こうした栄養バランスの良さがあります。栄養の面でも優れた料理ですね。
参考情報:高麗人参・なつめなどの薬膳食材と効能については、農林水産省の食品成分データベースや、日本中医食養学会の資料に詳しく掲載されています。
文部科学省 食品成分データベース(食材の栄養成分を確認できます)
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