カシューナッツアレルギーの症状は、軽度なものから重篤なものまで多岐にわたります。最も一般的な症状は皮膚に現れ、全身に赤いじんましんが出現することが多く、約90%の患者さんに認められます。じんましんのほか、口や唇、喉のかゆみ、顔や唇の腫れなどの症状が現れます。
参考)https://nanajuni.jp/blogs/magazine/cashew_allergy
呼吸器症状も頻繁に見られ、約30%の患者さんに発症します。のどの違和感や締め付け感、持続する強い咳込み、ゼーゼーという喘鳴、呼吸困難などが特徴的です。消化器症状としては、腹痛、下痢、吐き気、嘔吐などが挙げられます。
参考)https://arima.co.jp/nutslabo-blog/column/cashew-nut/2020/01/28/19124/
症状は通常、カシューナッツを摂取してから2時間以内に現れることが多いですが、場合によっては数時間後に発症することもあります。早期に症状を認識し、適切な対応をすることが重要です。
参考)https://www.thermofisher.com/allergy/jp/ja/allergy-causes/food-allergies/tree-nut-allergy.html
カシューナッツアレルギーで最も危険な症状がアナフィラキシーショックです。アナフィラキシーは全身の臓器に症状が現れる重篤なアレルギー反応で、血圧が急激に低下し、意識の喪失や最悪の場合には死亡に至るリスクもあります。カシューナッツはピーナッツと比較してもアナフィラキシーを起こすリスクが高いことが報告されています。
参考)http://senoopc.jp/al/nutsallergy.html
アナフィラキシーの症状には、唇や爪が青白くなる、意識がもうろうとする、脈が触れにくい・不規則、ぐったりしている、尿や便を漏らすなどの全身症状があります。消化器症状として繰り返し吐き続ける、持続する強いおなかの痛みがある場合や、呼吸器症状としてのどや胸が締め付けられる、声がかすれる、犬が吠えるような咳、息がしにくいなどの症状が一つでも認められたら、すぐにエピペン®を太ももの前外側に注射し、救急車を呼ぶ必要があります。
参考)https://www.yamasora-kids.com/food-allergy/
エピペン®はアドレナリン自己注射薬で、医師の治療を受けるまでの間、症状の進行を一時的に緩和し、ショックを防ぐための補助治療剤です。ただし、エピペン®はあくまでも応急処置であり、使用後は必ず医療機関で適切な治療を受ける必要があります。重度のアレルギーを持つ方は、エピペン®を常に携帯し、使い方を熟知しておくことが推奨されます。
参考)https://www.epipen.jp/download/EPI_guidebook_j.pdf
カシューナッツアレルギーの原因は、カシューナッツに含まれる特定のタンパク質が免疫系に過剰反応を引き起こすためです。主要なアレルゲンタンパク質として、Ana o 1(7Sグロブリン)、Ana o 2(11Sグロブリン)、Ana o 3(2Sアルブミン)の3種類が知られています。
この中でも特にAna o 3は、カシューナッツアレルゲンの中で最も重要な役割を果たしています。Ana o 3は2Sアルブミンに属する貯蔵タンパク質で、熱や消化に対して高い耐性を示し、全身症状の発現に強く関与しています。カシューナッツアレルギー患者における各アレルゲンへの感作率は、Ana o 1が50%、Ana o 2が62%、Ana o 3が81%と報告されており、Ana o 3が最も高い感作率を示しています。
参考)https://test-directory.srl.info/akiruno/test/detail/039990200
免疫系がこれらのタンパク質を「有害物質」として誤認識することで、IgE抗体を作り出し、アレルギー反応を引き起こします。この免疫系の過剰反応は、体を守るための仕組みが逆に体に害を及ぼす結果となっています。
カシューナッツアレルギーを持つ方が注意すべき重要なポイントとして、交差反応があります。カシューナッツは同じウルシ科に属するピスタチオと血清学的にも臨床的にも高い交差反応性を示すことが知られています。
研究によると、カシューナッツアレルギーの83%がピスタチオアレルギーを有し、逆にピスタチオアレルギーの97%がカシューナッツアレルギーであったと報告されています。これは、両者のタンパク質の構造が非常に近いためです。したがって、カシューナッツアレルギーと診断された場合は、ピスタチオにも注意が必要であり、自己判断せず必ず医師に相談することが重要です。
参考)https://www.jstage.jst.go.jp/article/arerugi/72/10/72_1205/_pdf/-char/ja
同様に、クルミとペカンナッツも同じクルミ科に属し、強い交差抗原性があります。クルミアレルギーの75%はペカンで症状が誘発され、ペカンアレルギーの97%がクルミで症状が誘発されるという報告があります。一方で、その他のナッツ間の臨床的な交差抗原性は比較的低いことが示されています。ナッツ類としてひとくくりにして除去する必要は通常ないものの、個々にアレルギーの有無を確認する必要があります。
参考)https://note.com/ririnagu/n/n15a281367a6d
カシューナッツアレルギーの診断には、血液検査と食物経口負荷試験が用いられます。血液検査では、カシューナッツ特異的IgE抗体を測定します。代表的なアレルゲン39項目を一度に検査できるView39というセットもあり、何に対してアレルギーが出ているのか分からない場合に推奨されます。
参考)https://ikkaku-clinic.com/allergy/food.html
従来のカシューナッツ特異的IgE抗体検査(f202カシューナッツ)は、臨床的感度は十分であるものの、特異度が十分ではない特徴があり、偽陽性の問題が指摘されていました。これは、検査陽性者の中にカシューナッツを摂取可能な患者さんが含まれることを意味します。
この問題を解決するため、近年ではAna o 3というアレルゲンコンポーネント検査が保険適用となりました。Ana o 3は粗抽出アレルゲンよりも臨床的特異度が高いため、従来の検査と組み合わせて測定することにより、より精度の高い診断が可能になります。研究では、Ana o 3が2.2 UA/mLを超える場合は、経口負荷試験で陽性となる可能性が高く、血液検査の結果からアレルギーであると診断できると報告されています。
参考)https://www.kobaskin.com/post/%E3%83%8A%E3%83%83%E3%83%84%E9%A1%9E%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E6%A4%9C%E6%9F%BB%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6
食物アレルギーの確定診断には、食物経口負荷試験が最も信頼性の高い検査です。これは、アレルギーが疑われる食べ物を実際に医療機関で食べて、症状が出るかを観察する検査です。ただし、ナッツ類は強いアレルギー症状が起こりやすいため、以前にアナフィラキシーを認めた患者さんやごく少量でアレルギー症状が出たことがある患者さんは、専門施設での検査が推奨されます。
参考)https://mk-kodomo.com/blog/%E9%A3%9F%E7%89%A9%E3%82%A2%E3%83%AC%E3%83%AB%E3%82%AE%E3%83%BC%E3%81%AE%E8%A8%BA%E6%96%AD%E3%81%AB%E6%9C%80%E3%82%82%E6%9C%89%E7%94%A8%E3%81%AA%E6%A4%9C%E6%9F%BB%EF%BC%9A%E9%A3%9F%E7%89%A9%E7%B5%8C/
カシューナッツアレルギーの対策として最も重要なのは、カシューナッツを含む食品を避けることです。消費者庁は2025年度中に、食物アレルギー義務表示対象品目にカシューナッツを追加する方針を示しました。現在義務表示となっているのは、えび・かに・くるみ・小麦・そば・卵・乳・落花生(ピーナッツ)の8品目ですが、カシューナッツが9品目目として追加される予定です。
参考)https://www.snfoods.co.jp/knowledge/column/detail/13372
カシューナッツは加工食品に含まれることが多いため、注意が必要です。スナック菓子、チョコレート、スープやソース、カレーなどの製品に意外にも含まれていることがあるため、必ず成分表示を確認する習慣をつけましょう。アレルギー表示は法的に義務化されているため、成分表を見ることで安全を確保することができます。
外食時や加工食品を購入する際は、以下のポイントに注意してください。
家族や友人にもカシューナッツアレルギーがあることを伝え、誤って食べてしまうリスクを避けることが大切です。特にお子さんの場合は、学校や保育園にも必ず伝え、給食やおやつの管理に協力してもらいましょう。
お子さんにカシューナッツを食べさせる際は、アレルギーだけでなく窒息のリスクにも十分な注意が必要です。消費者庁は、窒息・誤嚥防止のため、5歳以下の子どもには固形のナッツ類を控えるように働きかけています。
参考)https://www.jpeds.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=123
ナッツ類は硬くてかみ砕く必要がある上、軽いため、飲み込む準備ができていないときにのどに落ちることがあります。また、息を吸ったときに不意にのどに移動したりして、詰まってしまう危険もあります。乾燥したナッツは気管や気管支の中で水分を吸って膨らみ、窒息を引き起こすリスクも高いです。さらに、かけらが気道に入って肺炎や気管支炎を起こすおそれもあります。
近年、健康志向の高まりを背景に木の実類の消費量が伸びる一方で、アレルギーの発症例が増加・重症化するケースも出ています。ナッツ類アレルギーは2015年では8位だったものが2021年には3位にまで増加しており、その中でもクルミが約60%、カシューナッツが20%を占めています。
参考)https://mk-kodomo.com/blog/nut-allergy/
お子さんにナッツ類を初めて食べさせる際は、以下の点に注意してください。
年上のきょうだいがいる場合、下の子が年長児のマネをして同じものを欲しがることがあります。年長児が自分と同じものをそのまま与えてしまうことにも注意が必要です。食事中のマナーや、年齢や発達段階によって安全に食べられる食材や形状が異なることについて、日頃から家族で話し合い、ルールを決めておくと良いでしょう。
カシューナッツアレルギーの予防と日常生活での対策として、いくつかの実践的なアプローチがあります。まず、乳児期に卵や牛乳のアレルギーがありアトピー性皮膚炎があるお子さんは、1歳過ぎに(できればアレルギー検査をしてから)少しずつ食べていくことが提案されています。
参考)https://koiwa-wanpaku.tumsclinic.com/202503/
アレルギー検査は1歳以上に推奨されており、事前に検査を受けることで安全に食品を導入できます。血液検査でクルミやカシューナッツが陽性でも食べて症状が出ない人がいるため、アレルギーの診断には血液検査の結果だけでなく食物経口負荷試験の結果など医師が総合的に判断することが重要です。
参考)https://aozora-hifuka.net/allergy/
家庭での対策として、調理器具や食器の共用にも注意が必要です。カシューナッツを扱った後の調理器具は、よく洗浄してから他の食品の調理に使用しましょう。また、家族が食事をする際に、アレルギーのある方の食事が混ざらないよう、別の皿や調理器具を使用することも効果的です。
食物アレルギーについては、上手に怖がり、食べられる・食べられない食材の整理をすることが大切です。不安がある場合、症状が気になる場合は、医師と相談しながら進めていくことが推奨されます。
参考)https://journal.syounika.jp/2022/07/25/nut_allergies/
万が一アレルギー症状が現れた場合に備えて、抗ヒスタミン薬などの内服薬を医師の指示に従って準備しておくことも重要です。また、エピペン®が処方されている場合は、常に携帯し、使用方法を定期的に確認しておきましょう。
参考リンク:消費者庁によるカシューナッツ表示義務化に関する情報
https://www.snfoods.co.jp/knowledge/column/detail/13372
参考リンク:日本小児科学会による子どもの窒息予防に関する情報
https://www.jpeds.or.jp/modules/guidelines/index.php?content_id=123

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