甲類焼酎を毎日の料理酒として使うと、旨味成分がゼロなので料理の風味が乙類より劣ることがあります。
焼酎の甲類とは、「連続式蒸留機」を使って製造されたアルコール度数36度未満の焼酎のことを指します。酒税法によって正式に定義されており、乙類(単式蒸留焼酎)と明確に区別されています。
連続式蒸留とは、原料を何度も繰り返し蒸留にかける方法です。この工程を経ることで、原料由来の雑味や香り成分がほぼ完全に取り除かれ、非常に純度の高いアルコールが生成されます。つまり、クセのないすっきりとした味わいが特徴です。
原料にはサトウキビの搾りかす(廃糖蜜)やとうもろこしなどが使われることが多く、大量生産に向いています。そのため価格が安く、4Lペットボトルで1,000円前後という驚きのコスパが実現できます。これは乙類の同サイズと比べて3〜4割ほど安い水準です。
蒸留を繰り返すことで不純物が除かれるため、翌日残りにくいといわれることもあります。ただし飲みすぎはもちろん禁物です。連続式蒸留が生む「無味無臭に近い」この性質こそが、甲類最大の強みといえます。
甲類と乙類の最大の違いは「蒸留方式」と「風味」です。乙類(本格焼酎)は単式蒸留機を1回だけ使うため、芋・麦・米などの原料の香りや旨味がしっかり残ります。一方、甲類は繰り返し蒸留するため、原料の個性がほぼ消えます。
以下の表で主な違いをまとめました。
| 項目 | 甲類 | 乙類(本格焼酎) |
|---|---|---|
| 蒸留方式 | 連続式蒸留 | 単式蒸留 |
| アルコール度数上限 | 36度未満 | 45度以下 |
| 風味・香り | クセがない・すっきり | 原料の風味が豊か |
| 価格目安 | 4Lで約1,000円〜 | 4Lで約1,500円〜 |
| 代表的な原料 | 廃糖蜜・とうもろこし | 芋・麦・米・黒糖など |
| 主な用途 | チューハイ・梅酒・料理酒 | ストレート・水割り・お湯割り |
乙類は「本格焼酎」と表示できるのに対し、甲類は「甲類焼酎」と表示します。どちらが優れているというわけではなく、用途と好みで選ぶのが正解です。
甲類はクセがないが、乙類は個性がある。この一言に集約されます。
なお、甲類と乙類を混ぜた「甲乙混和焼酎」という種類も存在します。甲類が50%以上のものを「甲類乙類混和」、乙類が50%以上のものを「乙類甲類混和」と呼び、スーパーでもよく見かけるタイプです。
甲類焼酎は糖質ゼロ・プリン体ゼロという点が、健康を気にする方に支持される理由のひとつです。蒸留酒はアルコール分以外の成分が極めて少なく、日本酒やビールと比べてカロリーが低めになります。
アルコール25度の甲類焼酎100mlあたりのカロリーは約146kcalです。ビール350ml缶が約140〜150kcalですから、飲む量を抑えれば比較的カロリーを管理しやすいお酒といえます。
ただし、チューハイとして市販されている缶飲料は別物です。果汁や砂糖・シロップが加わることで糖質が一気に増えるため、自宅で甲類焼酎に炭酸水と少量のレモン果汁を合わせたほうが糖質コントロールに向いています。
市販チューハイ1缶(350ml)の糖質は製品によって約10〜20gのものも多く、飲み過ぎると糖質過多になりやすいです。自家製チューハイで置き換えると、1缶あたりの糖質を1g前後まで抑えられます。これは大きな差です。
糖質制限中の方や、ダイエット中に少しお酒を楽しみたい方には、甲類焼酎+炭酸水の組み合わせが条件が合いやすいです。飲みすぎはもちろん避けることが前提になります。
甲類焼酎の最大の特徴は「無味無臭に近いこと」です。この性質を活かせば、割材の味をストレートに楽しめます。チューハイ・サワー・カクテルのベースとして非常に優秀です。
代表的な飲み方をまとめます。
割り方の基本は、焼酎1:割材2〜3の比率です。お好みで調整してください。
また、梅酒づくりに使う甲類焼酎は度数35度以上のものが推奨されます。度数が低すぎると梅のエキスがうまく抽出されず、保存性も落ちます。酒税法上、アルコール度数20度以上の酒類を使うことが家庭での果実酒づくりの条件です。これは必ず守ってください。
参考:果実酒の製造に関するルールについては国税庁のページで確認できます。
スーパーで手軽に購入できる甲類焼酎の主要銘柄として、「宝焼酎」「キンミヤ焼酎(亀甲宮焼酎)」「大五郎」「鏡月」などが挙げられます。それぞれ風味や価格帯が若干異なりますが、どれも甲類の特性である「すっきりした味わい」は共通しています。
ここで主婦目線の独自視点をひとつ紹介します。甲類焼酎は「料理酒の代替品」として使えるという知識は広まっていますが、実は梅干しの塩抜きや魚の臭み取りにも活用できます。料理酒は食塩が添加されているため塩分が気になる場面がありますが、甲類焼酎は食塩無添加なので塩分をコントロールしたい家庭料理に向いています。
ただし先述の通り、甲類焼酎には旨味成分がほぼ含まれていません。旨味を加えたい煮物などには、みりんや日本酒を組み合わせる工夫が必要です。使い分けが重要ということですね。
家計という観点でみると、市販のチューハイを週3本(約200円×3本=週約600円)購入するケースと、甲類焼酎4L(約1,000円)を購入してレモンサワーを自作するケースを比べてみましょう。4Lの焼酎からは約100杯分(1杯40ml計算)が取れます。同量を市販チューハイで揃えようとすると約20,000円かかります。差額は約19,000円です。1年間で見ると家計への影響は非常に大きくなります。
節約効果を実感するためには、まず1本試しに買ってみることをおすすめします。自分好みの割り方を見つけると、一層楽しくなります。
参考:甲類・乙類焼酎の分類や定義については国税庁の酒税法関連ページが詳しいです。
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