塩分を減らして作った梅干しは、冷蔵庫に入れないと1週間でカビが生えます。
梅干し作りは、材料と道具の選び方から勝負が始まっています。ここを押さえておくと、その後の工程がぐっとスムーズになります。
まず必要なのは、完熟梅1kg・粗塩180〜200g(梅の重量に対して18〜20%)・消毒用の焼酎(35度以上)・漬ける容器です。容器は酸に弱い金属製を避けるのが原則です。ガラス製・ホーロー製・陶器製のものを用意しましょう。重石は梅の重量と同じ1kgが目安で、水を入れた500mlペットボトル2本でも代用できます。
特別な道具がない場合は、ジップロック(フリーザーバッグLサイズ)を使う方法が最も手軽です。容器も重石も不要なので、初めて挑戦する方にとってハードルが下がります。これは使えそうです。
竹串や爪楊枝はヘタを取るために必要で、複数本用意しておくと途中で折れたときも安心です。天日干し用には、竹ざるやプラスチック製のザル、または吊り下げネットを用意します。金属製のザルは酸で変質するため避けましょう。
材料と道具が揃ったら、消毒が最初の仕事です。容器・落とし蓋・重石など、梅に触れるものすべてを熱湯または焼酎で消毒します。この一手間がカビを防ぐ最重要ポイントです。消毒が基本です。
| 材料・道具 | 分量・仕様 | 代用品 |
|---|---|---|
| 完熟梅 | 1kg(南高梅がおすすめ) | — |
| 粗塩 | 180〜200g(梅の18〜20%) | — |
| 焼酎(35度以上) | 消毒・カビ防止用 | 消毒用アルコール(食品可) |
| 漬ける容器 | ガラス・ホーロー・陶器製 | ジップロック(Lサイズ) |
| 重石 | 梅と同重量(約1kg) | 水入りペットボトル2本 |
| 天日干し用ザル | 竹・プラスチック・木製 | 吊り下げネット |
参考:中田食品「梅干しの漬け方・干し方の手順と材料」
https://www.nakatafoods.co.jp/umedia/detail/15
完熟梅を選ぶかどうかで、梅干しの柔らかさと仕上がりが大きく変わります。意外に思われるかもしれませんが、完熟梅はアク抜きが不要なので、青梅より工程がシンプルになります。
完熟梅がスーパーに出回るのは、毎年6月中旬から7月上旬のわずかな時期だけです。この時期は非常に短く、見逃すと翌年まで待つことになります。スーパーで最もよく見かけるのが和歌山県産の「南高梅」で、皮が薄くて果肉が厚く、梅干しに最も適した品種とされています。
完熟梅の見分け方は、色と香りが決め手です。全体が黄色くピンクがかっており、手に持つとふわっと甘い香りが漂っているものを選びましょう。反対に、緑色が残っている青梅を買った場合は、室温で2〜3日ほど追熟させてから使います。追熟の目安は黄色くなって香りが出てくることです。
完熟梅は傷みやすく、届いてから2日程度が使用の限界です。購入したら冷暗所に置き、できるだけ早く漬け作業に入りましょう。購入と同日に準備を始めるのが理想です。傷んだ部分がある実は取り除きます。傷口からカビが発生する原因になるためです。
予約での入手も有効な手段です。近くのスーパーに「完熟梅が入荷したら連絡してほしい」と伝えておくか、農家や専門ショップのオンラインストアで6月頃から予約受付が始まるので、事前にチェックしておくと安心です。
ここが梅干し作りの核心です。塩分濃度の選択を間違えると、カビが発生して数週間の努力が水の泡になりかねません。
カビが増殖しにくい塩分濃度は15%以上とされており、初心者には18〜20%での仕込みが強く推奨されています。塩分20%で作った梅干しは常温で数年間保存できますが、15%以下に減らすと冷蔵保存が必須になり、長期保存も難しくなります。減塩に挑戦するのは、基本の作り方に慣れてからにするのが安全です。
【ジップロックを使った基本の漬け方】
2〜3日すると梅から水分が出て「梅酢」が上がってきます。梅酢が梅全体を浸す程度まで上がってきたら、重石を軽くしてそのまま冷暗所で保管します。梅雨明けまで1ヶ月ほど待つのが次のステップです。
梅酢の上がりが遅い場合は、塩分20%の塩水を少量加えると促進できます。また、空気がジップロック内に入るとカビが発生しやすいため、毎回空気を抜く作業は怠らないようにしましょう。空気を抜くことが条件です。
精製塩より粗塩を使うと旨みが格段に増します。食塩相当量が99%以上の精製塩は塩辛いだけで、昔ながらのまろやかな梅干しの味が出にくくなります。パッケージ裏の「栄養成分表示」で食塩相当量が99%近くなら精製塩です。
参考:旭化成「ジップロック®で梅干し作り レシピ」
https://ahp-recipe.jp/sheet.php?recipe=919
塩漬けから約1ヶ月後、いよいよ梅干し作りのクライマックスである「土用干し」です。天日干しをすることで余分な水分が飛び、殺菌効果も加わって保存性が一気に高まります。
土用干しのベストタイミングは、梅雨が明けた7月下旬〜8月上旬の、晴天が3日以上続く日です。この時期の強い日差しが梅をしっかり乾かし、皮にシワを作り、独特の風味を引き出します。天気予報で3日間晴れの続く日を事前に確認しておきましょう。
【土用干しの手順】
干し終わった梅は、保存方法によって食感と味わいが変わります。梅酢に戻して保存すると果肉がみずみずしく酸味が強め、そのまま保存容器に入れると果肉がねっとりして酸味が少し落ち着きます。好みで選んでOKです。
天日干し中に雨が降ってしまった場合は、すぐに室内に取り込めば問題ありません。外に出せなかった日は翌日に加算して、合計3日分しっかり干せれば大丈夫です。天日干しできない環境の場合は、風通しのよい室内で扇風機の風を当てて干す方法でも代用できます。
干し終えたあとはすぐに食べることもできますが、2〜3ヶ月ほど熟成させると塩かどが取れてまろやかになります。半年、1年と置くほどに味が深まるので、焦らず待つのも梅干しの楽しみ方のひとつです。
参考:FOODIE「【基本の塩分18%】手作り梅干しのレシピ(作り方)」
https://mi-journey.jp/foodie/23958/
梅干しを作る過程で必ず出てくる「梅酢」は、実は捨てるどころか料理や健康に大活躍する万能調味料です。知らないと損する副産物です。
梅酢とは、梅を塩漬けにすることで梅から染み出てくる液体のこと。クエン酸・有機酸・ポリフェノールが豊富に含まれており、殺菌効果・疲労回復・整腸効果・血流改善などが期待できます。2019年7月には和歌山産の梅干しのクエン酸が疲労回復効果として消費者庁の機能性表示食品に認定されたほどです。
梅酢の代表的な使い方はこちらです。
赤紫蘇を加えた後の梅酢は「赤梅酢」、加える前のものが「白梅酢」と呼ばれます。白梅酢はさっぱりとした塩味、赤梅酢は鮮やかな赤色と紫蘇の風味が特徴です。用途に合わせて使い分けると料理の幅が広がります。
梅酢を保存する際は、清潔なガラス瓶などに入れて冷蔵庫で保管しましょう。塩分が高いため腐りにくく、適切に保管すれば1年以上使えます。梅干しを作り続けていると毎年梅酢がたまっていき、翌年の梅漬け工程でも活用できます。捨てずに取り置くのが賢い使い方です。
参考:梅ボーイズ「梅干し、梅酢に含まれるクエン酸とその効果について」
https://umenokuni.com/blogs/umeboshi-knowldge/citric-acid
梅干し作りの最大の壁がカビです。多くの主婦が「カビが心配で踏み出せない」と感じているのがこのポイントで、実際には正しい対策を知っていれば、カビは十分に防げます。
カビが発生する主な原因は3つです。容器や道具の消毒が不十分であること、塩分濃度が低すぎること、傷んだ梅をそのまま使ってしまうことです。この3点さえ守れば、初心者でもカビのリスクを大幅に下げることができます。カビの原因はシンプルです。
【万が一カビが生えてしまった場合の対処法】
カビには白・青・赤の3種類があります。白カビは塩の結晶と間違えやすいですが、よく見ると毛羽立っているのが特徴です。白カビの場合は比較的対処がしやすく、カビのついた梅と梅酢を取り出し、梅酢を煮沸消毒してから梅を水洗い・乾燥させ、容器に戻せば継続できます。青カビや赤カビが広範囲に生えている場合は、残念ながら全体を廃棄する判断が必要です。
ジップロックで漬ける場合、カビ防止の追加テクニックとして「焼酎を梅全体にまぶしてから塩と一緒に袋に入れる」方法が有効です。焼酎の殺菌効果がカビの発生を抑えてくれます。塩分を18%より少し下げたい場合でも、焼酎をしっかり使えばリスクを軽減できます。
塩分18%以上で作った梅干しの保存期間は実質無期限とも言われており、常温の冷暗所(直射日光の当たらない棚など)に置いておけます。一方、15%以下の減塩梅干しは必ず冷蔵保存が必要で、保存期間も1年程度です。作り方に合わせた保存管理が大切です。
漬けている最中に毎日チェックする習慣をつけると、カビの早期発見につながります。梅酢が梅全体を浸していることと、ジップロック内に空気が入っていないことを確認するだけでOKです。1分かからない確認作業です。これだけ覚えておけばOKです。
参考:熊平の梅「梅干しにカビが生えてしまう原因を解説」
https://www.kumaheinoume.co.jp/blog/umeblog/24880
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