圧力鍋で加圧しすぎると、牛すね肉はパサパサになって台無しになります。
牛すね肉は、牛の脚のすね部分に当たる赤身肉で、コラーゲンが豊富な部位です。通常の鍋で柔らかくするには最低90分〜2時間の煮込みが必要で、火加減の管理も難しい食材です。
圧力鍋を使えば、加圧時間は約20〜25分で済みます。通常鍋との差は約70〜90分。これだけの時間差があれば、夕食の準備がぐっと楽になります。
圧力鍋選びで迷う方は「加圧の最高圧力」に注目してください。家庭用の標準的な圧力鍋は80〜90kPa程度で、この圧力帯であれば牛すね肉のシチューに十分対応できます。電気式圧力鍋(アイリスオーヤマ、ティファール、パナソニックなど)は火加減の調整が不要なので、初めて使う方にも向いています。
圧力鍋には大きく「直火式」と「電気式」の2種類があります。直火式はより高い圧力をかけられるため短時間で仕上がりますが、加圧中は目を離せません。電気式はタイマーをセットしたら放置できるため、家事の合間に作れる利便性があります。使用頻度や生活スタイルに合わせて選ぶのが基本です。
下処理が仕上がりを左右します。
牛すね肉をシチューに使う前に必ずやっておきたいのが、「血抜き」と「下茹で(アク抜き)」の2ステップです。この工程を省略すると、臭みが残ってシチュー全体の風味が損なわれます。
血抜きの手順は以下の通りです。
血抜き後は下茹でに移ります。鍋に肉と水を入れて中火にかけ、沸騰したらアクをすくい取ります。この工程を行うことで、臭みの原因となるミオグロビン(肉の色素タンパク質)と血液が除去されます。約5〜10分下茹でしたらザルに上げ、軽く水洗いしてから圧力鍋に移してください。
一手間ですが、効果は大きいです。下処理をしっかり行った牛すね肉は、シチューのルーや野菜の甘みをより吸収しやすくなります。結果的に、料理全体の完成度が上がります。
加圧20〜25分が基本です。
ここでは実際の手順を、具体的な分量と時間付きで紹介します。2〜3人分を想定しています。
材料(2〜3人分)
手順
じゃがいもは圧力をかけると煮崩れしやすいため、加圧後に加えるのが鉄則です。にんじんも同様に加圧後に加える方が形が残りますが、食感を柔らかくしたい場合は加圧前から入れても問題ありません。
自然冷却が大事です。急冷(蛇口の水を鍋にかける)は肉が急に引き締まり、せっかく柔らかくなった食感が損なわれる場合があります。時間があるときは自然冷却を選んでください。
よくある失敗は「水分量の誤り」です。
圧力鍋は密閉調理のため、通常の鍋と比べて水分が蒸発しません。普段のシチューレシピの水の量をそのまま使うと、仕上がりが水っぽくなります。目安として、通常レシピの水分量の7〜8割程度に抑えるのがコツです。
とろとろ食感に仕上げるためのポイントをまとめました。
肉が硬かった場合の対処法も覚えておくと安心です。加圧が足りなかった場合は、蓋を閉じ直してさらに5〜10分加圧してください。肉のサイズが大きすぎた(5cm以上)場合も火の通りが均一にならないことがあるため、4cm角以下に切るのが基本です。
市販のシチューのルーを使う場合、「デミグラスソース系」のルーを選ぶと牛すね肉の風味と相性が良くなります。ハウス食品の「ビーフシチュー」やS&Bの「とろけるシチュービーフ」は、家庭でも本格的な仕上がりを出しやすい製品として知られています。これは使えそうです。
多めに作って翌日アレンジするのが、実は一番コスパが高い使い方です。
牛すね肉シチューは冷蔵で3〜4日、冷凍で約1ヶ月保存できます。ただし、じゃがいもは冷凍すると食感がスポンジ状になって劣化しやすいため、保存する分にはじゃがいもを入れないか、取り出してから冷凍することをおすすめします。
冷凍保存する場合は、1食分ずつジップロックなどの保存袋に平らに入れて冷凍すると、解凍時に均一に温まります。電子レンジで解凍する際は、500Wで3〜4分を目安に途中で一度混ぜてください。
翌日のアレンジレシピとして人気が高いのは以下の3つです。
保存と活用がしやすいのも、牛すね肉シチューの大きな魅力です。週末にまとめて作り置きしておけば、平日の夕食準備が大幅に短縮されます。圧力鍋でまとめて加圧する場合は、鍋の容量の2/3を超えないよう注意してください。これが安全に使うための条件です。
参考:圧力鍋の安全な使い方と調理のコツについては、消費者庁の製品安全情報も確認しておくと安心です。
牛すね肉はスーパーで100g当たり150〜250円程度で購入できます。ビーフシチュー用として塊で売られていることが多く、500gパックであれば750〜1,250円前後が相場です。コラーゲン豊富でコスパが高い部位なので、美容や関節の健康を気にする方にも注目されています。牛すね肉100gあたりのコラーゲン含有量は約3〜5gとされており、豚足に次いで高い水準です。とろとろ食感の理由はまさにここにあります。
参考:農林水産省の食肉の栄養・選び方に関する情報
農林水産省:食肉に関する情報ページ
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