普通のコーヒーは、輸入の段階で殺虫剤の蒸気に漬けられていると知っていますか?
有機コーヒーとは、農薬や化学肥料を一切使わずに栽培されたコーヒー豆を使ったコーヒーのことです。日本で「有機」「オーガニック」と正式に名乗るためには、農林水産省が定めた「有機JAS認証」を取得する必要があります。
この認証を取得するための基準は、かなり厳しいものです。多年生作物であるコーヒーの場合、種まきまたは植え付けの前に3年以上、農薬・殺虫剤・化学肥料を一切使用しない土壌で栽培されていることが条件となっています。つまり、昨日今日始めたからといって「有機」を名乗ることはできません。長年にわたって土を育ててきた農家のコーヒーだけが、この認証を受けられるのです。
つまり3年以上が条件です。
では、通常のコーヒーと何が違うのでしょうか? 最も大きな違いのひとつが「燻蒸(くんじょう)処理」です。日本では、コーヒー生豆は食品ではなく植物種子として輸入されます。そのため、外来種の害虫(コーヒー豆に穴を開けて住み着く「ブロッカ(豆食い虫)」など)の混入を防ぐため、通常のコーヒー豆には輸入時に強力な殺虫剤の蒸気で燻製にする「燻蒸処理」が施されます。使われる薬品は臭化メチル・リン化アルミニウムといった劇物指定の強力な殺虫剤です。家庭で使われるバルサンよりもはるかに強力なものです。
これは使えそうな情報ですね。
一方、有機JAS認証を取得したオーガニックコーヒー豆はこの燻蒸処理が免除されています。残留農薬の心配はなく、加えて輸入時の殺虫剤処理もないため、より安心して飲めるコーヒーといえます。実際に「普通のコーヒーを飲むと気持ち悪くなるのに、有機コーヒーなら問題ない」というケースが少なからず報告されており、化学物質に敏感な体質の人にとっては特に大きなメリットとなっています。
なお、有機JAS認証がなくても「実質オーガニック」なコーヒーは存在します。農薬や化学肥料を購入できない貧しい産地では、結果的に無農薬・無化学肥料の栽培になっているケースがあるからです。そういったコーヒーは「自然栽培コーヒー」「無農薬コーヒー」といった名称で販売されていることがあります。
参考:有機JAS認証コーヒーについての詳しい解説(オーガニックコーヒー専門焙煎士による解説)
オーガニックコーヒーとは?珈琲店マスターが10のPOINTを解説! | しかめがね珈琲
有機コーヒーを選ぶとき、「有機JAS認証マークがあればどれでもいい」と思っていませんか? 実は焙煎度と産地によって、同じ有機コーヒーでも風味はまったく異なります。
焙煎度は大きく浅煎り・中煎り・深煎りの3段階に分かれます。
産地ごとの特徴も覚えておくと便利です。有機コーヒーの代表的な産地としては、エチオピア・コロンビア・グアテマラ・メキシコ・ペルーが挙げられます。特にメキシコ産の有機コーヒーは良質な酸味と甘みが特徴で、ドリップでの抽出に向いているとされています。
焙煎度が基本です。まずここを決めてから産地を選ぶと、迷いにくくなります。
さらに、ペーパーフィルターの種類も風味に影響します。白いフィルター(漂白タイプ)は紙の匂いが少なく、コーヒー本来の風味をクリアに出しやすいです。一方、茶色いフィルター(無漂白タイプ)は環境負荷が少なく、自然派志向の方に人気があります。気になる場合はお湯でフィルターをあらかじめ軽くすすいで使うのがおすすめです。
また、有機コーヒードリップバッグは、専用のドリッパーや器具がいらず、マグカップにひっかけてお湯を注ぐだけで本格的なコーヒーが楽しめます。忙しい朝や家事の合間にもぴったりです。市販の有機コーヒードリップバッグとしては、無印良品の「オーガニックコーヒー オリジナルブレンド ドリップパック」(約45円/袋)や、小川珈琲の「有機珈琲アソートセット ドリップコーヒー」などが人気です。
参考:焙煎度別・産地別の選び方をわかりやすく解説
オーガニックコーヒーの選び方 通販で買えるおすすめ商品も紹介 | Pantry Lucky
有機コーヒーを買ってきたはいいものの、自宅でのドリップの淹れ方に自信がない方も多いのではないでしょうか。ここでは、初心者でも失敗しない基本のペーパードリップの手順をご紹介します。
まず道具ですが、ドリッパー・ペーパーフィルター・コーヒーサーバー(またはマグカップ)・ドリップポット(細口のものが理想)があれば十分です。
【基本レシピ(1杯分)】
お湯の温度は大切です。100℃の沸騰したてのお湯を直接注ぐと、苦味や渋みが強く出すぎてしまいます。火からおろして約1分置いてから使うのが目安です。深煎りには83〜85℃前後、浅煎りには90℃前後のお湯が向いています。
次に「蒸らし」のステップが重要です。最初に粉全体が均等に湿る程度の少量のお湯(約20〜30ml)を注いで、30秒ほど待ちます。新鮮なコーヒー豆ほどこの段階でふっくら膨らみ、炭酸ガスが放出されます。このガスを逃がしてからお湯を注ぐことで、コーヒーの旨み成分が均一に引き出されます。蒸らしが原則です。
その後は残りのお湯を3〜4回に分けて、中心から「の」の字を描くようにゆっくり注いでいきます。勢いよく注ぐと雑味が出やすくなるので、静かに、じんわりと注ぐのがポイントです。全体の抽出時間は2〜3分程度を目安にしてください。
有機コーヒーは農薬や化学肥料による雑味がないため、この基本の淹れ方だけでもクリアですっきりとした味わいが楽しめます。「体にスッと入っていく感じ」と表現するコーヒー愛好家も多く、それは有機栽培ならではの特徴といえます。
参考:バリスタが教える基本のドリップコーヒーの淹れ方(温度・蒸らし・湯量の具体的な数値つき)
蒸らしのコツ|知る・楽しむ | UCC上島珈琲
せっかく良い有機コーヒーを手に入れても、保存方法を間違えると風味がみるみる落ちてしまいます。開封後の粉コーヒーを常温で放置している方は、少し注意が必要です。
コーヒーの風味を損なう4大敵は「空気・湿気・光・熱」です。この4つを遠ざけるだけで、鮮度を大幅に延ばすことができます。
【保存の基本ルール】
ドリップバッグタイプなら問題ありません。個包装されているため1袋ずつ新鮮な状態で楽しめ、使いかけの管理も不要です。また、小分けにしてまとめて冷凍庫に保管しておけば、必要なときに取り出すだけで手軽に使えます。
有機コーヒーは保存料が含まれず、自然な状態に近い豆が多いため、通常のコーヒーと同じように扱えますが、鮮度の低下に特に気をつけることが大切です。コーヒー豆・粉ともに「常温なら1ヶ月以内、冷凍なら3ヶ月程度」が使い切りの目安とされています。
参考:コーヒー豆の保存容器・場所・期間に関する詳しい解説
鮮度を保つコーヒー豆の保存方法 | My COFFEE STYLE – UCC上島珈琲
有機コーヒーは通常のコーヒーより2〜3割ほど価格が高い傾向にあります。それでも「高ければ安心・安全」とは限らないのが現実です。実は「有機JASマークが付いているのにまずい」コーヒーも市場には存在します。
なぜそういうことが起きるのでしょうか? 理由はハンドピックの有無にあります。品質にこだわる自家焙煎店では、焙煎前にカビが生えた豆・未成熟豆・過発酵の豆などを手作業で取り除く「ハンドピック」という工程を行います。これが味の決め手になるのです。一方、コスト削減を優先した大量生産品では、有機JAS認証の生豆を安く仕入れてそのまま焙煎することもあり、結果として風味が落ちるケースがあります。
つまり有機JASだけが条件ではありません。
有機コーヒーを選ぶ際に確認したいポイントをまとめます。
痛いですね。安さだけで選ぶと、有機のメリットを十分に享受できないまま飲み続けることになりかねません。
コスパと品質のバランスが取れた入門商品としては、無印良品の「オーガニックコーヒー オリジナルブレンド ドリップパック(7g×10袋入り・450円前後)」が1袋あたり約45円と手頃で、かつオーガニックの風味もしっかり感じられると口コミでも高評価です。有機コーヒーを試してみたい方の最初の一歩としておすすめです。
参考:オーガニックコーヒーの品質・認証・選び方に関する総合的な解説
オーガニックコーヒーとは?有機JAS認証マークの意味と違いを解説 | 光陽珈琲

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