「天然由来」と書いてあっても、中身が何かはラベルに書かれていません。
増粘多糖類は、食品に「とろみ」「ぷるっとした食感」「なめらかさ」を与えるために使われる食品添加物の総称です。糖がたくさん鎖状につながった「多糖類」という物質で、水に溶けると食品の粘度を高めたり、ゲル状に固める働きをします。ドレッシングがさらっとせずにとろみを保てるのも、アイスクリームが解けにくいのも、この成分が関係しています。
名前は一つですが、中身はさまざまです。主な種類を見てみましょう。
| 種類 | 原料 | 主な使用食品 |
|---|---|---|
| カラギーナン | 紅藻類(海藻) | ゼリー・プリン・乳飲料・アイス |
| キサンタンガム | トウモロコシ(微生物発酵) | ドレッシング・ソース・冷凍食品 |
| グァーガム | グァー豆(マメ科植物) | アイスクリーム・インスタント麺 |
| ペクチン | 柑橘類・リンゴの果皮 | ジャム・ゼリー・飲料 |
| ローカストビーンガム | イナゴマメの種子 | アイスクリーム・チーズ |
これらを2種類以上組み合わせて使う場合、食品表示法では「増粘多糖類」という一括表示が認められています。つまりラベルに「増粘多糖類」とだけ書かれていても、実際に何が何種類入っているかは消費者にはわかりません。
食品に粘りを与える、形を安定させる、水分の分離を防ぐ、という3つが主な役割です。これが基本です。
参考として、食品表示法における食品添加物の表示ルールについては、消費者庁が詳しく公開しています。
消費者庁|食品表示法に基づく食品添加物の表示ルール(消費者庁公式)
増粘多糖類の中でも、特に注意が必要とされているのがカラギーナンです。カラギーナンはIARC(国際がん研究機関)の発がん性グループ「2B」に分類されています。グループ2Bとは「ヒトに対する発がん性を示す証拠は限定的だが、動物実験では発がん性が認められた」というカテゴリです。
動物実験では、カラギーナンが腸の炎症・腸管病変・潰瘍・がん細胞の誘発と関連するという結果が複数報告されています。これは無視できません。
ただし、正確に理解しておくことも大切です。現在の研究では「ヒトが通常の食品から摂取する量では、発がんの明確な証拠はない」というのが主流の見解です。問題になるのは主に「低分子化されたカラギーナン」や「実験的な高用量」でのデータです。つまり、ゼリーを毎日1個食べただけで危険というわけではありません。
一方で、腸内環境への影響については別の視点からも注目されています。カラギーナンは腸の粘膜に炎症を引き起こす可能性があり、腸が敏感な方や過敏性腸症候群(IBS)の方にとっては、継続的な摂取が症状悪化につながるリスクがあります。
アメリカでは、カラギーナンはUSDA(米国農務省)の規定により有機食品への使用が禁止されています。EUでも幼児用粉ミルクへの使用が禁止されており、日本よりも規制が厳格です。これは意外ですね。
懸念されているもう一点が、キサンタンガムの原料問題です。キサンタンガムはトウモロコシを微生物で発酵させて作られますが、使用するトウモロコシが遺伝子組み換え作物由来である可能性があります。表示上は「増粘多糖類」としか書かれないため、遺伝子組み換え素材が使われているかどうかの判断ができません。
参考になる情報として、以下をご覧ください。
農林水産省|IARCの発がん性分類の見方と注意点(農林水産省公式)
結論から言えば、適量の摂取であれば健康への直接的な影響は低いとされています。厚生労働省や国際的な食品安全機関(FAO/WHO合同食品添加物専門委員会=JECFA)が安全性審査を行い、使用基準を設けたうえで許可している成分です。カラギーナンについてもJECFAは「通常摂取量では安全」と評価しています。
では「どれくらいなら安全なのか」という点が問題です。
増粘多糖類の多くは水溶性食物繊維として働きます。食物繊維自体は体に良いものですが、一度に大量に摂ると腸に過負荷がかかり、下痢・腹痛・ガスの発生といった消化器症状が起きることがあります。食物繊維を摂り過ぎた時の反応とよく似ています。
特に注意したい方は次のとおりです。
- 腸が敏感な方・IBSの方:カラギーナンが腸粘膜を刺激する可能性があります
- 乳幼児:EU基準では幼児用ミルクへのカラギーナン使用は禁止されています
- アレルギー体質の方:まれにカラギーナンによるアナフィラキシー事例の報告があります
- 加工食品を1日3食食べる方:複数食品から増粘多糖類を重複摂取するリスクがあります
過剰摂取に注意すれば大丈夫です。
重要なのは「1種類の食品から大量に摂る」よりも「複数の加工食品から毎日重複して摂り続ける」というパターンです。アイスクリームにもドレッシングにもハムにも冷凍食品にも増粘多糖類が含まれていれば、知らぬ間に摂取量が積み重なります。これが家庭での食卓管理で見落とされやすいポイントです。
厚生労働省|食品添加物の概要と安全性に関する情報(厚生労働省公式)
「増粘多糖類を使っていない食品を選びたい」と思っても、実は日常の食卓に非常に多く潜んでいます。「これも?」と驚く食品が含まれているので確認してみましょう。
| カテゴリ | 具体的な食品例 |
|---|---|
| 🍦 デザート・乳製品 | アイスクリーム、プリン、ゼリー、ヨーグルト、乳飲料 |
| 🥗 調味料・ソース | ドレッシング、マヨネーズ、ケチャップ、焼き肉のたれ、ポン酢 |
| 🍱 冷凍食品・惣菜 | 冷凍ピザ、冷凍グラタン、コンビニのおかず、揚げ物 |
| 🥩 肉加工品 | ハム、ソーセージ、ちくわ、かまぼこ |
| 🍞 パン・菓子類 | パン、ケーキ、洋菓子、チョコレート菓子 |
| 🍜 麺類・レトルト | インスタント麺、レトルトカレー、パスタソース |
| 🥛 飲料類 | コーヒー飲料、豆乳、ジュース系飲料 |
「ドレッシングをかけたサラダ」「ソーセージ入りのスープ」「アイスのデザート」という一見バランスが良さそうな献立でも、実は3品すべてに増粘多糖類が入っている、ということは十分あり得ます。つまり1日の食事全体での摂取量を意識することが大切です。
また、介護食やとろみ調整食でも増粘多糖類が使われています。嚥下補助のために意図的にとろみをつける用途ですが、この場合は摂取量が他の加工食品と比べて多くなりやすいため、特に注意が必要です。
「うちはドレッシングは手作り」「アイスは買わない」という方でも、ハムや惣菜、パンを使っているなら増粘多糖類を完全にゼロにするのはかなり難しいのが現実です。ゼロにする必要はありませんが、「どのくらい食べているか」を把握する意識は持っておきたいところです。
スーパーで食品を選ぶとき、裏面の原材料表示を見てもどこに注目すればいいかわからない、という方も多いはずです。ここでは具体的な読み方を紹介します。
まず、原材料表示は「使用量が多い順に記載される」というルールがあります。「増粘多糖類」という文字が原材料の前の方に登場するほど、含有量が多いことを意味します。
次に確認したい点が、どんな書き方がされているかです。
- 「増粘多糖類」→ 2種類以上の多糖類を組み合わせて使用。何が入っているかは不明
- 「増粘剤(キサンタンガム)」→ 1種類だけ使用されており、物質名が明記されている
- 「安定剤(カラギーナン)」→ カラギーナンを安定剤として使用と明示されている
物質名まで書かれている場合のほうが、中身の透明性が高いということです。
「増粘多糖類」という一括表示のほうが情報が少ない、と覚えておけばOKです。
カラギーナンを特に気にしている方は「カラギーナン」または「安定剤(カラギーナン)」という記載を見たら注意するようにしましょう。ゼリー・乳飲料・豆乳・アイスクリームに含まれていることが多いです。
また、「オーガニック食品」や「有機JAS認定食品」では、食品添加物の使用が厳しく制限されています。増粘多糖類の使用を避けたい場合は、オーガニック認定製品を選ぶのが有効な手段の一つです。とはいえ価格は通常品より2〜3割程度高くなることが多いため、使用頻度の高い食品(毎日使うドレッシングや豆乳など)から優先的に切り替えるのが現実的な方法です。
ラベルを確認する習慣が、食の安全を守る第一歩です。
加工食品を購入する際は、できれば原材料の種類数が少ないシンプルな製品を選ぶようにすると、増粘多糖類だけでなく他の添加物の摂取量全体を抑えやすくなります。たとえば、ドレッシングであれば市販品を使うよりも、オリーブオイル・酢・塩・こしょうで手作りすれば増粘多糖類はゼロになります。これは使えそうですね。
消費者庁|食品表示基準Q&A(原材料表示・添加物表示の読み方)(消費者庁公式PDF)
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