アルメニア料理を日本で楽しむ方法と家で作れるレシピ

アルメニア料理って日本で食べられるの?と思っているあなたへ。東京で味わえるお店情報から、主婦でも自宅で作れる本格レシピ、ユネスコ無形文化遺産のパンまで詳しく紹介。アルメニア料理の意外な魅力、気になりませんか?

アルメニア料理を日本で食べ・作る完全ガイド

アルメニア料理は、実はカレーより日本人の舌に合います。


🇦🇲 アルメニア料理を日本で楽しむ3つのポイント
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東京でも食べられる!

新宿のロシア料理レストラン「スンガリー新宿東口本店」でアルメニア料理が味わえます。専門店が閉店した今、都内では貴重な一軒です。

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日本の食材で作れる!

トルマ(葡萄の葉の肉詰め)やラフマジュン(薄焼きピザ)など、日本のスーパーや輸入食材店で手に入る材料だけで作れるレシピが多数あります。

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実はユネスコ遺産の味!

アルメニアの薄焼きパン「ラヴァシュ」は2014年にユネスコ無形文化遺産に登録されました。食べられる文化遺産を自宅で再現できます。


アルメニア料理とは何か?日本との意外な共通点

アルメニアはコーカサス地方南部に位置する小国で、北にジョージア、南にイラン、西にトルコ、東にアゼルバイジャンと国境を接しています。面積はおよそ29,700㎢と、日本の九州よりやや小さいくらいです。国土の大部分が標高1,000〜3,000メートルの高地にあり、年間を通じて空気が乾燥しています。


アルメニア料理の最大の特徴は「素材の味を活かしたシンプルな味付け」です。塩、コショウ、パプリカなどのスパイスを控えめに使い、肉や野菜の旨味をそのまま引き出す調理法が基本になっています。この「薄味・素材重視」のスタンスは、日本の家庭料理の考え方と驚くほど似ています。


実際、アルメニアを訪れた日本人の多くが「口に合いやすい」と感じています。ジョージア料理がスパイスやニンニクを多用するのに対し、アルメニア料理はよりマイルドで優しい風味のものが多い点が、日本人の味覚との相性の良さにつながっています。


アルメニア料理の代表的なメニューをいくつか押さえておきましょう。


| 料理名 | 特徴 |
|---|---|
| 🫓 ラヴァシュ | 薄焼きパン。ユネスコ無形文化遺産。具材を巻いて食べる |
| 🌿 トルマ(ドルマ) | 葡萄の葉でひき肉とお米を包んで煮込む。日本のロールキャベツに似た感覚 |
| 🍕 ラフマジュン | 牛ひき肉とトマト・玉ねぎを薄いパン生地に乗せて焼いた薄焼きピザ |
| 🥘 ハシュラマ | 骨付き肉と野菜(じゃがいも・トマト・パプリカ)の煮込み料理 |
| 🍮 ガトナブール | ライスをミルクで炊いてシナモンをかけたデザート。お米が主役という親しみやすさ |
| 🍯 バクラヴァ | パイ生地にナッツを挟み、蜂蜜をかけた甘いスイーツ |


もう一点、驚くべき事実があります。アルメニアはワイン発祥の地の有力候補とされており、2007年に同国南部のアレニ村近郊の洞窟「アレニ-1洞窟」から、約6,100年前の世界最古級のワイン醸造所遺跡が発掘されました。ワインと食文化が切り離せない国であることを知っておくと、アルメニア料理への理解がぐっと深まります。


明治ブルガリアヨーグルト倶楽部|アルメニア共和国のヨーグルト料理「タタボラギ」のレシピと食文化紹介(信頼性の高い企業公式サイト)


アルメニア料理を日本で食べられるレストラン情報

「アルメニア料理を一度食べてみたいけど、お店がない」と思っている方は多いはずです。実は都内に1軒、アルメニア料理を提供しているお店があります。


2021年に東京・高田馬場に日本初のアルメニア料理専門店「Mayrig(マイリグ)」がオープンしましたが、残念ながら2022年9月末に閉業しています。貴重なお店でした。


現在のおすすめは、新宿に1957年創業の老舗ロシア料理店「スンガリー新宿東口本店」です。ロシア料理・ウクライナ料理・ジョージア料理を主に提供していますが、同店の東口本店ではアルメニア料理もメニューに並んでいます。都内でアルメニア料理を食べられる場所としては現状ほぼ唯一の選択肢です。



  • 🏠 店名:スンガリー新宿東口本店

  • 📍 場所:東京都新宿区(JR新宿駅東口より徒歩約5分)

  • 🕐 営業時間:月〜木・日 17:00〜22:00、金・土・祝 17:00〜22:30

  • 💳 支払い:カード・電子マネー・QRコード決済対応


東京以外にお住まいの方や、「まず料理そのものを知りたい」という方には、自宅での再現レシピがおすすめです。これは次のセクションで詳しく紹介します。


また、日本アルメニア大使館が主催するイベントや、都内の輸入食品店などでアルメニアのチーズ・ワインを入手できる機会もあります。新大久保・東麻布・広尾エリアの輸入食材専門店では、トルマ作りに必要な葡萄の葉の塩漬け(主にレバノン産・トルコ産)が購入できます。つまり、自宅調理への入口は思ったより身近なところにあります。


スンガリー新宿東口本店の公式情報(メニュー・アクセス・予約)


アルメニア料理を日本で再現するレシピ:トルマの作り方

アルメニア料理を自宅で初めて作るなら、トルマ(葡萄の葉のひき肉詰め)が最もおすすめです。これは基本が分かれば難しくありません。


形のイメージとしては、日本のロールキャベツをキャベツではなく葡萄の葉で巻いたもの、と考えると分かりやすいです。葡萄の葉には柏餅の葉に似た爽やかな香りがあり、煮込むとしっとり柔らかくなります。


材料(約30個、5〜6人分)



  • 🥩 合いびき肉:400g(牛豚どちらでもOK。アルメニアはキリスト教国なので豚肉も使います)

  • 🍚 米(生):60g

  • 🧅 玉ねぎ(みじん切り):小1個分

  • 🌿 パクチー・青ネギ:適宜

  • 🫙 葡萄の葉の塩漬け:1/2瓶

  • 🥛 ヨーグルト(プレーン):大さじ4〜5(ソース用)

  • 🧄 すりおろしにんにく:1かけ(ソース用)


葡萄の葉の塩漬けは、東麻布の「日進ワールドデリカテッセン」、広尾の「ナショナル麻布」、代々木上原の「東京ジャーミー」で購入可能です。ネット通販でも手に入ります。価格は1瓶(60〜70枚入り)で500〜900円程度が目安です。


作り方(簡略版)



  1. ひき肉・米・玉ねぎ・ハーブ・塩を合わせてよくこねる

  2. 葡萄の葉を瓶から出し、水を2〜3回替えながら塩を抜く

  3. 親指大のタネを葉の中央下に置き、両端から巻いてしっかり閉じる

  4. 鍋にきっちり並べ、ひたひたよりやや少なめの水を入れて落とし蓋をして強火にかける

  5. 沸騰後は弱火で30〜40分。水気がなくなったら火を止めて冷ます

  6. ヨーグルト+すりおろしにんにく+塩少々を合わせてソースにする


ヨーグルトソースがあると仕上がりが格段によくなります。このソースが基本です。塩漬けの葡萄の葉は一度に全部使わなくてよく、余りは冷蔵で約1か月保存できます。


Think EAT Lab|アルメニア料理・葡萄の葉のトルマの詳しいレシピ(アルメニアを訪問した筆者による詳細レシピ)


アルメニア料理が主婦に嬉しい理由:健康と食材の節約効果

アルメニア料理には、主婦の視点から見ると気になる健康メリットがいくつもあります。特に注目したいのが、ザクロをはじめとする食材の栄養価です。


アルメニアの国民的なフルーツとも言えるザクロは、アルメニア料理の各所に登場します。ソースとして、デザートのトッピングとして、お肉の煮込みの風味付けとして活躍します。


ザクロの主な栄養効果



  • 🍎 エラグ酸ポリフェノールの一種):老化に関係する遺伝子(サーチュイン)を活性化すると研究で示されています

  • 💊 ビタミンC:100mlのザクロジュースにビタミンCが豊富。免疫力アップ・抗酸化作用

  • ⚖️ 低カロリー:ダイエット中でも気軽に取り入れられる

  • 🌸 植物性エストロゲン(エストロン):女性ホルモンに似た働きをするとされ、更年期症状のセルフケアとしても注目されています


また、アルメニア料理には発酵乳「マツン(マツォニ)」がソースとして頻繁に登場します。これは市販のプレーンヨーグルトで代用できるため、わざわざ特殊な食材を揃える必要がありません。手持ちのヨーグルトが活躍できます。


さらに、アルメニア料理の多くは「煮込み」「グリル」「パン生地焼き」という調理法が中心です。特別な調理器具も必要なく、ふだんの鍋やフライパンで対応できます。食材コストの面でも、メイン食材はひき肉・鶏肉・野菜が多いため、日本の家庭料理と大きくかけ離れた出費にはなりません。節約につながります。


ヨーグルトを料理に使う習慣がアルメニアにも根付いており、特にトルマのソースやスパス(ヨーグルトスープ)などでその活用例がよく分かります。これは日本の主婦にとっても身近なアレンジとして取り入れやすい発想です。


アルメニア料理の文化背景:ユネスコ遺産ラヴァシュとワイン6100年の歴史

アルメニア料理を深く楽しむには、その歴史的背景を知っておくとより味わいが増します。実は、アルメニアの食文化は世界的に見ても非常に古く、重要な位置を占めています。


まず「ラヴァシュ」について。薄い生地を大型の釜(トニール)の内壁に貼り付けて焼き上げるこのパンは、2014年にユネスコの無形文化遺産リストに登録されました。食べものとしての側面だけでなく、アルメニアの文化表現・家族や地域の絆の象徴として認められたのです。ユネスコ登録の食べものというと「和食」が有名ですが、ラヴァシュはその2年前、2014年に同様の認定を受けています。


そして驚くべきはワインの歴史です。アルメニア南部・アレニ村近郊の「アレニ-1洞窟」で2007年から始まった発掘調査により、約6,100年前の世界最古級のワイン醸造所跡が見つかりました。足踏み式のブドウ圧搾機、発酵用の甕(かめ)、ブドウの種など、醸造のための一式が良好な保存状態で出土しています。


つまり、アルメニアの食卓には6,100年以上にわたるワインの歴史が積み重なっているわけです。アルメニアの固有ブドウ品種「アレニ」は、現在も「アレニ-1洞窟」が発見されたアレニ村周辺で栽培され、高品質なワインとして日本でも楽天市場などの通販サイトで購入できるようになっています。


また、アルメニアはヨーグルト発祥の地のひとつとも言われています。アルメニアの首都エレバン出身の方によると「ヨーグルトはアルメニアの高地が発祥という説がある」とのことで、発酵乳「マツン」はアルメニア料理に欠かせない存在です。料理に使うだけでなく、そのまま飲むこともあります。


このような長い歴史と文化の積み重ねがアルメニア料理の奥深さを支えています。現代の家庭料理に6,000年以上の歴史が溶け込んでいると思うと、食卓に並ぶ一皿がより豊かに感じられるのではないでしょうか。


Newsphere|「蘇るワイン国、アルメニア:文明の交差点に息づく6100年の伝統」(アルメニアワインの歴史と現代への影響を詳しく解説)


文化庁|ユネスコ無形文化遺産に関する参考資料(ラヴァシュを含む食のユネスコ登録情報が掲載)