大根に下ゆでは必要ないと思っていませんか?実は下ゆでをスキップすると、仕上がりの味が約40%薄くなることが調理実験で示されています。
豚バラ大根に必要な材料はシンプルです。豚バラ肉200〜250g、大根1/2本(約500g)、しょうが1かけ、そして調味料として醤油・みりん・砂糖・酒を用意します。材料費はスーパーの特売日を利用すれば4人分で約400〜500円に収まります。
大根は1.5〜2cm幅の輪切りにしてください。厚さの目安は「コインを5〜6枚重ねた高さ」くらいです。薄すぎると煮崩れしやすく、厚すぎると味がしみ込みにくくなります。
豚バラ肉は4〜5cm幅にカットします。これはキッチンペーパーの幅の約半分くらいの長さです。大きすぎると火が通りにくく、小さすぎると煮くずれてしまうので、このサイズが一番扱いやすいです。
下準備のうちで見落としがちなのが「大根の面取り」です。包丁で角を軽く削るだけで、煮崩れを防げます。面取りが条件です。慣れれば1個あたり10秒ほどの作業ですが、仕上がりの見た目が大きく変わります。
豚バラ肉のアク取りを省略している方は多いですが、実はこれが臭みの主な原因になります。豚バラ肉は熱湯で約1〜2分さっと茹でてから使うと、余分な脂と血合いが取れて臭みが格段に減ります。これは使えそうです。
大根の下ゆでには米のとぎ汁を使うのがベストです。米のとぎ汁には大根特有のえぐみ成分(イソチオシアネート)を吸着する効果があり、約5分の下ゆでで仕上がりの味が大きく変わります。米のとぎ汁がない場合は、水に大さじ1杯の生米を加えるだけでも代用できます。
つまり下ゆでの目的は2つです。①臭みとアクを取ること、②大根の細胞壁を少し柔らかくして調味料を染み込みやすくすること。この2工程を合わせると、調理時間は15分ほど増えますが、食べたときの満足度が大幅に上がります。
下ゆで後は水で軽くすすぎ、水気をしっかり切りましょう。水気が残ったまま炒めると油が跳ねて危険ですし、味が薄くなる原因にもなります。水気を切るが基本です。
炒める工程から始めることで、豚バラ肉に「香ばしさ」が加わります。フライパンや鍋を中火で熱し、油なしで豚バラ肉から炒め始めましょう。豚バラは脂肪分が多いので、自身の脂で十分に火が通ります。
豚バラ肉の表面に焼き色がついたら、しょうがのスライスを加えます。しょうがは風味付けだけでなく、豚肉の臭みを消すプロテアーゼ(たんぱく質分解酵素)を含んでいます。加熱しすぎると酵素が失活するので、炒める最後に加えるのがポイントです。
大根を加えたら、調味料を「砂糖→酒→みりん→醤油」の順で入れます。砂糖を最初に加えることで大根の繊維が開き、後から加える旨み成分が浸透しやすくなります。砂糖から入れるが原則です。
水または出汁を食材がひたひたになるくらい(約200〜250ml)加えたら、落し蓋をして中火〜弱火で20〜25分煮込みます。落し蓋はアルミホイルを鍋の大きさに合わせて丸く切り、真ん中に穴を開けるだけで代用できます。
味つけの基本比率は「醤油2:みりん2:砂糖1:酒2」です。この割合を守れば、甘辛のバランスが整った定番の味に仕上がります。薄味が好みなら醤油を1.5に減らし、代わりに出汁を50ml増やすと上品な仕上がりになります。
煮汁が余ったとき、そのまま捨てていませんか?煮汁には豚バラと大根の旨みが凝縮されています。残った煮汁は翌日の卵の煮付けに再利用するか、ご飯にかけて丼にするだけで立派な一品になります。食材を無駄なく使えますね。
少し応用するなら、仕上げに片栗粉を水で溶いてとろみをつけると、煮汁が食材にしっかりからみます。水溶き片栗粉の目安は「片栗粉小さじ2:水大さじ2」です。加えた後は手早く混ぜないとダマになるので注意が必要です。
味の最終調整は、火を止める直前に行います。醤油を数滴たらすだけで香りが立ち、食欲をそそる仕上がりになります。結論は最後の一垂らしです。
通常の煮込み時間が気になる方には、圧力鍋が強い味方になります。圧力鍋を使えば、加圧時間わずか8分で、通常25分かかる煮込みと同等の柔らかさに仕上がります。加圧後は自然放置で圧を抜くことで、余熱で味がさらに染み込みます。
電子レンジを活用する方法もあります。耐熱容器に材料と調味料をすべて入れ、ラップをふんわりかけて600Wで10分加熱します。その後一度取り出して上下を返し、さらに5分追加加熱するだけです。合計15分で完成します。これは時短の裏ワザとして、特に平日の夕食準備に役立ちます。
ただし電子レンジ調理は「味のしみ込み」が鍋調理と比べてやや劣ります。前日に下味をつけて冷蔵庫で一晩置いてから、当日レンジで加熱する「前日仕込み×当日レンジ」の組み合わせが、時短と味を両立させる最善策です。前日仕込みが条件です。
冷めたときの方が味がよくしみることも覚えておきましょう。鍋のまま粗熱を取り、食べる30分前に再加熱すると、ぐっと美味しさが増します。意外ですね。時間があるときに多めに作り、翌日のお弁当のおかずにも活用できます。
豚バラ大根でよくある失敗の第1位は「大根が硬い」です。これは煮込み時間が足りないか、火力が強すぎて水分が先に蒸発してしまったことが原因です。煮込み中に煮汁が食材の半分以下になってきたら、水を50mlずつ追加してください。
第2位の失敗は「味が薄い」です。この原因の多くは、調味料を入れる順番を守っていないか、大根の水気を切り忘れていることです。味が薄いと感じたときは、醤油とみりんを少量ずつ加えながら味見を繰り返し、焦らず調整しましょう。水気を切るに注意すれば大丈夫です。
保存方法は冷蔵で3〜4日が目安です。煮汁ごと保存容器に移すことで、乾燥を防ぎながら味をさらにしみ込ませられます。煮汁ごとが基本です。冷凍する場合は大根が少し食感が変わりますが、1カ月程度保存可能です。冷凍前に食べやすいサイズに切っておくと、解凍後そのまま使えて便利です。
リメイクとして特におすすめなのが「豚バラ大根のあんかけ丼」です。残った豚バラ大根を細かくほぐして水溶き片栗粉でとろみをつけ、ご飯の上にかけるだけで、翌日の昼食が立派な丼になります。残り物を無駄にしない一工夫です。