塩漬けに24時間かけないと美味しくできないは嘘で、6時間の塩漬けで本格キムチが完成します。
白菜キムチを自宅で作るとき、最初に揃える材料の質が仕上がりを大きく左右します。スーパーで手に入る一般的な食材ばかりですが、いくつかだけ「韓国食材専門店」や「業務スーパー」で揃えると、グッと本格的な味に近づきます。
主な材料(白菜1株・約2kg分)
| 材料 | 分量 | ポイント |
|------|------|---------|
| 白菜 | 1株(約2kg) | できれば国産の締まったもの |
| 粗塩(漬け用) | 100〜120g | 白菜の重量の約5〜6% |
| コチュカル(韓国唐辛子) | 80〜100g | 粗挽きと細挽きを半々で混ぜると◎ |
| にんにく(すりおろし) | 大さじ2(約20g) | チューブ可だが生が断然香り高い |
| しょうが(すりおろし) | 大さじ1(約10g) | 風味のアクセントに |
| イカの塩辛または魚醤 | 大さじ2 | うまみの核。省略不可 |
| 砂糖またはりんご | 大さじ1または1/4個 | 発酵の助けと甘みのバランス |
| 長ねぎ(細切り) | 1本 | 食感と風味 |
| にら(5cm切り) | 1/2束 | 省略可だが入れると本格感アップ |
材料を見てまず気になるのが「コチュカル」ではないでしょうか。これが市販品との差を生む最大の要因です。日本の一味唐辛子とは風味がまったく異なり、コチュカルはほのかな甘みと鮮やかな赤色が特徴で、100g入り約300〜500円で業務スーパーや韓国食材店で購入できます。
「魚醤は臭そう」と感じるかもしれません。ですが、加熱しないキムチにおいては、魚醤のうまみが全体の味を底上げする最重要食材です。カナリエキス(アミの塩辛)や日本のナンプラーでも代用できます。
下準備として、白菜は芯の部分に包丁で切れ目を入れてから手で割くと、断面が不規則になり、のちのヤンニョムがよく絡みます。切り方は4〜6等分の「縦割り」が基本。4等分が扱いやすいですね。
多くの方が「キムチの塩漬けは一晩(12〜24時間)かけるもの」と思っています。実際には、白菜2kgに対して塩約110gを使い、途中でひっくり返す方法なら6時間で十分に脱水できます。これが時短仕込みの核心です。
塩漬けの手順
1. 白菜を4等分にし、葉の間に粗塩をふり込む(葉1枚ごとに少量ずつ)
2. 大きなバットやボウルに重ね、重石(2〜3kg程度)を乗せる
3. 3時間後に上下をひっくり返し、さらに3時間置く
4. 白菜をしぼり、水が出ていればOK。水洗いして塩抜きし、ざるで30分水切りする
塩漬けが完了した白菜の目安は「芯の厚い部分を折り曲げても折れず、しなやかに曲がる状態」です。パキッと折れるようならもう少し時間が必要です。逆に、べちゃべちゃになるほど長時間漬けすぎると、食感が失われてしまいます。塩加減が基本です。
塩抜きのポイントも重要です。水洗いの回数は2〜3回が目安で、洗いすぎると今度は塩気が薄くなりすぎます。洗った後、葉を1枚口に含んでみて「ほんのり塩気を感じる」程度がちょうどよい塩加減です。
水切りは意外と見落とされがちな工程です。水気が多いままヤンニョムと和えると、仕上がりが水っぽくなり発酵もうまく進みません。ざるに上げた後、キッチンペーパーや清潔なふきんで余分な水分を押さえると仕上がりが格段によくなります。これは使えそうです。
ヤンニョムとは、キムチを味付けする「合わせ調味料」のことです。コチュカル・にんにく・しょうが・魚醤・砂糖を中心に混ぜ合わせたもので、これがキムチの味の9割を決めると言っても過言ではありません。
ヤンニョムの作り方(白菜1株分)
1. ボウルにコチュカル80〜100g、にんにくすりおろし大さじ2、しょうがすりおろし大さじ1を入れる
2. 魚醤(またはイカの塩辛)大さじ2、砂糖大さじ1を加えてよく混ぜる
3. 少量の水(大さじ1〜2)でペースト状に整える
4. 長ねぎ(細切り1本)・にら(5cm幅1/2束)を加えて全体を合わせる
コチュカルは「粗挽き」だと食感と見た目が豊かになり、「細挽き」だと全体に色がよく絡みます。両方を半々にするのが最もバランスよく仕上がります。
砂糖の代わりにすりおろしたりんごを使うと、自然な甘みとともに酵素が加わり発酵が穏やかに促進されます。「りんご1/4個(約50g)」が砂糖大さじ1の代替として使えます。甘さが苦手な場合はりんごを1/8個程度に減らしても構いません。
混ぜる際は使い捨てのポリエチレン手袋を着用するのが必須です。コチュカルは色素が非常に強く、素手で混ぜると爪や指先が2〜3日間は染まります。一度染まると落ちにくいので注意が必要です。また、ヤンニョムと白菜を和える作業も同様に手袋必須です。
白菜にヤンニョムを和えるときは、葉の1枚1枚にていねいに塗り込むようにするのがコツです。白菜を外葉から1枚ずつめくり、ヤンニョムを内側まで丁寧にすり込みます。この「すり込む」動作が、ヤンニョムを均一に行き渡らせる唯一の方法です。つまり雑に混ぜるだけでは味にムラが出ます。
仕込んだキムチを保存容器に詰めたら、いよいよ発酵の工程です。発酵は「温度と時間の管理」がすべてで、ここを適切に行うことで酸味と旨みのバランスが取れた理想のキムチになります。
発酵の基本スケジュール
| フェーズ | 温度 | 時間 | 状態の目安 |
|---------|------|------|-----------|
| 常温発酵 | 20〜25℃ | 1〜2日 | 気泡が出始める・酸味がほんのり出る |
| 冷蔵移行 | 5℃以下 | 移行直後 | 発酵を緩やかにスロー化する |
| 冷蔵熟成 | 5℃以下 | 1〜2週間 | 旨みと酸味のピークを迎える |
| 食べ頃終了 | 5℃以下 | 仕込みから3〜4週間後 | 酸味が強くなりすぎたらキムチ鍋用に |
常温発酵でよくある失敗は「放置しすぎて酸っぱくなりすぎる」ことです。夏場は気温が30℃を超えることもあるため、常温発酵は半日〜1日程度で切り上げて冷蔵庫に移すのが安全です。冬場であれば2日程度常温に置いてもゆっくり発酵が進みます。
保存容器は密閉できるガラス瓶やプラスチック製のキムチ専用タッパーが最適です。ただし、発酵中は炭酸ガスが発生するため、毎日1回はふたをわずかに開けてガスを逃がす「ガス抜き」を行います。これを怠ると容器内の圧力が上がり、ふたが開けにくくなったり液が噴き出すことがあります。これには注意すればOKです。
酸味が強くなりすぎた「古キムチ(묵은지)」も無駄にはなりません。豚バラ肉と合わせたキムチ炒め、豆腐と煮込んだキムチチゲ、インスタントラーメンのトッピングなど、火を通す料理に使うことで酸味が旨みに変化します。古キムチはそれはそれで味わい深いですね。
一般的なレシピには載っていない、手作りキムチをさらに美味しく仕上げるための視点をいくつか紹介します。これらは韓国家庭料理の研究者やキムチ職人が実践する実用的なコツです。
隠しテクニック①:もち米粥でヤンニョムをまとめる
韓国の本格キムチレシピには、ヤンニョムに「もち米粥」を加える工程があります。もち米粥とは、もち米粉(または白玉粉)大さじ2を水200mlで溶いて加熱したのり状のものです。これをヤンニョムに混ぜることで、コチュカルが白菜全体によく絡みつき、発酵が均一に進みやすくなります。省略しても作れますが、加えると明らかに「まとまった味」になります。これは使えそうですね。
隠しテクニック②:白菜の「甘み」を引き出す品種選び
白菜の品種は実は30種類以上あり、キムチに向いているのは「黄芯系(きしんけい)」と呼ばれる葉の内側が黄色い品種です。一般的にスーパーで売られている白菜の多くが黄芯系ですが、秋〜冬(10〜2月)に出回るものは糖度が高く、キムチにしたときの甘みと旨みが格段に違います。旬の白菜を使うだけで仕上がりが変わります。
隠しテクニック③:仕込み量と容器のサイズを一致させる
キムチを保存容器に詰めるとき、容器に対して8〜9割程度まで詰めるのが理想です。空間が多すぎると酸化が進みやすく、少なすぎると発酵ガスで液漏れが起きます。白菜1株(2kg)の仕込み量には、2リットル容量の密閉容器がちょうどよいサイズです。
隠しテクニック④:発酵を遅らせたいなら「冷蔵庫直行」でOK
「常温発酵させる余裕がない」「すぐに食べたい」という場合は、仕込んだ翌日からそのまま食べても問題ありません。ただし、その場合は「浅漬けキムチ」に近い状態で、本来の発酵キムチの酸味と旨みは1週間前後で出てきます。急ぎの場合は冷蔵庫直行でも大丈夫です。
韓国食材や発酵食品に興味が深まってきたなら、NHK出版や旭屋出版から出ている「韓国家庭料理の教科書」などの書籍を参考にするのもおすすめです。材料の配合や発酵のメカニズムがより体系的に学べます。
白菜の栄養素や発酵食品としてのキムチの健康効果について、農林水産省の情報が参考になります。
コチュカルなど韓国食材の詳細な特性については、韓国農水産食品流通公社(aT)の日本向けサイトが参考になります。

天平キムチ 白菜キムチ 1.5kg (500g×3袋) ご飯のお供 自然発酵 旬の食材を全国から厳選 国産白菜を使用 素材に優しい手塗り 安心・安全の国内製造