その汁を捨てると、卵白1個分の代用品をゴミ箱に捨てていることになります。
ひよこ豆の水煮缶を開けて料理に使うとき、缶の中の汁を流しにそのまま捨てていませんか?実はこの行動、かなりもったいないことをしています。汁の中には、ひよこ豆から溶け出したたんぱく質・水溶性食物繊維・カリウム・葉酸といった栄養素が含まれているからです。
一説によると、豆類の煮汁には豆本体の栄養素の約2割が溶け出していると言われています。缶1個あたり400gのひよこ豆のうち、その約2割分の栄養が汁に流れているとしたら、毎回捨てるのはもったいないですよね。
また汁はスープや炊飯のだしとして使えます。風味が優しく、癖のない味なので料理の邪魔をしません。そのまま野菜スープの水分として使えば、コクが増して一段と美味しくなります。
冷凍保存すれば使い勝手もよくなります。製氷トレーに入れて凍らせておくと、1キューブずつ取り出して必要な分だけ使えます。これが基本です。
| 汁の活用シーン | 使い方のポイント |
|---|---|
| スープ・味噌汁 | 水の一部を汁で置き換えるとコクが出る |
| カレー・煮込み料理 | 仕上がりがまろやかになる |
| 炊飯 | 水200mlのうち50mlを汁に置き換えるだけ |
| 卵白の代用(お菓子作り) | 大さじ2で卵白1個分として使える |
「アクアファバ(Aquafaba)」という言葉を聞いたことがありますか?ラテン語で「水(Aqua)」と「豆(Faba)」を組み合わせたこの名前は、豆類の煮汁・茹で汁のことを指します。もともとはフランス人ヴィーガニストが発見したとされ、卵を使わないお菓子作りの方法としてアメリカで広まったのをきっかけに世界中に知られるようになりました。
ひよこ豆の汁がアクアファバとして特に注目される理由は、汁の中に含まれるでんぷん・炭水化物・タンパク質にあります。これらの成分が泡立てる際に空気を抱き込む性質を持っており、卵白と似た働きをするのです。意外ですね。
ひよこ豆以外の白い豆(大豆や白インゲン豆など)の煮汁でも代用はできますが、味に癖が出にくく、汁の色がほぼ透明で焼き菓子の仕上がりを邪魔しない点では、ひよこ豆に軍配が上がります。缶詰を使った場合の汁もアクアファバとして利用できます。つまり缶から出てくる汁はすでに使える状態です。
ただし缶詰の汁は若干薄いことがあります。その場合は鍋に移して弱火で半量になるまで煮詰めると、泡立ちがよくなりお菓子作りに使いやすくなります。保存は密封容器に入れて冷蔵なら3日、製氷トレーに入れて冷凍なら約1ヶ月が目安です。
参考:アクアファバの成分・活用法についての解説記事(ヴィーガンガイド vcook)
【卵白の代用に】アクアファバとは?作り方や活用レシピをご紹介 – ブイクック
アクアファバを実際にお菓子作りに使う場合、最も分かりやすい活用法がメレンゲです。大さじ2(約30ml)のアクアファバが卵白1個分の代わりになります。卵アレルギーのお子さんがいるご家庭や、卵が切れているときに特に役立ちます。
作り方はシンプルです。缶から取り出した汁を4時間以上しっかり冷蔵庫で冷やします。その後ハンドミキサーで10〜15分ほど泡立てると、角が立つメレンゲが完成します。このとき数滴のレモン汁を加えると泡立ちが安定します。これは使えそうです。
メレンゲが完成したら、クッキーやムース、パンケーキのふくらみを出すために使えます。たとえばメレンゲクッキーならアクアファバ20gと砂糖30gの2種類の材料だけで作れます。チョコレートムース(ムースオショコラ)も、アクアファバ60gでふわふわに仕上がります。
🍪 アクアファバメレンゲを使えるお菓子の例
「卵を切らしてしまった」という状況でも代用できる、ということを覚えておくだけで料理の幅が広がります。アクアファバメレンゲなら卵アレルギーを持つ方にも安心して提供できます。これが最大のメリットです。
参考:アクアファバを使ったヴィーガンメレンゲの作り方(ハッコラ)
ひよこ豆の煮汁(アクアファバ)を使った【ヴィーガンメレンゲ】の作り方 – haccola
お菓子作りに使わない場合でも、ひよこ豆水煮缶の汁は料理のだしとして幅広く活用できます。豆の旨味と甘みが溶け込んでいるので、水の代わりとして使うだけで味わいに深みが出ます。
最も手軽な使い方は、スープや味噌汁の水分として使うことです。いつもの水200mlのうち50〜100mlをひよこ豆の汁に置き換えるだけでOKです。コンソメや鶏ガラスープの素と相性がよく、ミネストローネなどのトマトベースのスープにもよく合います。
カレーに使う場合は、水を加えるタイミングで汁を合わせると仕上がりがまろやかになります。インド料理のチャナマサラ(ひよこ豆のスパイスカレー)に汁ごと使うのは、本場インド料理でも定番の方法です。旨味が濃縮されているので、むしろ汁ごと使う方が本格的な味に近づきます。
炊飯に使う方法も試してみてください。米2合に対して汁50mlを加えて炊くと、ほのかな豆の香りとコクが加わった炊き込みご飯のような仕上がりになります。豆ごはんのような風味が楽しめます。
🥣 汁を料理に使う際の目安量
缶詰の汁には塩分が含まれているものがあります。汁を使う際はほかの調味料(塩・醤油・コンソメなど)の量を少し控えめにするのが原則です。味見をしながら調整するとちょうどよい塩加減になります。
ひよこ豆水煮缶の活用レシピとして、最も有名なのが「フムス(Hummus)」です。フムスは中東発祥のディップソースで、ひよこ豆をペースト状にしてゴマペースト・レモン汁・にんにくを混ぜたものです。近年では日本でもパンやサラダにつけるスプレッドとして人気が出ています。
フムスを作る際にひよこ豆の汁が役立ちます。ひよこ豆をフードプロセッサーやブレンダーで攪拌するとき、なめらかにするためにのばす水分として使えるからです。水よりも豆の汁を使う方が、フムスの風味が豊かで深みのある仕上がりになります。
🥙 基本のフムスの材料(2〜3人分)
作り方は、すべての材料をフードプロセッサーに入れてなめらかになるまで攪拌するだけです。缶の汁を少しずつ加えながら、好みの硬さに調整します。市販のフムスの値段は1瓶250〜400円程度しますが、缶詰1缶で同じくらいの量が手作りできます。結論はコスパ良好です。
作ったフムスは冷蔵庫で3〜4日保存できます。また冷凍保存すれば約1ヶ月持ちます。小分けにしてラップに包んで冷凍しておくと、朝食のパンに塗ったり、野菜スティックのディップにしたりと使い勝手がよくなります。
参考:管理栄養士監修のひよこ豆の栄養と活用法(lulumama)
【管理栄養士監修】ひよこ豆には血流改善に必要な葉酸が豊富?レシピも紹介 – lulumama
ひよこ豆水煮缶を開けた後、汁を一度で使い切れないことも多いはずです。保存方法をきちんと知っておくと、無駄なく使い切れます。
冷蔵保存の場合は、清潔な密封容器またはビン(ジャムの空き瓶など)に入れて冷蔵庫へ。3日以内に使い切るのが原則です。豆の汁は傷みやすいので、できれば2日以内に使い切るのが安心です。
冷凍保存なら最大1ヶ月持ちます。製氷トレーに流し込んで凍らせると、1キューブが約15〜20mlになります。必要な分だけ取り出してそのまま鍋やスープに加えられるのでとても便利です。料理に使う場合は凍ったまま加熱OK。お菓子作りに使う場合は冷蔵庫で前日から解凍してから使います。
缶の中にひよこ豆と汁を一緒に残しておくのは避けてください。開封後に缶のまま保存すると、缶の金属が溶け出して味や安全性に影響が出ることがあります。必ず別の容器に移しましょう。容器への移し替えが条件です。
🧊 汁の保存まとめ
毎回缶を開けるたびに汁を捨てている方は、次から製氷トレーを一つ用意して冷凍ストックする習慣をつけてみてください。月に数回ひよこ豆を使う家庭なら、1〜2ヶ月でフムス1回分や、メレンゲ菓子1バッチを作れるだけの量がたまります。無駄ゼロに近づけます。
参考:フジッコの「水煮シリーズ」に関するFAQ(缶汁の使用について)
水煮シリーズ よくお寄せいただくご質問 – フジッコ