完熟トマトのハヤシライスは、生のまま食べるより加熱した方がリコピンが3〜4倍も体に吸収されやすくなります。
完熟トマトは、加熱することで栄養価が大きく変わります。これはあまり知られていない事実で、料理するうえで知っておくと損しない情報です。
トマトに含まれる赤い色素成分「リコピン」は、強い抗酸化作用で知られており、生活習慣病の予防や美肌への効果が期待されています。実は、このリコピンは生のままのトマトより、加熱して調理した方が吸収率が3〜4倍高まるとされています(日本食糧新聞・百歳時代の医食同源より)。
その理由はトマトの「細胞壁」にあります。リコピンはトマトの細胞壁の中に閉じ込められているため、生のまま食べても体内に吸収されにくい状態です。加熱すると細胞壁が壊れ、リコピンが外に出やすくなります。さらに重要なのが、リコピンは「脂溶性」、つまり油に溶ける性質があるという点です。
名古屋大学とカゴメ株式会社の共同研究(2018年)では、トマトを玉ねぎやにんにくと一緒に油で加熱すると、リコピンが体内に吸収されやすい「シス体」という構造に変化しやすくなることが明らかになりました。これはまさにハヤシライスの調理法そのものです。
つまり、完熟トマトを使ったハヤシライスは、栄養面でも理にかなった料理といえます。
参考:リコピンの吸収率向上に関する詳しい研究内容はこちら
カゴメ公式「トマトのリコピンを効率良く摂る方法」
市販の完熟トマトのハヤシライスソース(ハウス食品など)を使っても、隠し味一つで味の奥行きが全く変わります。おいしくなるのは確かですが、入れるタイミングと量がポイントです。
① バター(コクアップ)
お肉を炒める際にサラダ油の代わりにバター10〜15gを使うだけで、仕上がりに豊かなコクと香りが加わります。お肉にバターをまとわせながら炒めるのがコツです。バターライスと合わせると、さらにリッチな雰囲気になります。
② 赤ワイン(大人の深み)
肉を炒めた後、赤ワインを50〜100ml加えてしっかり煮詰めます。アルコールを完全に飛ばすのが鉄則です。渋みと上品な香りがデミグラス風のソースを一段上に引き上げてくれます。お子さんがいる場合は加熱時間を長めにとれば問題ありません。
③ ダークチョコレート(短時間で深みを出す)
煮込みが足りないと感じるときに、高カカオのチョコレートを1〜2かけ(約10g程度)加えてみてください。甘さが出すぎるのでは?と思うかもしれませんが、カカオ70%以上のものなら苦味がコクとして機能し、長時間煮込んだような仕上がりになります。これは意外ですね。
④ インスタントコーヒー(まろやかな苦味)
少量の熱湯で溶いたインスタントコーヒーを小さじ1/4程度加えると、ソースに奥行きのある苦味と旨みがプラスされます。入れすぎると苦くなりすぎるため、少量ずつ調整するのが基本です。
⑤ 醤油(味のまとめ役)
仕上げに醤油を小さじ1/2ほど加えると、全体の味がぐっと締まります。醤油を加えるのは最後の最後、火を止める直前がベストです。日本の食卓になじむほっとした深みが生まれます。
これらを同時に全部入れる必要はありません。1〜2種類から試してみるのがおすすめです。
参考:ハヤシライスの隠し味について詳しく解説されています
ハヤシライスは「牛肉でないと本格的にならない」と思われがちですが、実はそんなことはありません。具材の選び方次第で、コストを半分以下に抑えながらも満足度の高い一皿が完成します。
鶏もも肉・鶏むね肉でのアレンジ
鶏むね肉は100gあたり60〜80円程度と、牛薄切り肉の半額以下で購入できます。舞茸と一緒に調理すると、舞茸に含まれる酵素がむね肉をやわらかくしてくれるため、パサつきが気になりません。鶏のダシがソースに溶け込んで、あっさりしながらも旨みのある仕上がりになります。
豚こま切れ肉でのアレンジ
豚こま切れ肉は脂が適度にあり、ソースと馴染みやすいのが特徴です。肩ロースのこま切れは特におすすめで、クセが少なくあっさりした味わいになります。牛肉よりリーズナブルに仕上げたい日の強い味方です。
具材のボリュームアップ術
定番の玉ねぎとマッシュルームに加え、以下の食材を加えることでボリュームと栄養バランスが一気に向上します。
きのこ類を複数組み合わせるのが条件です。一種類だけより旨みの幅が広がります。また、マッシュルームは洗うと香りが落ちるため、汚れはキッチンペーパーで拭き取るだけにするのが基本です。
参考:ハヤシライスに合うおすすめ具材が詳しく紹介されています
ふるなび「ハヤシライスの具材おすすめ18選|隠し味やトッピングもあわせて紹介」
完熟トマトのハヤシライスをそのまま食べるだけでなく、ひと手間加えてオムハヤシにするだけで食卓がぐっと華やかになります。特別な材料はほとんど不要で、卵と少しの手間があれば完成します。
【基本のオムハヤシ・2人分】
【作り方】
ふわとろに仕上げるコツは、卵を強火にかけないことです。中火〜弱火で、外側が固まり始めた段階で火を止めるのが鉄則です。半熟で止めることで、ソースと混ぜながら食べるととろっとした食感が生まれます。
さらに一工夫するなら、ごはんをバターライスにするのがおすすめです。温かいごはんにバター5gと少量の醤油を混ぜるだけで、ソースとのコクがひと段上がります。チーズをトッピングして、余熱で溶かすのも人気のアレンジです。これは使えそうです。
参考:ハウス食品公式のオムハヤシレシピ詳細はこちら
ハウス食品公式「ふわふわたまごのオムハヤシ」レシピ
ハヤシライスソースが余ってしまったとき、そのまま翌日に温め直しても悪くありませんが、少し手を加えるだけで別の料理に生まれ変わります。「また同じものを食べるの?」という家族の声を防げます。
① ハヤシドリア(所要時間:約15分)
耐熱容器にごはんを敷き、余ったハヤシライスソースをかけます。その上にピザ用チーズを30〜40g(つかみ一つ分程度)のせ、オーブントースターで7〜8分焼けば完成です。チーズが香ばしく溶けて、ソースの酸味とコクが凝縮された絶品ドリアになります。お好みで粉チーズを追加してもコクがアップします。
② ハヤシパスタ(所要時間:約20分)
スパゲティを茹でておき、フライパンに余ったハヤシライスソースを入れて温めます。ゆで汁を大さじ2〜3加えてソースをほどよく伸ばし、茹でたパスタを絡めます。最後にバターを5gほど加えると乳化してツヤが出ます。ウインナーやしめじを加えるとボリュームがアップします。
③ ハヤシスープ(所要時間:約10分)
余ったハヤシライスソースを水または鶏がらスープで2〜3倍に伸ばし、コンソメを小さじ1加えて温めます。冷蔵庫にある野菜(キャベツ、にんじん、じゃがいもなど)を小さく切って加え、柔らかくなるまで煮込むだけで、具だくさんの洋風スープが完成します。翌朝の朝食にもぴったりです。
リメイクする際のポイントは、ソースを「伸ばす」か「凝縮させる」かを決めることです。スープなら水で伸ばし、ドリアやパスタなら伸ばさずにそのまま使います。ソースが冷えて固まっていても、弱火でゆっくり温めれば元のなめらかな状態に戻ります。
参考:余ったハヤシライスを使ったリメイクレシピを多数紹介
ハヤシライスの「最後のひと手間」として、トッピングの工夫が見落とされがちです。しかし、トッピング一つで見た目がレストラン級に変わり、家族の反応も大きく変わります。
温泉卵をのせる
市販の温泉卵(または自家製)をそのままのせると、黄身がソースと混ざって極上のまったり感が生まれます。温泉卵の白身はソフトで、黄身のコクがデミグラス系のソースと特に相性が抜群です。盛りつけの直前にのせることで、見た目も崩れません。
フライドオニオンをかける
市販のフライドオニオン(100円前後で購入可能)を仕上げにかけると、サクサクの食感と玉ねぎの香ばしさが一皿に加わります。噛むほどに甘みと旨みが広がり、高級洋食店のような演出が自宅で手軽に楽しめます。
生クリームや牛乳を数滴たらす
仕上げに生クリームまたは牛乳を大さじ1〜2程度加えることで、トマトの酸味がまろやかになり、子どもや酸味が苦手な方でも食べやすくなります。まろやかにすることが条件なので、入れすぎるとソースが水っぽくなります。スプーンひとすくい程度が目安です。
ミニトマトをぷっくり煮て添える
ハウス食品の公式レシピにもある「ころころミニトマトのハヤシライス」のように、ミニトマトを煮込んで添えるのも一つのアレンジです。完熟のミニトマトをソースに加えて2〜3分煮るだけで、トマトがぷっくりとはじけてジューシーな食感になります。見た目も鮮やかになり、写真映えするひと皿に仕上がります。
パセリ・バジルを散らす
乾燥パセリをひとふりするだけで、茶色一色だったハヤシライスに緑のアクセントが加わります。フレッシュバジルを1〜2枚のせると、さらに香りが豊かになり、カフェのような雰囲気が出ます。特別なコストは不要です。
いきなり全部試す必要はありません。まず温泉卵かフライドオニオンを一つ取り入れてみるのが、いちばんハードルが低くておすすめです。継続して試していくうちに、わが家の「定番トッピング」が自然と決まってきます。
参考:ハヤシライスのトッピングや具材の活用アイデアを幅広く解説
ふるなび「ハヤシライスの具材おすすめ18選|隠し味やトッピングもあわせて紹介」