水気が残ったまま漬けると、1週間でカビが全体に広がって全滅します。
小梅の旬は毎年5月下旬〜6月上旬と、ほんの2〜3週間しかありません。スーパーに並ぶ期間がごく短いため、見かけたらすぐに購入することが大切です。
カリカリ梅を作りたいなら、「真緑で硬いもの」を選ぶのが絶対条件です。光の当たらない面(真下)が真緑であることを確認してください。少しでも黄色みがかって柔らかくなっていると、仕上がりがふにゃっとした食感になり、カリカリ梅にはなりません。
一方、梅干しを作りたい場合は「黄みがかった完熟梅」が向いています。香りが豊かで梅酢も上がりやすく、仕上がりが柔らかくなります。つまり、作りたいものによって選ぶ梅がまったく異なるということですね。
購入した梅が少し青みがかっている場合は、ビニール袋から取り出してざるや新聞紙の上に広げ、1〜2日常温で追熟させましょう。これで梅干し用の完熟状態に近づけることができます。
小梅は通常サイズの梅(大梅)よりも出回るタイミングが早い点も覚えておくと便利です。大梅を待っている間に、先に小梅の季節が終わってしまう場合があります。梅仕事をするなら5月には気にしておくのが得策です。
| 作りたいもの | 梅の選び方 | 硬さの目安 |
|---|---|---|
| カリカリ梅 | 真緑・固い青梅 | 押しても全くへこまない |
| 梅干し | 黄みがかった完熟梅 | 少し弾力があり香りが強い |
下処理のポイントをひとつでも省くと、漬けている途中でカビが発生するリスクが高まります。これが基本です。
① アク抜き(水にさらす)
小梅をボウルに入れ、たっぷりの水に浸します。カリカリ梅用の場合は5〜6時間、梅干し用の場合は2〜3時間が目安です。アク抜きをしないと、漬け上がりに梅特有の苦みやエグみが残ることがあります。
② ヘタ(なり口)の除去
アク抜き後、竹串や爪楊枝で黒いヘタを1粒ずつ取り除きます。ヘタが残ると苦みの原因になります。ただし1〜2個残っても味に大きく影響するわけではないので、傷つけないことを優先してください。
③ 水気を完全に除去する
これが最も重要です。洗い終わった梅を清潔な布巾やキッチンペーパーで1粒ずつ丁寧に拭き取ります。特にヘタを取った「なり口」の穴の部分に水分が残りやすいので注意が必要です。
水気が残ったまま漬けることが、カビ発生の最大の原因のひとつです。塩分が20%以上あってもカビは発生しますし、18%以下の減塩で漬ける場合はさらにリスクが高まります。拭き取った後、ざるに広げてしばらく乾かす時間をとるとより安心です。
また、漬け込みに使う保存容器や落し蓋も、事前にアルコール(焼酎やホワイトリカー)で拭いて消毒しておきましょう。容器側の水分や菌もカビの原因になります。
カリカリ梅は、重い漬け物石や大きな容器を用意しなくても、ジップロック(フリーザーバッグ)1枚で作ることができます。これは使えそうです。
材料(小梅500g分)
作り方(手順)
まず卵の殻を600Wで1分電子レンジにかけ、薄皮を除いてからお茶パックに入れておきます。これがカリカリに仕上げる秘密兵器です。卵のカルシウムが梅のペクチンと結びついて軟化を防いでくれます。
下処理を済ませた小梅をジップロックに入れ、梅酢(または焼酎)を加えてコロコロと転がします。次に塩50gを加えて全体に絡め、卵の殻パックを入れてから空気をしっかり抜いてジップロックを閉じます。もう1枚のジップロックに重ねて二重にすると、梅酢が漏れる心配がなくなります。
重しをのせて冷蔵庫に入れ、毎日上下をひっくり返しながら2週間保存すれば完成です。冷蔵保存することで、食感のカリカリが長持ちし、1年間おいしく食べられます。
常温のまま保管する場合は2〜3週間で食べ切ることが推奨されています。常温では徐々に退色して食感が失われていくためです。冷蔵保存が条件です。
参考:カリカリ梅の作り方・材料の詳細(白ごはん.com)
小梅のカリカリ漬け(カリカリ梅)のレシピ/作り方 | 白ごはん.com
梅干しを初めて漬ける場合、塩分の設定を低くしすぎてしまう方が非常に多いです。厳しいところですね。
梅干しでカビを防ぐための目安は、塩分18%以上です。梅1kgに対して塩180gが基本的な分量です。これより塩を減らすと、カビの発生リスクが急に高まります。20%を下回るとカビが生えやすくなると言われており、食品のプロはカビ予防のために最低18〜20%を推奨しています。
ただし、健康を気にして10%以下の減塩で作りたい場合は、アルコール(ホワイトリカー)をしっかり使い、仕込みから保存まで徹底的に水気と酸素を排除する必要があります。減塩は初心者には難易度が高めです。まずは18%で成功体験を積むのがおすすめです。
重石については、最初は梅の重量の1.5〜2倍が目安です。梅1kgなら1.5〜2kgの重石をかけます。これはちょうど500mLのペットボトル3〜4本分に相当する重さです。梅酢が上がってきたら、梅の重量の半分程度まで軽くしてかまいません。
小梅の場合、塩をまぶしてから2〜3日で梅酢が上まで上がってきます。普通サイズの梅より早いのが特徴です。梅が梅酢に頭まで浸かっている状態を保つことが、カビを防ぐ上で最も重要な管理ポイントです。
| 塩分濃度 | カビリスク | 難易度 |
|---|---|---|
| 20%以上 | 低い | 初心者でも安心 |
| 18% | やや低い | 標準的な作り方 |
| 10〜15% | 高め | 丁寧な管理が必要 |
| 10%以下 | 高い | 上級者向け |
参考:梅干しの塩分とカビの関係について(五代庵公式コラム)
梅干しを漬けた後に出る「赤梅酢」は、多くの家庭でそのまま捨てられていますが、実は新生姜を漬けるだけで市販品より格段においしい紅生姜が作れます。意外ですね。
土用干しについて
梅雨明け後の晴天が続く日に土用干しをします。小梅の場合は1〜2日間で十分です。普通サイズの梅干しが3日間干すのに対し、小梅は水分が飛ぶのが早いため、干しすぎてカラカラになってしまわないよう気をつけてください。梅の表面に少しシワが出て、しっとりと乾いた状態になれば取り込みのサインです。
赤しその使い道(ゆかりふりかけ)
赤しそを梅と一緒に漬けた後、土用干しのタイミングで赤しそも一緒に干しましょう。カラカラになった赤しそを手で砕くか、ミキサーにかけると自家製ゆかりふりかけになります。市販のゆかりと同じ作り方で、ごはんのお供や塩むすびのアクセントにとても重宝します。
赤梅酢の活用(紅生姜)
新生姜が出回る夏の時期に、薄切りにした新生姜を赤梅酢に漬けるだけで手作り紅生姜が完成します。防腐剤や着色料が不要で、自然な赤色に仕上がります。焼きそばや冷奴のトッピングにも使えて便利です。
梅仕事は梅だけで終わらない、副産物の宝庫ということですね。土用干しの副産物・赤梅酢も無駄にしないで活かすことで、梅仕事全体の満足度がぐっと上がります。
参考:小梅の梅干し・副産物の活かし方(白ごはん.com)