砂糖をかき混ぜながら加熱すると、じつは再結晶化して全体が白く固まることがあります。
キャラメルソースは、砂糖・生クリーム・バターの3つが基本材料です。スーパーで手に入るもので十分なので、わざわざ製菓材料店に行く必要はありません。
材料の目安は、砂糖100g・生クリーム100ml・バター10gです。この分量でコーヒーカップ約1杯分(150ml程度)のソースができます。生クリームは植物性より動物性(乳脂肪分35%以上)を選ぶと、コクのある仕上がりになります。
道具は以下を用意するだけでOKです。
鍋はアルミや銅製のものだとキャラメルの色が見やすく、焦げ具合の判断がしやすくなります。テフロン加工の黒い鍋は色が判断しにくいので注意が必要です。厚底であることが条件です。
生クリームはあらかじめ常温に戻しておくと、後の工程で砂糖液に加えたときの急激な温度差を和らげられます。冷蔵庫から出したばかりの冷たい生クリームを加えると、鍋の中で激しく跳ねて火傷の原因になります。これは見落としがちなポイントですね。
手順は大きく「砂糖を溶かす→生クリームを加える→バターを溶かす」の3ステップです。シンプルな流れです。
まず、砂糖100gを小鍋に入れ、中火で加熱します。このとき絶対にヘラでかき混ぜてはいけません。砂糖が溶けはじめると端から色が変わってきます。鍋を水平にゆっくり回す「スワーリング」で全体に熱を行き渡らせてください。
| 段階 | 色の目安 | 状態 |
|---|---|---|
| 1段階目 | 薄い黄色 | 砂糖がほぼ溶けた状態。まだ加熱を続ける |
| 2段階目 | 琥珀色(はちみつ色) | 甘い香りが漂う。もう少しで完成 |
| 3段階目 | こげ茶色(ビターな焦げ目) | 理想の焦がし。すぐ次の工程へ進む |
| 失敗 | 黒〜煙が出る | 焦がしすぎ。苦みが強く使えないことが多い |
こげ茶色になったら火を弱め、常温に戻した生クリーム100mlを少しずつ加えます。一気に入れると激しく泡立って危険です。少量ずつ、ゆっくり加えてください。泡が落ち着いたら木べらで全体を混ぜ合わせます。つまり「生クリームは少しずつ」が原則です。
最後にバター10gを加えて混ぜれば完成です。バターはコクと艶を加える役割があります。火を止めた余熱でも溶けるので、ここで加熱しすぎる必要はありません。
できあがったソースはゆるめに見えても、冷えると適度に固まります。熱いうちは水あめ状ですが、冷蔵庫で冷やすと瓶から垂らせるとろみに変化します。これは使えそうです。
失敗のパターンはほぼ3つに絞られます。焦がしすぎ・固まりすぎ・白く再結晶化(グラニュー化)です。原因を知っておけば回避できます。
焦がしすぎは火力が強すぎることと、目を離した数十秒が原因です。砂糖がこげ茶になるまでの時間は中火で約5〜8分ですが、そこから真っ黒になるまでわずか30秒ほどです。加熱中は鍋のそばを絶対に離れないことが条件です。
固まりすぎるのは、生クリームを入れるタイミングで火を止めてしまうケースや、砂糖の比率が高すぎる場合に起こります。固まってしまったソースは、小鍋に戻して弱火で温めなおすと再び溶けますので慌てなくて大丈夫です。
白く再結晶化(グラニュー化)するのは、加熱中にヘラでかき混ぜたときに起こります。砂糖の結晶がヘラをきっかけに急速に広がり、全体が白くジャリジャリになります。これは修復がほぼ不可能です。かき混ぜるなら鍋を傾けて揺らすスワーリングだけ、というルールを守れば予防できます。
なお、砂糖の種類でも仕上がりが変わります。上白糖は焦げやすく風味豊か、グラニュー糖はクセが少なくすっきりした甘みに仕上がります。グラニュー糖の方がコントロールしやすいという声が多いので、初心者にはグラニュー糖がおすすめです。
基本のレシピをマスターしたら、アレンジも簡単に楽しめます。人気なのは「塩キャラメルソース」と「ビターキャラメルソース」の2種類です。
塩キャラメルソースは、完成直前にゲランドの塩(またはフルール・ド・セル)を小さじ1/4〜1/2加えるだけです。塩が甘みを引き立て、後引く風味に変わります。スターバックスのソルティドキャラメルフラペチーノが人気になって以来、家庭でも真似する方が増えています。市販品との大きな違いは「塩の量を自分で調整できること」です。これはいいことですね。
ビターキャラメルソースは、砂糖を通常より長めに焦がし、こげ茶よりも少し深い色(ダークアンバー)で止めるだけです。コーヒーや大人向けのケーキに合わせるなら、ビターな仕上がりが好まれます。ただし黒くなる手前が見極めの難しい部分なので、温度計で175〜185℃を目安にすると失敗しにくくなります。
生クリームなしバージョンも存在します。生クリームの代わりに牛乳を使う方法で、あっさりとした仕上がりになります。ただし牛乳は水分量が多く跳ねやすいため、より少量ずつ加えることが必要です。カロリーを抑えたい場合には選択肢に入ります。
アレンジに慣れてきたら、バニラビーンズを加えるのもおすすめです。バニラビーンズは1本あたり300〜600円程度ですが、風味が格段に上がり、市販品では味わえない本格感が出ます。バニラペーストなら1瓶600円前後で20回以上使えるため、コスパを考えるとペーストが現実的な選択肢です。
作ったキャラメルソースを長く使うためには、保存方法が重要です。正しく保存すれば冷蔵で約2週間、冷凍で約1か月使えます。
保存のポイントは3つです。
冷凍する場合は製氷皿に入れて小分けに凍らせると、1回分ずつ取り出せて便利です。1マス(約15ml)がコーヒー1杯分のソース量の目安になります。凍ったまま電子レンジで600W・20秒加熱すれば使えます。保存の手間が最小化できます。
活用レシピは幅広く展開できます。
特にキャラメルミルクは、牛乳200mlにソース大さじ1を混ぜるだけで完成します。市販のキャラメルシロップ(200mlで400〜600円前後)と比べると、自作なら同量で材料費100円以下に抑えられます。コスパとしてはかなり優秀です。
なお、保存した後でソースが固くなりすぎたときは、電子レンジで600W・10〜20秒加熱するか、瓶ごと湯せんにかけると元のとろみに戻ります。固まりすぎた場合でも捨てずに再加熱を試してみてください。
多くのレシピが「砂糖」と書くだけで種類を指定していないことが原因で、仕上がりに差が出るケースがあります。砂糖の種類選びは意外と重要です。
上白糖・グラニュー糖・三温糖・きび砂糖の4つが家庭でよく使われますが、キャラメルソースへの向き不向きは以下のとおりです。
| 砂糖の種類 | 焦がしやすさ | 風味 | 初心者向け |
|---|---|---|---|
| グラニュー糖 | コントロールしやすい | クセが少なくすっきり | ◎ |
| 上白糖 | 焦げやすい | コクがあり甘め | ○ |
| 三温糖 | 焦がし判断が難しい | 深みのある風味 | △ |
| きび砂糖 | 色が濃いため見にくい | 独特の風味あり | △ |
初めて作るときはグラニュー糖が正解です。三温糖やきび砂糖はもともと茶色いため、焦げの色の判断がしにくく、気づかず焦がしすぎる原因になります。慣れてきたら三温糖で試すと深みのある風味が楽しめます。
鍋の素材も仕上がりに影響します。アルミや銅製の鍋は熱伝導率が高く、砂糖が均一に溶けやすい特徴があります。一方、ホーロー鍋は保温性が高いため、火を止めた後も余熱で焦げが進みやすいという注意点があります。ホーロー鍋を使うなら、目的の色より少し手前で火を止めるのがコツです。
厚底のステンレス鍋も使いやすく、IHにも対応しているため現実的な選択肢です。フライパンはソースが薄く広がるため水分が飛びすぎて失敗しやすく、基本的には向いていません。鍋の素材だけで成功率が大きく変わります。
参考として、砂糖の種類と調理特性については農林水産省の砂糖に関する情報ページでも詳しく解説されています。
農林水産省:砂糖・でん粉に関する情報(砂糖の種類と特性の基礎知識として参考になります)
砂糖の種類で仕上がりが変わるというのは、知っておくと得する情報です。次回から砂糖を買うときに意識するだけで、キャラメルソースの成功率が上がります。これだけ覚えておけばOKです。