乳脂肪 コレステロール含む牛乳の正しい選び方

牛乳やチーズなどの乳製品は飽和脂肪酸を含むためコレステロールが上昇すると懸念されていますが、実際にはどのような影響があるのでしょうか。食事管理に気を使う主婦が知っておくべき乳脂肪とコレステロールの関係と、健康的な摂取方法とは?

乳脂肪 コレステロール身体への影響と上手な選択

乳脂肪 コレステロール値は本当に上がる?飽和脂肪酸の真実

 

牛乳やチーズなどの乳製品に含まれる乳脂肪が「悪玉コレステロール」を高めるという説は長年信じられてきました。しかし、実は食事からのコレステロール摂取と血中コレステロール値の間には、想像するほどの因果関係がないことが最新の研究で明らかになっています。

 

米国農務省は2015年に、それまで推奨していたコレステロール摂取制限を廃止しました。理由は、食事によるコレステロール摂取量と血中コレステロール量との間に明らかな関連性を示すエビデンスがないとされているからです。体内では毎日600~650mgのコレステロールが自然に合成されており、食事から摂取されるコレステロールはわずかに3分の1から7分の1にすぎません。

 

牛乳200mLに含まれるコレステロール量は25mgで、1食分の鶏卵(185mg)や鶏もも肉(89mg)と比較しても非常に少ないのです。日本人の1日のコレステロール摂取量は平均335mgですが、牛乳乳製品からはそのわずか6%程度に留まっています。重要な栄養学の視点から見ると、乳脂肪を極端に避ける必要はないということが分かります。

 

乳脂肪 コレステロール管理で選ぶべき乳製品の種類と1日摂取量

コレステロール管理が必要な場合は、完全に乳製品を避けるのではなく、賢く選ぶことが重要です。牛乳はコップ1杯(200ml)、またはヨーグルトは100g程度のものを2個が1日の目安量とされており、これに加えてチーズを頻繁に食べると摂取量が過剰になります。

 

低脂肪牛乳や無脂肪ヨーグルト、豆乳などを活用することで、カルシウムなどの重要な栄養を摂取しながら飽和脂肪酸の摂取を控えることができます。チーズやバターに含まれる飽和脂肪酸は、1回の食事量では気にするほどではありませんが、毎日のように重ねると影響が出る可能性があります。特に更年期を迎えた女性は女性ホルモンの低下によってLDLコレステロールが上昇しやすいため、意識的な選択がより重要になります。

 

乳脂肪 コレステロール低減を実現する食事のポイント

LDLコレステロール値の上昇を防ぐには、乳製品の工夫だけでなく、他の食品との組み合わせが重要です。肉の脂身や鶏肉の皮、ハムやソーセージなどの加工食品には、牛乳よりも多くの飽和脂肪酸が含まれています。赤身肉や皮を取り除いた鶏肉、そして魚や大豆製品を主菜として意識的に取り入れることが大切です。

 

食物繊維の摂取もコレステロール管理において見落とされがちですが、非常に重要な役割を担っています。水溶性食物繊維はLDLコレステロールが腸で再吸収されることを抑制し、余分なコレステロールを排出する働きがあります。野菜、きのこ、海藻類、こんにゃくなどの食物繊維が豊富な食品を、成人の1日目標量である350g以上摂取することが推奨されています。これは副菜として5~6皿程度の量に相当します。

 

パプリカやニンジンなどの色の濃い緑黄色野菜は特に抗酸化作用が強く、LDLコレステロール自体の酸化を抑える効果もあります。加工食品に表示される「食物油脂」はパーム油であることが多く、飽和脂肪酸が多く含まれているため注意が必要です。

 

乳脂肪 コレステロール研究が示す牛乳摂取の意外な効果

意外かもしれませんが、牛乳を毎日400~600ml飲み続けても、日本人成人の血中コレステロール値は上昇しないという実験結果が報告されています。これはむしろ、牛乳に含まれる特有の成分が関係していると考えられます。

 

牛乳に含まれるホエイタンパク質の分解物である「ラクトスタチン」には、コレステロールの合成を阻害する作用があります。つまり、牛乳は飽和脂肪酸を含みながらも、同時にコレステロール低下作用を持つ物質も供給しているのです。さらに、女性において牛乳と乳製品の摂取量が多いほど、中性脂肪が低く、善玉コレステロール(HDL)が高まるという研究結果も報告されています。

 

乳脂肪中に含まれる「共役リノール酸(CLA)」も注目されており、動物実験ではがん抑制効果や抗肥満効果が示唆されています。これらのエビデンスから、乳製品は決して避けるべき食品ではなく、正しく理解して賢く活用すべき食品であることが理解できます。

 

乳脂肪 コレステロール管理の落とし穴と骨健康の維持

LDLコレステロール値が高いという理由だけで乳製品を極端に制限することは、実は新たな健康問題を生み出す可能性があります。カルシウムは骨の形成に欠かせない栄養素で、牛乳やヨーグルトなどの乳製品はカルシウムを効率よく吸収できる最良の供給源です。

 

コップ1杯の牛乳(200ml)には約200mgのカルシウムが含まれており、成人の1日推奨量は男性で750mg、女性で650mgですが、日本人の多くは500mg程度しか摂取していません。カルシウムが不足すると骨がもろくなり、特に閉経後の女性は骨粗鬆症のリスクが高まります。

 

カルシウム吸収を促進するビタミンDは、サケ、サバ、サンマなどの脂肪質の魚やマイタケ、エリンギなどのキノコに多く含まれています。乳製品の量を調整しながら、ビタミンDやタンパク質、ビタミンKも含めてバランス良く摂取することで、初めてコレステロール管理と骨健康の両立が実現します。

 

乳脂肪とコレステロール管理についての最新情報。
Jミルク「牛乳の脂質」では、乳脂肪の消化吸収メカニズムと短鎖脂肪酸の特異性について詳しく解説されており、牛乳乳製品の栄養学的価値が理解できます。
食事指導の標準情報。
栄養士によるコラム「乳製品とLDLコレステロール」は、実際の健康診断結果に基づいた食事改善アドバイスと具体的な摂取量管理が示されており、実践的な参考になります。

 

十分な情報が得られました。それでは、記事を作成いたします。

 

 


[冷蔵] 明治おいしい低脂肪乳 900ml