緑黄色野菜一覧と種類や栄養の効果

緑黄色野菜にはどんな種類があり、どのような栄養素が含まれているのでしょうか?カロテンが豊富な野菜から、意外な例外まで、緑黄色野菜の基準と健康効果をわかりやすく解説します。あなたは正しく見分けられていますか?

緑黄色野菜一覧と種類

この記事でわかること
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緑黄色野菜の基準

カロテン含有量600μg以上が基準。色だけでは判断できない意外な真実をご紹介

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代表的な野菜30種類

にんじん、ほうれん草、トマトなど、スーパーで買える身近な緑黄色野菜を網羅

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栄養効果と摂取方法

β-カロテンやビタミンの健康効果、効率的な調理法まで詳しく解説

緑黄色野菜の定義と基準

緑黄色野菜とは、厚生労働省が定める基準により、可食部100gあたりのカロテン含有量が600μg以上の野菜を指します。この基準は色の濃さではなく、栄養素の含有量によって決められているため、見た目だけでは判断できない場合があります。
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カロテンは体内でビタミンAに変換される重要な栄養素で、目の健康維持や免疫機能の強化に役立ちます。野菜を食べる部分の栄養価を基準としているため、大根やかぶは根の部分が淡色野菜、葉の部分が緑黄色野菜に分類されるという特徴があります。
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厚生労働省は野菜摂取の目標量を1日350gとしており、このうち120gを緑黄色野菜から摂取するのが望ましいとされています。これは緑黄色野菜にカルシウムが豊富であることから、カルシウム摂取量の増加を目的として設定された目標値です。​

緑黄色野菜30種類の完全一覧

代表的な緑黄色野菜を一覧でご紹介します。まず葉物野菜としては、ほうれん草、小松菜、春菊、チンゲン菜、水菜、三つ葉、モロヘイヤ、クレソン、ケール、高菜、ターサイ、つるむらさき、しそ(大葉)、パセリ、バジルなどがあります。
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根菜類ではにんじん、かぶの葉、大根の葉が緑黄色野菜に該当します。実を食べる野菜では、トマト、ミニトマト、ピーマン、赤ピーマン(赤パプリカ)、かぼちゃ、オクラ、ししとう、唐辛子、なす科の野菜が含まれます。​
その他の緑黄色野菜としては、アスパラガス、ブロッコリー、明日葉、いんげんまめ(さやいんげん)、豆苗、にら、ねぎ(小ねぎ、葉ねぎ)、野沢菜、貝割れ大根、なばな(菜の花)、にんにくの茎、サラダ菜、リーフレタス、サニーレタスなどが該当します。​

例外的に認められる緑黄色野菜

実はカロテン含有量が600μg未満でも、緑黄色野菜に分類される野菜があります。トマトやピーマン、アスパラガスは、βカロテン含量が基準を下回っていますが、食べる回数や量が多いことから緑黄色野菜として扱われています。
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サラダ菜、リーフレタス、サニーレタスもカロテン含有量の多さや食べる回数が多いため緑黄色野菜に分類されていますが、普通のレタスはカロテン含有量が少ないため淡色野菜となります。同じレタスの仲間でも種類によって分類が異なるのは興味深い点です。​
ピーマンの仲間でも色によって分類が変わり、赤ピーマン(赤パプリカ)は緑黄色野菜ですが、黄ピーマン(黄パプリカ)はカロテン含有量が少ないため淡色野菜に分類されます。野菜の色と栄養価は必ずしも一致しないことがわかります。​

緑黄色野菜の簡単な見分け方

緑黄色野菜かどうか迷ったときは、「切ったときに中の色が濃いかどうか」で簡単に見分けることができます。緑黄色野菜であるにんじんやトマトは断面まで濃い色をしていますが、淡色野菜であるきゅうりやなすは断面が薄い色になっています。
参考)http://www.hikari-pharmacy.co.jp/wp/wp-content/uploads/column/031.pdf

表皮の色が濃い野菜は緑黄色野菜と間違われやすいですが、断面の色を判断のポイントにすると良いでしょう。中身まで濃い色であるかぼちゃ、トマト、にんじんは緑黄色野菜、断面が薄い色であるきゅうり、ズッキーニ、なすは淡色野菜です。​
ゴーヤのように皮の色が濃くても、中身が白いものは淡色野菜に分類されます。この見分け方は厳密な定義ではありませんが、おおよそはこの方法で区別できるため、買い物の際の参考になります。​

旬の時期による緑黄色野菜の選び方

緑黄色野菜を選ぶ際は、旬の時期を意識することで栄養価の高い野菜を手に入れることができます。春に旬を迎える緑黄色野菜には、アスパラガス、クレソン、なばな(菜の花)などがあり、この時期は新鮮で栄養価が高い状態で食べられます。
参考)野菜の旬

夏にはトマト、ピーマン、かぼちゃ、しそなどが旬を迎え、さんさんと日を浴びて育った野菜は、栄養素の量もぐっと増えます。秋から冬にかけては、にんじん、春菊、ほうれん草、小松菜、水菜、ブロッコリーなどが旬となり、特に冬採りのほうれん草はビタミンCも豊富に含むため栄養価が高まります。
参考)緑黄色野菜とは?基準や見分け方、主な種類を一覧で解説 - 青…

旬の野菜は味がおいしくなるだけでなく、含まれる大切な栄養素の量も増えるため、季節ごとの旬の野菜を積極的に選ぶことが健康的な食生活につながります。今はハウス栽培や高地栽培など技術も発達し、1年中同じ野菜が売られていますが、自然の中で育った季節ごとの旬の野菜の方が栄養価も高い場合が多いのです。
参考)旬のお野菜|株式会社グリーン・グレース|旬のお野菜をご紹介い…

緑黄色野菜と淡色野菜の違い

緑黄色野菜と淡色野菜の違いは、β-カロテン含有量で分けられており、可食部100g当たり600μg以上含んでいるのが緑黄色野菜、それ以外が淡色野菜(その他の野菜)です。色の濃さだけでは判断できず、栄養素の含有量が基準となります。
参考)違いのわかる人になろう!緑黄色野菜と淡色野菜はなにが違うの?…

淡色野菜には、かぶ、カリフラワー、きゅうり、グリンピース、キャベツ、ごぼう、ズッキーニ、セロリ、大根、たけのこ、玉ねぎ、冬瓜、とうもろこし、なす、白菜、黄ピーマン、もやし、レタス、れんこんなどがあります。緑黄色野菜に比べてカロテンの含有量は劣りますが、水分や食物繊維をたくさん摂れるというメリットがあります。
参考)野菜を食べよう!|お知らせ|医療法人社団慶友会 吉田病院 健…

淡色野菜の水分や食物繊維には、満腹感を得られる効果や腸内環境を整える働きがあり、栄養価が低いわけではありません。緑黄色野菜と淡色野菜をバランスよく摂取することが、健康的な食生活の基本となります。​

緑黄色野菜に含まれる主な栄養素

緑黄色野菜に多く含まれるβ-カロテンは、カロテノイドの一種で強力な抗酸化力を持つ栄養素です。紫外線やストレスなどによって体内に発生する活性酸素を抑えることで、細胞の老化予防や生活習慣病のリスク軽減に役立ちます。
参考)緑黄色野菜のパワー!健康と美容に役立つ効果とは? href="https://hatsudai-machi.com/2025/03/24/post-1001/" target="_blank">https://hatsudai-machi.com/2025/03/24/post-1001/amp;#821…

β-カロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変換され、目の健康維持や粘膜・皮膚の保護、免疫機能の強化など多くの役割を果たします。ビタミンAは脂溶性で過剰摂取に注意が必要ですが、β-カロテンからの変換は体内の必要量に応じて行われるため、過剰症の心配はありません。​
緑黄色野菜にはβ-カロテン以外にも、ビタミンCやビタミンK、葉酸、カリウム、鉄、カルシウムなど、たくさんの栄養成分が含まれています。ビタミンCは皮膚や細胞のコラーゲンが合成される際に必要で、抗酸化作用により老化やがん、動脈硬化、免疫機能の低下の原因となる活性酸素を取り除く働きもあります。​

緑黄色野菜の健康効果

緑黄色野菜に含まれるβ-カロテンは体内でビタミンAに変わり、粘膜や皮膚を健康に保つ働きがあります。これによりウイルスや細菌の侵入を防ぎ、風邪をひきにくい体づくりに役立つため、免疫力アップの効果が期待できます。​
トマトに含まれるリコピンやブロッコリーのビタミンCは強い抗酸化作用を持ち、肌の老化を防ぎます。紫外線によるダメージから肌を守り、シミやシワ予防にも効果的で、美肌効果が期待できるのです。​
ほうれん草や小松菜には鉄分や葉酸が含まれており、貧血予防にも効果があります。植物性の鉄分は非ヘム鉄と呼ばれ、吸収率が動物性のヘム鉄に比べて落ちますが、ビタミンCと一緒に摂取すると吸収率が上がります。また、カリウムは体内の水分バランスを整えたり、余分なナトリウム(塩分)を排出したりする重要なミネラルで、血圧降下作用も期待できます。​

緑黄色野菜の効果的な摂取方法

カロテンは脂溶性ビタミンであり、油と一緒にとることで吸収率が高まります。カロテンを無駄なく摂りたい場合は、炒め物にしたり、油を使った料理と組み合わせたりするなどの工夫をすると良いでしょう。にんじんはβ-カロテンの含有量が特に多く、皮の近くに特に多く含まれているため、皮ごと食べるか皮を薄く剥いて食べるのがおすすめです。​
野菜は加熱することでカサが減ってたくさん食べられるため、緑黄色野菜は加熱料理にして食べるようにしましょう。例えば、豆苗を炒め物やスープにする、リーフレタスやサニーレタスをスープにする、トマトを煮込み料理に使うなどの工夫があります。​
冷凍野菜を使うと、手軽に緑黄色野菜をプラスできます。オクラ、かぼちゃ、ほうれん草、ブロッコリーなどを常備しておくと便利です。冷凍野菜は急速冷凍により栄養素の損失の心配は少なく、栄養豊富な旬の時期に加工されるため、生のものより栄養豊富な場合もあります。​

緑黄色野菜の保存方法のコツ

野菜の鮮度をキープし、おいしいまま保存するには、ジッパー付き保存バッグに入れて保存することが基本です。野菜の乾燥や酸化、ニオイ移りを防ぐことができます。葉物野菜やアスパラガスのように上に伸びる野菜は、育った状態と同じように「立てて」保存するのが長もちさせるコツです。
参考)野菜の上手な保存方法!カット後、下ごしらえ後、丸ごと、など状…

青菜類はビタミンが多く含まれていますが、収穫してから時間が経てば経つほどビタミンの量は減少していきます。収穫後2日以内くらいであれば栄養価が高い状態で食べることができるため、できるだけ早めに調理することが大切です。
参考)栄養価を減らさず長持ちさせる  野菜の保存方法 ~健康の診断…

葉のついた根菜類、例えば大根などを購入したときは、持ち帰った後すぐに葉と根の部分を切り離すことがポイントです。葉や茎をつけたまま保存すると、葉に栄養を送ろうとして根の栄養価が下がっていってしまいます。葉の部分は緑黄色野菜ですから、捨ててしまうのはもったいなく、おひたしや汁物の具として利用するとよいでしょう。​

野菜不足がもたらす健康リスク

野菜不足は様々な健康リスクをもたらします。カロリーの高い肉、魚、卵、米、パンなどに偏ると肥満を起こしやすくなり、がんや動脈硬化などの病気予防に役立つフィトケミカルが不足しやすくなります。​
食物繊維が不足すると腸内環境が乱れやすくなり、噛む回数が減ることで食べすぎになりやすくなったり、唾液分泌が減って虫歯や歯周病などのリスクになったりします。多くの研究で、野菜をとる量が少ない人の方が肥満の傾向があり、脳卒中や心臓病、がんのリスクが高いという結果が出ています。​
現状の緑黄色野菜の摂取量は20歳以上で85.1gとなっており、目標値の120gと比べてあと35gほど足りていません。サプリメントの効果について実証されたものは少なく、野菜や果物に含まれるものと同じ栄養素を摂ったからといって、健康づくりに役立つかどうかははっきりとしていないため、基本的には野菜たっぷりの食事を心がけるようにしましょう。​
厚生労働省ホームページでは、日本食品標準成分表2020年版(八訂)において緑黄色野菜の詳細な基準が記載されています。より専門的な情報を知りたい方は、こちらの公式資料をご参照ください。
カゴメの野菜情報サイトでは、緑黄色野菜の栄養や色、形など満たすべき条件について、わかりやすく解説されています。緑黄色野菜に分類される野菜の一覧も掲載されているため、日常の食生活に活用できる情報が満載です。