タコスが嫌いな人ほど、メキシコ料理にハマる確率が高いです。
メキシコ料理は、「辛くて作れない」と思われがちです。でも実際には、辛さのレベルは自分でコントロールできます。
メキシコ料理の土台となる主食は、日本でいうご飯にあたるトルティーヤ(Tortilla)です。とうもろこしの粉を水で練って薄く焼いたもので、これをベースに無数の料理が生まれます。日本のスーパーでも小麦粉タイプ(フラワートルティーヤ)が手軽に購入でき、主婦の方でも入手しやすい点が魅力です。
トルティーヤと並んで欠かせないのが「サルサ・メヒカーナ」(Salsa Mexicana)です。トマト・玉ねぎ・パクチー・唐辛子を刻んで合わせたシンプルなソースで、メキシコ国旗と同じ「赤・白・緑」の食材で作られています。唐辛子の量を減らせばピリ辛にも辛くない仕上がりにもできるので、これが基本です。
もう一つの定番がフリホーレス(Frijoles)。いんげん豆をやわらかく煮てペースト状にしたもので、甘くないあんこのようなイメージです。タコスやエンチラーダなど、ほぼあらゆる料理に添えられる「縁の下の力持ち」的存在です。
そして近年、日本でも人気が高まっているのがワカモレ(Guacamole)です。アボカドを潰し、ライム果汁・塩・玉ねぎ・トマトを混ぜたディップで、「森のバター」とも呼ばれるほど栄養価が高く、健康・美容に関心のある方にも注目されています。アボカド1個から手軽に作れます。これは使えそうです。
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メキシコでは「トルティーヤを使った料理」が、驚くほど豊富にあります。タコス一択ではないということですね。
まず代表格のタコス(Tacos)は、トルティーヤに肉・玉ねぎ・パクチー・サルサをのせて食べる軽食です。日本でよく見る「レタスとチーズをのせたハードシェルのタコス」は実はアメリカで生まれたアレンジ版で、本場メキシコのタコスはシンプルな素焼きのトルティーヤを使うことがほとんど。本場スタイルは意外とあっさりしています。
エンチラーダス(Enchiladas)は、トルティーヤに鶏肉や豚肉を巻いてサルサをたっぷりかけた料理です。チーズやサワークリームをトッピングして食べるボリューム感が特徴で、日本の「ロールキャベツ」に近いイメージで作れます。
ケサディーヤ(Quesadilla)は、トルティーヤにチーズを挟んでフライパンで焼いた料理です。チーズがとろりと溶けたシンプルな一品ですが、これが毎日食べても飽きないおいしさ。子どもにも人気があり、休日ランチとしてもすぐに実践できます。
フラウタス(Flautas)は、トルティーヤに具材を詰めてストロー状に細く巻き、油で揚げたものです。名前の由来はスペイン語の「フルート(笛)」で、細長い形がそのまま名前になっています。おつまみや前菜として出てくることが多いです。
チラキレス(Chilaquiles)は、余ったトルティーヤを揚げてソースで煮込む、メキシコの朝ごはん定番料理です。日本でいえば「卵がけご飯」のような感覚で、毎朝食べる家庭もあります。揚げ玉をサルサで煮るイメージで作ると日本の食材でも再現しやすいです。
| 料理名 | 調理法 | 辛さ目安 | 家庭での再現度 |
|---|---|---|---|
| タコス | 焼き(トルティーヤ) | ★☆☆ | ◎ 簡単 |
| エンチラーダス | 巻き+サルサかけ | ★★☆ | ○ 普通 |
| ケサディーヤ | チーズ挟み焼き | ☆☆☆ | ◎ 簡単 |
| フラウタス | 揚げ | ★☆☆ | ○ 普通 |
| チラキレス | 揚げ+ソース煮 | ★★☆ | ○ 普通 |
デリッシュキッチン|おうちで楽しむタコスレシピ8選(動画付き)
メキシコ料理は「スナック系」だけではありません。スープや煮込み料理こそ、本場の「深みのある味」が体験できるジャンルです。
まず押さえたいのがソパ・デ・トルティーヤ(Sopa de Tortilla)です。チキンスープをベースに、揚げたトルティーヤチップス・アボカド・チーズ・クリームを合わせた具だくさんのスープで、メキシコ現地でも屈指の人気料理のひとつです。和食でいえば「けんちん汁」のように家庭の味であり、お店によって味わいが違うのも魅力です。
ポソレ(Pozole)は、大粒のホモニーコーン(ニシュタマル処理したとうもろこし)と豚肉・鶏肉を長時間煮込んだスープです。日本ではあまり見かけませんが、本場では祭りや特別な日に家族で囲む「ハレの日の料理」として深く根づいています。コーンの食感がポトフに似ており、日本人の口にも合いやすい一品です。
肉料理ではカルネ・アサダ(Carne Asada)が定番です。牛肉のハラミ・フランク肉をライム・オレガノ・ガーリックでマリネして高温でグリルした料理で、屋台でも食べられる庶民の味です。週末のバーベキューでぜひ試してほしい一品で、マリネ時間は30分あれば十分です。
タマル(Tamales)は、とうもろこしの生地にラードを混ぜ、具材を包んでバナナの葉やとうもろこしの皮で蒸したものです。日本のちまきに非常に近いイメージで、形を見ると「あ、知ってる!」と感じる方も多いはずです。つまり見た目は和食に近い料理です。
スープで忘れてはならないのがソパ・デ・リマ(Sopa de Lima)です。チキンブロスにライム汁・玉ねぎ・トマトを合わせたさっぱり系のスープで、ユカタン半島の伝統料理。辛さもほぼなく、夏の暑い日にも飲みやすいさっぱりとした風味が特徴です。
🍲 メキシコ料理のスープは、体への負担が少なくヘルシーなものが多いです。旭化成のレシピサイトではメキシコ料理の食文化についての解説も読めます。
日本でも材料が揃えやすく、主婦の方が最初にチャレンジしやすいメキシコ料理を紹介します。
チリコンカン(Chili con Carne)は、ひき肉・玉ねぎ・大豆(または豆の缶詰)・トマト缶をチリパウダーで炒め煮した料理です。実はアメリカのテキサス生まれで「メキシコ風」の料理ですが、日本のカレーライスに近い感覚で作れることから、家庭に取り入れやすいナンバーワンメキシカン料理といっていいでしょう。これが条件です——豆の缶詰とひき肉さえあれば、あとは炒めるだけで完成します。
チリパウダーの量を調整すれば子どもでも食べられる辛さにできますし、ご飯にかけて「タコライス」にすることも可能です。余ったチリコンカンは翌日のパスタソースやオムレツの具材にもなります。
ブリトー(Burrito)は、大きめのフラワートルティーヤにご飯・豆・肉・チーズ・ワカモレなどをたっぷり包んで食べる料理です。日本では「でかいコンビニおにぎり」のような感覚で理解するとわかりやすいです。一度作れば、その手軽さと食べ応えに驚くはずです。
セビーチェ(Ceviche)は、新鮮な魚介類をライム汁で「〆て」作るシーフード前菜料理です。火を使わないので夏の暑い日に向いていて、刺身感覚で楽しめます。白身魚・エビ・タコなど、日本で手に入りやすい食材で再現でき、ライムがなければレモン汁で代用できます。
以下に、家庭で作りやすいメキシコ料理を難易度別でまとめます。
- 🟢 初心者向け(すぐ作れる):ワカモレ、チリコンカン、ケサディーヤ、セビーチェ
- 🟡 中級者向け(少し工夫あり):タコス(タコミート作り)、ブリトー、エンチラーダス
- 🔴 上級者向け(本格派):トルティーヤの手作り、モーレ・ポブラーノ、タマル
手軽にスタートするなら、まずワカモレかチリコンカンが基本です。市販のトルティーヤチップスにワカモレをつけるだけで、立派なメキシコ料理のアペタイザーが完成します。
オールドエルパソ公式|定番から本格派まで揃うメキシカンレシピ一覧
メキシコ料理の一覧を語るうえで、絶対に外せない料理があります。それがモーレ・ポブラーノ(Mole Poblano)です。
モーレとは、数種類の唐辛子・スパイス・ナッツ・ドライフルーツ・トマトなどを20〜30種類以上組み合わせて作る複雑なソースのことです。そして「ポブラーノ」は、メキシコ中部の都市「プエブラ」を意味します。このプエブラはメキシコ料理発祥の地ともいわれ、その代表格がモーレ・ポブラーノです。
驚きの特徴は、ソースの中にチョコレート(カカオ)が入ることです。チョコレートと唐辛子という組み合わせは日本人には意外に感じられますが、古代アステカ文明の時代からカカオと唐辛子は一緒に使われていた歴史があります。甘いのではなく、深いコクと複雑さを生み出す役割を担っているのです。
モーレ・ポブラーノの味は「甘さ・苦み・辛み・スモーキーさ」が重なり合う複雑な風味で、日本のカレーに近い「深みのある煮込みソース」と例えると伝わりやすいでしょう。蒸し鶏や七面鳥にかけて食べるのが定番です。
モーレには複数の種類があり、色によって呼び名が変わります。
- 🟫 モーレ・ネグロ(黒):プルーンや黒い唐辛子を使う最も複雑な風味のもの
- 🟥 モーレ・ロホ(赤):赤い唐辛子ベースで辛みが強い
- 🟩 モーレ・ベルデ(緑):緑の唐辛子やトマティーヨ(緑トマト)ベースでさわやか
また、メキシコにはチレス・エン・ノガダ(Chiles en Nogada)という国民的料理もあります。大きなポブラノ唐辛子に肉・フルーツを詰め、白いクルミのクリームソースをかけてザクロの実を散らした料理で、メキシコ独立記念日(9月16日)前後に食べられる季節料理です。緑・白・赤がメキシコ国旗の色を表しており、まさに「食べる芸術」ともいわれています。意外ですね。
2010年にユネスコ無形文化遺産に登録されたメキシコ料理。その背景には7000年以上の歴史があり、アステカやマヤといった先住民族の知恵とスペイン統治時代の文化が融合した独自の食文化が育まれてきました。モーレはその集大成といえる料理です。
🍫 モーレについての深堀り解説は、日本経済新聞の食コーナーに詳しい記事があります。
また、メキシコ料理がユネスコ無形文化遺産に登録された背景については以下のリンクが参考になります。
SHAREDINE|メキシコ料理の歴史・地域別伝統料理・使われる食材の特徴を解説