さつまいもを毎食スイーツにするより、おかずにした方が食費が月2,000円以上節約できます。
さつまいもを大量に消費しようとするとき、多くの方が「とりあえず全部洗って冷蔵庫に入れよう」と考えがちです。しかし実は、さつまいもは冷蔵庫に入れると0〜5℃の低温障害を起こし、黒く変色して味が落ちます。これは意外ですね。
正しい保存場所は、10〜15℃程度の「冷暗所」が原則です。新聞紙1枚に1本ずつ包んで、段ボール箱に入れて玄関や廊下に置くのがベストです。この方法なら未調理のまま2〜3週間は品質を保てます。
ただし、すでに大量にある場合は「先に下処理して冷凍保存する」方が現実的です。冷凍保存のポイントは3つあります。
- 🔪 皮をむいて2cm角に切る:火が通りやすくなり、調理時間が約半分に短縮できます
- 💧 5分ほど水にさらす:アクが抜けて、おかずにしたときにエグみが出にくくなります
- 🧊 水気をしっかり拭いてから冷凍:水分が残ると霜がついて食感が悪くなるため、キッチンペーパーで丁寧に拭き取りましょう
この3手順を踏んだ冷凍さつまいもは、約2週間使い回せます。冷凍のまま炒め物や煮物に入れられるので、朝の忙しい時間帯でも時短になります。
また、茹でてマッシュ状にしてから冷凍する方法もあります。茹でてつぶしたさつまいもは、100gずつラップで包んでおくと、スープやポタージュにそのまま溶かして使えます。1袋あたりの目安は「ゴルフボール1個分くらい」のサイズが扱いやすいです。
つまり下処理の一手間が、大量消費の鍵です。
さつまいもというと「甘い料理」というイメージを持つ方が多いですが、塩・醤油・にんにく・スパイスと組み合わせると、立派なメインおかずになります。甘みが気になる場合は、水にさらす時間を10分に延ばすだけでかなり抑えられます。これが基本です。
① さつまいもとベーコンの塩バター炒め
冷凍しておいたさつまいも200g、ベーコン4枚、バター10g、塩・こしょう適量で作ります。フライパンにバターを溶かし、ベーコンを炒めたあとさつまいもを加えて7〜8分炒めるだけです。バターの塩気がさつまいもの甘みを打ち消してくれるので、おかずとして食卓に出せます。
② さつまいもの甘辛煮(きんぴら風)
ごぼうや人参と同じ要領で、さつまいも150gを細切りにしてごま油で炒め、醤油大さじ1・みりん大さじ1・砂糖小さじ1/2で味付けします。ポイントは「砂糖を控えめにすること」です。さつまいも自体に糖度があるため、砂糖をレシピの半量にしても十分な甘さになります。
③ さつまいもと鶏肉のカレー炒め
鶏もも肉200g、さつまいも1本(約200g)、カレー粉小さじ2で作ります。カレーの風味がさつまいもの甘みを引き締め、ご飯によく合うおかずになります。子どもにも人気が高い一品です。
④ さつまいもの味噌汁(具だくさん)
さつまいもは味噌汁の具にも使えます。1cm厚の半月切りにして出汁と一緒に煮れば、自然なとろみと甘みがスープに溶け込みます。豆腐や油揚げと組み合わせると、具だくさんで満足感のある一杯になります。
⑤ さつまいもとひき肉の醤油炒め(中華風)
ごま油で炒めたひき肉100gに、さつまいも150g(1cm角切り)を加え、醤油大さじ1・オイスターソース大さじ1・砂糖少々で味付けします。中華風の濃い味付けがさつまいもと相性抜群です。これは使えそうです。
週の頭に作り置きをしておくと、平日の副菜に毎日さつまいもを活用できます。作り置きに向いているレシピの条件は「味が濃すぎず・冷めても美味しい・日持ちする」の3点が条件です。
大学芋(少糖バージョン)
市販の大学芋はかなり甘く作られていますが、家庭で作る場合は砂糖を通常の1/3に減らしても十分な味になります。さつまいも300gに対して砂糖大さじ1、醤油小さじ1、みりん大さじ1が目安です。冷蔵で3日間保存できます。
さつまいものレモン煮
さつまいも300g、砂糖大さじ2、レモン汁大さじ1、水200mlで作ります。レモンの酸味がさつまいもの甘みを和らげるため、おかず感覚で食べられます。お弁当の副菜としても使いやすく、冷蔵で4〜5日持ちます。
さつまいものポテトサラダ風
じゃがいもの代わりにさつまいもを使ったポテトサラダです。茹でてつぶしたさつまいも200gに、きゅうりの薄切り1本分(塩もみ済み)、マヨネーズ大さじ2、塩こしょうを混ぜます。甘みが気になる場合は、からし小さじ1/2を加えると引き締まります。冷蔵で2〜3日保存可能です。
| レシピ名 | 日持ち | 特徴 |
|---|---|---|
| 大学芋(少糖) | 冷蔵3日 | お弁当・副菜に万能 |
| レモン煮 | 冷蔵4〜5日 | さっぱり・甘さ控えめ |
| ポテサラ風 | 冷蔵2〜3日 | 子ども・大人ともに人気 |
作り置きの保存は、清潔なガラス製保存容器を使うと衛生的で、においも移りにくいです。イワキのガラス保存容器(700ml、1個あたり約800円)のような耐熱ガラス製は電子レンジ加熱もそのままできるので、時短の面でもおすすめです。
スープや汁物は、さつまいもをまとまった量で一気に使えるため、大量消費に非常に向いています。1回のスープで使える量は約300〜400g(中サイズ1〜2本分)なので、数日分を一気に消費できます。
さつまいもの豆乳ポタージュ
さつまいも300gを茹でてミキサーにかけ、豆乳200ml・コンソメ1個・塩こしょうを加えて温めるだけです。豆乳の風味がさつまいもの甘みをまろやかにまとめてくれます。冷凍したマッシュさつまいもを使えば、調理時間は約10分で完成します。
さつまいもと豚肉の豚汁
豚汁のじゃがいもをさつまいもに置き換えるだけです。さつまいも200g、豚こま肉150g、大根100g、ごぼう50g、味噌大さじ2が基本の分量です。さつまいもの自然な甘みがだしに溶け出して、コクのある豚汁になります。
スープを大量に作ったときの保存は「粗熱を取ってから冷凍」が鉄則です。粗熱を取らずに蓋をして保存すると、中で蒸気が水滴になり菌が繁殖しやすくなります。製氷皿に入れて冷凍し、固まったらジップロックに移して保存すると、1回分ずつ取り出しやすくなります。
なお、スープにとろみをつけたいときは片栗粉ではなく、すりおろしたさつまいも自体を加えると自然なとろみが出ます。これは料理の知識として覚えておきたいポイントです。
農林水産省「食育に関する情報(野菜の栄養・保存方法)」
※農林水産省の食育ページでは、野菜の栄養や正しい保存方法について確認できます。さつまいもの適切な保存温度についての参考情報として活用できます。
これは検索上位にはあまり載っていない視点ですが、さつまいもは「食物繊維量が野菜の中でもトップクラス」という特徴があります。100gあたり約2.2gの食物繊維を含んでおり、同量のじゃがいも(1.3g)と比べて約1.7倍です。腸内環境を整える観点から、子どもや高齢者のおかずに積極的に取り入れることをおすすめします。
ただし、食物繊維が多いぶん、消化に時間がかかる点には注意が必要です。小さな子ども(2歳以下)には、よく潰してなめらかなペースト状にするか、スープに溶かして与えると食べやすくなります。
子ども向けアレンジ:さつまいもコロッケ
茹でて潰したさつまいも200g、ひき肉100g、塩こしょうを混ぜて成形し、パン粉をまぶして揚げます。じゃがいもコロッケより甘みがあるため、子どもが好んで食べます。揚げ油の使用量を減らしたい場合は、オーブン200℃・15分でも同様に作れます。
高齢者向けアレンジ:さつまいもの茶巾絞り
茹でて潰したさつまいも200gに、バター5g・砂糖大さじ1・塩ひとつまみを混ぜてラップで茶巾絞りにします。柔らかくて食べやすく、噛む力が弱くなってきた方にも向いています。1個あたり約50g(ピンポン玉より少し大きいサイズ)に分けると食べやすいです。
さつまいもにはビタミンCも豊富で、100gあたり約29mgが含まれています(日本食品標準成分表より)。ビタミンCは通常加熱に弱い栄養素ですが、さつまいもの場合はデンプンがビタミンCを包んで保護するため、加熱後も約70%が残ります。これは知っておきたい豆知識です。
文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
※さつまいもの食物繊維・ビタミンC含有量など栄養素の数値はこちらで確認できます。レシピを考える際の根拠として参考にしてください。
子どもや高齢者のいる家庭では、さつまいもを「甘いおやつ」としてだけでなく「栄養を補う副菜」として位置づけると、大量消費と栄養バランスの確保が同時に達成できます。つまり一石二鳥ということですね。
さつまいもが大量にある状況でも、下処理と冷凍保存を組み合わせ、甘くないおかず・副菜・スープのレパートリーを持っておけば、無駄なく美味しく使い切ることができます。毎日の食卓に少しずつ取り入れるだけで、食費の節約と栄養補給が自然と整っていきます。