七分づき米は、炊飯器の保温を続けると数時間で糠臭くなり家族が食べられなくなります。
七分づき米を初めて炊こうとするとき、多くの方が「白米と同じ水加減でいいの?」と迷います。結論から言うと、七分づき米の水の量は白米と同量〜1.2倍程度が基本です。
具体的には、1合(約150g)のお米に対して、水は180〜200ml前後が目安になります。白米の炊飯で使う水が180mlなので、七分づきの場合はそれと同量か、大さじ1〜2杯(約15〜30ml)多めに加えるイメージです。
ただし、水の量は「炊き方の道具」「お米の状態」「好みの食感」によって変わります。たとえば、炊飯器で炊く場合は内釜の白米の目盛りに合わせてOKです。柔らかめが好きな方は白米の目盛りより気持ち多め、硬めが好きな方はやや少なめに調整しましょう。
なお、同じ分づき米でも精米の度合いで水の量は異なります。三分づきは白米の1.5倍程度、五分づきは1.2〜1.4倍程度と、玄米に近づくほど水を多くする必要があります。七分づきが一番白米に近いということですね。
圧力鍋を使う場合は少し勝手が違います。圧力がかかることで水分がお米に浸透しやすくなるため、水の量は白米と同量か少し少なめ(七分づきなら1倍程度)でも十分炊けます。土鍋などの無圧鍋では1.2倍前後が使いやすい量です。
| 炊き方 | 七分づきの水の量(米1合に対して) |
|---|---|
| 炊飯器(白米モード) | 白米目盛と同量〜大さじ1多め(約180〜200ml) |
| 土鍋・ルクルーゼなど | 白米の約1.2倍(約210〜220ml) |
| 圧力鍋 | 白米と同量か少し少なめ(約170〜180ml) |
水の量さえ押さえれば大丈夫です。
参考:七分づき米の水加減・炊き方の詳細(全国有機農法連絡会)
https://www.zyr.co.jp/okome/sichibumai.html
七分づき米を美味しく炊くうえで、水の量と同じくらい大切なのが浸水時間です。白米は30分程度の浸水でも炊けますが、七分づき米は2時間以上の浸水が推奨されています。
なぜ浸水が必要かというと、七分づき米にはぬか層が少し残っていて、お米の中心部まで水が浸透するのに時間がかかるからです。浸水が不十分だと芯が残ったり、食感がパサパサになったりします。これは意外ですね。
2時間というのはコーヒー豆を挽いてドリップする時間の約20〜25杯分に相当します。つまり「朝食に炊きたいなら、前夜に水に浸しておく」のがいちばん確実な方法です。
ただし、常温での長時間浸水には注意が必要です。夏場などは雑菌が繁殖しやすく、9時間以上の浸水は避けるべきとされています。前夜から浸水する場合は、必ず冷蔵庫に入れた状態で行いましょう。冷蔵庫なら一晩(約8時間程度)の浸水も問題ありません。
冬場は気温が低いためお米が水を吸いにくくなります。浸水時間を2〜3時間ほど長めにとるか、少しだけ水温を上げる(15〜20℃程度)と吸水が促進されます。季節に応じた調整が条件です。
浸水後はザルでしっかり水を切ってから、改めて炊飯に必要な水の量を加えます。浸水に使った水ごと炊いてしまうと水分量が多くなりすぎるので注意しましょう。浸水した水はそのまま使わないのが原則です。
参考:分づき米の浸水時間と洗い方のポイント(e-okomeshop)
https://e-okomeshop.com/how-to-rice/okome-takikata/post-3155
七分づき米を炊くとき、研ぎ方でミスをすると栄養が流れてしまいます。白米と同じようにゴシゴシ強く研ぐのは禁物です。七分づき米には胚芽が残っており、強く研ぐとその胚芽が取れてしまい、せっかくの栄養素が失われてしまうからです。
研ぎ方のポイントは「優しく、スピーディーに」です。最初に水を入れてさっとかき混ぜたら、すぐに水を捨てます。この最初の研ぎ汁はかなり濃く色がついていますが、これをお米が吸ってしまうと糠臭くなる原因になります。素早く捨てるのが必須です。
その後は、手のひらを軽く丸めてお米全体をシャカシャカと対流させるように20〜30回ほどかき混ぜ、3〜4回すすいだら完了です。水が完全に透明になるまで研ぐ必要はありません。ある程度透明感が出たら研ぎ上がりのサインです。
炊飯モードについては、七分づきは「白米モード」で炊けます。これは使えそうです。玄米モードを選んでしまうと、加熱時間や水分調整が玄米用に設定されているため炊き上がりが柔らかすぎたり、食感がおかしくなることがあります。七分づき〜五分づきは白米モード、三分づきは玄米モードが適切な目安です。
炊飯器によっては「分づき米モード」や「胚芽米モード」が搭載されている機種もあります。その場合は専用モードを活用するとより美味しく炊き上がります。お使いの炊飯器の説明書を一度確認してみてください。
参考:分づき米の水加減の目安(ふくい味覚倶楽部)
https://www.mikaku-club.com/faq/分づき米の水加減/
七分づき米で最も見落とされやすい失敗ポイントが「保温」です。炊き上がったあとそのまま炊飯器の保温機能を使い続けるのは、七分づき米にとって大きなデメリットになります。
白米と違い、七分づき米には残ったぬか成分が含まれています。このぬかが保温中の熱によって酸化・劣化し、数時間で独特の糠臭が発生してしまうのです。朝に炊いて夜にも食べようとしたとき、「なんか臭い…」と感じた経験がある方もいるかもしれません。痛いですね。
対策として最も有効なのは、炊き上がってすぐにおひつや清潔な容器に移すことです。昔ながらの木製おひつは余分な水分を吸収してくれるので、七分づき米の炊き上がりをより美味しく保てます。
すぐに食べない分は、1食分ずつラップに包んでしっかり冷凍保存するのがベストです。粗熱を取ってから冷凍することで約1ヶ月は美味しい状態を保てます。冷凍したご飯は電子レンジで解凍するだけなので、毎日炊かなくても手軽に七分づき米を食べ続けられます。これは時間の節約にもなりますね。
未炊飯の状態のお米(精米後の七分づき米)も白米より酸化が早い点に注意が必要です。購入後は冷蔵庫(野菜室など)で保管し、1ヶ月以内に食べ切るのが理想的です。夏場は特に酸化が進みやすいので、2〜3週間を目安にするのが安全です。
参考:分づき米の注意点・保存方法(やぎぬま米穀店)
https://yaginuma.jp/hokutomai/polished-rice/
七分づき米が健康食として注目される最大の理由は、白米と比べて栄養価が大幅に高い点にあります。白米ではほぼ取り除かれてしまう「胚芽」と「ぬか層」の一部が残っているため、そこに含まれる栄養素をそのまま摂れるのです。
具体的な数字で見ると、白米と比較した七分づき米の栄養価は以下のとおりです。
特にビタミンB1は白米の3倍という差があります。ご飯茶碗1杯(約150g)のご飯で換算すると、七分づき米を選ぶだけで毎食ビタミンB1の補給量が白米の約3倍になる計算です。これだけ栄養の差があるということですね。
ビタミンB1が不足すると倦怠感や疲れやすさが出やすくなります。「最近なんとなく疲れっぽい」「夕方になるとぐったりする」というお母さんに、七分づき米への切り替えは試す価値があるでしょう。
また、七分づき米は白米より血糖値の上昇がやや緩やかです。GI値(血糖値の上昇しやすさを示す指数)は玄米<七分づき米<白米の順で、白米より低い数値になります。完全な低GI食品とまでは言えませんが、毎日食べることで体への積み重ねの効果が期待できます。
七分づき米に切り替えても、家族は気づかずに食べることが多いという声もあります。60代女性の体験談では「主人は白米だと思って気づかなかった」というエピソードもあるほど、食味の変化が少ない点が七分づきの大きな特徴です。玄米への切り替えを一度断念した方でも、七分づきなら続けやすいということです。
参考:七分づきの栄養価・白米との比較(やぎぬま米穀店)
https://yaginuma.jp/hokutomai/polished-rice/
参考:お米の栄養〜玄米・分づき米の栄養価について(仙台大学)
https://www.sendaidaigaku.jp/dnt2/_sendaidaigaku/access/nic_img/1/files/undoueiyouvol_75.pdf