フムスだけ頼めばシリア料理を味わったことになると思っていると、食費の7割を損します。
シリア料理は、中東料理の中でも特に長い歴史を持つ食文化です。古代から「大シリア」と呼ばれたこの地域は、東地中海に面し、レバノン・ヨルダン・パレスチナを含む文化的に豊かなエリア。数千年にわたって交易の要所だったため、地中海料理の素材感とアラブのスパイス文化が絶妙に混ざり合っています。
オリーブオイル、レモン、にんにく、ひよこ豆——これがシリア料理の「四天王」とも言えるベース食材です。肉料理ももちろんありますが、野菜や豆を使った料理が非常に多く、全体的にヘルシーで食べやすいのが特徴です。
つまり、野菜好きなら相性抜群です。
残念ながら、日本国内でシリア料理専門のレストランは非常に少なく、現在確認されている主な店舗は以下のとおりです。
| 店名 | エリア | 特徴 |
|---|---|---|
| アラビアレストラン ゼノビア | 東京・広尾 | シリア人シェフによる本格アラビア料理。子連れ可・ランチ880円〜 |
| アラビアンレストラン パルミラ | 東京・池袋 | レバノン人シェフによるアラブ料理。予約限定メニューあり |
| サハラムーン | 京都府京田辺市(大阪枚方市近く) | シリア・アラブ料理が楽しめる関西エリアの貴重なお店 |
特に「アラビアレストラン ゼノビア」(東京都渋谷区広尾5-2-25 本国ビルB1F)は、広尾駅から徒歩わずか5分という好立地で、シリア人シェフが本場の味を提供しています。食べログの評価も高く、ランチタイムは1,000〜1,999円という手頃な価格帯でも楽しめます。これは使えそうです。
全国的に見ても、専門店はまだ十数軒以下という希少性があります。「シリア料理」というジャンルに特化したレストランは都市部に集中しており、東京以外ではほとんど出会えないのが現状です。だからこそ、興味があるなら早めに足を運ぶ価値があります。
参考:東京で中東料理を食べられるお店まとめ(広尾ゼノビアなど詳細情報あり)
東京で中東料理を食べれるお店まとめ50選 | OGUgourmet
シリア料理のレストランで何を頼めばいいか迷う方はとても多いです。メニューに見慣れないカタカナが並んでいると、ついフムスだけ頼んで帰ってしまいがちですが、それは非常にもったいない選択です。シリア料理の真骨頂は「マッザ(前菜)の多彩さ」にあるからです。
マッザが基本です。
以下に、初めてのシリア料理レストランでも安心して試せる定番メニューを5つ紹介します。
🟡 ホンモス(フムス):ひよこ豆をゴマペースト(タヒニ)、レモン、にんにくと合わせてペースト状にしたディップ。ピタパンにつけて食べるのが定番スタイル。ゼノビアでは700円。クリーミーでくせがなく、初心者でも食べやすい一品です。
🟡 ファラフェル:ひよこ豆にパセリや香辛料を混ぜて丸めて揚げたコロッケ。外はサクッ、中はホクホクの緑色の断面が特徴的。ゼノビアでは900円。肉を使わないのでベジタリアン対応の料理でもあります。
🟡 タッブーレ・サラダ:パセリ、トマト、ブルグル(ひきわり小麦)をレモン汁で和えたさっぱり系サラダ。ゼノビアでは1,650円。爽やかな酸味がクセになる一皿で、脂っこい料理との相性が抜群です。
🟡 レンズ豆のスープ(レンティルスープ):豆の素朴な旨味が詰まったあっさりしたスープ。ゼノビアでは600円。体に優しい味わいで、小さな子どもから大人まで食べやすく、ランチの最初の一品として最適です。
🟡 シュシュバラック:シリア版のスープ餃子。薄めのヨーグルトスープにマトンのひき肉が入った餃子が泳ぐ、独特の酸味が印象的な一品。「日本にはない味」を体験したい方に特にすすめたいメニューです。
マッザ(前菜)を中心に複数の品を少量ずつ取り合うのが、シリア料理の本場スタイルです。日本でいえば居酒屋の小皿感覚に近いかもしれません。1人あたり3〜4品選んで、テーブルでシェアしながら食べると、よりシリアらしい食体験ができます。
参考:シリア料理の定番10皿の詳細解説
優雅で繊細なシリア料理を知るための10皿|カフェバグダッド - note
「シリア料理はヘルシーそうだけど、具体的に何が体にいいの?」と感じる方も多いでしょう。ここが重要なポイントです。
シリア料理の主要食材であるひよこ豆は、たんぱく質・イソフラボン・食物繊維・カリウムを豊富に含む「女性にうれしい食材」として知られています。大豆と同程度の不溶性食物繊維を含んでいて、腸内環境の改善にも役立ちます。カロリーは低く、腹持ちが良い点も嬉しいところです。
また、シリア料理ではオリーブオイルが調理の要となっています。オリーブオイルに豊富な一価不飽和脂肪酸は、LDL(悪玉)コレステロールを減らし、HDL(善玉)コレステロールを増やす働きが報告されています。心臓病や生活習慣病の予防という観点でも、世界的に注目を集めている食材です。
ヘルシーが条件です。
シリア料理が属する「地中海食」は、WHO(世界保健機関)が健康的な食事パターンの一つとして推奨しているほどです。地中海食の研究では、野菜・豆類・全粒穀物・オリーブオイルを中心とした食生活を継続することで、心疾患リスクが最大30%低下するという報告もあります(スペインのPREDIMED研究より)。
以下のような健康効果が、シリア料理に多く含まれる食材から期待できます。
- 🫘 ひよこ豆・レンズ豆:食物繊維・植物性たんぱく質が豊富で、血糖値の安定と腸内環境の改善に寄与
- 🫒 オリーブオイル:抗酸化作用のあるポリフェノールを含み、悪玉コレステロールを抑制
- 🍋 レモン・トマト:ビタミンCとリコピンが豊富で、免疫力アップと美肌効果に期待
- 🌿 パセリ・ミント:鉄分やビタミンKを含み、貧血予防と骨の健康維持をサポート
ダイエット中でも、シリア料理のランチなら罪悪感なく楽しめる可能性が高いです。揚げ物のファラフェルでさえ、油を控えた調理をするお店も多く、植物性油脂を使っているため体への負担が少なめです。
参考:地中海食の健康効果についての詳細
地中海食の特徴 | 健康長寿ネット(公益財団法人長寿科学振興財団)
シリア料理のレストランで、食事だけで席を立つのはかなりの損失です。「クナーファ」というデザートを食べないままでは、シリア料理体験の半分しか終わっていないと言っても過言ではありません。
クナーファとは何でしょうか?
クナーファは、細い麺状や細かなパイ生地をベースに、中にチーズやクリームを詰めて焼き、甘い蜂蜜シロップをかけたシリアを代表する温かいデザートです。表面はパリパリとした香ばしさがあり、中はとろっとしたチーズの滑らかさが広がります。この食感のコントラストこそが、クナーファの最大の魅力です。
東京・広尾のゼノビアでも提供されており、「病みつきになる美味しさ」と評する口コミが多数あります。ドバイなどの現地よりもチーズが軽めで食べやすいという声もあり、日本人の口に合う仕上がりになっているようです。
クナーファの魅力をまとめると。
- 🍮 小麦の細い麺状生地(または薄いパイ生地)が使われており、サクサクのお菓子のような食感
- 🧀 中のチーズはクリームチーズに近い風味で、チーズ臭さが苦手な方でも食べやすい
- 🍯 かけられる蜂蜜シロップは甘めだが、しつこくなくさっぱりした後味
- ☕ デザートには濃いめの紅茶やアラビアコーヒーが添えられることが多く、甘さを引き立てる
シリア料理のレストランではデザートもセットで楽しむのが基本です。「デザートまで頼むとお腹がきつい」という心配がある場合は、前菜の量を少し控えめにして、クナーファのスペースをあらかじめ確保しておくのがおすすめです。
ゼノビアのランチタイム(11:30〜14:30)は特にお得で、食べログの口コミによれば800円前後から複数の料理を楽しめます。ランチセットでシリア料理を一通り体験して、気に入ったメニューをディナーで深掘りするという二段活用も、コスパよく楽しむ賢い方法です。
シリア料理のレストランは、実は「日常使いできるヘルシー外食」として優れた選択肢です。多くの主婦がシリア料理に対して「特別な日のごちそう」「ハードルが高い」というイメージを持ちがちですが、価格・栄養面・使いやすさのすべてにおいて、むしろ日常的なランチに向いています。
意外ですね。
まず価格面から見てみましょう。東京・広尾の「アラビアレストラン ゼノビア」は、ランチが880円〜という設定です。都内の一般的なカフェランチの相場(約1,000〜1,500円)と比較しても、遜色のない価格帯でボリュームのある食事が楽しめます。前菜をシェアすれば、2人で行って1人あたり1,500円前後に収まることもあります。
次に食の多様性という視点です。シリア料理には植物性食品が非常に多く、ひよこ豆・レンズ豆・野菜・ハーブが主役の料理が並びます。食べ盛りの子どもに肉料理を出しながら、自分はファラフェルやタッブーレで野菜不足を補う——そんな使い方もできます。子連れ可のお店(ゼノビアは乳児・未就学児・小学生可)であれば、家族での外食にもぴったりです。
また、シリア料理はハラール(イスラム法に則った食材)を使っているお店が多い点も、安心感につながります。ゼノビアでは「肉類はすべてハラール肉を使用」と明示されており、食材の品質管理への意識が高いことが伺えます。
シリア料理レストランをうまく活用するためのポイントをまとめます。
- 👨👩👧 子連れランチに:ゼノビアは子ども可(乳児〜)で、野菜・豆中心のやさしい味の料理が揃っています
- 💸 予算を抑えたいとき:ランチタイムなら880円〜、前菜のシェアでコスパよく楽しめます
- 🥗 ダイエット中でも外食したいとき:植物性メインのメニューが多く、油も良質なオリーブオイル使用
- 🎁 ちょっとしたサプライズに:日本でほとんど知られていないシリア料理は、夫やパートナーへのちょっとした「新体験プレゼント」になります
「なんとなくいつものレストランへ」という日に、少し足を伸ばしてシリア料理を試してみると、食への見識が広がり、日々の食生活にも変化が生まれるかもしれません。
なお、ゼノビアはテイクアウトにも対応しており、ほとんどのメニューをお持ち帰りできます。「まずは自宅でシリア料理を試してみたい」という方は、テイクアウトからはじめるのも気軽でおすすめです。
参考:アラビアレストラン ゼノビアの詳細情報(メニュー・アクセス・口コミ)
アラビアレストラン ゼノビア|食べログ