生のまま食べるより加熱したほうがリコピンが体に届きやすいです。
アイコトマトの平均糖度は8度以上と言われています。これは一般的なミニトマトの糖度(約6〜7度)と比べると、ひとまわり甘い数値です。ちなみに桃やメロンの糖度が13〜14度前後なので、「フルーツには及ばないけれど野菜としては驚きの甘さ」と表現するのがぴったりです。
なぜこれほど甘く感じるのかというと、アイコは糖度が高いだけでなく、酸味が少ないという二重の理由があります。通常のミニトマトには含まれるゼリー状の部分(種まわりの果肉)が少なく、その部分に集まりがちな酸味の成分も少なめなのです。そのため、甘みがダイレクトに舌に届き、フルーツのような感覚が生まれます。
つまり「糖度が高い+酸味が少ない」が甘さの秘密です。
野菜嫌いのお子さんにも食べさせやすいと評判で、お弁当のおかずやおやつとして毎日活用しているご家庭も多くあります。サカタのタネの野菜統括部によれば、「朝、昼、夕と毎食食べていただくのがおすすめ」とのことで、1日5回食べる「毎日ご"アイコ"」という提案もあるほどです。これは使えそうです。
糖度は産地や栽培環境によっても変わりますが、熊本産などのブランドアイコでは糖度10度を超えることもあります。スーパーで選ぶ際は、色が鮮やかで皮がピンと張っているものを目安にすると、甘みが乗ったものに出会いやすいです。
アイコトマトの栄養面で特に注目したいのが、リコピンの含有量です。一般的なミニトマトと比較して、アイコには約2倍のリコピンが含まれていることが明らかになっています。リコピンはトマトの赤い色素成分で、体内の活性酸素を取り除く抗酸化作用が非常に強い栄養素です。
リコピンが体にもたらす効果は多岐にわたります。免疫力の低下を防ぐ、日焼けによる肌ダメージを和らげる、動脈硬化の予防をサポートするなどが主な作用として知られています。子育て中に体力を消耗しがちな方にとっても、日々の食事でリコピンをしっかりとることは、体のメンテナンスに直結します。
栄養は大事ですね。
リコピン以外にも、アイコにはビタミンC、β-カロテン(ビタミンA)、カリウム、カルシウムなど複数の栄養素が含まれています。ミニトマトは完熟状態で収穫されるため、一般のトマトよりも100gあたりの栄養密度が全体的に高めです。
| 栄養素(100gあたり) | 普通のトマト | ミニトマト(参考値) |
|---|---|---|
| エネルギー | 19kcal | 29kcal |
| ビタミンC | 15mg | 32mg |
| β-カロテン | 540μg | 960μg |
| カリウム | 210mg | 240mg |
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
さらに、リコピンは脂溶性の成分なので、オリーブオイルなどの油と一緒に食べると体内への吸収率が格段に上がります。また、加熱調理によってトマトの細胞壁が壊れることで、リコピンが遊離してより吸収されやすい状態になります。生のままよりも、炒める・煮るなどの調理を加えることで、栄養をより効率よく取り込めるということです。リコピンを意識するなら加熱調理がおすすめです。
ビタミンCは熱に弱いため加熱すると減少しますが、リコピンとβ-カロテンについては加熱することで吸収効率が上がるため、生食と加熱調理をバランスよく使い分けるのが賢い選択です。
アイコトマトを他のミニトマトと見分けるポイントはその形にあります。一般的な丸型のミニトマトとは異なり、細長い楕円形の「プラム型」をしているのが大きな特徴です。長さは約3〜4cm、重さは1粒あたり18〜25g程度で、ちょうどひと口で食べやすいサイズ感です。
このプラム型には、実用的なメリットがいくつかあります。まず、丸型に比べて転がりにくい点が挙げられます。お弁当箱に入れたときに他のおかずのほうへ転がってしまうストレスが少なく、見た目よくきれいに並べやすいのです。ランチのお弁当作りで毎朝手間を感じている方にとっては、地味ながらありがたいポイントです。
転がりにくいのはメリットですね。
もうひとつの大きなメリットは、果汁が飛び散りにくいことです。アイコはゼリー状の果肉部分(種の周囲の水っぽい部分)が少なく、代わりに果肉が厚い構造をしています。丸いミニトマトを食べたとき「ぱっと果汁が飛んで洋服を汚してしまった」という経験をお持ちの方も多いと思いますが、アイコではそのリスクが大幅に下がります。お子さんのおやつや食卓での取り扱いも格段にラクになります。
また、皮がしっかりしているため、加熱調理でも形が崩れにくいのも特徴のひとつです。煮込み料理やソテーに加えても形を保つため、盛り付けが美しく仕上がります。トマトカレーやパスタソース、グリル焼きなど幅広い料理に応用できます。
スーパーでアイコトマトを選ぶときは、いくつかのポイントを確認するだけで、格段においしいものに出会えます。まず見るべきは色のツヤです。鮮やかな赤色でピカッとした光沢があるものは、完熟していてリコピンも豊富です。次に確認したいのがヘタの状態で、きれいな緑色でしなびていないものが新鮮な証拠です。
ヘタと実の接続部分が小さいのもアイコの特徴で、ヘタが黒ずんでいたり縮んでいるものは時間が経っています。また、皮がピンと張っていてハリがあるものを選ぶのが基本です。
選ぶポイントは色とヘタが条件です。
保存方法については、いくつかの誤解が広まっているため注意が必要です。「野菜は冷蔵庫に入れればとりあえずOK」と思って冷蔵庫の一番冷たいところに保存している方も多いですが、ミニトマトには適温があります。保存に適した温度は8〜10℃程度で、野菜室が最も適した場所です。冷蔵庫の本棚(チルド付近など冷えすぎる場所)では低温障害を起こし、甘みや風味が落ちることがあります。
冷蔵保存するときは、まずヘタを取り(ヘタの部分に雑菌が繁殖しやすいため)、水気をきれいに拭き取ります。その後、キッチンペーパーを敷いた保存容器に並べて蓋をし、野菜室に入れましょう。この方法であれば1週間程度は鮮度を保てます。
冷凍保存も可能です。ヘタを取って洗った後に水気を拭き、冷凍用ジッパーバッグに入れて空気を抜けば3週間〜2ヶ月程度保存できます。凍ったまま加熱調理に使えるので、大量に手に入ったときや忙しい日の時短調理にも大変重宝します。
| 保存方法 | 保存期間の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 野菜室(冷蔵) | 5〜7日 | ヘタを取り、キッチンペーパーと容器に入れて保存 |
| カットして冷蔵 | 3〜5日 | 密閉容器に入れてなるべく早めに使う |
| 冷凍保存 | 3週間〜2ヶ月 | 凍ったまま調理に使えて時短になる |
アイコトマトの味・食感・色の特徴まとめ(イチネン農園公式サイト)
実はアイコにはレッド(定番の赤)だけでなく、複数のカラーバリエーションがあります。サカタのタネが展開するアイコシリーズには、アイコ(赤)、イエローアイコ(黄色)、オレンジアイコ(オレンジ色)、チョコアイコ(茶色)、プリンセスアイコなどがあります。色ごとに含まれる色素成分や味のニュアンスが少しずつ異なるのも面白い点です。
赤いアイコはリコピンが豊富で甘みが濃厚、イエローアイコはトマト特有の青臭さが少なくフルーティーな甘さが特徴です。オレンジアイコは程よい酸味と甘みのバランスが取れており、サラダに彩りを加えやすい色合いです。複数の色を組み合わせてお皿に盛り付けるだけで、ぐっと食卓が華やかになります。
彩りが変わると食卓の印象も変わりますね。
さらに、あまり紹介されないアイコの活用として「お弁当の仕切り代わり」という視点があります。プラム型で形が安定しているアイコは、他のおかずを隣り合わせにしても汁気が移りにくく、食材の仕切りとして機能してくれます。カップや仕切りシートを使わなくてもアイコを配置するだけで弁当箱内を整理できるというのは、毎朝の弁当作りをスムーズにする実用的な発想です。
また、離乳食後期〜幼児食の段階では、そのまま食べると誤嚥(ごえん)リスクがあるため、必ず4等分以上に切ってから与えるよう注意が必要です。形がしっかりしているアイコはカットしやすく、切った後も崩れにくいので、子どもの食事づくりにも便利です。
日々の食生活にアイコトマトをどう取り入れるかを考えるとき、「そのまま食べる・お弁当に入れる」だけでなく、「加熱して栄養を引き出す・色違いを組み合わせる・冷凍でストックする」という視点を持つことで、アイコの魅力をより広く活かせます。結論は「生食と加熱調理の両方を使い分ける」です。
サカタのタネ担当者に聞いたアイコの特徴と食べ方(N's KITCHEN掲載)