「離乳食の量を毎回きっちり守らないと赤ちゃんの発達に遅れが出る」は思い込みで、量より"食べる意欲を育てる環境"を整えた方が成長が促進されます。
離乳食後期とは、生後9〜11ヶ月ごろの時期を指します。この時期になると、歯茎でつぶせる程度の硬さのもの(バナナくらいの固さ)が食べられるようになり、食事の内容も一気に幅広くなります。
まずは1回あたりの量の目安を整理しましょう。厚生労働省が示す「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」では、後期の目安量が以下のように示されています。
| 食品グループ | 1回あたりの目安量 | 具体例でイメージ |
|---|---|---|
| 主食(軟飯・パンなど) | 軟飯 90g / 全粥なら80g | 子ども用茶碗に軽く1杯ほど |
| 野菜・果物 | 30〜40g | ブロッコリー小房3〜4個分 |
| 魚・肉(タンパク質) | 15g | 鮭の切り身の約1/4枚 |
| 豆腐 | 45g | 絹ごし豆腐 1/6丁ほど |
| 卵(全卵) | 1/2個 | スクランブルエッグ薄め1皿 |
| 乳製品(ヨーグルト等) | 80g | 小さいカップヨーグルト1個 |
この量はあくまで「目安」です。赤ちゃんの体格や活動量によって、上下15〜20%程度の差があっても問題ないとされています。つまり、毎回ピッタリ合わせる必要はありません。
大切なのは「1週間単位での栄養バランス」です。1日単位で見ると食べた・食べないがあっても、数日まとめてバランスが取れていれば心配しすぎる必要はないと、小児科医も強調しています。これは覚えておけばOKです。
なお、この時期から「軟飯」へ移行する家庭も増えます。全粥(10倍粥から5倍粥へ)から軟飯(3〜4倍粥相当)へのステップアップは、赤ちゃんが舌でつぶせているかを確認しながら進めましょう。
厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」PDF(離乳食後期の目安量が記載)
離乳食後期から、1日3回食へと移行するのが基本です。これが原則です。
では、いつから3回食にすれば良いのでしょうか? 目安は「離乳食中期(7〜8ヶ月)の2回食が安定して食べられるようになった頃」です。多くの場合は生後9ヶ月ごろからスタートします。
時間帯の目安は以下の通りです。
この3回の間隔は、できれば4〜5時間あけるのが理想です。食事と食事の間が短すぎると、消化が追いつかず食欲が落ちることがあります。間隔が大切です。
3回食に移行したからといって、いきなり3回すべてを満量にする必要はありません。最初の2〜3週間は3回目の量を少なめ(1回目・2回目の1/2〜2/3程度)にし、徐々に増やしていくと赤ちゃんも無理なく慣れていきます。
また、離乳食後期になっても授乳(母乳・ミルク)は続けます。食後の授乳は「飲みたいだけ与えてよい」とされていますが、ミルクの場合は1日合計400〜600mLを目安に調整していきましょう。授乳量は徐々に減らすのが理想です。
家族の食事時間と離乳食の時間が合わない場合は、無理に合わせる必要はありません。ただ、親が食事をしている場面を見せることは「食べる意欲」を育てるうえで重要です。共食の機会をできるだけ作りましょう。
「目安の量通りに作ったのに、半分も食べてくれない」という悩みは、離乳食後期の代表的なお悩みの一つです。焦りは禁物です。
食べない原因は、実はいくつかのパターンに分かれます。
特に注意したいのは「授乳量が多すぎる」パターンです。後期になってもミルクを1回200mL×5回以上与えていると、離乳食を食べる余地がなくなります。この段階では、食前の授乳を減らし、食後に与える順番にすると離乳食を食べやすくなります。
食べないからといって、無理やり口に押し込んだり、口を開けるまで待ち続けるのはNGです。食事に対して「嫌なもの」という印象を植え付けてしまうリスクがあります。それだけ気をつければ大丈夫です。
5〜10分程度食べなければ、いったん片付けてしまいましょう。「食べないなら終わり」というメッセージを一貫して伝えることで、食事のリズムが安定してきます。
反対に「出した分だけ全部食べてしまう」「もっと欲しがる」という赤ちゃんも少なくありません。食欲旺盛なのは喜ばしいことですが、離乳食後期の量には上限の目安もあります。
目安量の1.5倍以上を毎回食べている場合は、少し量の調整を考えましょう。過剰な食事量は消化器官への負担となり、便秘や下痢の原因になることがあります。
調整の方法としては、以下が有効です。
かさ増しに使いやすい食材は、大根・かぶ・キャベツ・ほうれん草などです。これらは水分量が多く、後期の軟らかい食感に合わせやすいのが特徴です。使えそうです。
ただし、体重の増加ペースが標準的であれば、多少多めに食べていても過度に心配する必要はありません。母子手帳の成長曲線に沿っているかを定期的に確認し、±2SD(標準偏差)の範囲内であれば問題ありません。体重の推移が基準です。
食べすぎか判断しにくい場合は、かかりつけの小児科や地域の保健センターで行われる「乳幼児健診(9〜10ヶ月健診)」で相談するのが最も確実です。
離乳食後期は「量を食べさせること」だけに注目されがちですが、実はこの時期に食べる量を大きく左右する要因の一つが「食べ方の自由度」です。意外な視点ですね。
生後9ヶ月ごろから始まる手づかみ食べは、単なる「汚れる行動」ではありません。指先の感覚を通じて食材の大きさ・硬さ・温度を学ぶ重要な発達ステップです。この時期に手づかみ食べを積極的にさせた赤ちゃんは、食事への関心が高く、結果として食べる量が増えやすいというデータが複数の育児研究で報告されています。
手づかみ食べに適した食材・形状の目安は以下の通りです。
「汚れるから」という理由で手づかみ食べを制限すると、食への意欲が育ちにくくなる場合があります。エプロンに防水タイプのシリコン製(受け口付き)を使い、椅子の下にレジャーシートを敷くと片付けが格段に楽になります。これは使えそうです。
スプーン・フォークのデビューも後期から始められます。最初は親が使い方を見せるだけでOKです。赤ちゃんが自分でスプーンを持ちたがるようになったら、積極的に持たせてあげましょう。自分で食べようとする意欲が高まると、量の目安をクリアしやすくなります。
食具は、持ち手が太くて短いベビー用のものが使いやすく、先が丸く安全なシリコン製が後期〜完了期にかけて重宝します。手づかみ食べと食具を組み合わせることで、食べる量が安定してくることが多いです。バランスが条件です。
国立成育医療研究センター「離乳食について」(離乳食の進め方・手づかみ食べに関する公式情報)

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