砂糖をかけた甘夏を冷蔵保存すると、実は3日で苦くなり始めます。
甘夏を「酸っぱくて苦手」と感じている方のほとんどは、皮のむき方を一工夫するだけで、まるで別のフルーツのように感じるくらいおいしく食べられるようになります。そのうえで砂糖をひとふりするだけで、酸味と甘みが口の中で見事に調和します。香川県のみかん農家が実際に伝える「砂糖をかけて食べる方法」は、地元では昔から当たり前のように行われてきた食べ方です。
まず皮のむき方から確認しましょう。甘夏は温州みかんとは違い、皮がとても厚くて硬いのが特徴です。包丁で上下を薄く切り落としたあと、4〜6箇所縦に切り込みを入れると、手でも比較的スムーズに皮を取り外せます。皮が固くてうまくいかない場合は、そのまま横半分に包丁で切り、スプーンですくって食べる方法も手軽でおすすめです。
外皮をむいたら、次に白いわたと薄皮の処理がポイントです。白いわたの部分には「ペクチン」という食物繊維が含まれている一方で、「ナリンギン」という苦味成分も多く含まれています。そのまま食べると苦みが気になる方は、薄皮ごと手で丁寧にはがしてから食べましょう。薄皮をむいた果肉だけをお皿に並べると、見た目もきれいに仕上がります。
皮をむいた果肉をお皿に並べたら、スティックシュガー1本(約3g)程度をパラパラとふりかけます。つまり少量で十分です。砂糖をかけてから2〜3分そのまま置くと、砂糖が果汁と混ざり合ってなめらかなシロップ状になります。このシロップが甘夏の酸味をやわらげ、みずみずしい果汁とともに口の中に広がります。グレープフルーツに砂糖をかけて食べた経験のある方なら、すぐにイメージできるはずです。いいことですね。
甘夏は柑橘類の中でも糖質・カロリーが低めで、100gあたり約39kcal・糖質8.8gです。白砂糖に限らず、きび砂糖やはちみつに替えるとコクが増してさらにおいしくなります。お子さんがいる家庭でははちみつをかけると人気です。
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砂糖漬けは、甘夏を大量にもらったときや、そのままでは酸っぱすぎて食べきれないときにとても重宝する保存食です。材料は甘夏と砂糖だけで、調理時間は10分もかかりません。これは使えそうです。
作り方はとてもシンプルです。まず甘夏の皮と薄皮を丁寧にむいて果肉だけを取り出し、タッパーや瓶などの保存容器に入れます。そこに砂糖を果肉1個分に対して大さじ1〜1.5杯ほどまぶします。容器のふたをしてやさしく振ったら、冷蔵庫に入れて置くだけです。半日から1日経つと砂糖が果汁と馴染み、甘夏がシロップの中に漂うような状態になります。
砂糖漬けの冷蔵での日持ちは3〜5日が目安です。甘夏は果汁がとても多いため、時間が経つほど水分が出てシロップがどんどん増えていきます。シロップが増えた状態をそのまま活用するのがポイントです。炭酸水で割ると爽やかな自家製スカッシュになりますし、プレーンヨーグルトにかけると市販のフルーツヨーグルトのような一品ができあがります。
冷凍保存したい場合は、砂糖漬けにしてから小分けにして密封袋に入れ、冷凍庫へ。冷凍保存での日持ちは約1か月が目安です。解凍は冷蔵庫に移して自然解凍するのが一番風味が落ちません。日持ちが1か月に伸びるのは大きな違いですね。
砂糖の種類を変えると味わいも変わります。グラニュー糖を使うとすっきりした甘みに、きび砂糖を使うとコクのある仕上がりになります。甘みが苦手な方は砂糖の量を控えめにして「ほんのり甘い果汁漬け」にするのもよいでしょう。砂糖の量は好みで調整すれば問題ありません。
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甘夏の皮を捨ててしまっている方は、実はとてももったいないことをしています。甘夏の皮には、果肉の部分には少ない「ヘスペリジン」というポリフェノールが豊富に含まれており、冷え性の改善や血行促進に役立つといわれています。この皮を砂糖で煮て乾燥させた「ピール」は、そのままお菓子として食べられるうえ、チョコレートにくぐらせたり、パウンドケーキに混ぜ込んだりと幅広く使えます。
ただし、甘夏の皮には苦味成分「ナリンギン」が含まれているため、下処理が非常に重要です。苦味を抑えるのが条件です。下処理の手順は次の通りです。まず皮を大きめにカットし、たっぷりの水に1日浸けて苦味をある程度抜きます。その後、鍋に皮と水を入れて沸騰させ、ゆで汁を捨てる「茹でこぼし」を3回繰り返します。茹でこぼすたびに苦味が抜け、3回終わるとかなりマイルドな風味になります。
茹でこぼしが終わったら、水気をしっかり絞ります。皮の重さを量り、その80%の量の砂糖と一緒に鍋に入れ、弱火で蓋をして30分ほど煮ます。白いわたの部分がほぼ透明になったら、蓋を取り再度少し詰めます。煮上がったら網の上に並べて2〜3日乾燥させ、グラニュー糖をまぶせば完成です。
仕上がりのピールは、5mm幅を目安に細切りすると食べやすい大きさになります。5mmというのは爪楊枝の長さの半分程度のイメージです。手作りピールは砂糖の量や乾燥の度合いを自分で調整できるため、やわらかめや硬めなど好みの仕上がりにできるのが魅力です。市販のピールとは一味違うおいしさがあります。
甘夏ピールを大量に作ったときは、密封袋に入れて冷凍保存すると約3か月持ちます。小分けにして冷凍しておくと、お菓子作りにさっと使えてとても便利です。
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甘夏に砂糖をかける食べ方は「甘みを足すだけ」と思われがちですが、砂糖がもたらす浸透圧の作用によって果汁がより引き出され、甘夏に豊富に含まれる栄養素を一緒に摂りやすくなるという側面があります。栄養が凝縮されるということですね。
甘夏100gあたりに含まれる主な栄養素は、ビタミンC 38mg・クエン酸・カリウム 190mg・ヘスペリジン(ポリフェノールの一種)・食物繊維 1.2gです。特に注目したいのがビタミンCとクエン酸のダブル効果です。ビタミンCはコラーゲンの生成をサポートし、肌のシミやシワの予防・免疫力向上に働きます。クエン酸は疲労物質である乳酸を分解し、疲れが溜まっているときの回復を助けます。
ヘスペリジンは末梢血管を広げる働きがあり、手足の冷えが気になる方に特に効果的とされています。冷え性対策に役立つ成分です。また、食物繊維の中でも甘夏に豊富な水溶性食物繊維は、食後の血糖値の急上昇をゆるやかにする効果が知られています。甘夏を砂糖漬けにして食べる場合でも、この食物繊維の働きによって砂糖の吸収スピードが緩やかになるため、血糖値の急上昇を抑える効果が期待できます。
砂糖をかける食べ方では、砂糖の摂りすぎに注意したいところです。スティックシュガー1本(3g)であれば、カロリーは約12kcalと非常に少なく、甘夏本体の39kcal(100g換算)と合わせても低カロリーな間食になります。砂糖はごく少量で十分という点だけ覚えておけばOKです。
疲れが溜まりやすい時期や、紫外線が強くなる春先〜初夏にかけて甘夏が旬を迎えるのは、まさに体が必要としているタイミングと重なります。旬の時期(3月下旬〜5月)に砂糖と合わせておいしく食べることが、手軽な美容・健康ケアにもつながります。
甘夏のおすすめの食べ方3選と甘夏の栄養素・健康効果を解説|野菜.com(甘夏の栄養成分と健康効果の詳細参考)
甘夏の砂糖漬けを作ると、容器の中にどんどんシロップが増えていきます。このシロップを捨てるのは大変もったいないです。実は砂糖漬けのシロップ自体に甘夏の風味とビタミンCが凝縮されているため、捨てずに活用するのが一番賢い使い方です。ここでは砂糖漬けとシロップを使った簡単アレンジを4つ紹介します。
① 甘夏スカッシュ
グラスに氷を入れ、シロップを大さじ2〜3杯注ぎ、炭酸水で満たすだけです。甘夏の果実もそのままグラスに入れると、見た目も華やかな自家製スカッシュの完成です。市販のジュースにない爽やかな酸味が特徴です。
② 甘夏ヨーグルト
プレーンヨーグルト(無糖)に砂糖漬けの果肉とシロップをのせます。シロップの甘みがあるため、ヨーグルトに別途砂糖を加える必要はありません。朝食やおやつに手軽に取り入れられます。
③ 甘夏ゼリー
シロップに水を加えて200mlにし、ゼラチン5gを溶かして冷やし固めれば甘夏ゼリーになります。甘夏の皮を器にして固めると見栄えのするデザートになります。ゼラチンは沸騰させると固まりにくくなるため、60〜70℃程度のお湯で溶かすのがコツです。
④ パウンドケーキへの活用
砂糖漬けの果肉を1cm角に刻んで、ホットケーキミックスを使ったパウンドケーキの生地に混ぜ込みます。焼き上がりに甘酸っぱい甘夏の風味が広がり、市販品とは違う手作りの味わいになります。1日おいて食べるとしっとりして一層おいしくなります。
| アレンジ | 使うもの | 難易度 | おすすめシーン |
|---|---|---|---|
| 🥤 甘夏スカッシュ | シロップ+炭酸水 | ⭐(簡単) | おやつ・暑い日に |
| 🥣 甘夏ヨーグルト | 果肉+シロップ+ヨーグルト | ⭐(簡単) | 朝食・腸活に |
| 🍮 甘夏ゼリー | シロップ+ゼラチン | ⭐⭐(普通) | おもてなし・子どものおやつ |
| 🎂 パウンドケーキ | 果肉+HMミックス | ⭐⭐(普通) | 手土産・週末のお菓子作り |
砂糖漬けのシロップはとにかく使い道が広いです。冷凍する場合は製氷皿にシロップを注いで凍らせると、使いたいときに1個ずつ取り出せて便利です。飲み物に入れると天然の甘夏フレーバーとして活躍します。シロップも無駄なく使えるのが手作りの良さです。
ヨーグルトの甘夏シロップ漬けトッピング|たにかブログ(砂糖漬けシロップをヨーグルトに活用するレシピの参考)