弱火で炒め続けたのに、チョコレート色どころか焦げ臭くなって全部捨てた、という経験が実は8割近くの方に起きています。
ブラウンルーを作るために必要な材料はシンプルで、基本は薄力粉とバターの2つだけです。レシピによって多少の差はありますが、一般的な分量は薄力粉大さじ3(約24g)とバター大さじ3(約36g)が目安とされています。ただし、重要なのは「体積」ではなく「重量」での1:1比率です。大さじで量ると脂肪分の多いバターの方が重くなるため、スケールを使って各30gずつで計量するのが最も安定した仕上がりにつながります。
重量で1:1が原則です。
小麦粉はふるってから使うことで、バターとの馴染みが格段によくなります。ふるい忘れると粉の塊が残り、後でいくら混ぜてもダマが消えにくくなります。また、薄力粉ではなく強力粉を使うとグルテンが多く、粘りが出すぎて扱いにくくなるため、必ず薄力粉を選んでください。
小麦粉の約76%はでんぷんです。このでんぷんは52〜63℃の温度帯で「糊化(α化)」を始めるため、バターが熱いうちにそのまま粉を投入してしまうと、表面だけ一気に糊化してダマになります。これを防ぐために、バターを溶かしたら一度火を止めてから小麦粉を加えるのが大切なポイントです。低い温度でバターと粉をよくなじませることで、小麦粉の微粒子がバターの油脂でコーティングされ、その後の加熱でもダマができにくくなります。
鍋はアルミ製や厚手のフライパンが理想的です。板厚の薄いフライパンは熱ムラが起きやすく、部分的に焦げる原因になります。
| 材料 | 分量(目安) | ポイント |
|---|---|---|
| 薄力粉 | 30g | 必ずふるってから使う |
| バター | 30g | 有塩・無塩どちらでもOK |
参考リンク(ルーの作り方の科学的な解説、ダマになる原因と防ぎ方)。
ルーの作り方は? ホワイトルーやブラウンルーなどの種類について|めしラボ
ブラウンルーを作る上で最も重要な工程が「炒め」です。弱火でじっくり30〜40分かけて炒めるのが基本とされており、この時間を短くしようとして中火や強火にしてしまうことが、焦げや粉っぽさにつながる最大の原因です。時間が惜しくなる気持ちはよくわかりますが、ここだけは我慢が必要です。
火加減が命です。
炒め始めはルーがぼってりとした重い質感で、流動性がありません。それが炒め続けるうちに、120〜140℃付近でじわじわとクリーム状に変化していきます。この「流動性が出る」変化が起きるまで炒めることが、なめらかなソースに仕上げるための条件です。流動性が出る前に液体を加えると、ソース全体に細かいダマや粉っぽさが残ってしまいます。
色の変化は次の3段階で確認できます。
焦げ臭いのは完全にNGです。上手に炒めた小麦粉は、焼きたてのクッキーやナッツに似た香ばしい香りがします。これはメイラード反応と呼ばれる化学変化によるもので、アミノ酸と糖が熱で結びついて生まれる香りです。焦げ臭さが出てきたら、残念ながら作り直しが必要です。
炒めている間に手を休める場合は、必ず火を止めるのが安全策です。目を離したすき間に焦げが進んでしまうことがあるためです。手が離せないときは弱火のまま継続しつつ、木ベラで鍋底に線を書くように動かし続けることで均一に熱が入ります。
参考リンク(ブラウンルーの炒め工程とクックパッドのレシピ詳細)。
ブラウンルー by aya2920|クックパッド
初めてブラウンルーを作る方がつまずきやすいポイントはいくつかありますが、特に多いのが「バターが熱いうちに小麦粉を加えてしまう」という失敗です。バターを完全に溶かして泡立っている状態のまま粉を入れると、一気に糊化が進んでダマができます。バターが溶け切ったら火を止め、温度が少し落ち着いてから(目安は50℃以下)粉を加えるのが正しい手順です。
もう一つよくある失敗が、液体を加えるタイミングのミスです。ルーが充分に炒まっていない段階(チョコレート色になる前)で水やスープを加えると、粉っぽい風味が残ります。また、沸騰したスープに直接ルーを入れると、一瞬でルーの表面が膜を作ってしまい、溶けにくくなります。ハウス食品の公式情報でも、「高温で煮えている鍋にルウを加えると、ルウに含まれる小麦粉が膜を作り、溶けにくくなる」と説明されており、必ず火を止めてから加えることが推奨されています。
これが基本です。
液体を加える際も、一気に注ぐのではなく「少量ずつ加えながら混ぜる」のが鉄則です。最初は少量の液体で伸ばしてルーが均一にほぐれてから、残りを加えると分離や固まりが防げます。
また、炒める調理器具の選択も意外と大切です。薄いフライパンを使うと底の一部だけ温度が上がりすぎて、ムラのある仕上がりになりやすいです。厚手のアルミ鍋やソースパンを使うと熱が均一に伝わり、全体が同じペースでなめらかに仕上がります。
参考リンク(市販ルウの扱い方とダマ防止に関するハウス食品の公式Q&A)。
なぜいったん火を止めてルウを加えるの?|ハウス食品
ブラウンルーは作るたびに30〜40分かけて炒めるのは手間がかかります。そこで活用したいのが「まとめて多めに作って冷凍保存する」方法です。市販のデミグラスソース缶は一度開封すると早めに使い切る必要がありますが、手作りのブラウンルーは冷凍すれば約1ヶ月間保存できます。
冷凍保存が最も便利です。
保存する際は、粗熱を取ってから製氷皿やシリコン型に小分けして冷凍するのがおすすめです。固まったらジッパー付き保存袋に移し替えれば、使いたい量だけ取り出せて便利です。目安としては、1回分(4人分のビーフシチュー)で薄力粉大さじ5、バター大さじ3を使うレシピが多く、これを2〜3回分まとめて作れば相当の手間が省けます。
冷蔵保存の場合は2〜3日が目安ですので、近日中に使う予定がある場合はそのまま冷蔵でも問題ありません。冷凍したルーを使うときは、冷蔵室で前日から自然解凍するか、調理直前に少量の液体と一緒に弱火で溶かすと綺麗にほぐれます。
市販のデミグラスソース缶(中身250g程度)は1缶あたり300〜500円前後で販売されていますが、手作りのブラウンルーはバター30g+薄力粉30gで原材料費約60〜80円程度に抑えられます。コストの差は一目瞭然で、まとめて作っておけば節約にもなります。意外なことに、市販のデミグラスソース缶にはカラメル色素やパーム油が含まれているものも多く、原材料にこだわりたい方にとっては自家製の方が安心できる面もあります。
完成したブラウンルーは、多くの洋食料理のベースとして活用できます。最も定番なのはビーフシチューで、ブラウンルーを水やブイヨンで伸ばし、煮込んだ牛肉と野菜を合わせるだけで本格的な一皿が完成します。同じルーを使ってハヤシライスを作ることもでき、ケチャップと赤ワインを加えて薄切りの牛肉と玉ねぎを煮込めばレストランの味に近づきます。
これは使えそうです。
煮込みハンバーグのソースとしても大活躍します。ブラウンルーをトマトピューレや赤ワインで伸ばしてかければ、洋食屋さん気分のハンバーグが自宅で楽しめます。さらに、オムライスやオムレツにかけても相性がよく、卵料理の見た目と味を一気に格上げしてくれます。つまり、一度作っておけば複数の料理に応用できるということです。
小麦アレルギーの方や、グルテンを控えたい方への朗報として、小麦粉の代わりに米粉を使ってブラウンルーを作ることも可能です。米粉はダマになりにくいという特徴があり、バターとの馴染ませ方のコツさえ守れば小麦粉と同様にブラウンルーが作れます。「米粉と菜種油のブラウンソース」などのレシピも存在しており、動植物アレルギーのある家族がいる場合にも対応できます。
また、バルサミコ酢を加えるアレンジも一部の料理家に注目されています。煮詰めたバルサミコ酢をルーに混ぜ込むことで、赤ワインを使わなくても深いコクと酸味が加わります。市販のバルサミコ酢は酸化防止剤が入っているものが多いため、成分にこだわるなら無添加のものを選ぶとより安心です。
参考リンク(米粉を使ったブラウンルーでビーフシチューを作るレシピ)。
ブラウンルーから作るジューシーなビーフシチュー|itsumono
参考リンク(ブラウンソースとデミグラスソースの違い、活用レシピ)。
もう缶詰に頼らない!ブラウンソースの作り方とデミグラスソースとの違い|macaroni