レトルト食品は「どれも同じ味」と思って選んでいると、年間1万円以上の食費を損しているかもしれません。
エム・シーシー食品株式会社(略称:MCC食品)は、1923年(大正12年)に神戸で創業した調理食品専業メーカーです。正式な会社設立は1954年(昭和29年)で、現在は兵庫県神戸市東灘区に本社を置いています。売上高は149億円(2025年8月期)、従業員数311名という中堅食品メーカーです。
「調合ではなく調理する」という生産哲学が、この会社の最大の特徴です。つまり、既製のブレンド調味料を混ぜるのではなく、厨房の職人と同じ工程で一から素材を炒め・煮込み・熟成させるということです。これは原料コストや製造時間が余分にかかる方法ですが、MCCはあえてこのやり方を100年間貫いてきました。意外ですね。
🏅 MCCが関わった歴史的なシーン(一部)
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 1964年 | 東京オリンピック選手村にいちごジャムを納品 |
| 1965年 | 東海道新幹線のビュッフェ・食堂車にカレー缶詰を納入 |
| 1970年 | 大阪万博の各国パビリオン食堂にクリームコロッケ・ハンバーグ・カレーを提供 |
| 1991年 | 米国製クッキングソースが全米シェフ協会のゴールドメダルを3年連続受賞 |
一般にMCC食品は「スーパーで見かけるレトルト食品のメーカー」として認識されがちです。しかしその実態は、東京オリンピック・新幹線・万博といった日本の歴史的な食のシーンを支えてきた、実績豊富な企業なのです。つまり日本の「ハレの食」とともに歩んできた会社ということですね。
非上場企業であるため派手なテレビCMをほとんど打たないことも、認知度がやや低い要因のひとつです。しかし生協(コープ)やスーパー、業務用食材卸を通じて、実はほぼすべての家庭の食卓に届いているといっても過言ではありません。これは使えそうです。
エム・シーシー食品株式会社 公式沿革ページ(創業からの歴史が詳しく掲載)
MCCの看板商品「100時間かけたビーフカレー」は、名前の通り製造に100時間以上を費やす本格レトルトカレーです。2001年発売と歴史は長く、当時は「高単価なのに大ヒット」と業界を驚かせた商品です。
実際の100時間の内訳を見ると、その徹底ぶりがよくわかります。
| 工程 | 所要時間 |
|---|---|
| カレールーの焼き上げ・熟成 | 23時間 |
| 仔牛骨等のロースト・フォンの煮出し | 32時間 |
| 野菜のソテー・熟成 | 44時間 |
| ソースの煮込み・ねかせ・仕上げ | 13.5時間 |
| 牛肉の煮込み | 1時間 |
特に注目したいのがフォン・ド・ヴォー(仔牛のだし)の製造工程です。仔牛骨と仔牛肉を180℃で75分ローストし、フレッシュ野菜も別途180℃で60分焼きます。その後一晩冷却し、釜でトマトや香辛料を加えてなんと15時間かけて煮出します。フィニッシャーと遠心分離機で余分な油分を除去し、ようやく完成するだしです。これが基本です。
家庭でここまでの工程を再現しようとすれば、材料費だけで数千円、時間は文字通り数日分かかります。それを1食あたり数百円で食べられることになります。
「チャツネを使わない」という点も特徴的です。一般的なカレーレシピではマンゴーやパパイヤ由来のチャツネでフルーツの甘みを出します。しかしこの商品では完熟バナナ・完熟マンゴー・りんごを使ったオリジナルフルーツペーストを独自に製造し、フルーツ本来の甘みとうま味をより直接的に表現しています。結論はひと手間多い製法が味の差になっています。
また、国産牛モモ肉を使用している点も見逃せません。原材料の重量が製造過程で30%程度に濃縮される「100ベース」と呼ばれる野菜炒め工程など、素材に妥協しない姿勢が随所に見えます。
エム・シーシー食品 100時間かけたビーフカレー 公式ページ(各工程の詳細解説あり)
MCCが主婦に支持される理由のひとつに、「原材料の地産地消」への取り組みがあります。注目すべきはバジルの自社調達です。
2004年から兵庫県内での栽培をスタートし、2014年に本格的な生産管理体制を確立しました。現在は兵庫県たつの市「ささ営農」様との連携により、安定した供給体制が整っています。この兵庫県産バジルは「ひょうご安心ブランド」を取得しており、品質と安全性が公的に認められています。
こだわりのポイントは以下の3点です。
- 手摘み収穫:バジル畑では早朝から手摘みの作業を行います。茎を除いて葉だけを収穫することで、バジルの香りを最大限に引き出せます。機械収穫では茎ごと刈り取るため、青臭みが出やすくなります。
- 露地栽培:温室ではなく自然の太陽光を浴びた露地栽培にこだわっています。自然の光と風が、バジル特有の爽やかな香りを育てます。
- 生産地と工場の近接:バジル畑・加工場・神戸の食品工場が比較的近い距離に立地しているため、収穫後すぐに加工でき、鮮度を保ったまま製品化できます。
この兵庫県産バジルをたっぷり使った「兵庫県産バジルのジェノベーゼソース」は、パスタだけでなく肉料理・魚料理・グリル野菜との相性も抜群で、コープ(生協)を中心に口コミで広まった人気商品です。生協での取り扱いが豊富なので、組合員であれば定期購入もしやすいですね。
市販のジェノベーゼソースの多くは輸入バジルを使用していますが、MCCのものは国内農家との契約栽培というのが差別化のポイントです。産地が明確で、しかも地元・兵庫県産という安心感が、食材の産地を気にする主婦層に刺さっています。
エム・シーシー食品 兵庫県産バジルについて(栽培方法・こだわりの詳細)
MCCの商品ラインナップの中で、近年特に主婦層からの支持を集めているのが「モーニングスープシリーズ」です。レトルトパウチタイプのスープで、湯煎またはレンジで温めるだけで本格的なスープが完成します。
人気の種類は次のとおりです。
- 🥣 クラムチャウダー(シリーズ内で特に人気)
- 🌽 北海道産とうもろこしのスープ
- 🎃 かぼちゃのスープ
- 🧅 淡路島産たまねぎのクリームポタージュ
- 🍅 ミネストローネ
- 🥦 カリフラワーのポタージュ
注目したいのは、素材の産地にもこだわっているという点です。淡路島産たまねぎ・北海道産とうもろこし・京都府産聖護院かぶらなど、産地を明示したシリーズ商品が充実しています。単なる「時短商品」ではなく、食材へのこだわりを維持しつつ忙しい朝に使えるのが最大の強みです。
実際に楽天などのレビューでは「家族全員が美味しいと言った」「クラムチャウダーが本格的でリピートしている」という声が多く見られます。いいことですね。
活用のコツとして、スープをパンやグリルチーズに合わせると簡単なランチになります。また、ミネストローネはパスタを入れてミネストローネパスタスープにアレンジできるなど、1袋で複数の使い方ができます。160g入り1袋のカロリーはクラムチャウダーで198kcalほど。朝食のスープとして摂取カロリーを管理しやすいことも、健康志向の主婦に支持される理由のひとつです。
レトルトスープは「添加物が多そう」と思われがちですが、MCCのモーニングスープは素材のうま味を活かした製法が基本です。裏面の原材料欄を確認すると、クリーム・チーズ・野菜エキスなど素材由来の成分が目立ちます。
MCCの商品の意外な活用法として、防災備蓄品としての利用が挙げられます。MCCのレトルト食品は常温保存対応で、且つ日常的に食べたいと思えるおいしさがあるため、いわゆる「ローリングストック(回転備蓄)」に最適です。
ローリングストックとは、普段から少し多めにストックしておき、消費しながら補充し続けるという備蓄方法です。専用の非常食を別途買い置くのではなく、普段食べているものを少し多めに持っておく考え方であり、農林水産省も推奨しています。
MCCの商品が備蓄に向いている理由を整理すると、次のような点が挙げられます。
- 常温保存が可能:レトルトパウチは気密性容器に密封し加圧加熱殺菌されており、常温で長期間保存できます。
- 賞味期限が長い:モーニングスープシリーズは賞味期限120日以上の商品もあり、カレーシリーズはさらに長期保存対応のものがあります。
- 調理の手間が最小限:湯煎またはレンジ加熱のみで食べられるため、断水・停電時の簡易調理にも対応できます。
- 家族が喜んで食べる:非常食専用品と違い、味に定評があるため普段の食事にも使えます。結果として賞味期限切れの無駄が出にくいことになります。
「100時間かけたビーフカレー」のような高品質商品をまとめ買いしておくことで、普段の食事のレベルを上げながら、防災対策も同時に進められます。MCCの楽天公式ショップ「ホームパーティー神戸」では通販限定の詰め合わせセットも販売されており、まとめて購入しやすい環境が整っています。
MCC公式楽天ショップ「ホームパーティー神戸」(通販限定セットの確認はこちら)
防災セットとして購入する場合は、カレー・スープ・パスタソースなど食事のバリエーションが取れるように複数カテゴリから選ぶのがおすすめです。1人1日3食×3日分=9食を目安に計算すると、家族4人なら36袋程度が最低ラインになります。これだけ覚えておけばOKです。