色が薄いナンプラーは醤油の1.5倍以上の塩分があり使いすぎると塩分過多になります。
エスニック調味料の中でもっともよく知られているのが、液体タイプの調味料です。代表格は「ナンプラー」で、タイ産のカタクチイワシを塩漬けにして1〜2年発酵・熟成させた魚醤(ぎょしょう)です。タイでは醤油のようにあらゆる料理に使われており、炒め物・スープ・サラダのドレッシングまで幅広く活躍します。
意外と知られていないのが、ナンプラーとよく似た「ヌクマム(ニョクマム)」との違いです。ヌクマムはベトナムの魚醤で、ナンプラーよりも熟成期間が短い傾向があり、香りがやや強くて独特の風味を持っています。塩分はナンプラーとほぼ同等ですが、料理によって使い分けるとより本場の味に近づけます。つまり「魚醤はどれも同じ」ではありません。
もう一つ注目したいのが「ケチャップマニス」です。これはインドネシアの甘い醤油で、日本のウスターソースより数倍の甘みがあります。ナシゴレン(インドネシア風チャーハン)に欠かせない調味料で、大さじ1杯程度でコクと甘みが一気に加わります。炒め物に隠し味として使うと、カラメルのような深みが出るのも特徴です。これは使えそうです。
| 調味料名 | 原産国 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| ナンプラー | タイ | 小魚発酵・塩分22.9% | 炒め物・スープ・タレ |
| ヌクマム | ベトナム | ナンプラーより香り強め | 生春巻きのタレ・フォー |
| ケチャップマニス | インドネシア | 甘い大豆醤油 | ナシゴレン・炒め物 |
| シーズニングソース | タイ | 大豆ベース・コクあり | 肉の下味・炒め物 |
スーパーで見かけることが増えた「シラチャーソース」も液体タイプのエスニック調味料の一つです。タイ発祥ですが、アメリカで爆発的な人気に火がつき、現在は世界中で愛用されています。唐辛子・ガーリック・酢が合わさった複雑な辛みで、タバスコよりマイルドかつ深みのある味わいです。卵かけご飯やポテトフライにかけるだけでも本格的なエスニック風味になります。
参考:東南アジアの代表的な調味料について詳しく解説しています。
東南アジア料理を食卓に!ナンプラーなど基本の調味料と簡単ご飯レシピ|プロフーズ
ペーストタイプのエスニック調味料は、少量加えるだけで本格的な風味が出るのが最大の魅力です。代表的なのはタイの「カレーペースト」で、グリーン・レッド・イエローの3種類が広く流通しています。グリーンカレーペーストはホーリーバジルやレモングラスなどのフレッシュなハーブが主体で、清涼感のある辛みが特徴です。レッドカレーペーストは赤唐辛子がベースでパンチがあり、イエローは比較的マイルドでターメリックの黄色みが目立ちます。
カレーペーストは「1袋で4人分作れる」ことが多いですが、開封後は残りを清潔なスプーンで小分けにしてラップに包み、冷凍保存すると便利です。1回分ずつ凍らせておけば、平日の夕食に10分でタイカレーが完成します。冷凍で約1ヶ月は風味を保てます。
インドネシアの「サンバル」も欠かせないペーストです。唐辛子をベースにシャロット・にんにく・ライムなどを合わせたもので、現地では「どんな料理にも添える万能ペースト」として食卓に常備されています。日本でいえばコチュジャンや柚子胡椒のような位置づけです。辛みが好きな方には、卵焼きや冷奴に少量のせるだけでアクセントになります。
インド料理で重要なのが「タマリンド(タマリンドペースト)」です。熱帯産の木の実を加工した調味料で、フルーティな酸みが特徴です。パッタイ(タイ風焼きそば)の酸みの正体はこのタマリンドで、レモン汁とは異なる独特の深みがあります。日本では輸入食材店や大型スーパーで手に入ります。
参考:タイ料理に使われる調味料・ハーブ・スパイスについて詳しい解説があります。
タイ料理は奥が深い!タイ料理の特徴と豊富な調味料あれこれ|コスモスフーズ
スパイス系のエスニック調味料は、料理の風味を豊かにするだけでなく、健康への効果も期待できる優れものです。まず代表格の「ターメリック(ウコン)」から紹介します。カレー特有の黄色の正体はターメリックで、その主成分「クルクミン」には強力な抗酸化作用・抗炎症作用があることが複数の研究で示されています。歯周病菌による炎症や関節炎を抑える作用もあるとされており、美容・健康面にも注目が集まっています。
ターメリックは小さじ1/4杯程度でもしっかり色と風味が出ます。チャーハンや炒め物に少量加えるだけで、鮮やかな黄色と独特の土っぽい香りがつきます。脂溶性の成分なので、油と一緒に摂取すると吸収率が上がるというポイントも覚えておくと損しません。
「ガラムマサラ」はインド料理に欠かせないミックススパイスです。クミン・コリアンダー・カルダモン・クローブ・シナモン・ブラックペッパーなど複数のスパイスをブレンドしたもので、製品によって配合比率が異なります。ガラムマサラが基本です。使うタイミングは「仕上げ直前」が正解で、火を止める直前に小さじ1/2ほど振りかけると香りが最大限に活きます。加熱しすぎると香りが飛んでしまうので注意が必要です。
「クミン」は単体で使えるスパイスで、エスニック感の強い芳香が特徴です。エジプト原産で、カレーの香りの中核をなすスパイスといわれています。パウダー状とホール(粒)の2種類があり、ホールを油で炒めてから食材を加える「テンパリング」という手法で、香りを最大限に引き出すことができます。炒め物の最初にクミンシード小さじ1/2をサラダ油で熱するだけで、一気にエスニックな雰囲気になります。
| スパイス名 | 主な産地 | 特徴・効果 | 使い方のコツ |
|---|---|---|---|
| ターメリック | インド・東南アジア | クルクミン含有・抗炎症作用 | 油と一緒に使うと吸収率アップ |
| ガラムマサラ | インド | 複数スパイスのブレンド | 仕上げ直前に加える |
| クミン | エジプト・インド | エスニックな芳香の主役 | 油で炒めてから使う(テンパリング) |
| コリアンダー(種) | インド・中東 | 爽やかでレモンに似た香り | カレーのベーススパイスに |
参考:エスビー食品公式サイトにガラムマサラの使い方と活用レシピが詳しく紹介されています。
ガラムマサラを使いこなそう!ミニ講座&おすすめレシピ|エスビー食品
エスニック調味料を使い始めた方がやりがちな失敗が「ナンプラーを醤油と同じ量使ってしまう」ことです。これには深刻な塩分リスクが潜んでいます。厚生労働省の日本食品標準成分表によると、濃口醤油の塩分濃度は14.5%であるのに対し、ナンプラーは約22.9%と1.5倍以上の塩分を含んでいます。痛いですね。
具体的にイメージするなら、大さじ1杯の醤油(塩分約2.6g)をナンプラーに同量置き換えると、塩分は約3.4gになります。小さじ1杯の差に見えても毎日積み重なれば、高血圧・慢性腎臓病・心疾患のリスクを高める可能性があります。持病のある方はとくに注意が必要です。
正しい使い方は「醤油の代わりに使うなら、量を2/3程度に減らす」ことです。また、ナンプラーは独特の発酵臭があるため、加熱調理(炒め物・スープ)では火を通すことで香りがまろやかになります。生食(サラダのドレッシングなど)に使う場合は少量にとどめ、ライム汁やごま油を組み合わせると臭みが和らぎます。
ナンプラーは開封後、冷蔵庫で保存し1〜2ヶ月以内に使い切るのが基本です。注ぎ口をその都度拭き取り、キャップをしっかり閉めることで酸化を防げます。初めての購入には小さめのサイズ(70ml〜100ml程度)から試すのがおすすめです。実際に使ってみて香りや風味が自分の好みに合うかを確認してから、大きいサイズに切り替えると無駄がありません。
参考:ナンプラーの塩分量・栄養・健康面の注意点について詳しく解説されています。
「エスニック調味料を試してみたいけれど、何から買えばいいかわからない」という方のために、最初に揃えるべき3本を厳選しました。この3本さえあれば、タイ・インドネシア・ベトナム風の料理をひと通りカバーできます。
まず1本目は「ナンプラー」です。タイ産のもの(ティパロスやメガシェフなどのブランドが有名)を選ぶと間違いありません。炒め物・スープ・ドレッシングと用途が広く、少量でグッとエスニックな深みが出ます。塩分が高いことを念頭に置いて、醤油の2/3量を目安に使いましょう。
2本目は「スイートチリソース」です。砂糖・唐辛子・にんにく・酢を合わせた甘辛ソースで、辛さは控えめです。日本では生春巻きのたれのイメージが強いですが、揚げ物のつけだれや鶏肉のグレーズ(照り焼き風)にも活用できます。子どもがいる家庭でも使いやすく、エスニック調味料の中でもっとも「万人受けする一本」といえます。
3本目は「グリーン(またはレッド)カレーペースト」です。1袋50gで2〜3人分のカレーが作れるコスパの良さも魅力です。ポイントはペーストをまず油(またはコナッツミルクの固形部分)で炒めて香りを立たせることで、一段と本格的な風味に仕上がります。カレー以外にも、ペーストを小さじ1加えた炒め物や、スープのベースとして使うとレパートリーが一気に広がります。
この3本で作れる代表的な料理の組み合わせを知っておくと、日々の夕食のレパートリーが一気に広がります。たとえばナンプラー+スイートチリソース+ライムでタイ風ドレッシングが完成しますし、カレーペースト+ナンプラー+ツナ缶でパパッとタイ風ツナパスタも作れます。3本の組み合わせが基本です。
エスニック調味料は一度買うと使い切れるか不安になりやすいですが、ナンプラーやスイートチリソースは和食の隠し味にも応用できます。たとえばナンプラーを日本の鍋料理の仕上げに少量加えると、ポン酢では出せない深みと旨みが加わります。知ってると得します。
参考:ナンプラーを使ったアジア料理レシピや選び方のポイントが詳しく紹介されています。
意外と簡単なんだ!ナンプラー×定番調味料で作れるアジア料理レシピ|kinarino
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