市販のカレールーを使い続けると、家族が「カレーは飽きた」と言い出すリスクが3倍になるというデータがあります。
北海道を代表するご当地カレーといえば、「スープカレー」です。札幌発祥のこのカレーは、通常のカレーライスとは異なり、サラサラとしたスパイシーなスープ状のカレーに大ぶりの野菜や鶏もも肉をトッピングするスタイルが特徴です。
スープカレーの歴史は1970年代にさかのぼります。当初は「薬膳スープ」として提供されていたものが、やがてカレーと融合し、現在のスタイルへと進化しました。現在、札幌市内だけでスープカレー専門店は約200軒以上存在するとも言われており、いかに地元に根付いた文化かがわかります。
具材の大きさはがきの縦幅(約15cm)ほどのじゃがいもがごろんと入っているのが典型的で、見た目のインパクトも十分です。家庭で再現する際は、スパイスを複数組み合わせる必要があるため、市販の「スープカレーの素」を活用するのが手軽です。
これは便利ですね。
東北エリアでは、青森県八戸市の「せんべい汁入りカレー」や、山形県の「芋煮カレー」が注目されています。芋煮カレーは秋の芋煮会文化から派生したもので、里芋の食感とカレーの組み合わせが意外なほどマッチします。里芋はほくほくとした食感があり、じゃがいもとは異なる風味をカレーに加えます。
地域の食文化と融合しているのが東北カレーの特徴です。
関東エリアで外せないのが、神奈川県横須賀市の「横須賀海軍カレー」です。日本のカレーライス文化はそもそも明治時代に海軍から広まったと言われており、横須賀はその発祥の地とされています。横須賀では毎年「カレーフェスタ」が開催され、2023年の来場者数は3万人を超えました。
横須賀海軍カレーの最大の特徴は、サラダとミルクが必ずセットで提供される点です。これは明治時代の海軍が栄養バランスを保つために定めたルールが現代まで受け継がれているからです。つまり、食育の観点でも語られるカレーです。
埼玉県の「加須市うどんカレー」や、群馬県の「太田焼きそばカレー」など、ほかの名物グルメとカレーを組み合わせた独自スタイルも関東の特徴です。
甲信越では、長野県伊那市の「ローメンカレー」が話題です。ローメンとは伊那市発祥の蒸した太麺料理ですが、これにカレー風味を加えたアレンジ版が地元の家庭や食堂に広まっています。知る人ぞ知る存在です。
| 地域 | ご当地カレー名 | 特徴 |
|---|---|---|
| 神奈川県横須賀市 | 横須賀海軍カレー | サラダ・ミルクがセット、明治時代の海軍レシピが基本 |
| 埼玉県加須市 | 加須うどんカレー | 加須名物うどんをカレーに合わせたB級グルメ |
| 長野県伊那市 | ローメンカレー | 伊那名物ローメンにカレー風味をプラス |
中部エリアで特に注目されるのが、愛知県の「金沢カレー(石川県)」と「名古屋のあんかけスパカレー」です。石川県の金沢カレーはキャベツの千切りをたっぷりトッピングし、ドロッとした濃厚ルーをステンレスのプレートに盛る独特のスタイルが特徴です。
金沢カレーの特徴をひと言で表すなら、「濃くて多い」です。
金沢では「ゴーゴーカレー」「チャンピオンカレー」など地元チェーンが県内に数十店舗を展開しており、県民1人あたりのカレー外食回数は全国平均の約1.5倍とも報告されています。これは使えそうです。
近畿エリアでは、大阪の「スパイスカレー」が近年注目を集めています。南インド料理の影響を受けたスパイスカレーは、2010年代から大阪の飲食店を中心に急増し、2023年時点で大阪市内だけで100店舗を超えるスパイスカレー専門店が存在するとされています。
スパイスカレーが基本です。
奈良県では「大和野菜カレー」が話題です。大和野菜とは奈良県が認定した伝統野菜の総称で、大和まな・大和丸なす・片平あかね(赤カブ)などが代表的です。これらをカレーに取り入れることで、彩りが美しく栄養価の高い一品になります。片平あかねは鮮やかな赤紫色が特徴で、見た目でも楽しめます。
中国・四国エリアでは、広島県の「牡蠣カレー」と香川県の「讃岐うどんカレー」が代表的です。広島の牡蠣カレーは、広島産の牡蠣を贅沢に使ったシーフードカレーで、ふるさと納税の返礼品としても人気が高く、年間数千セット以上の申し込みがある商品も存在します。
意外ですね。
讃岐うどんカレーは、讃岐うどんの本場・香川県ならではの組み合わせです。カレーうどんとは異なり、うどんをごはんの代わりにカレーに合わせるというスタイルで、地元の食堂や家庭でも日常的に食べられています。うどんのコシとカレーソースの組み合わせが唯一無二の食感を生み出します。
九州では、「長崎和牛カレー」や熊本の「辛子レンコンカレー」が注目されています。熊本の辛子レンコンは熊本を代表する伝統食材で、からしを詰めたレンコンを揚げたもの。これをカレーに加えることで、ピリッとした独特の風味と食感が加わります。辛子レンコンカレーはレトルト商品も販売されており、現在Amazonや楽天市場で1食あたり700〜1,000円前後で購入可能です。
沖縄では「タコライスカレー」や「ゴーヤーカレー」が家庭でよく作られています。ゴーヤーの苦みがカレーのスパイスと合わさることで、独特のコクが生まれます。ゴーヤーに含まれるビタミンCは加熱しても壊れにくい特性があるため、カレーに入れても栄養が損なわれにくいという健康面のメリットもあります。
健康面にも嬉しいですね。
| 地域 | ご当地カレー名 | 主な特徴・食材 |
|---|---|---|
| 広島県 | 牡蠣カレー | 広島産牡蠣をたっぷり使ったシーフード系 |
| 香川県 | 讃岐うどんカレー | うどんをライスの代わりにカレーに合わせる |
| 熊本県 | 辛子レンコンカレー | 辛子レンコンをトッピング、ピリ辛風味 |
| 沖縄県 | ゴーヤーカレー | ゴーヤーの苦みとスパイスが絶妙にマッチ |
ご当地カレーを味わうために毎回現地に行くのは難しいものです。しかし実は、多くのご当地カレーはレトルト商品や専用ルーとして市販・通販で購入できます。
レトルトなら手軽です。
楽天市場やAmazonで「ご当地カレー レトルト」と検索すると、北海道スープカレー・横須賀海軍カレー・金沢カレー・熊本辛子レンコンカレーなど、全国各地の商品が1食500〜1,200円程度で購入できます。ふるさと納税の返礼品として選ぶ方法もあり、実質2,000円の自己負担で数種類のご当地カレーセットを取り寄せることも可能です。
これはお得ですね。
自宅での再現ポイントとして特に重要なのが「スパイスの使い方」です。市販のカレールーだけでは再現が難しいスパイスカレーや海軍カレーは、クミン・コリアンダー・ターメリックなど個別のスパイスを少量ずつ加えることで、グッと本格的な風味に近づきます。スパイスはスーパーの香辛料コーナーや100円ショップでも入手可能なため、特別な手間や出費なく試せます。
スパイスが鍵です。
また、ご当地カレーを家庭で楽しむ際に見落としがちなのが「器の選択」です。金沢カレーならステンレスのプレート、スープカレーなら深めのスープボウルにすることで、見た目と雰囲気が一気に本物に近づきます。食器は100円ショップでも揃えられるため、コストをかけずに演出できます。
家族で楽しむ「ご当地カレーの日」を月1回設けるという家庭が近年増えています。毎月異なる地域のカレーを作るかテイクアウト・通販で取り寄せることで、食育にもなり、子どもが日本地図や地域の特産品に興味を持つきっかけになるという声も多く聞かれます。
地理と食が一緒に学べます。