皮を剥かないと口に残るから、ジャムは皮なしで作るものだと思っていませんか?
「皮をむいた方が上品に仕上がるのでは?」と思う方も多いでしょう。ところが、栄養学の観点では、いちじくジャムこそ皮ごと作るのが大正解なのです。
いちじくの皮には、果肉だけで作るよりもはるかに豊富な栄養素が詰まっています。代表的なものがポリフェノールの一種「アントシアニン」。あの濃い紫色の皮に凝縮されている成分で、体内の活性酸素を抑える抗酸化作用を持つとされ、アンチエイジングや眼精疲労の軽減にも期待されています。
さらに、皮の内側には水溶性食物繊維「ペクチン」が豊富に含まれています。ペクチンは腸内の善玉菌のエサになり、腸内環境を整える働きがあります。つまり皮ごと使うことで、便通改善・血糖値の急上昇抑制・コレステロール低減といった健康効果をまとめて取り込めるわけです。これがポイントです。
また、ペクチンにはジャムをとろりと固める「天然ゲル化剤」としての働きもあります。いちじくは果物の中でもペクチン含有量が多い品種なので、市販のとろみ剤を使わなくても、自然においしいジャムに仕上がります。作りやすさも◎ですね。
一方で、「フィシン」というタンパク質分解酵素が皮や茎に含まれており、体質によっては口の周りがかゆくなることがあります。加熱するとこの酵素は失活するため、ジャムにしてしまえば基本的に問題ありません。口が敏感な方も安心に使えるということですね。
| 栄養素 | 含まれる場所 | 期待される効果 |
|---|---|---|
| アントシアニン(ポリフェノール) | 主に皮 | 抗酸化・アンチエイジング・眼精疲労軽減 |
| ペクチン(水溶性食物繊維) | 皮・果肉 | 腸内環境改善・血糖値上昇抑制・コレステロール低減 |
| カリウム | 果肉・皮 | むくみ解消・血圧調整 |
| カルシウム・マグネシウム | 果肉 | 骨や歯の強化・代謝サポート |
いちじくジャムを皮ごと作ることは、美味しさを守りながら栄養まるごと活用できる、まさに一石二鳥の調理法です。
参考:いちじくの皮に含まれる栄養とフィシンについての解説
いちじくは皮ごと食べられる?美味しいいちじくの食べ方・人気レシピ(小島屋)
では実際に、最もポピュラーな鍋を使った作り方を見ていきましょう。道具も材料もシンプルで、秋の恒例行事にしたくなる手軽さです。
🍯 材料(ジャム瓶2〜3本分)
砂糖の量について少し補足します。砂糖30%は甘さ控えめで果実感たっぷりな仕上がりになりますが、日持ちは冷蔵で約2週間〜1ヶ月程度が目安です。50%まで増やすと長期保存(煮沸済み未開封で1年程度)が可能になりますが、甘みが強くなります。砂糖の割合は保存期間と好みで調整するのが基本です。
🍳 作り方(ステップ)
皮の食感について心配な方も多いですが、完熟いちじくの皮はジャムにすると煮崩れて果肉と一体化し、口に残る感じはほぼありません。むしろほどよい食べ応えとプチプチ感が魅力になります。これは使えそうです。
レモン汁はペクチンを活性化させ、ジャムがしっかりとろりと固まるのを助けます。市販のレモン果汁でも問題なく、りんご酢で代用することもできます。
また、いちじくに使われる品種として日本で最も流通しているのが「桝井ドーフィン」で、国内出回り量の約8割を占めます。夏果は6月下旬〜7月上旬、秋果は8月中旬〜10月が旬の時期です。旬のいちじくが手に入ったらまとめてジャムにして冷凍しておくと、秋を過ぎても楽しめます。
参考:いちじくジャムの基本レシピと保存方法
皮ごと簡単!いちじくジャムの作り方レシピ(スマートキッチン)
「鍋でコトコト煮る時間がない」という方には、電子レンジで作る方法がとても便利です。調理時間が約15〜20分で済み、洗い物も少なく済むのが主婦には嬉しいポイントです。
📋 材料(少量・保存瓶1本分)
⚡ レンジ版の作り方
注意点が1つあります。耐熱ボウルは必ず深さのあるものを選んでください。加熱中に吹きこぼれやすいため、どんぶりや深型の耐熱容器でも代用できます。
冷めると固まってくるので、加熱直後は「少しゆるいかな?」というくらいで火を止めるのがコツです。スプーンで少量すくって皿に垂らし、指で触れてもべたつかない程度が目安になります。ゆるめで止めれば問題ありません。
砂糖30%の場合、甘さ控えめでいちじくの風味がしっかり残った大人の味わいに仕上がります。もう少しとろみを出したい場合や保存期間を延ばしたい場合は、砂糖を40%に増やして調整してください。
参考:電子レンジで作るいちじくジャムのレシピと詳細
いちじくのレンジジャム レシピ(マジカルキッチン)
せっかく作ったジャムも、保存方法を間違えると傷みが早くなります。砂糖の量と保存容器の処理によって日持ち期間が大きく変わるので、ここだけは押さえておきましょう。
保存期間の目安は以下の通りです。
| 砂糖の割合 | 保存方法 | 日持ちの目安 |
|---|---|---|
| 30〜35%(低糖度) | 冷蔵(開封後) | 約1〜2週間 |
| 40%(中糖度) | 冷蔵(煮沸消毒済み) | 約1ヶ月 |
| 50%以上(高糖度) | 煮沸消毒+脱気処理後、常温暗所 | 未開封で約1年 |
| いずれも | 冷凍 | 約3〜6ヶ月 |
砂糖の量を「ヘルシーだから」と極端に減らしてしまうと、カビが生えやすくなります。砂糖の割合は保存のための防腐役も担っているため、長持ちさせたいなら砂糖は減らさないのが原則です。
瓶の煮沸消毒は少し面倒に感じるかもしれませんが、手順はシンプルです。鍋に水と瓶・フタを入れて10分ほどグラグラ煮るだけ。取り出した後は清潔なキッチンペーパーで水気を拭くか、そのまま逆さにして完全に水切りします。消毒さえしっかり行えば大丈夫です。
短期間で食べきる予定であれば、清潔なガラス瓶やタッパーに入れて冷蔵保存でも問題ありません。また、まとめて大量に作った場合は、小分けにしてラップに包み冷凍保存するのがおすすめです。冷凍なら約3〜6ヶ月保存でき、食べたい分だけ自然解凍して使えるので便利です。
参考:手作りジャムの保存期間と糖度の関係
いちじくジャムはパンに塗るだけではもったいないのです。実は料理やスイーツのプロも愛用するほど、食卓での活躍の場が広い食材です。
まず定番の食べ方から順に見ていきましょう。
🍞 トーストやフレンチトースト
厚切りトーストにバターといちじくジャムをたっぷり乗せるのが最高です。バターの塩気といちじくの甘みと酸味が絶妙にマッチします。フレンチトーストに添えるのも人気。
🥛 ヨーグルトやアイスに添えて
プレーンヨーグルトにいちじくジャムをのせると、整腸作用の相乗効果も期待できる朝食になります。バニラアイスに乗せると贅沢なデザートに早変わり。手軽においしいですね。
ここからが意外な活用法です。
🧀 クリームチーズやカマンベールとの組み合わせ
いちじくジャムとクリームチーズはとても相性が良く、クラッカーに両方乗せるだけでおしゃれなおつまみになります。カマンベールチーズにいちじくジャムをかけてオーブンで温めると、濃厚さと甘酸っぱさが絶品のパーティーおかずになります。
🥗 ドレッシングとして
いちじくジャム・オリーブオイル・ワインビネガー・黒こしょうを混ぜるだけで、フルーティーなジャムドレッシングが完成します。生ハムやカマンベールチーズと合わせたサラダにかけると、まるでカフェランチのような一皿になります。これは使えそうです。
🍖 肉料理のソースとして(独自アレンジ)
意外と知られていないのが、いちじくジャムを豚肉や鶏肉のソテーに使うアレンジです。いちじくジャムに醤油・みりんを加えると甘辛ソースになり、和洋どちらにも合う味に仕上がります。フィシンのタンパク質分解作用でお肉が柔らかく仕上がるという研究もあり、理にかなったレシピです。普段の夕食のおかずが一段格上になります。
いちじくジャムの甘みと酸味は、甘いものだけでなく塩味の料理とも相性が良いのが大きな特徴です。旬の時期に多めに作っておいて、食卓のあちこちで活用してみてください。
参考:いちじくジャムを使ったドレッシングレシピ
イチジクジャムドレッシングのサラダレシピ(Pasco)