メチルイソボルネオール キャベツ原因と臭い対策の完全解説

キャベツから感じるカビ臭さやドブ臭さはなぜ起こるのでしょうか。この記事では、原因物質であるメチルイソボルネオールとジメチルスルフィドの正体、食べても大丈夫な理由、そして効果的な臭い除去方法まで詳しく紹介します。安心してキャベツを調理するための知識が身につきますよ。

メチルイソボルネオール キャベツの原因と対策

キャベツの臭いの原因と対策
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土壌由来の臭い物質

メチルイソボルネオールは土壌中の微生物が生成する物質で、わずかな量でもカビ臭さを感じさせます

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キャベツ成分由来の臭い

イソチオシアネートが分解されてジメチルスルフィドに変化し、硫黄のような独特な臭いを発生させます

安全性について

これらの臭い成分は人体に害はなく、適切な調理方法で臭いを軽減できるため安心して食べられます

メチルイソボルネオールとは何か

メチルイソボルネオール(2-MIB)は、キャベツが育つ土壌中に存在する藍色細菌(藍藻類)や放線菌などの微生物によって生成される有機化合物です。この物質は水道水のカビ臭の原因としても知られており、わずか5ppt(1%の100億分の1の濃度)という極めて微量でも人間が感知できる強力な臭い成分です。キャベツなどの野菜は土壌で栽培されるため、その表面に微生物が付着し、メチルイソボルネオールが残留することがあります。この臭いは「カビ臭さ」「薬品臭」「墨汁のようなにおい」「雑巾を絞ったようなにおい」などと表現され、人間が本能的に敏感に察知する傾向があります。
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メチルイソボルネオールは水溶性の性質を持っているため、水に浸けることで臭いを和らげることが可能です。土壌管理の状態によってキャベツに含まれる量が異なり、メチルイソボルネオールが豊富な土壌で育ったキャベツほど臭いが強くなる傾向があります。また、常温で保存していた場合には微生物が増殖し、臭いがさらに強まることがあるため注意が必要です。
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キャベツが臭う原因物質ジメチルスルフィド

キャベツなどのアブラナ科植物には、害虫から身を守るための防御成分として「イソチオシアネート」という辛味成分が含まれています。イソチオシアネートは大根やワサビのツンとした辛味の元となる成分で、発がん抑制効果があるとも言われています。しかし、このイソチオシアネートが時間の経過とともに空気中の酸素に触れて酵素が働くと、「ジメチルスルフィド(ジメチルサルファイト)」という揮発性の有機硫黄化合物に分解されます。
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ジメチルスルフィドは「キャベツが腐った臭い」とも表現される悪臭成分で、消毒臭や硫黄臭(おならの臭い・たくあんの臭い)、潮臭さ、ドブ臭さを人に感じさせます。都市ガスのにおいにも使用されているほど、私たちが敏感に察知する臭い成分でもあります。キャベツを切断したり千切りにしたりすると、切断面の酸化と微生物活動が進み、硫黄化合物がより多く生成されるため臭いが強くなります。特に加熱時には60度付近でキャベツの酵素が最も活性化し、ジメチルスルフィドが顕著に発生します。
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メチルイソボルネオール キャベツの安全性と健康への影響

メチルイソボルネオールには毒性がなく、飲んだり食べたりしても健康を害することはありません。水道水質基準にメチルイソボルネオールの項目が含まれているのは、健康被害があるためではなく、「水道水が有すべき性状」つまり生活用水としての品質を保つためです。基準値以上含まれると水がカビ臭くなり、飲用水として不快に感じられるため規定されているのです。
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同様に、キャベツの臭いの原因となるジメチルスルフィドやメチルメルカプタンなどの硫黄化合物も、生理的に不快に感じられる場合が多いものの、健康被害をもたらす量で存在することは通常ありません。これらの臭い成分は腐敗を示すものではなく、キャベツに本来含まれる成分が化学変化したものです。ただし、硫黄化合物の発生が異常に強く、かつ変色やぬめりを伴う場合は、細菌や真菌による腐敗の可能性もあるため注意が必要です。臭いがあっても変色やぬめりがなければ、基本的には安全に食べることができます。
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メチルイソボルネオール除去と臭い対策の具体的方法

メチルイソボルネオールは水溶性のため、水に浸けておくことで臭いを和らげることができます。具体的には、キャベツを流水でしっかり洗う、または水を張ったボウルに15~30分程度浸してから使用すると効果的です。ジメチルスルフィドなどの硫黄化合物による臭いには、いくつかの対策方法があります。まず、酸性の環境が臭いの抑制に効果的で、水1リットルに対してレモン汁大さじ2(約30ml)を加えたレモン水にキャベツを15~30分浸す方法があります。ただし、長時間浸すと変色やビタミンの流出があるため、1分以内が推奨される場合もあります。
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重曹を使った方法も有効で、水1リットルに対して重曹10gを入れた水にキャベツを浸けることで残留農薬とともに臭いも軽減できます。加熱調理では、加熱時間を最小限に抑えることが重要です。60度付近でキャベツの酵素が最も活性化するため、沸騰したお湯で素早く茹でるか、炒め物の場合はキャベツを最後に加えて1~2分程度で火を止めます。また、カレー粉、ガーリックパウダー、クミンなどの強い香りのスパイスを使用することで、キャベツの臭いをマスキングすることもできます。保存方法としては、キャベツの芯を取り除き、湿らせたキッチンペーパーで包んでからポリ袋に入れて冷蔵保存すると、微生物の増殖を抑え臭いの発生を防げます。
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土壌微生物と放線菌がキャベツに与える影響

土壌中の放線菌は、有機物を分解して植物に栄養を供給する重要な微生物ですが、同時にメチルイソボルネオールなどの臭い物質を生成することがあります。放線菌は土壌を団粒化し、センチュウや病原菌が住みにくい環境を作る一方で、環境変化に強く、水分が多い条件下で活発に活動します。特に藍藻(らんそう)と呼ばれる青緑色の微生物は、メチルイソボルネオールの主要な産生源として知られており、水田や湿った土壌で繁殖しやすい特徴があります。
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土壌消毒や化学肥料、農薬の過剰使用によって放線菌のバランスが崩れると、かえって臭い物質が増加することがあります。適切な土壌管理には、放線菌堆肥などの有用な放線菌を施用することで、土壌の健全性を保ちつつ臭い物質の生成を抑制できます。キャベツなどの野菜栽培においては、土壌中の微生物バランスを適切に保つことが、臭いの少ない高品質な野菜の生産につながります。消費者の視点からは、購入後のキャベツは早めに使い切るか、適切な保存方法で微生物の増殖を抑えることが臭い対策として重要です。
参考)微生物談義第4回 「放線菌」の働き 2話