ミャンマーのスイーツは、食パンが材料に入っています。
ミャンマーでは、甘い菓子から軽食まで粉もの系をまとめて「モン(မုန့် / Mont)」と呼びます。日本語に訳すなら「お菓子全般」に近い言葉ですが、その内容は実に多彩です。もち米・米粉・セモリナ粉(粗挽き小麦粉)・ ococonut ミルク・パームシュガー(ヤシ砂糖)がミャンマースイーツの五大定番素材で、これらを組み合わせることで20種類以上の伝統菓子が生まれています。
パームシュガーは日本でいう黒糖に近い風味を持ちつつ、GI値(血糖値の上昇速度を示す数値)が白砂糖より低いとされる天然の甘味料です。お菓子でも体への負担が気になる方には、この点がうれしいポイントといえます。
ミャンマーは約135の民族が暮らす多民族国家で、タイ・インド・中国の国境に接しています。そのため、スイーツにもインド由来の「ファルーダ」や中国系の「チャウキヤウ(寒天ゼリー)」が混在しており、一国だけでこれほど多様な菓子文化を持つ国は珍しいといえます。意外ですね。
ミャンマーの伝統菓子は朝ごはんからおやつ、お祭りの特別なごちそうまで、1日の中で複数回登場します。日本人がお茶請けに和菓子を食べるような感覚で、ミャンマー人は「モン」を日常的に楽しんでいます。つまり、ミャンマースイーツは「ハレの日だけのごちそう」ではなく、生活に溶け込んだ身近な存在ということです。
参考:ミャンマーの伝統的なデザート5選について詳しく解説されています
ミャンマーの伝統的なデザート:5選 – sonetwetthi
ミャンマースイーツの中でも特に広く愛されている定番を5つ紹介します。それぞれ素材・食感・場面がまったく異なるので、好みに合わせて試してみてください。
まず代表格が「シュエインエー(Shwe Yin Aye)」です。名前は「黄金のハートクーラー」と訳され、ひんやりしたデザートとしてミャンマー全土で愛されています。具の組み合わせが独特で、ococonut ミルクの中に緑のゼリー麺・タピオカ・もち米、そしてなんと食パンを入れて氷で冷やします。パンが甘い ococonut ミルクをたっぷり吸って、とろっとなる感覚がやみつきになる味わいです。これは使えそうです。
次に「サンウィンマキン(Sanwin Makin)」はミャンマー風セモリナケーキです。セモリナ粉(粗挽きの小麦粉)・ ococonut ミルク・卵・バターを合わせて焼いたしっとり系の焼き菓子で、上面に散らされたケシの実のプチプチ感が特徴です。材料はセモリナ粉1カップ・ ococonut ミルク400ml・バター50g・卵2個・砂糖・塩・ゴマで、フライパンで煮込むだけで作れるシンプルさが魅力です。
3番目は「モンロンイェーポー(Mont Lone Yay Paw)」です。ミャンマーのお正月「ティンジャン(水かけ祭り)」の主役で、もち米団子の中にパームシュガーを包んで茹で、ぐるりと削りたてのcococonut をまぶします。直径3cmほどのころんとした見た目がかわいく、かぶりつくと中から黒蜜のような甘さがとろっと出てきます。日本の草だんごに近い感覚で、子どもと一緒に楽しめるスイーツです。
4番目は「チャウキヤウ(Kyauk Kyaw)」。日本の寒天と同じ素材(アガー)を使ったゼリーデザートで、oca日本のところてんに比べて甘く仕上がります。白いcococonut ミルク層と透明の水層が2層になった見た目は、カラフルなグラデーションがあるものも多く、お土産にも喜ばれます。材料はcocoonut ミルク・寒天・砂糖・塩と非常にシンプルです。
5番目は「ファルーダ(Falooda)」です。インドから伝わったパフェ風のデザートドリンクで、ローズシロップの香り・タピオカ・ゼリー・細い麺・アイスクリームがグラスの中で層になっています。ピンク色の見た目が映えると若い世代にも人気で、甘さは強めなのでシェアして楽しむのがおすすめです。甘さは強めが原則です。
| スイーツ名 | 主な材料 | 特徴 | 日本で再現 |
|---|---|---|---|
| シュエインエー | ococonut ミルク・食パン・ゼリー・タピオカ・氷 | 冷たい具だくさんデザート | ⭕ スーパーで材料が揃う |
| サンウィンマキン | セモリナ粉・ococonut ミルク・卵・バター | しっとり焼き菓子 | ⭕ 製菓材料店でセモリナ粉が買える |
| モンロンイェーポー | もち米粉・パームシュガー・ococonut | お正月の茹で団子 | 🔺 材料がやや特殊 |
| チャウキヤウ | ococonut ミルク・寒天・砂糖 | 2層のゼリーデザート | ⭕ 最も簡単に作れる |
| ファルーダ | ローズシロップ・タピオカ・ゼリー・アイス | インド由来のパフェ風 | 🔺 ローズシロップの入手が必要 |
参考:ミャンマーのお菓子&スイーツ約20種を研究家が詳しく紹介しています
ミャンマーのお菓子&スイーツ大集合!定番からご当地の味まで – burmese.tokyo
ミャンマースイーツの中でも自宅再現のしやすさトップクラスがシュエインエーです。スーパーで手に入る材料だけで作れます。
作り方の手順はシンプルな3ステップです。
現地では緑色のパンダンゼリー(バイトゥーイという葉から作る)を使いますが、日本では抹茶寒天や市販のゼリーで代用できます。食費への影響もほぼゼロです。材料費は1人分で100〜150円程度に収まります。これは使えそうです。
食パンを ococonut ミルクに浸すのが「えっ、本当においしいの?」と思われがちですが、実はパンが甘いミルクをたっぷり吸って、まるでフレンチトーストのようなリッチな口当たりになります。一口サイズのパンと ococonut ミルクの組み合わせが合うということですね。
もう一つ日本で作りやすいのが「チャウキヤウ(ococonut ミルクゼリー)」です。材料は ococonut ミルク200ml・粉寒天2g・水200ml・砂糖大さじ2・塩ひとつまみの5点のみです。ococonut ミルク層と水層を交互に固めると、ガラスのグラスに入れたとき美しい2層が完成します。冷蔵庫で2〜3時間冷やすだけなので、夏場のおもてなしスイーツとしても重宝します。
自宅で使う ococonut ミルクはスーパーで200〜300円程度で買えます。カルディや業務スーパーなら400ml入り缶が安く手に入るので、まとめて買っておくと便利です。
ミャンマー伝統のスイーツは、洋菓子に比べて体への負担が軽めです。その理由は素材の選び方にあります。
まず、甘味料としてよく使われる「パームシュガー(ヤシ砂糖)」に注目です。白砂糖のGI値が109なのに対し、パームシュガーのGI値は35〜54程度とされており(一般的な目安値)、血糖値の急激な上昇を抑えやすい特性があります。黒糖のような深いコクがあり、少量でしっかり甘さを感じられるため、使う量も自然と減らせます。
次に、もち米や米粉を主役にした菓子が多い点です。小麦粉ベースの洋菓子に比べて消化が穏やかで、腸への刺激が少ないといわれています。グルテンが気になる方にとっても、ミャンマーのもち米系スイーツは選びやすい選択肢です。
バナナをそのまま蒸して ococonut ミルクで煮た「ガーピャウバウン(バナナプディング)」は、バナナのカリウムと食物繊維をそのまま摂れるデザートです。材料は地元産バナナ・ 少量の砂糖・ ococonut ミルク・ゴマだけで、食品添加物は一切入りません。お菓子でもこれだけシンプルならば、家族に出しやすいですね。
ただし、注意すべき点もあります。ファルーダやシュエインエーは ococonut ミルクをたっぷり使うため、脂質が多くなりがちです。ococonut ミルクに含まれる中鎖脂肪酸(MCT)は体内でエネルギーとして使われやすい性質がありますが、摂りすぎると総カロリーが高くなります。1日1杯程度を楽しむのが原則です。
健康面でミャンマースイーツを楽しみたい場合は、米粉・もち米・バナナ系の素朴なスイーツを優先し、ファルーダなどの濃厚なものは週1回のご褒美として楽しむ使い分けがおすすめです。
国内にいながらミャンマーのスイーツを楽しむ方法は、実は3つあります。専門店での購入、オンラインショッピング、そして食材店での材料調達です。
まず、東京で最も有名なのが「高田馬場タックイレブンビル(東京都新宿区高田馬場2-19-7)」です。このビルの7〜11階には複数のミャンマー食材店・飲食店が集中しており、現地さながらの食材が揃います。「フジストア」「Easy Mart」「マザーハウス」などがミャンマーのお菓子・食材を販売しており、セモリナ粉・パームシュガー・パンダンエッセンスなど、ミャンマースイーツに必要な材料のほとんどがここで手に入ります。
大阪では「Suzu Moca Myanmar Sweets(南堀江・大阪市西区)」が注目されています。ミャンマー菓子を現代風に「よりおいしく・より安心・安全に」アレンジして製造・販売している専門店で、全国への通販も対応しています。現地の味をそのまま再現するのではなく、日本人の口に合うようにアレンジされているため、初めてミャンマースイーツに挑戦する方にも試しやすい入口です。
オンラインで手軽に探したい場合は、「Lion Mart JP(lionmartjp.com)」がミャンマーのスイーツ・スナックを162点以上取り扱っており、自宅に居ながら現地の品を注文できます。また、楽天市場でも「ミャンマー スイーツ」で検索すると複数の商品がヒットします。
なお、ミャンマー食材はカルディコーヒーファームでも ococonut ミルク缶・タピオカ・寒天粉などの共通材料が買えるため、シュエインエーやチャウキヤウを作るための最初の一歩としては、近所のカルディで十分に材料が揃います。まずはカルディで確認するのが手軽です。
参考:東京のミャンマー食材店の詳細な情報がまとめられています
東京のミャンマー食材店リスト – burmese.tokyo
参考:日本向けにアレンジしたミャンマー菓子を通販で購入できます
Suzu Moca Myanmar Sweets(公式サイト)
ミャンマースイーツには、日本ではあまり紹介されない「地域限定・祭り限定」の菓子文化があります。これを知っておくと、旅行先でのスイーツ選びが格段に豊かになります。
たとえば、南西部の都市「パテイン」には「パテイン・ハラワ」という銘菓があります。もち米・バター・ ococonut ミルクを長時間練り続けて作るねっとり濃厚な甘い菓子で、パテイン産のものは他の都市のものと味が違うと地元民が言うほどです。日本でいう「地域限定の○○まんじゅう」のような存在です。
もう一つ印象的なのが「タマネェ(Htamanè)」です。ミャンマー暦タボートゥエ月の満月祭(日本時間でおよそ2〜3月頃)に、近所の人たちが集まって大きな鍋でもち米・生姜・ナッツ・ ococonut を長い棒でひたすら混ぜ合わせて作る、コミュニティのお菓子です。完成まで数時間かかることもあり、「全員で混ぜる」こと自体が祭りの一部になっています。材料はシンプルですが、作るプロセスに文化的な意味が込められているという点が独特です。
また、「モンクウェーテ(Mont Kywe The)」は米粉やタピオカ粉を使った蒸し菓子で、食感が日本の「ういろう」に非常に近いです。黒糖味・ ococonut 味・パンダン(タコノキ)葉の天然グリーンフレーバーなど数種類があります。ういろうが好きな方にはとくに刺さるスイーツで、初めてミャンマースイーツを食べる方への入門としても最適です。
このように、ミャンマースイーツは単なる「甘いもの」ではなく、地域の誇り・季節の行事・家族のつながりを映すカルチャーでもあります。知れば知るほど奥が深い世界です。日本では東南アジアのスイーツといえばタイ料理のマンゴースティッキーライスが有名ですが、ミャンマーの菓子文化はそれと同じくらい豊かで、まだ日本ではほとんど知られていません。知っていると得する情報ですね。
ミャンマー旅行を計画している方は、現地の市場(ゼー)や朝の屋台で「モン」を指さして頼むだけで、100円以下でこれらの伝統菓子を楽しめます。旅の予算を大きく使わずに現地の食文化に触れられます。それが一番のメリットです。
参考:ミャンマーの伝統的なお菓子をランキング形式で地元目線で紹介しています
【地元民しか知らない】ミャンマーの伝統的なお菓子・スイーツ11選 – oshima-sansyo.com