市販のナシゴレンペーストを使うと、本場より塩分が約1.8倍になることがあります。
ナシゴレンとはインドネシア語で「ナシ=ご飯」「ゴレン=炒める・揚げる」を意味する言葉で、文字通り「炒めたご飯」のことです。インドネシアでは国民食とも呼ばれ、屋台から高級ホテルまであらゆる場所で提供されています。
日本のチャーハンと見た目が似ているため「インドネシア版チャーハン」と紹介されることが多いですが、使うスパイスや調味料は全く異なります。チャーハンが醤油・塩・胡椒を基本とするのに対し、ナシゴレンはケチャップマニス(甘口醤油)・サンバル(唐辛子ソース)・えびペーストなどを使い、深みのある甘辛い香りとスパイシーさが特徴です。
実はナシゴレンはインドネシアだけでなく、マレーシア・シンガポール・タイなど東南アジア全域で食べられており、国や地域によって微妙にレシピが異なります。つまり「ナシゴレン=一種類の料理」ではなく、地域ごとに進化したバリエーション料理ということです。
CNNが2011年に発表した「世界で最もおいしい食べ物50選」でナシゴレンは第2位にランクインしており、その人気は世界的に認められています。日本でも2010年代以降エスニック料理ブームとともに家庭料理として注目されるようになりました。
ご飯の種類にも特徴があります。本場インドネシアでは前日の残りご飯(冷やご飯)を使うのが基本です。炊きたてよりも水分が飛んでパラパラになった冷やご飯のほうが、強火で炒めたときに一粒一粒がしっかり仕上がります。これはチャーハンと同じ原則ですね。
| 比較項目 | ナシゴレン | 日本のチャーハン |
|---|---|---|
| 主な調味料 | ケチャップマニス・サンバル・えびペースト | 醤油・塩・胡椒・ごま油 |
| 色の特徴 | 茶色〜黒褐色(ケチャップマニスによる) | 薄黄色〜薄茶色 |
| 風味 | 甘辛・スパイシー・エビの旨味 | シンプル・塩辛・香ばしい |
| 代表的なトッピング | 目玉焼き・クルプック(えびせんべい) | チャーシュー・ネギ・卵 |
| ご飯の状態 | 冷やご飯推奨 |
ナシゴレンの作り方で最初に悩むのが、材料の調達です。ケチャップマニスやサンバルは日本のスーパーでは手に入りにくいため、「わざわざ買いに行くのが面倒」と感じる人も多いでしょう。しかし代用品を使っても十分においしく作れます。
まず主役の調味料「ケチャップマニス」は、インドネシア産の甘口醤油です。日本では業務スーパーや輸入食材店、Amazonなどで購入できます。代用するなら「醤油大さじ2+砂糖小さじ2+モラセス(または黒砂糖)少々」を合わせると近い風味になります。手軽な代用が可能です。
「サンバル」は東南アジアの唐辛子ペーストで、辛味の主役です。代用品としては豆板醤(トウバンジャン)か、コチュジャン少量+一味唐辛子で近い風味に仕上がります。ただし豆板醤は塩味が強いため、量を半分以下に抑えることがポイントです。
「えびペースト(テラシ/ブラチャン)」は発酵エビを固めたもので、少量加えるだけで旨味が格段にアップします。代用は桜エビを乾煎りしてすり潰したものか、魚醤(ナンプラー)小さじ1でも代用できます。これが旨味の決め手です。
具材に関しては、本場では鶏肉・えび・卵が定番ですが、冷蔵庫にある食材で幅広くアレンジできます。豚肉・ウインナー・残り野菜・冷凍エビなど、ほぼどんな食材でも合います。これは使えそうですね。
ナシゴレンの作り方で最も重要なのは「強火・短時間」という鉄則です。弱火でじっくり炒めると水分が出てべちゃべちゃになり、スパイスの香りも飛びません。強火が基本です。
まず調味料をあらかじめ混ぜておく「合わせ調味料」を作ることが、時短と失敗防止のポイントです。フライパンを熱しながら次々と材料を投入していくと、焦げたり調味料を入れ忘れたりするミスが起きやすくなります。
基本レシピ(2人分)
手順
全工程で火にかける時間は約4〜5分です。長く炒めすぎないことが、パラパラ食感とスパイスの香りを保つ秘訣になります。卵はあくまで半熟で合わせるのがポイントで、完全に火を通してしまうとパサつきが出ます。
トッピングの目玉焼きは別のフライパンで作り、盛り付け後にのせます。本場では「半熟目玉焼き」が鉄板で、黄身をつぶしてご飯に絡めながら食べるのが現地流の楽しみ方です。これは真似したいですね。
基本レシピを覚えたら、次は家庭向けのアレンジバリエーションを試してみましょう。ナシゴレンは冷蔵庫の残り食材を活用しやすい料理なので、週に1回の「冷蔵庫一掃メニュー」としても優秀です。
シーフードナシゴレンは、えびとイカを使ったバリエーションです。えびは冷凍むきえびを使うと手軽で、えびペーストの代わりにナンプラーを少し増量すると海の旨味が引き立ちます。えびとイカは火を通しすぎると硬くなるため、投入は工程の終盤にして1分以内に仕上げるのが理想です。
野菜たっぷりナシゴレンは、ピーマン・にんじん・キャベツなど冷蔵庫の野菜を加えるアレンジです。野菜を先に炒めて取り出し、最後にご飯と合わせると食感が保たれます。彩りがきれいになるのもメリットです。
豚バラ玉ねぎナシゴレンは、日本の家庭に馴染みやすい食材だけで作れる定番アレンジです。豚バラ薄切り肉100g・玉ねぎ4分の1個・卵2個があれば作れます。ケチャップマニスの代用調味料さえ用意すれば、スーパーで揃う材料のみで本格的な風味になります。
辛さの調節は「サンバルの量」で行うのが最も簡単です。サンバルを0にすれば子ども向けのマイルドな仕上がりになり、小さじ2まで増やすと本場の辛さに近づきます。辛さの調節は自由です。
市販のナシゴレンペーストを使う場合は手軽ですが、塩分量に注意が必要です。前述のとおり市販ペーストは塩分が高めの製品が多く、2人分を作る際でも塩・醤油などの追加調味料はほぼ不要です。追加しすぎると塩辛くなります。
ナシゴレンは多めに作って冷凍保存できる料理で、忙しい主婦の時短術として非常に優秀です。これを知らないと、夕食に少し余ったナシゴレンを毎回食べきろうとして無理をしてしまいます。
作り置きするなら炒めた直後に粗熱を取り、1食分ずつラップに包んで冷凍するのがベストです。冷凍保存した場合は約2〜3週間は品質が保たれます。解凍はレンジ加熱(600W・2分程度)が便利で、加熱後にフライパンで1〜2分空炒りすると食感が復活します。
翌日のランチ活用として、冷凍ナシゴレンを解凍してそのまま食べるより、スープをかけて「ナシゴレン雑炊」風にするアレンジが人気です。チキンスープかコンソメスープを150mlほど加えて温めるだけで、全く別の料理になります。一度で二度おいしいですね。
また、少量余ったナシゴレンは翌朝の卵かけご飯的な使い方もできます。冷蔵のナシゴレン(約1人前)の上に目玉焼きをのせてレンジ加熱するだけで、手軽な朝食になります。スパイスの香りが朝から食欲をそそります。
冷凍するときに卵・きゅうり・クルプックは含めないことがポイントです。これらは冷凍に向かず、解凍後に食感や風味が大きく損なわれます。具材だけを冷凍し、食べるときに新しくトッピングすると出来立てに近い状態で楽しめます。
まとめると、ナシゴレンは「作り置き×トッピング変え」で複数日楽しめる優秀な料理です。週末に多めに作っておけば平日の昼食や朝食にも使えるので、食費と時間の節約につながります。
参考:インドネシア料理の調味料・スパイスについての解説(江崎グリコ公式レシピサイト)
https://www.glico.com/jp/enjoy/recipe/
参考:CNNが選ぶ世界の美食ランキングに関する日本語解説記事(食の背景知識として)
参考:ナシゴレンの栄養成分と塩分に関する情報(食品成分データベース 文部科学省)
https://fooddb.mext.go.jp/
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