プロセスチーズは妊婦でも大丈夫?安全な食べ方と量の目安

妊娠中にプロセスチーズを食べても大丈夫か気になっていませんか?リステリア菌・塩分・カルシウムの観点から安全性と注意点を管理栄養士監修情報をもとに徹底解説。あなたは正しい量を知っていますか?

プロセスチーズは妊婦でも大丈夫?安全な理由と注意すべきこと

プロセスチーズは安全でも、塩分のとりすぎで妊娠高血圧になるリスクがあります。


この記事の3つのポイント
プロセスチーズはリステリア菌の心配なし

製造工程で加熱処理されているため、妊婦さんでもそのまま食べられます。ナチュラルチーズとは明確に違います。

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塩分・脂質は多めなので量に注意

プロセスチーズ100gあたり塩分2.8g含有。1日の目安は20〜30g程度(スライスチーズ約1〜2枚)です。

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カルシウム・タンパク質の補給に優秀

プロセスチーズ1切れ(約20g)でカルシウム約126mg。妊娠中の栄養補給おやつとして上手に活用できます。


プロセスチーズが妊婦でも大丈夫な理由|リステリア菌と加熱処理の仕組み


妊娠中にチーズが「NG」だと聞いて、プロセスチーズまで避けてしまっている方は少なくありません。しかし実際には、プロセスチーズは妊婦さんでも安心して食べられます。その理由を正しく理解しておきましょう。


まず「チーズが危険」と言われる根本的な原因は、リステリア菌にあります。リステリア菌は土壌や水・動物の腸内など広く存在する細菌で、加熱していない食品に付着していることがあります。健康な成人であれば感染しても軽い胃腸炎で済む場合がほとんどですが、妊婦さんは免疫機能が低下しているため、感染しやすい状態にあるのです。


妊婦さんのリステリア菌感染リスクは、健康な成人の約20倍とされています。感染した場合、発熱・頭痛・悪寒などの症状が現れ、重症化すると流産・早産・死産につながる恐れもあります。早産になる割合は感染者の約70%という報告もあり、軽視できません。


では、なぜプロセスチーズは大丈夫なのでしょうか?


プロセスチーズはナチュラルチーズを原料にしていますが、製造工程でナチュラルチーズを粉砕→加熱溶解→乳化→成型するという工程を経て作られます。この加熱工程によってリステリア菌は死滅するため、完成したプロセスチーズにはリステリア菌が存在しません。


リステリア菌が死滅するのは65℃数分以上(または75℃・15秒以上)の加熱で十分です。プロセスチーズはこの条件を製造工場で確実に満たしているため、安全性が高い食品と言えます。


パッケージの原材料欄に「ナチュラルチーズ」と書いてあっても問題ありません。プロセスチーズはもともとナチュラルチーズを加熱加工して作るものなので、原材料名に「ナチュラルチーズ」と記載されるのは当然のことです。「原材料にナチュラルチーズ使用→危険」という誤解をしている方もいますが、それは勘違いです。


加熱処理済みなら問題ありません。


スーパーやコンビニで手軽に買えるスライスチーズ・6Pチーズ・さけるチーズ・ベビーチーズなどは、すべてプロセスチーズの一種です。妊娠初期・中期・後期を問わず、これらは安心して食べられます。


参考:産婦人科医監修のプロセスチーズの安全性と食べ方について詳しい情報が掲載されています。


【医師監修】妊娠中にプロセスチーズは食べてもいい? | たまひよ


プロセスチーズの妊娠中の適切な量|塩分・脂質に要注意

プロセスチーズが安全だからといって、好きなだけ食べていいわけではありません。妊娠中に気をつけるべきポイントは「塩分」と「脂質」の過剰摂取です。


プロセスチーズには、100gあたり約2.8gの食塩相当量が含まれています。スライスチーズ1枚は約16〜18gなので、1枚あたりの塩分は約0.45〜0.5gです。1日の塩分摂取目標量は女性で6.5g未満(厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020年版」)とされています。


これはコーヒーカップ1杯のお味噌汁(塩分約1〜1.5g)と比べてみると、スライスチーズ3枚でほぼ同量の塩分を摂ることになります。日常の食事に加えておやつでチーズをたくさん食べると、あっという間に塩分オーバーになりかねません。


塩分のとりすぎは要注意です。


妊娠中に塩分を過剰摂取すると、妊娠高血圧症候群(妊娠高血圧)のリスクが高まります。妊娠高血圧は、頭痛・むくみ・血圧上昇などを引き起こすだけでなく、重症化すると母体・赤ちゃん双方に深刻な影響が出ることもある疾患です。


さらに、プロセスチーズは脂質も高めです。食べすぎると妊娠中の体重管理を難しくし、妊娠糖尿病のリスクにもつながります。


では、具体的にどのくらいが適量なのでしょうか?


専門家が推奨するプロセスチーズの1日の摂取目安は20〜30g程度とされています。これはスライスチーズ約1〜2枚、または6Pチーズ1〜1.5個分に相当します。小さな三角形のチーズが1個、ちょうど親指くらいの大きさです。ほんの少しのように感じるかもしれませんが、カルシウムやタンパク質は十分に補えます。


| チーズの種類 | 目安の1日量 | 含まれる塩分(目安) |
|---|---|---|
| スライスチーズ | 1〜2枚(約16〜32g) | 約0.45〜0.9g |
| 6Pチーズ | 1〜1.5個(約18〜27g) | 約0.5〜0.75g |
| ベビーチーズ | 1〜2個(約20〜40g) | 約0.56〜1.1g |


この量を目安に、他の食事の塩分量とのバランスを見ながら取り入れましょう。汁物や漬物など塩分の高い食事と組み合わせる日は、チーズを控えるか1枚のみにするのが賢明です。


参考:妊婦さんが注意すべき塩分・カルシウム・リステリア菌について詳しく解説されています。


プロセスチーズに含まれる栄養素|妊娠中のカルシウム・タンパク質補給に優秀

プロセスチーズには、妊娠中にぜひ積極的に摂りたい栄養素が豊富に含まれています。「食べてもいいけど量を控えて」というだけでなく、うまく活用することで赤ちゃんの成長をサポートする食品として選んでほしい食材のひとつです。


プロセスチーズ1切れ(約20g)で得られる主な栄養素を見てみましょう。


- 🧀 カルシウム:約126mg(妊婦の1日推奨量650mgの約19%を補える)
- 🥩 タンパク質:約4.5g(1切れでこの量は優秀です)
- 🌿 亜鉛・ビタミンB12・リンなども含む


カルシウムについて少し詳しく説明します。妊娠中に推奨されるカルシウム摂取量は1日650mgです。これは牛乳コップ2杯強に相当する量ですが、毎日それだけ飲み続けるのは難しいですよね。プロセスチーズなら小さな1切れで約126mgを補えるため、間食として取り入れやすい優秀な食材です。


タンパク質も重要な栄養素です。妊娠後期になると、妊娠前に比べてさらに1日20〜25gのタンパク質を余分に摂取する必要が生じます。プロセスチーズ100gあたりのタンパク質は約22.7gと非常に高く、豆腐(100gあたり約5.3g)の4倍以上のタンパク質が含まれています。


これは使えそうです。


さらに、葉酸・亜鉛・ビタミンB12も含まれています。葉酸は神経管閉鎖障害の予防に、亜鉛は赤ちゃんの細胞分裂や免疫機能の発達に、ビタミンB12は神経系の発育に重要な栄養素です。妊娠中に特別な意識を持って摂りたい栄養素が、プロセスチーズにはまとめて含まれているわけです。


妊娠中の手軽な補食(間食)として、クラッカーとスライスチーズの組み合わせや、温かいスープにチーズを溶かして飲む形でも取り入れやすいでしょう。妊娠中の栄養管理が心配な場合は、かかりつけの産婦人科や管理栄養士に相談することで、より自分に合った食事プランを立てることができます。


参考:妊婦のチーズ摂取のメリットや安全な種類を医師監修で解説しています。


妊婦のためのチーズ選び:安全な種類と注意点【医師監修】 | ヒロクリニック


ナチュラルチーズとプロセスチーズの見分け方|パッケージのどこを見るか

「スーパーでチーズを買うとき、どれがプロセスチーズかわからない」という声は意外と多いです。ここでは迷わず正しいチーズを選ぶための具体的な確認ポイントをお伝えします。


見るべき場所はただひとつ、パッケージ裏面の「種類別名称」欄です。そこに「プロセスチーズ」と書いてあれば安心して購入できます。「ナチュラルチーズ」と書いてある場合は、基本的に妊婦さんは生食を避けましょう。


種類別名称を確認するだけです。


ただし、先ほどもお伝えしたとおり、原材料名に「ナチュラルチーズ」とあっても問題ありません。プロセスチーズはナチュラルチーズを加熱加工して作るため、原材料欄にナチュラルチーズの記載があることは普通のことです。「種類別名称=プロセスチーズ」であれば、原材料欄は気にしなくて大丈夫です。


代表的なプロセスチーズ商品には以下のものがあります。


- 🏷️ QBBベビーチーズ(六甲バター):種類別名称「プロセスチーズ」明記
- 🏷️ 雪印6Pチーズ(雪印メグミルク):公式サイトでも妊娠中でも安心と明記
- 🏷️ 明治北海道十勝スライスチーズ(明治):プロセスチーズとして製造
- 🏷️ スナックサンドの個包装スライスチーズ類(各社)


外食やデリバリーのピザ・グラタンなどに使われているチーズは種類が確認しにくいこともあります。ただし、十分に加熱されているものであれば、ナチュラルチーズでもリステリア菌は死滅しているため問題ありません。リステリア菌は75℃以上・1分以上の加熱で死滅します。「ちゃんと火が通っているか」が判断のポイントです。


一方で、レアチーズケーキ・カプレーゼ(モッツァレラ生食)・生ハム・スモークサーモンなど「加熱していない乳製品や魚介類」は、妊娠中は避けるほうが安全です。お店で迷った場合は、スタッフに「このチーズは加熱されていますか?」と確認するか、その日は注文を避けるほうが無難でしょう。


参考:管理栄養士監修による妊婦が安全に食べられるチーズの種類と確認方法が詳しく書かれています。


管理栄養士監修|妊婦がチーズを食べてもいい?NGチーズと注意点を解説 | babyco


プロセスチーズを活用した妊娠中の賢いおやつ・食事の取り入れ方

「安全でも、何と組み合わせて食べればいいのかわからない」という方のために、妊娠中のプロセスチーズを無理なく日常に取り入れる方法を紹介します。


妊娠中はつわり・胃の圧迫・血糖値の変動などにより、1回の食事量が少なくなることがよくあります。そのため、1日3食で必要な栄養を補えない場合は、1日2回の補食(間食)を活用して栄養を小分けにとることが推奨されています。この補食タイムにプロセスチーズを上手に使いましょう。


補食が基本です。


おすすめの食べ合わせ例:


| 組み合わせ | 効果 |
|---|---|
| スライスチーズ+全粒粉クラッカー | 炭水化物+タンパク質で腹持ち◎ |
| 6Pチーズ+トマト | カルシウム+リコピンで栄養バランスUP |
| ベビーチーズ+ナッツ少量 | タンパク質・良質な脂質が一緒に摂れる |
| プロセスチーズ入りスープ | 加熱調理で温かく胃に優しい |


つわりがつらい時期には、冷たいままのスライスチーズをそのまま少量食べるだけでも、タンパク質とカルシウムの補給になります。少ない量でも栄養密度が高いのがプロセスチーズの利点です。


妊娠中は食事管理に神経を使いすぎてストレスになることもあります。とはいえ、食の選択を「NG一覧」だけで管理するより、「何を食べたらいいか」を知っておくほうが日々の食事が楽になります。プロセスチーズはその「食べていいもの」リストの中でも手軽さと栄養価のバランスが取れた優秀な食品です。


なお、妊娠中の体重管理や塩分管理が心配な場合は、妊婦健診で担当医や助産師に相談するのが一番確実です。また、管理栄養士による妊娠中の食事相談サービスを提供している産院も増えているため、「自分は何gまで食べていいのか」を個別に確認してもらうのも良い方法です。


参考:厚生労働省によるリステリア菌の感染予防と妊婦が避けるべき食品の情報が掲載されています。


食品中のリステリア・モノサイトゲネス(厚生労働省)




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