油なしで加熱しても、油分の多い食材は耐熱温度を超えて発火することがあります。
レンジスチーマーとは、シリコーンゴムや耐熱プラスチックで作られた電子レンジ専用の調理器具です。蓋付きの構造が蒸気を閉じ込め、食材を短時間で蒸し上げます。鍋や蒸し器とは違い、火を使わず電子レンジだけで蒸し料理・茹で物・煮物まで完成させられるのが最大の特徴です。
シリコーンスチーマーの耐熱温度は約200〜220℃、耐冷温度は-20〜-30℃が一般的です。プラスチック製の保存容器の耐熱温度(120〜140℃程度)より大幅に高く、電子レンジ調理に向いています。一方、直火には対応していないため、コンロでの使用は厳禁です。
形状は大きく「丸型」と「角型」の2種類に分かれます。丸型は深さがあり、スープや煮物系の料理に向いています。角型は底面積が広く、鶏もも肉の一枚など広げて加熱したい食材に最適です。100均(ダイソーやセリア)でも税込550円前後で販売されており、まず試してみたい方にも手が届きやすい価格帯です。
素材の安全性について気になる方も多いかもしれません。食品用シリコーンは食品衛生法の適合品として認められており、通常の使用範囲では有害物質の溶出はないとされています。ただし、油分のみを入れて加熱したり、耐熱温度を超える使い方をすると劣化・発火のリスクがあるため、注意が必要です。
シリコーン製調理器具の安全性テスト結果(福井県消費生活センター)
(上記は福井県のテスト結果で、シリコーンスチーマーの耐熱性や注意事項が具体的に記載されています)
レンジスチーマーを上手に使うための最大のポイントは、「水の量」です。これが意外に見落とされがちなポイントで、水の量を間違えると食材が焦げたり、食感が悪くなったりします。
まず根菜類(じゃがいも・にんじん・かぼちゃ・さつまいもなど)を加熱する際は、必ず水を大さじ1程度加えましょう。水なしで加熱すると食材内の水分が蒸発して乾燥し、しわしわで食感の悪い仕上がりになります。最悪の場合、耐熱温度を超えて焦げたり、スチーマー自体が劣化する原因にもなります。
一方、ほうれん草やキャベツなどの葉物野菜は、洗った後に軽く水を切るだけでスチーマーに入れればOKです。葉物野菜は加熱時間が短く、野菜の表面についた水分だけで蒸気が循環するため、余分な水は必要ありません。水を入れすぎると、せっかくの栄養素が水分に溶け出してしまうことがあります。
水の量が基本です。加熱時間の目安は600Wを基準に以下の通りです。
| 食材 | 分量 | 600W | ポイント |
|---|---|---|---|
| ほうれん草 | 100g | 約1分30秒 | 水気はきって入れる |
| ブロッコリー | 1/2房 | 約1分30秒 | 水大さじ1を追加 |
| にんじん | 100g | 約2分30秒 | 水大さじ1を追加 |
| かぼちゃ | 200g | 約3分30秒 | 水大さじ1を追加 |
| じゃがいも | 200g | 約6分 | 水大さじ1を追加 |
| さつまいも | 1本(300g)丸ごと | 約9分 | 水大さじ1を回しかける |
レンジのワット数が異なる場合は調整が必要です。500Wなら600W時の時間より約1.2倍長く、700Wなら約2割短く、1000Wなら約5割短くするのが目安です。火が通っていない場合は、15〜30秒ずつ追加で加熱するようにしましょう。一気に加熱しすぎるのは避けたほうが安全です。
レンジスチーマーで最も嬉しいレシピのひとつが、鶏むね肉のサラダチキンです。鶏むね肉は100gあたり約108円(2024年時点の目安)とリーズナブルで、高タンパク・低脂質という栄養バランスの良さから、健康志向の主婦に人気があります。
問題は、「パサパサになってしまう」という失敗です。原因は加熱しすぎと余熱を使わないこと。シリコンスチーマーで成功させるコツは、「加熱後すぐに取り出さない」ことです。
作り方の手順を整理します。
砂糖を揉み込むのがポイントです。砂糖には保水性があり、加熱中に水分が逃げにくくなる効果があります。この一手間で、市販のサラダチキンに近いしっとりした食感に仕上がります。
余熱を活用するのが原則です。庫内に5分放置する間も、スチーマー内部の蒸気が食材を包み込み、ゆっくりと火が通ります。この方法でパサパサになりにくくなります。
完成したサラダチキンはカット後に冷蔵保存できます。保存期間の目安は冷蔵で3〜4日程度。小分けにして冷凍すれば約2〜3週間保存でき、お弁当のタンパク源として活用できます。
レンジスチーマーを使っていて「うまく加熱できない」「仕上がりがイマイチ」という経験をしたことはありませんか。よくある失敗のほとんどは、いくつかの基本ルールを守るだけで防ぐことができます。
複数食材を一緒に加熱するときの入れる順番
硬い根菜と柔らかい葉物野菜を同時に入れると、加熱ムラが生じます。根菜は下に、葉物野菜は上に重ねて入れるか、根菜だけ先に加熱してから葉物を追加する方法が有効です。食材の大きさを揃えることも、加熱ムラ防止の基本です。
電子レンジの自動メニューは使わない
シリコンスチーマーを使う際は、電子レンジの自動メニューボタンは使わず、手動で加熱時間を設定するのが原則です。自動メニューは食材の水分量を感知して加熱時間を自動調整しますが、スチーマーと組み合わせると過熱になるケースがあります。
油分の多い食材には注意が必要
ベーコンや脂身の多い肉、バターたっぷりのスイーツ生地など、油分が多い食材を加熱する際は加熱時間を短めに設定しましょう。スチーマーに多量の油のみを入れて加熱するのは厳禁です。耐熱温度を超えて危険なだけでなく、発火・発煙の原因になります。これは注意が必要です。
蓋の開け方に注意する
加熱後すぐに蓋を開けると、高温の蒸気が一気に噴き出してやけどをするリスクがあります。蓋を開ける際は、ミトンや厚手のふきんを使いながら、蒸気が自分の顔や腕にかからない向きでゆっくり開けるようにしましょう。
加熱のやり直しは少量ずつ追加する
火が通っていない場合は15〜30秒ずつ追加加熱が原則です。一気に2〜3分追加すると、食材の外側が過加熱になりやすく、食感が損なわれます。特に鶏肉などのたんぱく質は過熱に弱く、パサパサになる原因になります。
NITE(製品評価技術基盤機構):調理家電の事故事例と注意点
(油分・水分が少ない食材の加熱による発火事故の事例が紹介されています)
「蒸し野菜しか使えない」と思い込んでいる方は損をしています。レンジスチーマーはその名前から「蒸し料理専用」に見えますが、実はパスタ、蒸しパン、ケーキ、さらにはオーブン料理まで幅広く使えます。
🍝 パスタをレンジで茹でる方法
スパゲッティ100g・水250ml・塩小さじ1/4・オリーブオイル小さじ1をスチーマーに入れ、袋の表示時間+2分ほどレンジで加熱するだけです。コンロでお湯を沸かす必要がなく、大きな鍋も不要です。これは使えそうです。水分を吸いながら蒸されるため、もちもちとした食感に仕上がるのも特徴です。なお、2人分(倍量)を一度に作ると吹きこぼれの原因になるため、1人分ずつの調理をおすすめします。
🍞 蒸しパン・ケーキも作れる
シリコーンスチーマーは耐熱温度200℃まで対応しているため、200℃以下のオーブンでも使用できます。つまり、スイーツの型として使えます。ホットケーキミックスを使った蒸しパンなら、電子レンジで約3〜4分加熱するだけで完成します。子どもと一緒に作るおやつとしても手軽で、油を使わないためヘルシーです。
🐟 魚料理も得意分野
切り身魚(鮭・タラなど)の蒸し焼きも、スチーマーの得意料理です。角型を使えば一枚まるごと広げて加熱できます。600Wで約3〜4分が目安で、酒・塩・きのこを一緒に入れると旨みが増します。魚独特の臭みがスチーマー内に残りやすいため、重曹水(水500mlに重曹小さじ1)を入れて1〜2分加熱してから洗うと臭いが取れやすくなります。
独自視点:「温め直し」にも使える
あまり知られていませんが、シリコンスチーマーは残り物の「温め直し」にも活用できます。ご飯をラップなしでスチーマーに入れてレンジで加熱すると、炊きたてに近いふっくら感が復活します。蒸気が閉じ込められるため、電子レンジで直接温めるよりも乾燥しにくいのがメリットです。冷凍ご飯の解凍・温め直しにも同様の効果があります。食費を節約したい方にとっては、食材を余らせず使い切れる点でも重宝します。
| メニュー | 調理時間の目安(600W) | ひとことメモ |
|---|---|---|
| 蒸し野菜(根菜) | 3〜6分 | 水大さじ1必須 |
| サラダチキン | 5分+余熱5分 | 砂糖揉み込みがしっとりの鍵 |
| パスタ(1人分) | 袋の表示時間+2分 | 水250mlと一緒に入れる |
| 切り身魚 | 約3〜4分 | 酒をかけると臭み抑制 |
| 蒸しパン | 約3〜4分 | ホットケーキミックスで簡単 |
| ご飯の温め直し | 約2〜3分 | 蓋をして蒸気で仕上げる |
シリコンスチーマーは買ったはいいが「温野菜しか作っていない」という方も少なくありません。つまり活用の幅は思った以上に広いということです。一度サラダチキンやパスタに挑戦してみると、毎日の料理の段取りが変わります。

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