納豆だと思って毎日食べているのに、テンペの方が食物繊維が約1.7倍も多いと知ったら損した気分になりませんか?
テンペとは、インドネシア語で「tempe」と表記する大豆発酵食品で、同国では400年以上も前から食べられてきた伝統的な国民食です。日本では「インドネシアの納豆」と紹介されることもありますが、実は菌の種類も見た目も食感もかなり異なります。
納豆は「納豆菌(細菌類)」で発酵させますが、テンペは「テンペ菌(クモノスカビ)」というカビの一種を使って発酵させます。これが大きな違いです。発酵後の形状もブロック状に固まるため、糸を引かず、ネバネバしないのが特徴。スライスして焼いたり揚げたりできる、固形の食材として扱えます。
作り方はシンプルで、水煮した大豆にテンペ菌を植え付け、30〜32℃で約24時間ほど発酵させます。発酵が進むと、大豆の表面が白い菌糸に覆われてブロック状に固まります。この白いカビは毒性がなく、安心して食べられます。
つまり大豆+発酵という点では納豆と同じ仲間です。
インドネシアでは肉の代替食品として古くから親しまれており、宗教上の理由で肉を食べない人々にとって欠かせないタンパク源でもありました。近年は欧米でもヴィーガン食として人気が急上昇しており、日本でもスーパーフードとして注目されはじめています。
業務スーパー公式:テンペの紹介ページ(テンペの基本情報・栄養成分値を確認できます)
テンペを理解するうえで、同じ大豆食品である「納豆」や「豆腐」と比べるとわかりやすくなります。日本食品標準成分表(八訂)をもとにした数字で見てみましょう。
| 栄養成分(100gあたり) | テンペ | 納豆 | 木綿豆腐 |
|---|---|---|---|
| タンパク質 | 15.8g | 16.5g | 7.0g |
| 脂質 | 9.0g | 10.0g | 4.9g |
| 食物繊維 | 10.2g | 5.9g | 0.4g |
| カロリー | 180kcal | 190kcal | 72kcal |
タンパク質は納豆とほぼ同水準。これは注目すべき数字です。
一方、食物繊維はテンペが10.2gと、納豆の5.9gに対して約1.7倍、豆腐のなんと25倍以上もの量を含んでいます。食物繊維の1日の目標摂取量は成人女性で17g以上とされていますが(厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020年版」)、テンペを100g食べるだけで目標量の約60%をカバーできてしまいます。
味と香りの面でも大きな違いがあります。納豆はあの独特の匂いと粘りが苦手な人も多いですが、テンペは匂いがほとんどなく、味もあっさり淡泊。きのこのような香ばしさがあり、食べやすい食材です。
豆腐との違いは製法にもあります。豆腐は大豆を豆乳にして凝固させるため、大豆丸ごとの栄養が失われる部分があります。一方テンペは大豆を丸ごと発酵させるため、栄養がほぼそのまま残ります。これが栄養値の差に表れています。
マイナビ農業:テンペとはどんな食べ物?食べ方・作り方・おすすめレシピを紹介(テンペの栄養・納豆との違いを詳しく解説)
テンペはスーパーフードと呼ばれるだけの栄養を持っています。前述のタンパク質・食物繊維に加え、主婦層にとって特に注目したい栄養素が複数含まれています。
まずイソフラボンです。大豆に含まれるイソフラボンは、女性ホルモン(エストロゲン)に似た働きをする成分で、更年期症状の緩和や骨粗しょう症予防に役立つとされています。さらにテンペは発酵によって大豆イソフラボンが体に吸収されやすい「アグリコン型」に変化しているため、豆腐や豆乳よりも体内で利用しやすい状態になっています。これはうれしいポイントですね。
次にビタミンB群。ビタミンB12は通常、動物性食品(肉・魚・卵・乳製品)に含まれる成分ですが、テンペには植物性食品としては珍しくビタミンB群が豊富に含まれています。ビタミンB12は赤血球の生成を助け、貧血予防や疲労回復に効果的です。
腸内環境の改善も期待できます。テンペ菌自体が腸内フローラ(腸内細菌のバランス)に良い影響を与える可能性があり、善玉菌が働きやすい環境を作ると言われています。食物繊維が豊富なことで、腸内の善玉菌のエサにもなり、腸活効果が高い食品です。
| 栄養素 | 期待される効果 |
|---|---|
| イソフラボン | 更年期症状の緩和・骨密度維持 |
| ビタミンB群 | 疲労回復・貧血予防 |
| 食物繊維 | 腸活・便秘解消・血糖値上昇抑制 |
| ミネラル(鉄・亜鉛・カリウム) | むくみ改善・免疫力サポート |
健康効果が高い食品です。
ただし注意点もあります。大豆イソフラボンはサプリメントで過剰に追加摂取すると、ホルモンバランスが乱れる恐れがあると食品安全委員会が指摘しています。1日の安全な摂取上限の目安は75mg(アグリコン換算値)とされており、テンペを食事の一部として適量食べる分には問題ありませんが、イソフラボンサプリを別途飲んでいる方は合わせて注意が必要です。
食品安全委員会:大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A(イソフラボンの安全な摂取量について公式情報を確認できます)
テンペはまだ一般的なスーパーでは取り扱いが少ない食材です。しかし、購入できる場所は確実に増えています。
最も手軽なのは業務スーパーです。インドネシア政府公認のテンペが冷凍で販売されており、450gで約376円(税込・2025年時点)と非常にリーズナブル。450gというのは、木綿豆腐のパック(300g)より一回り大きいサイズ感です。お肉の代替食品として考えると、かなりコストパフォーマンスが高いです。
業務スーパー以外では、自然食品店、アジア食材専門店、またはAmazon・楽天などの通販でも購入できます。健康志向の方向けのECサイトでは、国産大豆を使った国産テンペも販売されています。
保存方法についてはいくつかのポイントがあります。
- 🧊 冷凍保存が基本:テンペは冷凍で購入することがほとんどで、発酵が止まった状態で保存できます
- 🌡️ 解凍は冷蔵庫で自然解凍:前日から冷蔵庫に移しておくのがベスト。電子レンジ解凍も可能です
- ⚠️ 解凍後は早めに加熱調理:解凍後に常温放置すると発酵が再開し、アンモニア臭が出ることがあります。解凍したらその日のうちに使い切るのが原則です
- 🕐 冷蔵保存の場合は2日以内:完成したテンペを冷蔵庫に入れると、48時間程度は発酵を止めた状態で保存できます
冷凍保存が条件です。
なお、購入したテンペから独特のアンモニア臭やアルコール臭がする場合は、発酵が過剰に進んでいるサインです。その場合は食べずに廃棄してください。良いテンペは白い菌糸がしっかり全体を覆い、キノコのような香ばしい香りがします。
業務スーパー公式商品ページ:テンペ(業スーで購入できるテンペの詳細情報)
テンペの最大の魅力のひとつが「料理への汎用性の高さ」です。ほぼ無味に近い淡泊な味なので、どんな味付けにもなじみやすく、肉の代わりにそのまま置き換えて使えます。
加熱方法は「焼く・揚げる・炒める・煮る・蒸す」すべてに対応しています。使うときは冷凍テンペを解凍してから、好みの厚さにスライスまたは角切りにするだけです。
以下に主婦の食卓で活用しやすいレシピをまとめました。
- 🍗 テンペのから揚げ:一口大に切って醤油・みりん・しょうがで下味をつけ、片栗粉をまぶして揚げるだけ。肉そっくりの食感で子どもにも好評です。フライパンで揚げ焼きにすれば油の量を減らせてさらにヘルシーです
- 🥩 テンペのしょうが焼き:薄切りにして生姜焼きのたれで炒めるだけ。お肉の代わりに出しても違和感なし。白いご飯がよく進みます
- 🥗 サラダトッピング:小さくさいの目切りにしてオリーブオイルで焼き色をつけ、サラダの上に乗せる。ドレッシングとの相性が抜群です
- 🍲 煮物や炒め物:大根やこんにゃくと一緒に醤油・みりん・砂糖で和風に煮付けると、コクのある主菜になります
- 🥚 ひき肉の代わりに:崩してそぼろ状にすることで、麻婆豆腐・キーマカレー・餃子の具などにアレンジできます
これは使えそうです。
調理のコツとして、テンペには味がほとんどないため、「しっかりと下味をつける」か「濃いめのたれで仕上げる」ことがおいしく食べるポイントです。特に揚げ焼きや炒め物では、下味をきちんとつけるだけで満足感がぐっと上がります。
また、テンペを主食として使う際に不足しがちな野菜をプラスすることで、栄養バランスのとれた一皿に仕上がります。腸活を意識するなら、わかめやごぼうなどの食物繊維が豊富な食材と組み合わせると、さらに効果的です。
マイナビ農業:テンペのおすすめレシピ5選(テンペのから揚げ・塩麹焼き・酢豚風など具体的なレシピを確認できます)

無添加 テンペ(レトルト・真空パック)100g×2袋 ★ネコポス★納豆嫌いの方も食べられる国産大豆醗酵食材。テンペとはインドネシアでの伝統的な発酵食品で、ゆでた大豆を「こうじ」の一種テンペ菌で発酵させたもの