ケバブ屋台だけがトルコ料理だと思っていると、2,000円以上の夕食を丸ごと損しています。
「世界三大料理」という言葉を聞いたことがある方は多いはずです。フランス料理・中華料理、そしてトルコ料理がその三つですが、「なぜトルコ料理が?」と感じる方は少なくありません。実は選定基準は「おいしさ」ではなく、歴史的・文化的な広がりにあります。
オスマン帝国がヨーロッパ、中東、北アフリカ、西アジアにまたがる広大な領土を持っていた時代、各地の食材や調理技術が宮廷に集まりました。その宮廷料理が発展し、世界に影響を与えたものが「トルコ料理」として評価されているのです。つまり、多様な文化を吸収し昇華させた料理という意味で、三大料理に数えられています。
日本ではトルコ料理といえばケバブのイメージが強いですが、現地では料理の種類が非常に豊かです。前菜を意味する「メゼ」だけでも十数種類、肉料理・野菜料理・スープ・スイーツと幅広く、一度の食事で多彩な皿を楽しめます。これは家族や友人と囲む食文化が根づいているトルコならではの特徴です。
実は、トルコ料理が日本でなじみ薄い大きな理由のひとつは、在日トルコ人の人口が少ないことです。中華料理やインド料理が広まった背景には移民コミュニティの存在がありましたが、トルコ系の人口は日本国内でかなり少数にとどまるため、専門店の数もフランス料理や中華料理と比べると限られています。だからこそ、知っている人だけが得をする穴場的な存在ともいえます。
世界三大料理「フランス・中国・トルコ」なのはナゼ?宮廷料理との関係(JOCRラジオトピ)
東京にはトルコ料理の名店が複数存在しており、エリアによって雰囲気や価格帯もさまざまです。まず押さえておきたいのが、新宿の「ボスボラスハサン」です。
ボスボラスハサン(新宿・市ヶ谷)は、1993年に新宿に1号店を開業した、日本初のハラール認定トルコ料理レストランです。先代オーナーのハサン氏は1987年に来日し、日本とトルコの架け橋になりたいという思いでこの店を始めました。化学調味料を一切使わず、毎日手作りする自家製ヨーグルトを多用したマイルドな味付けが特徴で、毎週木曜日にはベリーダンスショーも行われる異国情緒あふれる空間です。コース料理は3,000円以下のものも揃っており、接待から女子会・誕生日まで幅広い場面に対応しています。
SARAY(サライ/赤坂・銀座・人形町など)は、東京に複数店舗を展開するトルコ料理チェーンの中でも知名度と評判が高いお店です。赤坂店はozmall口コミランキングで長期にわたって1位を獲得しており、コースは2,950円〜と手が届きやすい価格設定が魅力です。銀座店は地下の落ち着いた空間で、4,000〜5,000円程度のコースが充実しています。トルコビールとの相性も良く、前菜の盛り合わせ「メゼ」から始まりケバブをメインに、デザートのトルコ菓子まで一連の食体験が楽しめます。
トルコ料理 アンカラ(渋谷・新宿三丁目)は、渋谷と新宿に店舗を構え、1ドリンク付きの全6品コースが4,999円から楽しめる本格派です。金・土曜日には無料でベリーダンスを鑑賞できるという、食事以外のエンターテインメントも充実しています。日本人の舌に合うよう丁寧に調理されており、初めてトルコ料理を食べる方にも安心して勧められます。
中でも練馬の「ドルジャマフセン」は、食べログの「エスニック百名店」に選ばれた実力派です。トルコ黒海地方出身・イスタンブール育ちのオーナーシェフが腕を振るう正統派の家庭料理が味わえる隠れた名店で、地元常連客も多く通います。都心から少し足を延ばす価値が十分にある一軒です。
「トルコ料理=ケバブ」というイメージは半分正解で、半分損しています。実は、本格的なトルコ料理店でメニューを見ると、ケバブ以外の料理が圧倒的に多いことに気づきます。つまりケバブだけ頼んでいると、トルコ料理の半分しか体験できていないということです。
まず知っておきたいのがメゼ(Meze)です。メゼとは前菜の総称で、ひよこ豆のペースト、焼きナスのサラダ、ヨーグルトとハーブのディップなど多彩な小皿料理が並びます。お店によって4種・6種盛り合わせで1,650〜2,310円ほどの設定が多く、複数人でシェアして食べるスタイルが一般的です。お子さんにも食べやすい味のものが多く、家族連れでも安心して頼めます。
続いて注目したいのがピデ(Pide)です。トルコ風ピザと呼ばれ、舟形に成形した生地の上にひき肉やチーズ、野菜をのせて焼いたものです。生地はふっくらとしており、日本のピザとは一線を画した素朴な美味しさがあります。お子さんも食べやすいメニューとしてファミリーに人気があります。
バクラヴァ(Baklava)は、薄いパイ生地にピスタチオやクルミを挟み、甘いシロップをたっぷり染み込ませたデザートです。甘いものが好きな方なら必食で、トルコでは国民的なスイーツとして親しまれています。日本のトルコ料理店でも提供しているお店が多く、コースの締めとして登場することが多いです。
「どのメニューを頼めばいいかわからない」という場合は、コース料理を選ぶのがおすすめです。コースならメゼからメイン・デザートまで自動的に一通り揃うため、初めての方が全体像をつかむのに最適です。
東京のトルコ料理有名店を予約する際、予算感を知らずに行くと「想定より高かった」「もったいない頼み方をした」というケースが起きがちです。ここでは実際の相場と、より満足度を高める利用のコツをまとめます。
ランチとディナーの価格差は意外と大きいです。SARAYのような人気店ではランチコースが1,000〜2,000円前後で提供されている場合があり、ディナーの2,950円〜のコースと比べるとかなりお得です。初めての利用はランチで試してみるのが賢い選択です。
ディナーのコースは概ね次のような価格帯が目安になります。
予約の際は「ベリーダンスのある曜日か」を確認しておくことをおすすめします。ボスボラスハサンは毎週木曜日、アンカラは金・土曜日にベリーダンスショーを無料で楽しめます。同じ費用でエンターテインメントまで楽しめるかどうかは、曜日によって大きく変わります。これは大きなポイントです。
また、ハラール認定店かどうかも重要な確認事項のひとつです。ハラールとはイスラム法に従って処理・調理された食品を意味しますが、これはイスラム教徒だけが気にすることではありません。ハラール認定店では化学添加物を使用しないことが多く、食物アレルギーや添加物を気にする方にとっても安心して食べられる環境が整っていることが多いです。つまりハラール店は、食の安全にこだわる主婦にとってもメリットがあります。
予約は食べログ・ホットペッパーグルメ・OZmallなどから可能です。特にOZmallではトルコ料理のランキングが定期的に更新されており、口コミと合わせて参考にしやすいです。
OZmall:トルコ料理が美味しいレストラン口コミ人気ランキング(最新版)
「エスニック料理はスパイスが強くて、子どもや夫が食べられるか心配」という声は少なくありません。ただ、トルコ料理はエスニック料理の中でも特に食べやすさと健康面で評価が高い料理です。これは多くの人が知らない大きなメリットです。
まず注目したいのが、化学調味料を使わないシンプルな味付けです。本格的なトルコ料理店の多くは、化学調味料を一切使わず、素材の旨みを生かした調理を行っています。「化学調味料を一切使いません。素材の旨みを活かせばシンプルな味付けでも満足感があります」と語るトルコ人シェフの声は複数の取材で確認されています。うま味調味料に敏感な方や、子ども向けに薄味を意識している家庭には特にうれしい特徴です。
次に、ヨーグルトと野菜の豊富な使用も重要なポイントです。トルコはヨーグルト発祥の地であり、一人あたりの年間消費量は約35kgと世界1位とも言われています。料理にもヨーグルトをソースやあえ衣として多用するため、タンパク質・乳酸菌が自然に摂れる食事スタイルです。また、ナスや豆類・ほうれん草などの野菜を活用した料理も豊富で、肉一辺倒にならないバランスの取れたメニュー構成が特徴です。
さらに、トルコ料理にはオリーブオイルを使ったヘルシーな地中海系の料理も多く含まれます。特にエーゲ地方由来の野菜料理はオリーブオイルのみで仕上げたシンプルなものが多く、カロリーコントロールが気になる方にも向いています。「ダイエット中なのでケバブは太りそう」と思って避けている方は、メゼや野菜料理を中心に選ぶことで十分満足できる食事になります。
トルコ料理は「辛い・クセが強い」と思われがちですが、それは誤解です。実際には子どもから大人まで食べやすい味付けのものも多く、スパイスの使い方も料理によって全く異なります。初めてトルコ料理店に行く際は、スタッフに「辛くないメニューはどれですか?」と一言聞くだけで、スムーズに選べます。
健康的でおいしいトルコ料理に注目!栄養満点の食材の特徴(地球の歩き方)
「東京まで行けないけれど、近所でトルコ料理を食べてみたい」という方も多いはずです。全国のトルコ料理店の現状と、上手な探し方をまとめました。
実は、トルコ料理の専門店は東京都内にも全部で数十軒程度しか存在しておらず、全国に広がっているわけではありません。これは世界三大料理でありながら、日本における存在感の薄さを如実に示しています。ただしここ数年で、大阪・名古屋・札幌・京都などの都市部に本格的なトルコ料理店が少しずつ増えています。注目したいのが意外な穴場です。
秋葉原エリアは「ケバブ激戦区」として知られており、歩けばそこかしこにケバブ店が見つかります。本格レストランとは異なりますが、気軽にドネルケバブを体験するには最適なエリアです。食べ歩きのついでに立ち寄れる手軽さがあります。
全国の本格トルコ料理店を探す際に最も効率的な方法として、次の3つを覚えておくと役立ちます。
また、近くにトルコ料理店がない場合でも、ケバブサンドの専門店はほぼ全国の繁華街に存在します。ドネルケバブのサンドイッチは500〜800円程度で手軽に食べられ、まずトルコ料理の入口として試してみるにはちょうどいい選択です。ケバブから入って、次は本格レストランへというステップアップも楽しみのひとつです。
日本・トルコ協会:おすすめのトルコ料理レストランリスト(東京中心)