冷凍枝豆で作ったずんだ餅は、生の枝豆より甘みが強くなることがあります。
ずんだ餅を作るとき、多くの方が「やっぱり生の枝豆じゃないと美味しくないのでは?」と考えがちです。しかし実際には、冷凍枝豆は収穫直後に急速冷凍されているため、栄養価はほぼ生と同等か、カリウムやカルシウムなど一部の栄養素においては冷凍のほうが高い場合もあります。旬の生枝豆が手に入らない時期でも、安心して美味しいずんだ餅が作れるわけです。
生の枝豆(さやつき300g)を使う場合、茹でてさやから取り出した正味量は約150g前後になります。ちょうどひと握りよりやや多め、というイメージです。一方、冷凍の「むき枝豆」タイプを選べば、さやをむく手間が完全にゼロになります。ただし、市販の塩味つき冷凍枝豆はすでに塩が効いているため、後から加える塩は「ひとつまみ」程度でも十分です。塩が二重になって辛くなりすぎる、というのがよくある失敗です。塩加減が条件です。
また、冷凍枝豆でずんだあんを作るとき、砂糖の量の目安は枝豆の正味量100gに対して砂糖大さじ1〜1.5が基本です。甘さ控えめが好きな方は大さじ1、しっかり甘みが欲しい方は大さじ2を上限の目安にするとよいでしょう。つまり砂糖の量で味の方向性が決まります。
| 種類 | 下処理 | 風味 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|
| 生の枝豆(さやつき) | 茹でる+さやむき+薄皮取り | 香りが強く豊か | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
| 冷凍枝豆(さやつき) | 解凍+さやむき+薄皮取り | やや香りが落ち着く | ⭐⭐⭐⭐ |
| 冷凍むき枝豆 | 解凍のみ | 手軽で十分な風味 | ⭐⭐⭐⭐(時短◎) |
生の枝豆が旬の夏〜初秋には、ぜひ生枝豆で作ってみてください。枝豆本来の青々とした香りと甘みが格段に違い、食べた瞬間に夏の香りが口いっぱいに広がります。一方、オフシーズンの時期は冷凍むき枝豆が強い味方になってくれます。これは使えそうです。
参考:枝豆の栄養・冷凍と生の違いについて(ふるなびグルメ)
https://furunavi.jp/discovery/knowledge_food/202108-green-soybeans/
ずんだ餅の完成度を左右する最大のポイントが、薄皮の処理です。薄皮が残ったままのずんだあんは、食べたときに口の中に皮がひっかかり、せっかくのなめらかさが損なわれます。ただし、薄皮には食物繊維が豊富に含まれているため、「腸活」を意識している方はあえて残す選択もありです。薄皮が原則かどうかは、目的次第ということですね。
薄皮を取り除く最も効率的な方法は、茹でた枝豆を冷水に浸けてから作業することです。冷水に入れることで薄皮がふやけ、指先で軽くつまむだけでつるりと外れやすくなります。また少量ずつ水を張ったボウルに入れ、指でもむように動かすと、薄皮が自然と浮いて取り除けます。あとは上澄みの水ごと薄皮を捨てるだけです。ただしこの方法は水気が残ると仕上がりが水っぽくなるため、取り出したあとはしっかりキッチンペーパーで水分を拭き取るのが必須です。
あんのつぶし加減については、「すり鉢でなめらかに」「フードプロセッサーで時短」「袋の中で叩いてザックリ粗め」の3パターンがあります。
砂糖を加えるタイミングは枝豆がまだ温かいうちが理想です。完全に冷めてしまうとあんが締まってつぶしにくくなるため、温かいうちに一気に混ぜ込むのがコツです。砂糖が溶け込むと、くすんでいた枝豆の色が鮮やかな緑色に変わります。色が変わったら完成のサインです。これが基本です。
参考:枝豆の薄皮に含まれる栄養素について(かまくら農園)
https://kamakura-farm.com/green-soybeans/nutrients-contained-in-thin-skin
ずんだ餅の「餅」部分は、切り餅・白玉だんご・豆腐入り白玉の3種類が定番です。どれを選ぶかで食感も作りやすさも変わります。意外ですね。
切り餅は最も手軽で、買い置きがあればすぐに使えます。鍋でお湯を沸かし、切り餅を半分にカットしてから投入し、やわらかくなるまで茹でます。所要時間は約5〜7分が目安です。茹で上がったらしっかり水気を切り、温かいうちにずんだあんと合わせましょう。冷めると急速に硬くなるため、和えてからすぐ食べるのが大前提です。
白玉だんごは白玉粉50〜60gをぬるま湯で耳たぶ程度のやわらかさに練り上げ、16〜18等分して丸め、沸騰したお湯で茹でます。だんごが浮き上がってきたらさらに1〜2分待って引き上げ、冷水に取って締めます。切り餅より冷めても比較的やわらかさが保てるのがメリットです。冷えても食べやすいのが利点ですね。
豆腐入り白玉は、白玉粉100gに絹ごし豆腐120gを混ぜ込んだアレンジ版で、豆腐の水分が加わることでもっちりなめらかな食感になります。翌日でも弾力が落ちにくいというメリットがあり、作り置きをする方にも向いています。豆腐の量は豆腐の水分量によって微調整が必要で、耳たぶくらいのやわらかさを目安に加えてください。
切り餅でずんだ餅を作る場合、食べる10〜15分前に冷蔵庫で軽く冷やすと、熱々すぎず枝豆の風味がより感じやすくなります。ただし冷やしすぎは禁物で、冷蔵庫に入れる時間は最大15分まで。それ以上冷やすと餅がかなり固くなって食べにくくなります。冷やす時間が条件です。
ずんだ餅はできたての温かい状態が最もおいしい食べ物です。枝豆の青々とした香りが温度によって引き立ち、あんの自然な甘みと塩味のバランスも最高の状態になります。しかし実際には、一度に全部食べきれないことも多いはずです。保存方法を知っておくと安心です。
ずんだあん(ずんだ餅のあんだけの状態)は、冷蔵保存であれば密閉容器に入れて当日〜翌日中が食べごろです。あんを作って餅と和えた状態で置いておくと、餅が水分を吸ってふやけてしまうため、あんと餅は食べる直前に合わせるのが原則です。あんと餅は分けて保存するのがコツです。
長期保存したい場合は冷凍が便利です。ずんだあんを小分けに密閉袋に入れて冷凍すれば、約1カ月間おいしさを保てます。食べるときは冷蔵庫で自然解凍か、電子レンジで少しずつ温めると風味が戻ります。ただし電子レンジで温める際は、出力200Wで30秒ずつ様子を見るのがポイントで、高出力で一気に加熱すると水分が飛んであんが固くなります。200Wが原則です。
盛り付けのひと工夫として、器に餅を並べた上からたっぷりずんだあんをかけ、最後に黒ごまや枝豆の実をひとつ飾るだけで見た目がぐっと和菓子らしくなります。また、アイスクリームをプラスしてずんだあんをトッピングするのも絶品で、和×洋の組み合わせは夏のデザートとして子どもにも大人気です。いいことですね。
参考:餅の保存・柔らかくする方法(農林水産省)
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2001/spe2_04.html
ずんだ餅の主役・枝豆は、和菓子の中でもトップクラスの栄養密度を持つ食材です。これは多くの方が意識していない点ではないでしょうか。枝豆100gあたりには約11gのタンパク質が含まれており、これは同量の牛乳の約3倍以上に相当します。主婦の食卓でよく使われるタンパク源として、非常に優秀な食材です。
枝豆に含まれるイソフラボンは100gあたり約10mgで、女性ホルモン(エストロゲン)と似た働きを持つことが知られています。更年期症状の緩和や骨粗しょう症の予防効果が期待されており、とくに40代以降の女性には積極的に取り入れたい成分です。1日の大豆イソフラボンの目安摂取量は40〜50mgとされているため、枝豆だけで補いきれるわけではありませんが、毎日の食事にプラスする価値は十分にあります。
また、枝豆に含まれるアミノ酸の一種「メチオニン」と豊富なビタミンB1・B2は、アルコール分解を助ける役割があるとも言われており、居酒屋で枝豆がおつまみとして出されてきた理由はまさにここにあります。ビタミンB1は糖質代謝を助けて疲労回復にも効果的です。食育的な観点から見ても優れた食材といえます。
一方で、ずんだ餅1個あたりのカロリーは約39kcal(重さ約20g)ほどです。3個食べても約117kcalで、一般的なケーキ1切れ(300〜400kcal程度)と比べると大幅にカロリーが低く、おやつとしてのコスパは非常に良い食べ物です。つまり罪悪感が少ないおやつです。砂糖を控えめにして作ることで、さらにカロリーを抑えることもできます。ダイエット中の方でも楽しみやすいのは大きなメリットです。
ずんだ餅はただの和菓子ではなく、女性の健康を支える栄養素を自然に摂れる、理にかなったおやつです。手作りすることで砂糖の量や塩分量を自分でコントロールできるのも、市販品にはない大きな強みです。これが手作りの最大のメリットです。
参考:枝豆の栄養・イソフラボンについて(農畜産業振興機構)
https://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/yasai/0809_yasai1.html