蓋を閉めて保温すると、甘酒は一切甘くなりません。
甘酒には大きく2種類あります。ひとつは「酒粕甘酒」、もうひとつは「米麹甘酒」です。酒粕甘酒はアルコールを含むため、子どもや妊婦さんには不向き。一方、炊飯器で手軽に作れる米麹甘酒はアルコール0%で、砂糖も不要です。自然な甘みだけで仕上がる点が、主婦に選ばれる大きな理由になっています。
「飲む点滴」という言葉を聞いたことはありませんか? 米麹甘酒には、ブドウ糖・アミノ酸・ビタミンB群(B1、B2、B6、ナイアシン)・オリゴ糖・食物繊維など、体に必要な栄養素がバランスよく含まれています。これらの成分が点滴に使われる成分に近いことから、この呼び名が定着しました。
| 成分 | 期待できる効果 |
|---|---|
| ブドウ糖 | 脳・体のエネルギー源。素早く吸収され疲労回復に◎ |
| ビタミンB群 | 代謝促進・美肌・疲れにくい体づくり |
| 必須アミノ酸9種 | 細胞修復・髪・肌の健康維持 |
| オリゴ糖・食物繊維 | 腸内環境の改善・便秘予防 |
| ビオチン | アレルギー症状の緩和・皮膚・髪のケア |
栄養価が高い一方で、カロリーもあります。米麹甘酒100mlあたり約80kcalと、コーラ(約45kcal)より高めです。1日の目安はコップ1杯(100〜200ml)が原則です。
参考として、甘酒の効果・栄養について詳しく解説された信頼性の高いページはこちらです。
甘酒の効果効能|栄養豊富で美容・便秘・血糖値改善も【管理栄養士監修】 – かわしま屋
材料はシンプルに3つだけ揃えれば大丈夫です。
布巾と温度計も用意しましょう。温度計は100円ショップでも購入できます。
作り方の手順:
ここで多くの方が見落としがちなのが、ステップ4の「蓋を開けたまま」という部分です。炊飯器の保温モードは機種によって70〜75℃前後に達します。蓋を閉めた状態では庫内温度が上がりすぎてしまい、麹の酵素が失活してしまいます。布巾で熱を適度に逃がすことが、甘酒作りで最も重要な工程です。温度管理が基本です。
乾燥麹を使う場合は、水と混ぜてから30分ほど置いておくと麹粒が柔らかくなり、よりなめらかに仕上がります。もち米を使う場合は、普通の白米よりもとろみと甘みが強い仕上がりになるので、お好みで試してみてください。
甘酒づくりで最も失敗しやすい原因は、温度の管理ミスです。麹が出す酵素「アミラーゼ」は、でんぷんをブドウ糖に変える働きをします。この酵素が最もよく働く温度帯が57〜60℃です。
問題は炊飯器の保温モードの温度。機種によっては70〜75℃に設定されているものも多く、蓋を閉めたまま保温すると庫内はあっという間にこの温度を超えてしまいます。65℃以上になると酵素が失活し始め、70℃を超えると糖化はほぼ止まります。結果として「甘くならない甘酒」が出来上がります。厳しいですね。
では、どうやって温度を保てばよいのでしょうか? 手軽な方法として、濡れ布巾を炊飯釜にかぶせつつ蓋を開けた状態で保温します。布巾の濡れ具合や開け具合で温度が変わるので、最初の1〜2時間は温度計で確認しながら調整するのがおすすめです。
温度が下がりすぎた場合は一度蓋を閉めて50〜60℃に上げ、達したらすぐ蓋を開けて布巾をかぶせ直せば問題ありません。温度計があると安心です。100円ショップや料理用品コーナーで手に入るスティック型の料理用温度計(300〜500円程度)があれば、最初の失敗を防ぐのに大いに役立ちます。
甘酒作りの温度管理についてさらに詳しく知りたい方はこちらも参考になります。
麹甘酒を作るときの発酵温度と温度管理のポイントをわかりやすく解説 – Koji is Friends
せっかく作った甘酒、正しく保存しないと数日で傷んでしまいます。手作り甘酒の保存は3つの方法から選べます。
① 冷蔵保存(1週間以内)
できあがった甘酒は、消毒した清潔な密閉容器に移して冷蔵庫へ。冷蔵庫の中でも発酵は少しずつ進むため、使う分だけ清潔なスプーンで取り出しましょう。雑菌が入り込むと傷みが早まるので、直接口をつけてスプーンや計量スプーンを容器に戻すのはNGです。冷蔵1週間が基本です。
② 冷凍保存(3か月以内)
たくさん作ったときは冷凍保存が便利です。製氷皿や小分けのジッパー袋に入れて凍らせておくと、使いたい分だけ取り出せます。ひとつのキューブがちょうどひと口サイズ(約30ml)になるので、朝のスムージーに加えたりと使い勝手が格段によくなります。
③ 解凍する際の注意点
冷凍した甘酒の解凍は、電子レンジではなく冷蔵庫での自然解凍がベストです。電子レンジで解凍すると加熱ムラが生じ、一部が70℃以上になって酵素が壊れてしまうことがあります。冷蔵庫で3時間程度、常温なら約1時間で解凍できます。
| 保存方法 | 期間の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 冷蔵保存 | 約1週間 | 清潔な密閉容器・スプーン使用 |
| 冷凍保存 | 約3か月 | 製氷皿や小分け袋で使いやすく |
| 火入れ後・冷蔵 | 2〜3週間 | 80℃程度で10分加熱して発酵を止める |
なお、甘酒が茶色く変色することがありますが、これはメイラード反応(アミノ酸と糖が反応する現象)であり、健康への影響はありません。ただし、緑やピンクのカビが見えたり、焦げたような異臭がする場合は飲まずに廃棄しましょう。変色なら問題ありません。
手作り甘酒は「飲む」だけでなく、料理の砂糖代わりに使うとグッと活用範囲が広がります。これは使えそうです。
甘酒に含まれる「プロテアーゼ」という酵素は、肉や魚のたんぱく質を分解する働きがあります。そのため、漬け込み調理に使うと食材がふっくらやわらかく仕上がります。砂糖の代わりに使う場合は、砂糖大さじ1に対して甘酒大さじ1.5〜2が目安です。
🍳 料理への活用アイデア:
特に気温が下がる寒い季節は、甘酒ラテや甘酒入りのお味噌汁として取り入れると、身体がポカポカ温まり腸活効果も期待できます。逆に夏場は凍ったキューブをそのままスムージーに加えるのが便利です。
甘酒を日常的に取り入れたい場合は、1日の適量である100〜200mlを守ることが大切です。健康に良いからと大量に飲んでしまうと、糖質・カロリーのとりすぎになります。200mlの甘酒には約160kcal・糖質約40gが含まれており、コップ2〜3杯飲むとご飯1膳分(約250kcal)に近いカロリーになります。毎日コップ1杯が条件です。
甘酒を砂糖代わりに料理活用する方法の詳細はこちらが参考になります。