カルシウムをいくら飲んでも、マグネシウムが足りないと骨は丈夫になりません。
マグネシウムとは、体に欠かせない「必須ミネラル」のひとつです。体内では骨や歯の約50〜60%に存在し、残りは筋肉・脳・神経など全身の細胞に分布しています。
特に注目すべきは、マグネシウムが体内で300種類以上の酵素の働きを助けている点です。エネルギーをつくり出す代謝から、神経伝達、筋肉の収縮・弛緩まで、広範な生命活動の「縁の下の力持ち」として機能しています。つまり、ひとつでいくつもの役割をこなす栄養素なのです。
また、マグネシウムはカルシウムと深い関係があります。この2つのミネラルは互いに作用し合い、筋肉の収縮を制御しています。カルシウムが筋肉を「縮める」方向に働くのに対して、マグネシウムは「緩める」方向に働きます。バランスが崩れると、筋肉が過度に収縮してしまうため、夜中に足がつる「こむら返り」の原因になりやすいのです。
マグネシウムが多い食品とは、主に以下のカテゴリに分類されます。
| 食品カテゴリ | 代表的な食品例 | 特徴 |
|---|---|---|
| 🌊 海藻類 | あおさ・わかめ・ひじき・焼きのり | 圧倒的に含有量が多い |
| 🫘 豆類・大豆製品 | きなこ・納豆・木綿豆腐・油揚げ | 日常使いしやすい |
| 🌾 未精製穀類 | 玄米・全粒粉パン・そば・キヌア | 食物繊維も豊富 |
| 🥜 種実類 | ごま・アーモンド・くるみ・カシューナッツ | 少量でも効率よく補える |
| 🐟 魚介類 | 干しエビ・あさり・しらす・きんめだい | 肉類より含有量が多い |
マグネシウムは「水溶性」の性質を持つミネラルです。加熱しても壊れませんが、水に溶け出しやすいという特徴があります。そのため、ゆで汁を捨ててしまうとせっかくのマグネシウムが流れ出てしまいます。味噌汁やスープなど汁ごと食べられる調理法が、最も効率よく摂取できる方法です。これが基本です。
参考リンク(マグネシウムの働きと1日の摂取基準・食品含有量について/公益財団法人長寿科学振興財団)。
マグネシウムの働きと1日の摂取量 | 健康長寿ネット
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」によると、30〜64歳の女性に必要な1日のマグネシウム推奨量は290mgです。妊娠中はさらに40mgが追加で必要になります。
では実際の摂取量はどうでしょうか。令和元年の国民健康・栄養調査では、日本人の1日の平均マグネシウム摂取量は247.1mgでした。推奨量には届いておらず、多くの人が不足気味な状態です。
特に女性は注意が必要です。男性の場合は推奨量370〜380mgに対して摂取量が243〜249mg程度で約130mgの不足、女性は推奨量280〜290mgに対して推定摂取量が205〜219mgと、約80mgも不足しているという数字が出ています。これは深刻な状態といえます。
なぜここまで不足するのか、主な理由は「食生活の半欧米化」と「精製食品の普及」です。玄米が白米になると、精製の過程でマグネシウムを含む糠(ぬか)が除去されてしまいます。
不足しているかを確認するには、日頃の体の変化がヒントになります。「夜中に足がつる」「なんとなくイライラする」「便秘気味が続いている」といった症状は、マグネシウム不足のサインである可能性があります。いくつかの症状が重なるようなら要注意です。
参考リンク(マグネシウム不足と生活習慣病リスクについて:日本経済新聞の健康記事)。
マグネシウムが慢性的に不足すると、体にはさまざまな不調があらわれます。最初に気づきやすいのは筋肉の異常です。マグネシウムは筋肉を「緩める」役割を持つため、不足すると筋肉が収縮したまま戻りにくくなります。その結果として起こるのが、こむら返りや筋肉のけいれんです。
「夜中に足がつって目が覚めた」という経験のある方は少なくないはずです。これはマグネシウム不足のサインかもしれません。長期的に不足が続くと、より深刻な影響が出てきます。
マグネシウム不足が関係するとされる主な健康への影響は次のとおりです。
「カルシウムを飲んでいるから骨は大丈夫」と思いがちですが、それは誤解です。マグネシウムが不足していると、ビタミンDをうまく活性化できないため、いくらカルシウムを摂っても骨に届きにくくなります。結論はカルシウムとマグネシウムをセットで意識することが条件です。
理想的なカルシウムとマグネシウムの摂取比率は「2対1」とされています。牛乳や乳製品でカルシウムを摂りつつ、豆類や海藻でマグネシウムも同時に確保する食事設計が、骨を守る最もスマートな方法です。
参考リンク(マグネシウムとカルシウム・ビタミンDの関係について)。
食べて、浸かって、補える!マグネシウム健康法 | かがやきクリニック
実際の食卓で活用するために、食品ごとの含有量を「1食あたりの現実的な量」で確認しましょう。100gあたりの数値だけでは、日常の感覚とズレが生じやすいため、実際に使う量に換算することが大切です。
| 食品名 | 1食の目安量 | マグネシウム量 | 摂取しやすさ |
|---|---|---|---|
| 🌿 カットわかめ(乾) | みそ汁1杯分:2g | 約9mg | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
| 🟤 きなこ | 大さじ1:6g | 約16mg | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
| 🫘 糸引き納豆 | 1パック:50g | 約50mg | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
| ⬜ 木綿豆腐 | 半丁:150g | 約85mg | ⭐⭐⭐⭐☆ |
| 🍚 玄米ごはん | 茶碗1杯:150g | 約74mg | ⭐⭐⭐☆☆ |
| 🌰 アーモンド(いり無塩) | 10粒:15g | 約47mg | ⭐⭐⭐⭐☆ |
| 🦐 干しエビ | 大さじ1:6g | 約31mg | ⭐⭐⭐⭐☆ |
| 🥬 ほうれん草(生) | 1株:20g | 約14mg | ⭐⭐⭐⭐☆ |
この表を見ると、1食で推奨量290mgを一気に達成するのは難しいことがわかります。毎食少しずつ、複数の食品から分散して摂ることが重要です。
たとえば「納豆ごはん(玄米)+わかめのみそ汁」という定番の和食の朝食だけで、マグネシウムを約130mg以上確保できます。これは推奨量の約45%に相当します。残りを昼・夕食の豆腐料理やアーモンドのおやつで補えば、無理なく推奨量に近づけます。これは使えそうです。
一方で、白米・食パン・鶏胸肉・サラダチキン・プロセスチーズといった「加工度の高い食品だけ」で食事を構成すると、マグネシウムはほとんど摂れません。現代の食生活がそうなりがちなことが、慢性的な不足の背景にあります。玄米や全粒粉など精製度の低い穀類を意識して取り入れることが原則です。
知識として理解しても、毎日の料理に落とし込めないと意味がありません。ここでは「特別な食材を買わずに今日から実践できる」方法を紹介します。
ポイント①:味噌汁に海藻をプラスする
みそ汁の具にわかめやひじきを加えるだけで、マグネシウム摂取量が大幅に増えます。カットわかめは保存も効き、家計にも優しい食材です。乾燥わかめを2g(みそ汁1人分)入れるだけで約9mg摂れます。しかも汁ごと飲むので、水に溶け出したマグネシウムも余さず取れます。
ポイント②:白米に玄米や雑穀を混ぜる
白米100gのマグネシウムは約19mgですが、玄米100gは約49mgと2.5倍以上の差があります。最初から全量を玄米に変えるのはハードルが高く感じるかもしれませんが、白米に2〜3割の玄米や雑穀を混ぜるだけで効果的です。市販の「十六穀米」などを活用すると手軽に始められます。
ポイント③:おやつをアーモンドやくるみに変える
スナック菓子をひとつかみのアーモンドやくるみに変えるのは、マグネシウム補給の手軽なワザです。アーモンド10粒(15g)で約47mgものマグネシウムを摂れます。これはコンビニでも手軽に入手できる食品です。ただし、食べすぎるとカロリーが高くなるので、1日25〜30g(アーモンド約20粒)程度を目安にしましょう。
ポイント④:大豆製品を1日1回は食卓に出す
納豆・豆腐・きなこ・油揚げ・みそは、どれもマグネシウムが豊富な大豆製品です。1日1回いずれかを食卓に取り入れる習慣をつけるだけで、不足を防ぎやすくなります。
ポイント⑤:調理法は「汁ごと食べる」を意識する
マグネシウムは水溶性のため、ゆで汁や煮汁に溶け出しやすい性質があります。ほうれん草をゆでてお浸しにするのは一般的な調理法ですが、その際にゆで汁を捨ててしまうと相当量のマグネシウムが失われます。スープや汁物に具材をそのまま使う「煮込む」「蒸す」「炒める」調理法の方が、マグネシウムを損なわずに摂取できます。加熱しても壊れない点が、マグネシウムの扱いやすさです。
なお、補給を食事だけで賄うのが難しいと感じる場合は、マグネシウムサプリメントを補助的に使う方法もあります。ただし、通常の食品以外からのサプリメント摂取には成人1日350mgという上限量があります。過剰摂取になると下痢を引き起こすことがあるため、摂取量の確認が必要です。また腎機能が低下している方は特に注意が必要なので、不安な場合はかかりつけ医に相談することをおすすめします。
参考リンク(マグネシウムを多く含む食品ごとの含有量と1食あたりの摂取量について)。
マグネシウムが多い食べ物まとめ|分類別おすすめ食品と1日の摂取量 | ふるなびコラム

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