片栗粉を入れすぎると、赤ちゃんのおやきがゴムみたいに固くなって食べてくれなくなります。
離乳食後期(生後9〜11ヶ月頃)になると、赤ちゃんは自分で食べ物をつかんで口に運ぼうとする「手づかみ食べ」を始めます。この動作は、目・手・口を連動させる複雑な動きで、脳の発達を助けることが多くの専門家に指摘されています。ところが、おかゆのようにドロドロした食べ物は形を保てず、手づかみ食べには向きません。
そこで注目されるのが「おやき」です。おやきは適度な固さがあり、小さな手でもつかみやすい形に作れるため、手づかみ食べの練習に最適です。崩れにくいのでテーブルや床への食べこぼしも少なく、後片付けが楽になります。
レトルト離乳食(ベビーフード)を使ったおやきには、さらに大きな利点があります。具材をまな板で刻む工程がゼロになり、食材への加熱も済んでいるため生焼けの心配がありません。月齢に合った味つけと栄養バランスも整っています。これは時短です。
パウチや瓶タイプのベビーフードは、月齢ごとに「5ヶ月〜」「9ヶ月〜」「12ヶ月〜」と対象年齢が明記されています。おやき作りに使う際も、必ずお子さんの月齢に合った商品を選ぶことが原則です。
特に手づかみ食べの観点から、管理栄養士の多くが9ヶ月以降の離乳食後期から取り入れることを推奨しています。「パクパク期」(1歳〜1歳6ヶ月頃)になると、より積極的に手づかみ食べをさせると食の自立につながります。
おやき作りで最も多いお悩みが「うまく固まらない」「逆に固くなりすぎた」という失敗です。その原因のほとんどは、粉の分量にあります。
基本の黄金比はシンプルです。レトルト離乳食1袋(約80g)に対して、薄力粉または片栗粉を大さじ1(約9g)まで。これはベビーフードの量に対して1割程度が目安です。粉を入れすぎるとゴムのような弾力が出てしまい、食感と味が著しく悪くなります。
薄力粉と片栗粉の使い分けについても知っておくと便利です。
| 粉の種類 | 食感の特徴 | おすすめ場面 |
|---|---|---|
| 薄力粉(小麦粉) | 軽めでほろっとした食感 | 標準的なおやきに向いている |
| 片栗粉 | もちもちとした食感 | ごはん系のベビーフードと相性が良い |
| 米粉 | サラッと溶けるような食感 | 小麦アレルギーがある子に最適 |
片栗粉だけで作るともちもちしすぎる場合があるため、片栗粉と薄力粉を半々で混ぜる方法もよく使われます。クックパッドで紹介されているレシピでは「ベビーフード1袋に対して片栗粉山盛り1杯、薄力粉山盛り2杯」という目安を挙げているものもあります。
基本の作り方(3ステップ)
生地の固さの目安は「耳たぶよりほんの少し柔らかい」程度です。持ち上げたときにもったりする感覚がベストです。硬すぎると感じたら、少量の水を加えて蒸し焼きにするとちょうどよい仕上がりになります。
ごはん入りのベビーフード(グーグーキッチンなど)はご飯の粘度があるためまとまりやすく、おやき初挑戦の方に特におすすめです。反対に、水分が多いスープ系や固形感の強いハンバーグ系は生地がまとまりにくいため、おやきには向きません。これが基本です。
ベビーフードおやきをズボラに作る方法(粉の割合・焼き方のコツ)
おやきは作り置きして冷凍ストックできるのが大きなメリットですが、衛生面のルールを守らないと赤ちゃんの健康リスクにつながります。
まず、「食べ残しを後でまた食べさせよう」という行為は衛生上NGです。赤ちゃんが口をつけた食べ残しには菌が増殖しやすく、冷蔵・冷凍しても菌が完全に消えるわけではありません。厚生労働省のガイドラインでも、開封後のレトルト離乳食はなるべく早く(1時間以内を目安に)食べさせるか冷凍するよう推奨されています。痛いところですね。
冷凍保存の正しい手順は以下の通りです。
解凍後の再冷凍は絶対にしないでください。雑菌が増える原因になります。
冷凍前に「まとめてラップに並べて冷凍し、凍ったらフリーザーバッグに移す」という方法も実践するママが多く、1個ずつ取り出しやすくなるのでおすすめです。
なお、電子レンジで解凍する際は「ラップなし」で加熱すると蒸気がこもらず、食感が損なわれにくいです。おやき全体が均一に温まっているか確認してから与えるようにしましょう。
ベビーフードを活用する際の留意点について(厚生労働省・PDF)
レトルト離乳食だけで作るおやきは手軽ですが、特定の栄養素が不足しがちです。離乳食後期から完了期にかけて赤ちゃんは母乳や育児用ミルクからの鉄分が減るため、食事から意識的に鉄分を補う必要があります。鉄分不足は貧血につながり、発育に影響を及ぼす可能性があります。
おやきに足すと栄養価がアップする食材を覚えておきましょう。
和光堂の「赤ちゃんのやさしいおやきミックス 鶏レバーとかぼちゃ」(70g・約311円)は、2個分(10g)あたり鉄0.43mg・カルシウム26mgが含まれており、おやきのベースとして使えるうえ鉄分・カルシウム補給が同時にできる便利な商品です。不足しがちな鉄分対策が1つで済みます。これは使えそうです。
ちなみに、豆腐を使う場合は水切りの手間を省きたいなら「木綿豆腐」より「絹ごし豆腐」をキッチンペーパーで軽く包んで10分置くだけでOKです。じゃがいもやさつまいもを加えると生地がまとまりやすくなるため、粉が少量でも形が崩れにくくなるという利点もあります。
手づかみ食べデビューに!ベビーフードのアレンジで簡単おやきの作り方(たべぷろ)
ある日突然、いつも食べていたベビーフードをまったく口にしなくなる——これは多くのママが経験する「食べない壁」です。実はこのタイミングが、おやきアレンジを試す絶好のチャンスです。形・食感・温度を変えるだけで、同じ食材でも赤ちゃんの反応が大きく変わることがあります。
特に効果的なのが「甘みの足し算」です。野菜系のベビーフードに、ゆでて潰したさつまいも(60g程度)を混ぜ込むと自然な甘みが加わり、食べ渋っていた子が口を開けるケースが多く報告されています。さつまいもはラップで包んでレンジで加熱するだけで準備できます。
また「形の工夫」も有効です。一般的な丸型だけでなく、星型・ハート型のクッキー型で抜くと見た目が華やかになり、1歳前後の赤ちゃんの食欲をかき立てることがあります。ただし生地が柔らかすぎると型抜きが難しいので、少しかためのタネを作るのがコツです。
「まとめて1枚焼いてカットする」方法はさらに時短になります。生地を薄く広げてフライパンに入れ、1枚のクレープ状に焼いてからハサミや包丁でカットします。包丁を使う場合は断面がきれいですが、ハサミだとベタベタするためこの方法では包丁を使うのがポイントです。
バナナ・いちごなどのフルーツ系ベビーフードを使ったデザートおやきも人気があります。おやつとして与える場合はキユーピーの「バナナといちご」(35g)などを米粉と豆腐と混ぜて焼くと、甘みと栄養のバランスが取れた手づかみおやつになります。おやつ感覚で食べてくれるのでいいことですね。
食べる意欲を育てることは、将来の偏食予防にもつながると言われています。「食べない」を叱ったり無理に食べさせようとするより、形・温度・盛り付けをひと工夫して楽しい雰囲気を作ることの方が長い目で見て効果的です。焦らず続けることが条件です。
余ったベビーフードでおやきを作ろう!レシピと上手に作るポイント(ファーストスプーン)