旬の露地野菜を「旬の盛り(出盛り期)」に買うと、走りの時期より栄養価が3〜5倍も高くなることがあります。
「露地野菜」とは、ビニールハウスや温室などの施設を使わず、屋外の畑でそのまま育てた野菜のことです。太陽の光、風雨、寒暖差といった自然の環境をそのまま受けながら育つため、野菜本来の力が引き出されやすいのが大きな特徴です。
一方で「ハウス栽培(施設栽培)」は、ビニールハウスや温室の中で温度・湿度・日射量などをコントロールしながら育てる方法です。季節に関係なく一年中出荷できる点が強みですが、生産にかかるエネルギーコストは、露地栽培の旬の野菜と比べて数倍から10倍近くになることもあると報告されています(環境市民「食でできる省エネ」より)。
つまり、露地野菜です。
では、消費者にとってのメリットはどこにあるのでしょうか? 大きく分けると次の3点です。
- 🌿 味が濃い・おいしい:自然環境のストレスにさらされた野菜ほど、風味や甘みが増す傾向があります。
- 💊 栄養価が高い:旬の露地野菜はビタミン類などの含有量が大幅に上がります(詳しくは次のセクションで解説)。
- 💴 価格が安い:旬の時期は大量に収穫できるため、市場価格が下がりやすくなります。
スーパーの売り場では「〇〇産・露地もの」と記載されていることがあります。これが目印です。ただ、表示が統一されているわけではないため、季節の目安を知っておくことが最大の武器になります。
金沢市「露地栽培とハウス栽培の違いって?」(農業の基本知識として参考)
「旬のものは体にいい」とよく聞きますが、実は数字で裏づけられています。これは意外ですね。
カゴメが管理栄養士監修のもとまとめたデータによると、旬の時期のトマトは、旬でない時期のものと比べてβ-カロテンの含有量が約2倍も高いことが確認されています(女子栄養大学調べ)。さらに、農林水産省が管轄する農畜産業振興機構のデータでは、トマトのカロテンは最大月の7月が最小月(11月)の約2倍、にんじんは最大月(6月)が最小月(1月)の約2.5倍、ブロッコリーに至っては最大月(3月)が最小月(8月)の約4倍にも達するとされています。
ほうれん草についても同様で、日本食品標準成分表2020年版(八訂)では「夏採り」と「冬採り」で成分値が分けて記載されるほど、季節による栄養差が顕著です。冬採りほうれん草のビタミンCは夏採りの約3倍。旬が条件です。
また、宮城県大和町の食育資料によると、野菜の「出盛り期(旬の盛り)」の栄養価は「走り(旬の最初)」の3〜5倍にも達するとされており、旬のピークを狙って買うことがいかに大切かがわかります。
栄養と価格が一致しているのも重要なポイントです。旬の時期は大量に出荷されるので価格も下がります。たとえば農林水産省の調査では、旬の夏(8月第1週)のトマトは1kgあたり527円だったのに対し、秋(10月第1週)は831円と、1kgあたり304円もの差がありました。まとめて買って調理・冷凍すれば、食費の節約にもつながります。これは使えそうです。
カゴメ「野菜の栄養価と価格、旬と旬以外の時期でどれくらい違うの?」(管理栄養士監修・栄養データ参照)
春(3〜5月ごろ)は、冬の寒さを乗り越えた野菜や、暖かくなって一斉に芽吹く野菜が旬を迎えます。「新〇〇」とついた野菜が多く出回る季節でもあります。
以下が代表的な春の露地野菜です。
| 野菜名 | 旬の時期 | 特徴 |
|---|---|---|
| 🌿 アスパラガス | 4〜6月 | 甘みが強く、アスパラギン酸が豊富。露地物は春だけの楽しみ |
| 🥬 春キャベツ | 3〜5月 | 巻きがゆるく葉が柔らかい。冬キャベツより水分が多くみずみずしい |
| 🌰 たけのこ | 3〜5月 | 掘りたては生でも食べられるほど柔らかく、えぐみも少ない |
| 🧅 新玉ねぎ | 3〜5月 | 辛みが少なく甘い。生で食べられる早生品種 |
| 🥔 新じゃがいも | 3〜6月 | 皮が薄く、水分が多い。皮ごと調理できる |
| 🫛 そら豆 | 4〜6月 | 鮮度が命で、収穫後24時間で旨みが落ち始める |
| 🫛 スナップエンドウ | 4〜6月 | 甘みが強く、さやごと食べられる |
| 🌸 菜の花 | 2〜4月 | ほろ苦さが春の風味。β-カロテンやビタミンCが豊富 |
春野菜の多くは、糖質が少なく消化に優しいのが特徴です。冬の間に使わなかった体を春に向けて切り替えるうえで、ちょうどいい食材が揃っています。
とくにそら豆は鮮度が命です。収穫後は急速に風味が落ちるため、産地直売所や農家直売ルートで手に入れると、スーパーとはまったく別物の味を体験できます。スーパーで買う場合は、さやが緑色で張りのあるものを選びましょう。
キューピー「野菜の旬」食育ページ(季節別の主な野菜リスト参照)
🌞 夏の露地野菜(6〜8月ごろ)
夏は、南国原産の実もの野菜が一斉に旬を迎えます。体を冷やす働きのある野菜や、ビタミンCを大量に含む野菜が多く、夏バテ対策に役立ちます。
| 野菜名 | 旬の時期 | 特徴 |
|---|---|---|
| 🍅 トマト | 7〜8月 | 露地物のβ-カロテンはハウス栽培の旬外れより2倍多い |
| 🥒 きゅうり | 6〜8月 | 水分が95%以上。体温を下げる効果がある |
| 🍆 なす | 7〜9月 | アントシアニンが豊富。「夏なす嫁に食わすな」の言葉があるほど旬の味が良い |
| 🫑 ピーマン | 7〜8月 | ビタミンCはレモンより多い。加熱しても壊れにくい構造 |
| 🌽 とうもろこし | 7〜8月 | 収穫後に急速に糖が落ちるため、当日か翌日までに食べるのが理想 |
| 🥬 ゴーヤー | 7〜9月 | 苦みのモモルデシンが血糖値を抑える効果があると研究で指摘されている |
| 🫘 枝豆 | 7〜8月 | 大豆の若採りで、収穫後数時間で甘みが落ちる |
| 🟠 かぼちゃ | 7〜9月 | 夏に収穫し、秋まで追熟させると甘みが増す。β-カロテン豊富 |
🍂 秋の露地野菜(9〜11月ごろ)
秋は根菜類が充実してきます。冬に向けて栄養を蓄えた野菜たちで、保存性が高いのも特徴です。
| 野菜名 | 旬の時期 | 特徴 |
|---|---|---|
| 🥕 にんじん | 10〜12月 | 秋〜冬が旬。β-カロテンが最も多く、油と合わせると吸収率がアップ |
| 🍠 さつまいも | 9〜11月 | 収穫後1〜2ヶ月ほど熟成させると甘みが増す |
| 🫚 ごぼう | 10〜1月 | 食物繊維が野菜の中でもトップクラス |
| 🌰 里芋 | 9〜11月 | ぬめり成分のガラクタンが免疫力向上に関与するといわれる |
| 🍄 しいたけ | 10〜11月 | 秋と春の2回旬がある。干すとビタミンDが大幅に増加 |
❄️ 冬の露地野菜(12〜2月ごろ)
冬は、寒さによって甘みが増す野菜が特においしくなります。霜に当たった大根や白菜は糖度が上がるため、露地栽培ならではのおいしさが際立ちます。
| 野菜名 | 旬の時期 | 特徴 |
|---|---|---|
| 🌿 ほうれん草 | 11〜2月 | 旬(冬)のビタミンCは夏の3倍。鉄分・葉酸も豊富 |
| 🥦 ブロッコリー | 11〜3月 | カロテンは3月が8月の約4倍。スルフォラファンに抗がん作用の研究あり |
| 🥬 白菜 | 11〜2月 | 霜に当たると甘みが増す。kg単価が年間で最も安い野菜のひとつ |
| 🫚 大根 | 10〜2月 | 冬の大根は水分が多く甘い。消化酵素ジアスターゼが豊富 |
| 🟤 れんこん | 11〜2月 | 穴の数は8〜9個が一般的で、レンコン1節は鉄分が1日の推奨量の約20% |
| 🌿 春菊 | 11〜3月 | 独特の香りの精油成分が自律神経を整える効果があるといわれる |
| 🧅 長ねぎ | 11〜3月 | 白い部分のアリシンが血行促進・疲労回復に役立つ |
霜に当たると甘みが増すが基本です。冬野菜を選ぶときは、産地情報で露地物かどうかを確認してみてください。
All About「今安い野菜は?野菜の安い時期を知って美味しく食費節約!」(季節別価格の参考情報)
スーパーに行くと、野菜の旬の始まりである「走り(はしり)」の時期から、その野菜が陳列されます。しかし実は、走りの時期の野菜は量が少なく価格が高め、そして栄養価もまだ最高ではありません。
最も賢い買い方は、旬の「盛り」(出盛り期)を狙うことです。盛りの時期は、流通量が最大になるため価格が最も安く、栄養価も最高に達します。前述のように、走りと比べて栄養価が3〜5倍になるとするデータもあるほどです。旬の「盛り」が条件です。
では、盛りの時期を知るためにはどうすればよいでしょうか? 以下のポイントが役立ちます。
- 📌 価格が急に下がったときが盛りのサインです。トマトであれば、旬のピーク(7〜8月)は他の月より明らかに安くなります。
- 📌 店頭に大量に積まれたときも盛りのタイミング。旬の盛りは出荷量が増えるため、仕入れが多く、棚が埋まります。
- 📌 産地表示が変化したときも見逃せません。春キャベツであれば、千葉→神奈川→長野・北海道と産地が北上していくに連れて盛りも移動します。
また、旬の盛りに大量に買い込んで冷凍保存するのも賢い方法です。たとえばほうれん草は、さっと茹でて小分け冷凍すれば1ヶ月ほど保存でき、栄養価もほぼ維持されます。きのこ類も生のまま冷凍することで旨み成分(グアニル酸など)が増加するという研究結果があります。
露地野菜の保存の基本として、葉物は湿らせたキッチンペーパーで包んでポリ袋に入れ、野菜室に立てて保存するのが鉄則です。根菜は土付きのまま新聞紙に包んで冷暗所に保管するのが最適で、冷蔵庫より常温の涼しい場所のほうが向いているものも多くあります。さつまいもやじゃがいもなどのいも類は特に、5℃以下になると低温障害を起こして味が落ちるため、冷蔵庫には入れないのが原則です。
なお、旬の露地野菜を手に入れるもうひとつの方法として「産直サービス」も活用できます。坂ノ途中やらでぃっしゅぼーや、食べチョクなど各社が、生産者から直接届く旬の野菜セットを提供しており、スーパーでは手に入らない少量多品種の露地野菜を味わうことができます。
農林水産省「トマトまるごとまるわかり!」(露地栽培と旬の関係について詳しく掲載)
ここまでの内容を一枚のカレンダー形式でまとめます。月ごとに旬の盛りを迎える露地野菜の目安として活用してください。
| 月 | 旬の盛りを迎える主な露地野菜 |
|---|---|
| 1〜2月 | ほうれん草、白菜、大根、長ねぎ、ブロッコリー、春菊、れんこん |
| 3〜4月 | 菜の花、春キャベツ、たけのこ、アスパラガス、新玉ねぎ |
| 5〜6月 | そら豆、スナップエンドウ、新じゃが、きゅうり(初夏) |
| 7〜8月 | トマト、なす、ピーマン、とうもろこし、枝豆、ゴーヤー、きゅうり |
| 9〜10月 | かぼちゃ(追熟後)、里芋、さつまいも、しいたけ(秋) |
| 11〜12月 | 大根、白菜、にんじん、ごぼう、れんこん、長ねぎ、ほうれん草 |
このカレンダーはあくまで関東・近畿基準の目安です。北海道や東北では各野菜の旬が1〜2ヶ月ほど後ろにずれます。また、温暖化の影響で旬がずれてきている野菜もあるため、実際の店頭価格と照らし合わせて確認するのが一番確実です。
旬カレンダーを冷蔵庫に貼っておくだけで、毎日の買い物が変わります。これだけ覚えておけばOKです。
月に一度、旬の野菜を調べてから買い物リストを作るという習慣は、食費節約の面でも非常に効果的です。旬の野菜を中心に献立を立てることで、食費を月4万円以下に抑えている家庭の実践例も紹介されています(Yahoo!ニュース エキスパート・家計節約記事より)。
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