手作り白あんは砂糖の量が市販品の約半分に抑えられます。
白あんを作るとき、最初に迷うのが「どの豆を使えばいいか」という点です。実は大きく分けて2種類の豆が選択肢になります。
ひとつ目は「手亡豆(てぼうまめ)」で、これが白あんの王道原料です。インゲン豆の一種で、粒がはがきの横幅(約10cm)の約1/10ほどの小粒。主に北海道で栽培されており、和菓子専門店の白あんにも使われています。つまり本格的な白あんを作るなら手亡豆が基本です。
ふたつ目は「白花豆(しろはなまめ)」で、一粒がそら豆くらいの大きさがある大粒タイプです。スーパーの乾物コーナーで見かけることが多く、手亡豆より入手しやすいため、初心者の方や手作りに初挑戦する主婦の方にはこちらが取り組みやすいでしょう。仕上がりは少しクリーミーな味わいになります。
手亡豆はスーパーよりも製菓材料店や通販での入手が確実です。富澤商店(TOMIZ)や cotta のオンラインショップでは100g単位から購入可能なので、初めて使う場合は少量から試してみると無駄になりません。
| 豆の種類 | 粒の大きさ | 入手しやすさ | 仕上がりの特徴 |
|---|---|---|---|
| 手亡豆 | 小粒(小豆程度) | 製菓店・通販向き | 上品でさっぱりした甘み |
| 白花豆 | 大粒(そら豆程度) | スーパーで買える | クリーミーでコク深い |
| 白いんげん豆 | 中粒 | スーパーでも可 | バランスのよい甘み |
製菓材料の専門通販サイトで手亡豆や白花豆が購入できます。少量から試せるのが便利です。
白あん作りの成否を分けるのは、なんといっても「下処理」の丁寧さです。下処理をしっかり行うことで、皮むきが格段に楽になります。
まず白花豆や白いんげん豆は、たっぷりの水に一晩(12時間以上)浸けます。この浸水中に豆が2倍ほどに膨らみますので、大きめのボウルを使うことが重要です。「寝る前にセットして翌朝使う」というリズムが一番取り組みやすいでしょう。冷蔵庫が推奨ですが、冬場なら常温でも問題ありません。
浸水が十分にできていると、豆の皮が浮いてきたり、指で軽く押すだけでツルンと皮がむけるようになります。爪で軽く傷をつけると皮がめくれやすいのでコツとして覚えておいてください。皮むきが思うようにできないときは、浸水時間が足りていないケースが多いです。
皮をむいた豆は「ゆでこぼし」を2回行います。たっぷりの水から沸騰させて1〜2分煮たあとにお湯を捨て、再び新しい水で同じ作業を繰り返します。これによって豆の渋みやえぐみが抜け、きれいな白いあんに仕上がります。下処理が肝心です。
辻調理師専門学校の実習でも、白花豆は「白い豆の方が時間がかかる」とされており、小豆の倍近い時間を見ておくことが大切です。焦って短時間で仕上げようとするとあんが粉っぽくなるので注意しましょう。
辻調理師専門学校 受講生日記「白花豆で白漉し餡に挑戦」(プロが白花豆の下処理・煮方について詳しく解説)
豆が十分に柔らかく煮えたら、次は裏ごしと砂糖の量の決め方です。ここが白あんの甘さを左右するパートです。
まず柔らかく煮えた豆をザルに移し、水をかけながらお玉でつぶして皮を取り除きます。このとき出てきた豆のペーストを布巾(さらし)に入れて水気を絞った状態が「生あん」です。この生あんの重量に対して、砂糖をどのくらい加えるかがポイントになります。
一般的な目安は生あんの重量の60〜80%程度の砂糖を加えることです。たとえば生あんが400gであれば、砂糖は240〜320gが標準量となります。ただし、市販の白あんには生あんの重量と同量以上の砂糖が使われているケースも多いため、自分で作ると砂糖の量を大幅に抑えられるのが手作りの大きなメリットです。砂糖を減らすことで健康的になります。
砂糖を加えたら弱火で木べらを使ってひたすら混ぜながら練ります。焦げ付きやすいので鍋底から丁寧に混ぜ続けるのが原則です。「木べらですくい落としたときに先がとがった山型になる」くらいの硬さが、和菓子にも使えるちょうどよい固さの目安になります。
砂糖を一度に全量入れると溶けきらないことがあります。2〜3回に分けて加え、そのつど十分に混ぜると均一に仕上がります。これは使えそうです。熱いうちに飛びはねることがあるので、ミトンや軍手を使って作業するのをおすすめします。
デリッシュキッチン「料理の基本!白あんの作り方」(裏ごし〜練りの工程を動画つきでわかりやすく解説)
白あんはまとめて作ると、冷凍保存することで長期間使いまわすことができます。毎回一から作る手間を省けるのが最大のメリットです。
冷凍保存の基本的な方法は、あんが冷めてからラップで1回分ずつ(約50〜100g)小分けに包み、ジップ付き保存袋にまとめて入れて冷凍庫に入れるというやり方です。冷凍庫での保存期間の目安は約1ヶ月です。それ以上になると風味が落ちてくるので、作ったらなるべく1ヶ月以内に使いきるのが理想です。
注意点として、熱いうちに鍋に入れっぱなしにすると余熱で底の部分が固くなりすぎてしまいます。バットや別の容器に薄く広げて粗熱をとり、乾燥を防ぐためにラップや濡れ布巾をかけておくことが重要です。これが条件です。
また、冷蔵保存の場合は3〜5日程度が目安です。砂糖が少ない手作り品は保存性が市販品より低いため、冷蔵でしばらく使う場合も密閉容器に入れて保存し、雑菌が入らないようにスプーンは清潔なものを使いましょう。
まとめて白花豆800gで作ると、仕上がりの白あんはおよそ1.2〜1.5kgほどになります。冷凍庫に50g×20〜30個ぶんが入れられる計算で、いちご大福なら1個に使うあんが約30〜40gなので、30〜50個分のストックが作れます。意外な量です。
白あんのよいところは、素材の味が淡白で「色のつかない土台」として機能することです。普通の小豆あんと違い、白あんは様々なフレーバーや色素を加えてもきれいに発色します。
もっともポピュラーな活用法はいちご大福ですが、白あんの真骨頂はむしろ「フレーバーあん」のベースとして使うことです。たとえば白あん100gに対して抹茶パウダー小さじ1を混ぜれば抹茶あんに、ほうじ茶粉末を加えればほうじ茶あんに変身します。ほかにもインスタントコーヒー(少量)を混ぜればコーヒーあん、練りごまを加えるとごまあんになります。
あまり知られていない使い方として、白あんをパウンドケーキやクッキーに練り込む方法があります。白あんを入れることで砂糖の量を減らしながら、しっとりした食感と豆の風味が加わります。バター100gに対して白あん100〜150gを使い、通常の砂糖を半量以下に減らすだけで、ヘルシーで和風の焼き菓子に仕上がります。
白あんを使った和洋折衷スイーツは、SNSでも非常に人気があります。特に「白あんクリームチーズケーキ」は砂糖を白あんで代替することで甘さと豆の風味を同時に楽しめると話題になっており、作り方もフードプロセッサーで材料を混ぜて冷やし固めるだけと、ほぼ火を使わない点が支持されています。手作りすると市販の白あんを100g単位で購入(100g約200〜300円)するよりも、豆から作れば白花豆250g(100〜150円程度)から仕上がり白あん400〜600gが得られるため、コストが約1/3以下に抑えられる計算になります。つまり節約にもなります。
デリッシュキッチン「白あんを使った人気レシピ20選」(まるごとみかん大福・練り切りなど動画レシピを網羅)