脂質がブロイラー比約40%なのに、パサつかずジューシーな肉汁が出ます。
「奥久慈しゃも」という名前を聞いたことはあっても、普通の地鶏と何が違うのか、よくわからないという方は少なくありません。一言で言うと、奥久慈しゃもは茨城県北部の奥久慈地方でのみ生産が認められた、国のお墨付きを持つブランド地鶏です。
2018年12月27日、農林水産省の「地理的表示(GI)保護制度」に、鶏としては日本で初めて登録されました。これはワインのブルゴーニュや松阪牛と同じ仕組みで、産地・品種・生産方法が厳格に管理されていることの証明です。GI登録によって、基準を満たさない偽物の「奥久慈しゃも」が市場に出回ることを防いでいます。つまり「本物を買える保証」がある鶏、ということですね。
血統については、茨城県内で系統選抜された闘争性の低い軍鶏種(オス)と、名古屋コーチン×ロードアイランドレッドの交配種(メス)を掛け合わせて生まれた地域特有の交配品種です。昭和50年代に大子町の有志たちが茨城県の技術協力のもとで育種研究を始め、昭和60年(1985年)に本格販売がスタートしました。
飼育期間の長さも特筆すべき点です。一般的なブロイラーは約50日で出荷されますが、奥久慈しゃもはオスで最低110日以上、メスで最低130日以上かけてじっくり育てます。これはブロイラーの約3倍にあたる期間で、飼育期間が100日を超える地鶏は全国でも比内地鶏など数種類しかありません。
| 比較項目 | 奥久慈しゃも | 一般ブロイラー |
|---|---|---|
| 飼育期間 | オス110日以上・メス130日以上 | 約50日 |
| 飼育密度 | 1㎡あたり10羽以下(平飼い) | 規定なし |
| 脂質 | ブロイラー比 約40% | 基準値 |
| カロリー | ブロイラー比 約80% | 基準値 |
| GI登録 | あり(鶏では日本初) | なし |
飼料も一般の鶏とは異なります。動物性タンパク質を一切使わず、穀物や青菜を中心に、ヨモギなどの滋養成分や海藻由来の天然ミネラルを配合した低カロリーの専用飼料を給与しています。その結果、脂質はブロイラーの約40%、カロリーは約80%と非常にヘルシーな肉質に仕上がります。ヘルシーが基本です。
1988年(昭和63年)には「全国特殊鶏(地鶏)味の品評会」で全国10種の地鶏の中から第1位に選ばれ、さらにミシュランガイド東京2017年版でも食材として高く評価されています。「料亭の食材」という印象がありますが、今は公式通販から自宅に届けてもらえます。これは使えそうです。
参考:鶏としては日本初のGI登録の詳細は農林水産省の公式ページで確認できます。
奥久慈しゃもを通販で購入する方法は大きく3つあります。それぞれに向き不向きがあるので、目的に合わせて選ぶのがポイントです。
まず一番のおすすめは、農事組合法人 奥久慈しゃも生産組合の公式オンラインショップ(okukuji-shamo.jp)です。生産者直販のため品質が安定していて、商品ラインナップも明快です。主な商品と価格は下記の通りです。
すべて冷凍でクール便配送です。生産組合直販ならではの鮮度と安心感があります。
次に、楽天市場やYahoo!ショッピングでの購入もよく使われるルートです。楽天市場だけで170件以上の出品があり、水郷のとりやさんや食肉本舗などの専門店がラインナップを揃えています。焼き鳥串セット(30本)や正肉セット約1kg〜1.2kgなど、業務用サイズの商品も多く、ポイントが貯まる点がメリットです。
3つ目はふるさと納税の活用です。茨城県大子町などの自治体がお礼の品として奥久慈しゃもを提供しており、寄付額5,000円〜24,000円程度で様々なセットが選べます。
ふるさと納税は税控除の効果があるため、実質的な自己負担は最低でも2,000円という仕組みです。奥久慈しゃもを定期的に取り寄せる場合、節税しながら地域を応援できるのがメリットです。年末に向けて利用上限を確認してから注文するのが賢い使い方といえます。
参考:公式ショップの商品一覧と最新価格はこちらで確認できます。
通販で奥久慈しゃもを注文する際に迷いやすいのが「どの部位を選ぶか」という点です。スーパーで鶏肉を買う感覚で「もも肉でいいか」と選んでしまうと、しゃもの本来の魅力を引き出せないこともあります。部位ごとの特徴を知っておくと、失敗なく選べます。
もも肉(正肉スライス)は奥久慈しゃもの中で最も人気が高い部位です。適度に脂がのりながらも筋肉質で引き締まった食感があり、親子丼・焼き鳥・照り焼きなど幅広い料理に使えます。メスのもも肉は脂のバランスが良く、初めて購入する方に特に向いています。
骨付きブツ切りは、スープに深みが出る出汁重視の調理に向いた部位です。骨からしっかりしたコクのあるスープが取れるため、水炊き・シチュー・うどんのつゆなどに最適です。鍋が基本です。骨のまま長時間煮込むと、一般的な鶏ガラとは比べものにならない濃厚な出汁が出ます。ただし骨が入っているため食べにくい面もあるので、スープ目的と割り切って使うのもよい選択です。
正肉1羽セットはもも・むね・ささみ・手羽などが入ったセットで、奥久慈しゃも全体の風味を一度に楽しめます。メスの1羽セット(850g)は、5〜6人分程度の料理に対応できる量です。正肉は「1人前150g」が目安なので、家族4人なら600gが目安となります。
焼き鳥串は手軽に食べられる加工品で、自宅でフライパンや魚焼きグリルを使って焼けます。奥久慈しゃも本来の弾力ある食感をシンプルに楽しめます。
食感についても補足しておくと、奥久慈しゃもは一般の鶏肉と比べて明らかに歯ごたえが強く、皮もプリプリではなくキュッキュッとした噛み応えがあります。「やわらかい鶏肉が好き」という方には少し驚く食感かもしれませんが、それが本来の地鶏らしい美味しさです。意外ですね。
参考:奥久慈しゃもの特性と飼育方法の解説はこちら。
通販で届く奥久慈しゃもはほぼ冷凍品です。解凍や調理の方法を間違えると、せっかくの肉質が損なわれてしまいます。ここでは失敗しないための具体的な手順をまとめます。
解凍の鉄則は「前日から冷蔵庫で」です。食べたい日の前夜か当日の朝に、冷凍庫から冷蔵庫に移して自然解凍します。電子レンジで解凍すると肉の繊維が壊れ、せっかくの弾力と肉汁が失われてしまいます。電子レンジは厳禁です。急ぐ場合は流水かぬるま湯につけて解凍する方法が次善策です。解凍後はキッチンペーパーで水気をしっかりふき取り、その日のうちに調理しましょう。
また、まれに鶏の産毛が付いていることがあります。見つけた場合はピンセットで取り除くか、バーナーや火であぶってから調理します。生産者が手をかけて育てた証といえますが、気になる方は事前に確認するとスムーズです。
水炊きに使う場合の手順については、少しひと手間を加えるだけで仕上がりが変わります。まず普通の鍋で沸騰したお湯に肉を入れてアクを出し切り、一度取り出して冷水で洗います。そのあと土鍋に戻して酒・塩こしょうを加えて中火で煮込むと、濁りの少ないクリアな旨味スープになります。スープが半分程度に煮詰まったタイミングで塩で味を整えると、しゃもの旨味が凝縮した一杯が完成します。
親子丼に使う場合は、もも肉スライスを1人前150g目安で準備します。だし(昆布と鰹で取ったもの)100cc、醤油・みりん各大さじ2、砂糖小さじ2を煮立てた中にそぎ切り肉と長ネギを入れ、肉に火が通ったら溶き卵を回し入れて半熟で仕上げます。しゃもの締まった肉質と半熟卵のコントラストが絶品です。卵も奥久慈しゃもの有精卵を使うと、より深みのある親子丼に仕上がります。
冷凍品の賞味期限は約1年間が目安です。まとめ買いしておいても余裕を持って使い切れる点は嬉しいですね。
一般的な記事ではあまり触れられていませんが、奥久慈しゃもの「低脂質・低カロリー」という特性は、家庭の食卓で積極的に活かせる大きなメリットです。
ブロイラーと比べて脂質が約40%・カロリーが約80%という数値は、ダイエット中の方や家族の健康を気にする主婦にとって実質的なメリットになります。一般的な鶏もも肉100gのカロリーが190kcal程度なのに対して、奥久慈しゃも(メス)は150kcal前後に抑えられます。毎日食べるものではないにせよ、「ご馳走感があるのにカロリーが低い」という特性は家庭料理として非常に使いやすい特徴です。
価格面で気になる方も多いはずです。正肉1羽セット(850g)が5,345円ということは、100gあたり約629円です。スーパーの国産鶏もも肉(100gあたり100〜200円前後)と比べると高く感じますが、料亭やレストランで食べると1人前2,000〜3,000円になる素材です。自宅で調理すれば4人家族が十分に楽しめて、コストパフォーマンスはむしろ高いと言えます。
また、骨付きブツ切りを使って出汁を取り、複数の料理に活用するという「出汁の二次利用」は特におすすめの使い方です。骨付きセット(1kg)から取ったスープは、水炊き→雑炊という流れで2回分以上の食事に使えます。このスープを冷凍ストックしておくと、翌日以降のうどんや卵雑炊の出汁として大活躍します。捨てる部分がほとんどないのも奥久慈しゃものメリットです。
さらに、ふるさと納税で奥久慈しゃもを申し込む場合は、複数の品物をまとめて申し込むより、一度に一品ずつ試してから増やす方が賢明です。部位によって食感や向いている料理が異なるため、まず正肉スライスで試してから、骨付きブツ切りに挑戦するという順序をおすすめします。ふるさとチョイスなどのサイトで大子町を検索すると、奥久慈しゃも生産組合の複数の返礼品が一覧できます。
料理の幅という点でも、しゃも鍋・親子丼・唐揚げ・焼き鳥・塩焼き・コンフィと、奥久慈しゃもは「煮ても焼いても美味しい」のが最大の特長です。特に出汁を活かす料理(鍋・うどん・雑炊)は、一般的な鶏肉では出せない深みが生まれます。これが奥久慈しゃもを一度食べたら忘れられないと言われる理由です。
参考:ふるさとチョイスで大子町の奥久慈しゃも返礼品を探す場合はこちら。
ふるさとチョイス|農事組合法人奥久慈しゃも生産組合の返礼品一覧