玄米より"鉄分が吸収されやすい"のに、玄米派の人ほど知らずに損しています。
テフ(Teff)は、エチオピアやエリトリアを原産地とするイネ科スズメガヤ属の古代雑穀です。粒の大きさは長さ約1mm、幅0.8mmほどしかなく、白ごまのさらに数分の一というほどの極小サイズ。「世界最小の穀物」と呼ばれています。
名前の由来はエチオピアの公用語・アムハラ語で「見失う」という意味の「Teffa」から来ており、一度床に落とすともはや見つけられないほど小さいことにちなんでいます。その小ささのために精製(外皮を取り除く工程)ができず、必然的に全粒のまま食べることになります。これは栄養面で大きなアドバンテージです。
テフは3,000メートル級の高地や痩せた土地でも育つほど生命力が強く、エチオピアでは2014年時点で302万ヘクタールもの耕作面積があり、650万世帯以上の農家が生産しているとされています。とうもろこしに次ぐ主食として国民の食生活を支えてきた歴史ある食材です。
テフ粉(テフフラワー)とは、このテフの粒を全粒のまま製粉したものです。つまり精製せずに丸ごと挽いているため、外皮や胚芽に集中する栄養素がそのまま残ります。これが基本です。
近年、欧米のスーパーフードブームやグルテンフリー志向の高まりを背景に、日本国内でも自然食品店やネット通販を中心に流通するようになりました。日本スーパーフード協会が2016年にニューフェイススーパーフードTOP10の2位に選出したことで、国内での認知度も急速に上がっています。
テフ粉の栄養価やグルテンフリー特性についての詳しいデータは、以下のサイトでも確認できます。
栄養素の詳細比較と研究データが掲載されています。
What is Teff ? テフってなんですか? | トレンドオンライン
テフ粉を語るうえで欠かせないのが、その栄養価の高さです。小粒であるにもかかわらず、鉄・カルシウム・亜鉛・ビタミンB群・食物繊維・必須アミノ酸9種類・必須脂肪酸(オメガ3・オメガ6)がすべて含まれています。「小さな巨人」と称されるゆえんです。
特に注目すべきは鉄分です。テフ100gあたりの鉄分は7.6mgで、ほうれん草の約8.4倍という数値です。さらに精白米と比べると約9.5倍、小麦と比べると約15倍にもなります。これは使えそうです。
カルシウムも見逃せません。テフ100gには180mgのカルシウムが含まれており、これは牛乳の約1.6倍に相当します。穀物同士で比べると、精白米のなんと36倍、小麦の9倍です。骨粗しょう症や動脈硬化が気になる年齢層にとっても、意識的に摂りたい栄養素が揃っています。
| 栄養素 | テフ(100g) | 精白米(100g)比 | ほうれん草・牛乳比 |
|---|---|---|---|
| 鉄分 | 7.6mg | 約9.5倍 | ほうれん草の約8.4倍 |
| カルシウム | 180mg | 約36倍 | 牛乳の約1.6倍 |
| 食物繊維 | 8.0g | 約16倍 | ごぼうの約1.3倍 |
| タンパク質 | 13.3g | — | 豆腐の約2倍 |
| 亜鉛 | 3.6mg | 約2.6倍 | ほたて(貝柱)の約2.4倍 |
特に注目したいのは食物繊維の多さです。テフ100gあたり8.0gの食物繊維が含まれており、「食物繊維が豊富」で知られるごぼうの約1.3倍です。さらに、テフには「レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)」も含まれており、テフ1粒に最大40%ものレジスタントスターチが含まれているといわれています。
レジスタントスターチは小腸では分解されず大腸まで届くため、腸内環境の改善に役立ちます。腸活が気になる方には特に嬉しい成分です。
なお、テフはフィチン酸の影響を受けにくいという特徴があります。フィチン酸とは玄米などの穀物の外皮に含まれるもので、鉄分の吸収を妨げる働きをします。玄米を健康のために食べていても、鉄分の吸収が阻害されてしまうことがあります。テフはその心配が少ないため、鉄分をしっかり摂りたい方には特に向いています。
日本女性の約40%、月経のある20~40代では約65%が「鉄欠乏性貧血」または「かくれ貧血」とされるデータがあります。日々の食事に取り入れやすいテフ粉は、このような女性にとって強い味方になり得ます。
テフ粉の大きな特徴のひとつが、グルテンを一切含まないことです。グルテンとは、小麦・大麦・ライ麦などの穀物に含まれるたんぱく質の一種で、パンやうどん、パスタのもちもち感を生み出す成分です。
グルテン過敏症やセリアック病の方はもちろん、腸内環境を整えたい方にとっても、グルテンを避けることは意味があるとされています。健康的な平均年齢約30歳の男女10人にグルテンフリーを1ヶ月間実践させた研究では、グルテン除去によって腸内の有用な菌が変化するという結果も報告されています(Br J Nutr. 2009)。グルテンフリーを始めるなら、栄養補完の観点からもテフ粉は理想的な選択です。
つまり、小麦粉を減らしながら栄養は増やせる、ということです。
小麦粉との違いを整理するとこのようになります。
| 比較項目 | 小麦粉 | テフ粉 |
|---|---|---|
| グルテン | あり | なし |
| GI値 | 高い | 低い |
| 鉄分 | 少ない | 小麦の約15倍 |
| カルシウム | 少ない | 小麦の約9倍 |
| 発酵力 | イーストなど必要 | 自然発酵が可能 |
GI値(グリセミックインデックス)とは、食べ物が血糖値を上昇させるスピードの指標です。国連食糧農業機関(FAO)がテフを低GI食品と認定しており、精白米や小麦(パン)とは対照的に血糖値の上昇が緩やかです。糖質が気になる方にとっても注目したい食材です。
小麦粉との風味の違いについても触れておきます。テフ粉は焙煎したナッツのようなほのかな甘みと香ばしさがあります。キヌアの苦みやアマランサスのえぐみに比べてクセが少なく、初めての方でも扱いやすい粉です。和食・洋食を問わず馴染むので、料理の幅は広がります。
グルテンフリー食品についての詳細な情報はこちらも参考になります。
テフはグルテンフリー|テフってなんですか? | トレンドオンライン
テフ粉は小麦粉や米粉の代替として、製菓・製パン・料理に幅広く活用できます。料理に取り入れやすいのが嬉しいところです。
ただし、グルテンを含まないため小麦粉と同量に置き換えると食感が変わることがあります。基本的には全量置き換えよりも、小麦粉や米粉と半々にブレンドするところから始めるのがおすすめです。
🥞 パンケーキ・クレープ
薄焼きの生地はテフ粉との相性抜群です。テフ粉を小麦粉の1/2量に置き換えるだけで、香ばしさとしっとり感が増したヘルシーパンケーキになります。
🍫 ブラウニー・クッキー
しっとり仕上げる焼き菓子はテフ粉が特に活きるジャンルです。チョコレートとの相性も良く、小麦粉ゼロのグルテンフリーブラウニーが作れます。材料は以下のとおりです。
- テフ粉(ブラウン) 50g
- チョコレート 100g
- 全卵 100g
- 無塩バター 70g
- グラニュー糖 30g
- ココアパウダー 10g
- ナッツ(お好みで) 適量
🍚 ごはんに混ぜて炊く
最も手軽な使い方のひとつが、テフの粒(グレイン)を白米に1〜2割混ぜて炊く方法です。テフ粉でも同様に活用でき、味への影響がほぼないため家族全員に受け入れられやすいです。
🥣 スムージーにプラス
テフ粉をスムージーに大さじ1〜2ほど加えるだけで、食物繊維・鉄分・タンパク質を手軽に補えます。朝食にちょい足しする習慣にすると継続しやすいです。
🫕 みそ汁・スープのとろみ
テフ粉を少量加えることで自然なとろみがつきます。和食のみそ汁や洋風スープにも馴染みやすく、栄養価のアップに使えます。
料理ジャンルを問わず使えるのが、テフ粉の強みです。まずはパンケーキやスムージーから試してみるとハードルが低く、続けやすいです。
テフを使ったさまざまなレシピについては、農林水産省関連メディアの解説も参考になります。
スーパーフード「テフ」とは?味や使い方、保存方法までわかりやすく解説 | マイナビ農業
テフ粉を日常的に使い続けるには、購入時の選び方と正しい保存方法を知っておくことが大切です。知らないと損することが意外とあります。
🔍 テフ粉の選び方
市販のテフ粉には「ブラウンテフ」と「ホワイトテフ」の2種類があります。
| 種類 | 色・香り | おすすめ用途 |
|---|---|---|
| ブラウンテフ | やや濃い色・香ばしさ強め | チョコ系スイーツ・パン |
| ホワイトテフ | クリーム色・マイルドな風味 | パンケーキ・和食系 |
日本に流通しているテフ粉のほとんどはエチオピア産の輸入品です。品質管理の観点から、残留農薬検査済み・グルテンフリー認証取得済みの商品を選ぶと安心です。価格は商品によって異なりますが、200〜300g入りで700〜1,500円程度が目安です。
📦 保存方法の基本
テフ粉は粒状のテフよりも酸化が進みやすく、香りや風味が落ちやすい特徴があります。保存方法は状況別にこう分けて考えると整理しやすいです。
- 未開封:直射日光を避けた冷暗所での常温保存でOK
- 開封後:密閉容器(チャック付き袋・ガラス瓶)に移して冷蔵保存
- 夏場・長期保存:冷凍庫に入れて保管する
冷凍保存の場合、使う量だけ小分けにしておくと便利です。冷凍しても品質はほぼ損なわれず、使いたいときに常温に出して5〜10分置けばすぐ使えます。冷蔵・冷凍保存が原則です。
⚠️ 知っておきたい注意点
テフ粉は「フィチン酸」を含んでいます。フィチン酸は亜鉛やカルシウムなどのミネラルの吸収を一部阻害する働きがあるとされており、これはテフに限らず多くの穀物や豆類に共通する成分です。ただし、テフはフィチン酸の影響を受けにくく鉄の吸収性が良いとされています。過剰摂取にならなければ問題ありません。
また、テフ粉そのものはグルテンを含みませんが、製造工場によっては小麦を扱う施設で製造されている場合があります。小麦アレルギーが強い方や重度のセリアック病の方は、「コンタミネーション(混入)なし」と明記されている製品を選ぶことが条件です。
日常的に使い続けることが大切で、1日大さじ1〜2杯(約10〜20g)を目安にスムージーや料理に加えるところから始めると無理なく習慣化できます。

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