砂糖不使用なら赤ちゃんに毎日たっぷり与えても大丈夫、は間違いで、与えすぎると鉄欠乏性貧血のリスクが上がります。
砂糖不使用のプレーンヨーグルトを赤ちゃんに与えてよいのは、一般的に離乳食中期にあたる生後7〜8ヶ月頃からとされています。この時期になると赤ちゃんの消化機能が少しずつ発達し、舌と上顎で食べ物をすりつぶして飲み込む動作ができるようになります。ヨーグルトはペースト状で飲み込みやすく、この時期の食感練習にも向いています。
ただし、乳製品が初めての場合は月齢に関係なく「小さじ1杯(約5g)」からスタートが基本です。大切なのはアレルギー反応が出ないかを確認することで、最初から50gを一気に与えることは避けましょう。問題がなければ翌日以降に少しずつ量を増やしていくのが安心な進め方です。
こども家庭庁が発行する「離乳スタートガイド」では、月齢ごとの1回あたりの目安量を次のように示しています。
| 離乳食の時期 | 月齢の目安 | 1回あたりの目安量 |
|---|---|---|
| 離乳食中期(もぐもぐ期) | 生後7〜8ヶ月 | 50〜70g |
| 離乳食後期(かみかみ期) | 生後9〜11ヶ月 | 80g |
| 離乳食完了期 | 生後12〜18ヶ月 | 100g |
この量はあくまで目安であり、チーズやスキムミルクなど他の乳製品と合算した量として考える必要があります。つまり乳製品は合計で考えることが条件です。たとえば離乳食後期に料理でチーズを5g使った日は、ヨーグルトを80gではなく少し少なめにする調整が必要になります。
与える頻度は毎日ではなく、2〜3日に1回程度を目安にしているケースが多く見受けられます。赤ちゃんが食べたがっても上限を守ることが、健康を守るうえで重要なポイントです。
参考:こども家庭庁「離乳スタートガイド」にもとづく月齢別目安量(乳と乳製品の摂取量)
こども家庭庁 乳幼児の健康・栄養に関する情報
スーパーのヨーグルトコーナーには「砂糖不使用」「プレーン」「無糖」とさまざまな表記の商品が並んでいます。しかし「砂糖不使用」と書かれていても、赤ちゃんの離乳食に使うには注意が必要な商品が混在しています。ここは要注意のポイントです。
選ぶ際に確認すべき4つの基準を以下に整理しました。
「砂糖不使用」という表記だけを見て安心してしまうのはよくある落とし穴です。必ずパッケージの裏面にある原材料名をチェックする習慣をつけましょう。原材料がシンプルなものを選ぶだけでOKです。
なお、赤ちゃん向けとして販売されている「ベビーダノン」シリーズには鉄・カルシウム・ビタミンDが強化されており、栄養面で優れています。ただし、一部のシリーズには砂糖が含まれているため、「プレーン(砂糖不使用)タイプ」を選ぶ必要があります。ベビーダノンのプレーンは乳糖の甘みだけで作られており、砂糖は添加されていません。この点を確認してから購入しましょう。
参考:雪印メグミルクのお客様センター「離乳食でのヨーグルトの活用について」
雪印メグミルク よくあるご質問(栄養・健康)
牛乳を原料とするヨーグルトは、乳製品アレルギーを引き起こす可能性がある食材のひとつです。厚生労働省のガイドラインでも、乳は鶏卵・小麦と並ぶ「三大アレルゲン」として注意が必要とされています。はじめてのヨーグルトは慎重に進めることが大前提です。
初めて与える際には、必ず以下の手順を踏んでください。
なお、口の周りが赤くなる場合でも、すべてがアレルギーとは限りません。ヨーグルトの酸味による皮膚への刺激でかぶれることもあるため、全身の様子と合わせて判断することが重要です。気になる症状があった場合は自己判断せず、小児科を受診するのが原則です。
予防接種を受けた当日・翌日は、副反応とアレルギー症状の区別がつきにくいため、新しい食材のデビューは避けましょう。また、体調が悪い日は消化機能も落ちているので先送りにするのが正解です。
参考:厚生労働省「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(2019年改訂版)」
厚生労働省 保育所におけるアレルギー対応ガイドライン(PDF)
砂糖が入っていないから毎日たっぷりあげても安心、という考え方には落とし穴があります。乳製品に含まれるカルシウムは、鉄分(非ヘム鉄)の吸収を妨げる性質を持っています。これは医療機関でも指摘されている事実です。
生後9ヶ月以降になると、母乳に含まれる鉄の量が赤ちゃんの成長に必要な量を下回ってきます。この時期に離乳食からしっかり鉄を摂ることが非常に重要になるのですが、ヨーグルトを与えすぎると鉄の多い食材(レバー・ほうれん草・小松菜など)を食べる量が減り、さらに鉄の吸収効率も落ちるという二重のリスクが生じます。結論は「鉄に注意が必要」ということです。
鉄欠乏性貧血になると、赤ちゃんの顔色が青白くなったり、ぐったりして機嫌が悪くなったりする症状が現れます。脳や神経の発達にも影響するため、離乳食期の鉄不足は軽く見てはいけません。
ヨーグルトを離乳食に取り入れる際は次の点を意識しましょう。
ダノン社のベビーダノンには鉄が強化されているため、「ヨーグルトを与えながら鉄も補いたい」という場合には選択肢のひとつとして参考にできます。ただし砂糖不使用かどうか確認してから選ぶことを忘れずに。
参考:田村こどもクリニック「鉄欠乏性貧血とは」
田村こどもクリニック 鉄欠乏性貧血について
無糖のプレーンヨーグルトは大人でも酸っぱいと感じることがあるくらいで、まだ味覚が敏感な赤ちゃんが嫌がることは珍しくありません。酸味を和らげながら自然な甘みと栄養を追加するアレンジが、ヨーグルト嫌い対策として効果的です。これは使えそうです。
月齢別に取り入れやすいアレンジ例を紹介します。
| 月齢 | おすすめアレンジ | 追加できる栄養 |
|---|---|---|
| 中期(7〜8ヶ月) | バナナをすりつぶして混ぜる「バナナヨーグルト」 | カリウム・マグネシウム(カルシウム吸収を助ける) |
| 中期〜後期 | 加熱してつぶしたかぼちゃやさつまいもと混ぜる | β-カロテン・食物繊維 |
| 後期(9〜11ヶ月) | ほうれん草ペーストをヨーグルトに加える | 鉄分・ビタミンC |
| 完了期(12ヶ月〜) | すりおろしリンゴを加熱して混ぜる「りんごヨーグルト」 | ペクチン(整腸効果) |
バナナに含まれるマグネシウムはカルシウムの吸収をサポートするため、ヨーグルトとの食べ合わせとして理にかなっています。保育園の現場でも「バナナヨーグルト」は不動の人気メニューとして活用されていることが多いです。
一方、注意したいのが「市販のフルーツヨーグルト」を代用することです。市販のフルーツ入りヨーグルトには砂糖が多く含まれているものが大半であり、また赤ちゃんがまだ食べていない果物が入っている可能性もあります。月齢が低いうちは手作りのアレンジに留めるほうが安全で、栄養面でも管理がしやすくなります。
また、ヨーグルトをキッチンペーパーで水切りすると、より濃厚でクリーミーなテクスチャーになります。水切りヨーグルトは離乳食の固さ調整に使いやすく、後期以降のメニューのバリエーションを広げる工夫として取り入れてみましょう。水分(ホエイ)にも栄養が含まれているため、スープなどに加えて無駄なく活用できます。
これは多くの検索記事では触れられていないポイントです。スーパーのヨーグルトコーナーで「糖類ゼロ」「カロリーオフ」と書かれた砂糖不使用ヨーグルトを見かけることがあります。価格も手ごろで、一見すると赤ちゃんに良さそうに見えますが、この種類の商品は離乳食には不向きです。
「糖類ゼロ」の砂糖不使用ヨーグルトには、砂糖の代わりにスクラロース・アスパルテーム・アセスルファムKといった人工甘味料が使われていることがあります。これらは大人のダイエット目的で設計されたもので、乳幼児への安全性については十分な研究データが揃っていないのが現状です。
日本小児科学会や厚生労働省は現時点で乳幼児への人工甘味料の安全な摂取量を明示していませんが、「乳幼児には使用しないことが望ましい」という考え方が現場の栄養士・小児科医の間では一般的です。
意外な盲点はまだあります。「砂糖不使用」と記載していても、「果糖ぶどう糖液糖」や「乳糖果糖オリゴ糖」が入っている商品があります。果糖ぶどう糖液糖はコーンシロップ由来の液体糖であり、血糖値の急上昇を招く特性がある成分です。赤ちゃんに使う場合には特に避けるべき原材料といえます。
選び方のチェックリストとしてまとめると以下のようになります。
スーパーでヨーグルトを選ぶ際には、商品名や「砂糖不使用」という文字だけを見て選ばず、必ずパッケージ裏の原材料欄を確認する習慣をつけることが、赤ちゃんを守るうえで最も効果的な行動です。
人工甘味料を含む商品かどうかは原材料ラベルを確認するだけで判断できます。「生乳・乳製品のみ」になっているかどうかを1秒で確認するだけでOKです。この1アクションが大切です。